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Entry 2019/02/27
Update

『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』あらすじネタバレと感想。前作の内容解説と川村監督の2つのチャレンジ

  • Writer :
  • 村松健太郎

映画『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』は、2019年3月21日より公開。

渡辺あゆの原作コミックの映画化。2014年に山崎賢人&剛力彩芽のW主演で映画化された『L・DK』のキャストを一新した続編的な作りになっていいます。

ヒロインは『君の名は。』『ちはやふる』三部作の上白石萌音。相手役に『春待つ僕ら』杉野遥亮と『愛唄―約束のナクヒト―』の横浜流星。

監督は前作から続投の川村泰祐。

前作のハイライトシーンを今回のキャストで再現しなおすという一工夫があります。

映画『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』の作品情報


(C)「2019 L・DK」製作委員会

【公開】
2019年(日本映画)

【原作】
渡辺あゆ

【脚本】
江頭美智留

【監督】
川村泰祐

【キャスト】
上白石萌音、杉野遥亮。横浜流星、高月彩良、堀家一希、町田啓太、秋田汐梨、黒坂莉那、濵尾咲綺、宮原響

【音楽】
遠藤浩二

【作品概要】
「別冊フレンド」で連載の渡辺あゆの少女漫画を、2014年に『L・DK』として剛力彩芽と山崎賢人の主演で映画化した作品を、上白石萌音、杉野遥亮、横浜流星の共演で再映画化。

葵役を上白石萌音、柊聖役を杉野遥亮、玲苑役を横浜流星が演じており、2014年版で監督を務めた川村泰祐が再度、演出をしました。



映画『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』のキャラクターとキャスト


(C)「2019 L・DK」製作委員会

西村葵(上白石萌音)
高校三年。素直で明るく、正義感の強い女子高生。

久我山柊聖(杉野亮祐)
学校一のイケメンで成績優秀、スポーツ万能。葵と秘密の同棲中。

久我山玲苑(横浜流星)
柊聖の従兄弟。アメリカで生まれ育つ。口が悪い。

久我山草樹(町田啓太)
柊聖の兄。葵に手を出したこともあったが今は二人を応援中。

渋谷萌(高月彩良)
葵の同級生で、同性の秘密を知っていいて何かとサポートする。

佐藤亮介(堀家一希)
柊聖の幼馴染で、今は萌の恋人。

前作のおさらい!『L・DK』(2014)のあらすじネタバレ


(C)2014「L・DK」製作委員会

西森葵は、親友の萌をあっさりとフッた同学年のイケメン久我山柊聖に、文句を言うために呼び出します。

ところがもみ合いになったなか、柊聖を階段から突き落としてしまいます。

ケガをした柊聖を家まで送り届けますが、たどり着いたのは葵が一人暮らしをしていたアパート。

実はふたりはお隣さん同士でした。

ケガをした柊聖の代わりにいろいろと家事をさせられていた葵は、うっかり消火スプリンクラーを作動させてしまい、柊聖の部屋を水浸しにしてしまいます。

やむを得ず、秘密の同居生活を送ることになった葵と柊聖。

学校一のイケメンとの交際、さらに高速で禁止されている同棲がばれれば葵の生活は大騒ぎになります。

萌やその彼氏の亮介の協力もあって何とか生活を送っていきます。

秘密の生活の中で柊聖に惹かれ始める葵ですが、柊聖の気持ちが分からず、さらに柊聖の元カノの桜月や柊聖の兄、葵のバイト先の三条などが二人の間に現れ、二人の関係はギクシャクしてしまいます。

それでも、徐々に距離を縮めていった二人は七夕の夜の花火大会で想いを伝えあうのでした。


(C)2014「L・DK」製作委員会

映画『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』のあらすじとネタバレ


(C)「2019 L・DK」製作委員会

秘密の同棲生活を送る葵と柊聖(しゅうせい)。

同棲が発覚すれば退学させられるかもしれず、多少窮屈な生活ではあるものの、両想いになっているということが葵を安心させます。

そんなある日。アメリカで暮らしていた柊聖の従兄弟の玲苑(れおん)現れます。

柊聖にあこがれを抱いていいた玲苑は、柊聖がアメリカでのエリートコースを捨てて、日本に残っていることに疑問を抱きます。

柊聖からは恋人の存在を聞いていた玲苑は、柊聖ほどの男の相手となる女子は、どれだけハイスペックな相手なのかと調べ始めますが、それが葵だと知ると唖然としてしまいます。

玲苑は、葵を平凡な70点の女と評して認めようとしません。

それを聞いた柊聖は、一緒に暮らせば葵の魅力が分かると言い切ります。

そして、話の流れから玲苑もまた、二人と共同生活を送ることになります。

以下、『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』ネタバレ・結末の記載がございます。『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)「2019 L・DK」製作委員会

最初は葵を否定していた玲苑でしたが、その一生懸命な姿が気になっていきます。

校内で柊聖と付合っているのではないかという噂になった葵を助けるために、玲苑は自分が葵の相手だと宣言します。

事態を収めるためのとっさの嘘でしたが、葵は校内で玲苑と恋人のふりをすることになってしまいます。

そのことで、ギクシャクし始める葵と柊聖。

さらに柊聖が葵に内緒でアメリカの大学への進学を考えていたことで、二人の将来に暗い影が差します。

葵にふさわしい男になるための柊聖の考えでしたが、それは葵を不安にさせるだけでした。

葵、柊聖、玲苑三者三様の想いを抱えた中で、一緒に暮らしていきたいという葵の純粋な想いを改めて感じた柊聖は学校中の生徒が見ている中で改めて葵に想いを告白するのでした。

映画『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』の感想と評価


(C)「2019 L・DK」製作委員会

2つのチャレンジ

本作『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』では、2つのチャレンジが込められています

1つは、キャストを総入れ替えしての続編。もう1つが(ハッピー)エンドの先を描くことです。

前者はなかなか大胆な手段です。

前作が2014年ということで5年が経過したなかで、続編を作ることになった時に、一から物語を語りなおすではなく話の途中から映画を始めるという大胆な方法をとりました。

この二つのブリッジ策として、作品冒頭に前作のメインシーンを新キャストで撮りなおしています。

この辺りは、監督が前作と同じ川村監督というとこもあって、きれいに再現されています。

もう一つのチャレンジはさらに難しい事柄です。

一度完全に終わった物語の続きをどうするのか?

原作の中に材料があるにせよ、なかなか難しいことです。

これに対して、キャストがガラッと変わったことが上手い具合にリフレッシュさせてくれます

同じキャストであれば長めのエピローグにしか見えなかったかもしれませんが、キャストが変わったことでうまい方向に作用しました。

何度も使える方法ではないですが、飽和状態になりつつある青春劇を作るに際には使える手段かも知れません。

まとめ


(C)「2019 L・DK」製作委員会

高校3年生の西森葵。

彼女は学校イチのイケメンで知られる久我山柊聖の家でボヤ騒ぎを起こしてしまい、それがきっかけとなり、柊聖は葵の家で一緒に暮らしはじめます。

2人は次第に惹かれあうようになり、楽しい同居生活を送っていましたが、アメリカから突然、柊聖の従兄弟の久我山玲苑がやって来ます。

2人は必死に同居の秘密を隠そうとしますが…。

前作2014年版の『L・DK』から続投した川村泰祐監督が、2019年版『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』でも演出を務めます。

前作のハイライトシーンを本作のキャストで再現しなおすという、ひと工夫に注目です。

映画『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』は、2019年3月21日より公開



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