パワー&ウェイトアップしたブリジットに再び会える続編!
恋や仕事に一生懸命な独身女性を描いた大ヒット作『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001)の続編。
レネー・ゼルウィガー、コリン・ファース、ヒュー・グラントら魅力あるキャスト陣が続投。一方で監督は『3人のエンジェル』(1996)で知られるビーバン・ギドロン監督に交代しました。
さらにぽっちゃり度を増したブリジットが新たな悩みを抱えて迷走し大爆笑をさらう本作の魅力をご紹介します。
CONTENTS
映画『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』の作品情報
【公開】
2005年(アメリカ映画)
【原作】
ヘレン・フィールディング
【脚本】
アンドリュー・デイヴィス、ヘレン・フィールディング、リチャード・カーティス、アダム・ブルックス
【監督】
ビーバン・ギドロン
【編集】
グレッグ・ヘイデン
【出演】
レネー・ゼルウィガー、ヒュー・グラント、コリン・ファース、ジム・ブロードベント、ジャシンダ・バレット、ジェマ・ジョーンズ
【作品概要】
ヘレン・フィールディング原作の同名ベストセラーを映画化したロマンティック・コメディ『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001)の続編。
前作のシャロン・マグワイアに代わり、『3人のエンジェル』(1996)のビーバン・ギドロンが監督を務めます。また脚本は原作者のフィールディング、『ラブ・アクチュアリー』(2004)のリチャード・カーティスらが続投。
前作に続き、主演を『ジュディ 虹の彼方に』(2020)でアカデミー賞主演女優賞を受賞した演技派レネー・ゼルウィガーが続投するほか、『英国王のスピーチ』(2011)でアカデミー賞主演男優賞を受賞したコリン・ファース、『ノッティングヒルの恋人』(1999)のヒュー・グラントも再集結しています。
映画『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』のあらすじとネタバレ
新しい年に新たに日記をつけ始めたブリジット・ジョーンズ。
実家に戻った彼女は毎年恒例のパーティーへ。でも今年はいつもと違います。パーティーには彼女とお揃いの雪だるま柄のセーターを着た恋人のマークも来ているのですから。
ハッピーエンドの後はどうなるのかという疑問を抱える彼女が、マークとつき合い始めて6週間。弁護士のマークは最高の恋人です。
マークが残業のためにデートできなくなった晩。嫌味なジェイニーから、マークがレベッカという女性と自宅にいたことを聞かされたブリジットは、マークの家へ向かいます。
天窓から部屋を覗きますが、ずり落ちて泥だらけになったブリジット。仕方なくドアをノックした彼女を迎えたのは美人のレベッカでした。
思わず部屋に飛び込むと、ズラリ弁護士たちが座っています。ブリジットはつくり笑いで取り繕い、マークに謝りました。彼は彼女を受け入れます。マークとの結婚を夢見るブリジット。
ある日彼女は、テレビ局で番組司会者となった女好きのダニエル・クリーヴァーと再会します。彼はセックス・セラピー中だと話し、食事に誘いますが、ブリジットは断ります。
弁護士のパーティーに行くことになったブリジットは、ドレス、ヘアセット、メイクどれも失敗するものの、負けずに奮闘。しかし、スマートなレベッカや弁護士たちに嫉妬してマークとケンカになります。
帰宅後、マーク宅の留守電に向かって謝罪の言葉をしゃべっていたブリジットのもとに、当のマークがやってきました。
入口で「愛してる」と言ってくれた彼をブリジットは大喜びで迎え入れ、合鍵を渡します。その後、マークは彼女をスキー休暇に誘います。
映画『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』の感想と評価
ハッピーエンドのその後とは?
前作『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001)でエリート弁護士のマークと結ばれたブリジット・ジョーンズ。冒頭で彼女の「ハッピーエンドのその後とはどんななの?」という疑問が問いかけられます。
思いが通じ合ってハッピーになった後、誰もがいろいろな厳しい問題に突き当たることでしょう。ブリジットとマークもさまざまな試練に向き合うこととなります。
前作は「独身で彼氏のいない女性の悩み」が描かれましたが、本作では「彼氏とのハッピーエンド後の悩み」にスポットが当てられます。
弁護士パーティーに参加し、優秀な人々を前に強い劣等感を抱いたブリジットは、その反動もあって逆に頭の良い人たちをバカにするようなことをつい口に出してしまい、生真面目なマークを傷つけます。
また、嬉しそうに子どもが生まれてからのことを想像していたふたりは、子どもの教育方針について真っ向から対立。マークは息子なら名門イートン校に入れると語り、ブリジットは反対します。
イートン校というのは数多くの首相を輩出する英国一の超名門校です。そんなエリート校に、ダーシー家の男子は代々入学しているからと事もなげに言うマーク。玉の輿を狙う女子ならともかく、普通は思わずビビってしまいますよね。
ブリジットも強く拒絶感を示し、寄宿舎ではなく一緒に暮らしたいと答えます。その後、つい悪いクセで「ファシズムの学校なんて」と言ってしまうのです。さすがにこれはアウトでした。ふたりの間に深い亀裂が入ったところに、美しいレベッカとの浮気疑惑も浮上し、とうとうブリジットはマークと一度別れてしまいます。
そんな中、タイ出張中のブリジットが、知らぬうちに麻薬の運び屋となって逮捕されてしまいます。彼女を助けるためにマークは奔走し、必死で彼女を助け出しました。
ブリジットがまっすぐマークのもとへ帰れたのは、彼から本当に愛されているということを実感できたからでした。またマークも、自分に真正面から向かってくる彼女の一生懸命さに心動かされます。
ブリジットはマークが脱いだパンツをたたむところを嫌がりますが、そんな些細なことにこそ一緒に暮らすことの難しさがよく表れています。誰しも価値観の違いはありますが、それをどう受け入れるか、もしくはそれを上回る好意を持てるかどうかに関係を続ける鍵はあるのではないでしょうか。
ブリジットとマークが危機を乗り越えられたのは、お互いを思う気持ちが何よりも大事だということに気づけたからに違いありません。
シリーズならではのお約束シーンがたまらない
世界的大ヒットとなった第1作目。本作から観てももちろん十分楽しめるのですが、ファンならたまらないお約束シーンが多々登場するのも大きなみどころとなっています。
まずはブリジット自身も「特大のお尻」と呼ぶ見事なヒップ。彼女のトレードマークです。主演のレネー・ゼルウィガーは前作よりさらに体重を増量して、その魅力をさらにパワーアップさせています。
ブリジットのヒップは、テレビでも大人気。スカイダイビングをリポートする彼女を映すカメラに向かって、プロデューサーが「尻を映せ!」と大声で指示します。大きなお尻が映しだされた彼女は、人気リポーターとなりました。今だとセクハラでアウトかもしれませんが、ブリジット相手だとつい笑ってしまいます。
そしてそのヒップに欠かせないのが「デカパン」です。ドレスをきれいに見せるために効果抜群の固いガードルをうめきながら引っ張り上げるシーンや、ダニエルと危うい関係になりそうになった時に登場する強烈アイテム。ダニエルが「おお、懐かしき友よ」と話しかけるシーンは最高です。タイの空港の荷物検査でも出てきます。
しかし、一番の名場面はやはり男ふたりのケンカシーンでしょう。そのへっぽこ具合がなんとも絶妙。マークとダニエルだったら殴り合いもこんなものだろうなと納得させるリアル感は健在です。
それでも、ブリジットが逮捕される瞬間を見ていながらそのまま去ったダニエルを許せないというマークの思いにはやはりちょっとキュンとしてしまいます。
まとめ
世界中の女性の共感を呼び大ヒットとなった『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001)の待望の続編の本作には、主人公のブリジット、そしてマークとダニエルという人気キャラクターが再集結しました。
さらにパワーアップしたブリジットがファンを裏切らない大騒動を繰り広げます。ブリジットを演じるレネー・ゼルウィガーは思わず「名人!」と言いたくなるほどの化けっぷり。磨きのかかったキュートさに脱帽です。
いつも眉間にしわを寄せている生真面目なマークと、テレビマンに転身した相変わらず残念なイケメンのダニエルも嬉しくなるほど期待通りの大活躍をみせてくれます。
彼氏がいない悩み、彼氏とうまくいかない悩み、結婚したら子育ての悩み…と女子たちの悩みは尽きません。
それを笑いに変えてリアルに描いた本作から、きっと明日をがんばるパワーをもらえるに違いありません。