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『ビクター/ビクトリア』ネタバレあらすじ感想と結末の評価解説。ミュージカルでジュリー・アンドリュースとブレイク・エドワーズが魅せるゲイの恋の行方

  • Writer :
  • くろみずし

ジュリー・アンドリュース主演の『ビクター/ビクトリア』

『ティファニーで朝食を』(1961)や「ピンク・パンサー」シリーズの監督ブレイク・エドワーズのミュージカル映画、『ビクター/ビクトリア』。

ビクトリアを男装させ売出し、貧困生活から抜け出そうとします。思わぬところに恋の落とし穴もあり、最後まで目が離せない作品です。

極貧生活を送るソプラノ歌手のビクトリアと、お店をクビになったゲイのトディが、人生を一発逆転を狙います。

ブレイク・エドワーズ監督の妻ジュリー・アンドリュースを主演に抜擢しています。イギリス版ブロードウェイ出身の実力をとくとご覧ください。

映画『ビクター/ビクトリア』の作品情報


(C)1974 MEDUSA DISTRIBUZIONE srl ALL RIGHTS RESERVED.

【公開】
1982年(アメリカ映画)

【原作】
VICTER/VICTORIA

【監督】
ブレイク・エドワーズ

【キャスト】
ジュリー・アンドリュース、ジェームズ・ガーナー、ロバート・プレストン、レスリー・アン・ウォーレン、アレックス・カラス

【作品概要】
『ビクター/ビクトリア』の監督は、『ティファニーで朝食を』(1961)『ピンク・パンサー シリーズ』のブレイク・エドワーズです。

主演は『サウンド・オブ・ミュージック』(1964)、『メリー・ポピンズ』(1964)のジュリー・アンドリュース、西部劇で知名度の高いロバート・プレストン共演でまとめています。

映画『ビクター/ビクトリア』のあらすじとネタバレ


(C)1974 MEDUSA DISTRIBUZIONE srl ALL RIGHTS RESERVED.

トディは同じベットで男性と一緒に目を覚ましました。トディの彼氏リチャードは、彼のお財布からお金を抜いて先に部屋を出ていきました。

トディは雪が少し残る街を歩きながらクラブ・シェ・ルイに向かいました。そこでは歌手のオーディションが行われていました。

歌っていたのはビクトリアという女性です。審査員に気に入られず、ビクトリアは怒りながらお店を後にしました。

ビクトリアは極度の空腹のなか、なんとか住まいにしているホテルにたどり着きました。するとオーナーから未払いの宿代を請求せれてしまいます。

しかし、ビクトリアは空腹のため力尽きて倒れてしまいました。オーナーは体の関係を迫られたと勘違いし、ベットまでビクトリアを運びます。

ビクトリアが目を開けてベットの上を見ると、ゴキブリがベットの上にいたので叫び始めました。

オーナーは保健所に言わない代わりに宿代をタダにしろという作戦だと思ったため、ビクトリアが夜逃げしないように人質としてビクトリアの荷物を持って部屋から去っていきました。

トディがお店(クラブ・シェ・ルイ)の舞台で歌っているシーンに移ります。パリのゲイの歌を披露しています。

舞台が終わると、トディはお客さんと揉めてしまい、お店がめちゃくちゃになってしまいました。

終いには警察もやってくる騒動になってしまい、店は1週間の営業停止になってしまいました。お店のオーナーはトディにクビを伝え、店から出ていけと叫びました。

ビクトリアはお腹をすかせながらレストランにやってきました。すると窓からトディがビクトリアを見つけ、席にやってきました。

ビクトリアはトディを席に誘いました。トディはビクトリアがオーディションのときは破産寸前に見えたことを伝えると、ビクトリアはある作戦を伝えます。

それはカバンに隠しているゴキブリをサラダに入れて料金をタダにしてもらうというものでした。トディも作戦に加わり、タイミングを見計らって実行しました。

作戦が失敗に終わろうとした直後、ゴキブリが他のお客さんのところに現れ大騒ぎになり、その騒動の最中に2人はお店を抜け出しました。

お店を抜けた2人は雨に打たれてしまったので、トディの家で洋服を乾かすことにしました。

ビクトリアの服が乾かしている間に縮んでしまったので、トディの元彼リチャードの服を借りてホテルに戻ることにしました。

するとリチャードが急に部屋にやってきたので、ビクトリアはクローゼットの中に隠れました。

トディはリチャードにお金を返すように要求すると、悪態をつかれたのでビクトリアがクローゼットを開けられたタイミングで思いっきりパンチをして追い出しました。

トディは男装したビクトリアを見て突然思いつきました。それは、ビクトリアを男装させて一儲けしようというものでした。

そして2人はカセル氏の元へ向かい、6週間後からビクトリアとトディのショーを始めることで合意しました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『愛が微笑む時』ネタバレ・結末の記載がございます。『ビクター/ビクトリア』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

ショーの練習をはじめました。周りはみんなビクトリアが男性だと思い込んでいました。

観客にシカゴで大きいクラブのオーナーをしているキングがいました。見事舞台は大成功。

舞台挨拶でビクトリアは被り物を外し短髪姿を披露します。観客は女性と思って見ていたので、男性だったことに驚きます。

キングもみごとにやられてしまいました。ショーのビクトリアにうっとりしていたので、男だと知り唖然としました。

舞台裏にキングがやってきました。そしてキングはビクトリアと2人きりになり、男性とは信じがたいといいました。そして、キングはホテルへと戻っていきました。

同じホテルにビクトリアとトディも戻りました。トディが部屋を開けると豪華な部屋にシャンパンが用意されていました。

2人は部屋でくつろいでいました。その部屋はなんとキングの部屋の窓から見える位置だったのです。トディとビクトリアがハグしているのが見えたのです。

再び舞台のシーンに戻ります。キングは再び観に来ていました。今回のショーも前回同様女の設定で舞台に立ちラストに被り物を取り観客をあっと驚かせました。

キングはホテルに戻り、ビクトリアに会うために作戦を練りました。ビクトリアの部屋に侵入し、帰りを待ちました。

お風呂場のクローゼットに隠れビクトリアが服を脱ぐのを隠れて見ていました。ビクトリアの体が女性であることがわかりました。キングは静かにビクトリアの部屋から抜け出しました。

キングがクラブへの出演を高額で申し込んできました。そしてディナーを共にすることになりました。

ディナーではキングはビクトリアを試すような質問ばかりしていました。お店からクラブに移動すると、ビクトリアが急遽歌を披露することになりました。

すると披露している最中にハプニングで客達と騒動に発展しました。荒れる店内のなかでキングはビクトリアを守り、2人で外へ出ていきました。

するとキングが‟男でも構うものか”といいながらキスをしました。するとビクトリアは‟男じゃないわ”と答え、それでも構わないと2人は抱き合いました。

ホテルへ戻りキングとビクトリアはベットで抱き合っていました。勘違いしたボディーガードが部屋に飛び込んできました。

ビクトリアが男だと思っていたのでとても驚いていたのです。ボディーガードに話しかけると、私もゲイだとカミングアウトし、キングにキスをして部屋へ戻っていきました。

キングは神妙な面持ちで部屋に戻ってきて、‟これからどうする?”とキングはビクトリアに聞きました。

キングは男のフリをするのは辞めてほしいと言いました。しかし、ビクトリアは成功を手放すわけにいかないのです。

‟同性愛者と思われるのが嫌なのね”と言うと、そのとおりだと認めました。いい関係ではないと言いながら、2人はキスをしました。

ビクトリアは部屋に戻るとキングのボディーガードとトディが2人でベットにいました。

ビクトリアのショーが終わると控室にキングがいました。そして一緒に住もうと提案してきたのです。

ホテルで2人での暮らしが始まると2人は毎日ホテルでご飯を食べました。ビクトリアはキングにダンスをしたいとお願いをしました。

ダンス会場を去り、キングはビクトリアと一緒にホテルに戻らず酒場へ訪れました。そこでキングはその場にいた客と殴り合いの喧嘩をします。

目を覚ましサウナへ行くと共同経営者サルが現れました。そしてマフィアではゲイは許されないと言われたのです。

トディのもとにビクトリアが戻りました。そして、ビクトリアは明日を最後の舞台にすると言い始めました。そしてキング夫人になると宣言をしました。

サルとキングの元へビクトリアが現れました。そしてビクトリアは自分が女性であることを証明しました。

ビクトリアが男性として舞台に立つ最後の日です。しかしビクトリアはキングの隣に座っていました。ビクトリアとして紹介され、舞台に立ったのはトディでした。

会場は笑いで満ち溢れ、舞台は違った形で成功。みんなが笑顔で幕を閉じます。

映画『ビクター/ビクトリア』の感想と評価


(C)1974 MEDUSA DISTRIBUZIONE srl ALL RIGHTS RESERVED.

窮地に立たされた2人だからこそ生まれた奇想天外な発想が思わぬ方向へと人生を歩ませます。

男装したビクトリア(ビクター)に恋をしてしまう人が現れるとは誰が想像できたでしょうか。またその恋は女だろうが男だろうが関係ないと相手に思わせるほど、舞台の上でのビクトリアは輝いていました。

まるで宝塚の男役に惚れてしまうように、キングだけでなく見た人がビクトリアのファンになってしまいます。

ミュージカル映画でありながら、歌って踊っているシーンはそれほど多くありませんでした。しかしながら、舞台のシーンは本格的で、どの演目もウキウキするものになっています。

ビクトリアが本当は女性だとわかっていながらも、つい忘れて美しい男性として舞台のシーンを見てしまうのもビクトリアを演じたジュリー・アンドリュースの実力なのでしょう。

ビクトリアの変わりに最後はトディがビクトリアとして舞台に立つシーンは、本作の今までの舞台とはまた一風変わったもので楽しめます

まとめ

『メリー・ポピンズ』(1964)や『サウンド・オブ・ミュージック』(1964)など、誰もが知っている有名ミュージカル映画で主演を努めたジュリー・アンドリュースが、ビクトリアというキャラクターを輝かせました。

本作は女性が男装して世間を欺くストーリーでしたが、『トッツィー』(1982)では、男性が女装してヒットするという設定で制作されています。

同じ年に似た設定で公開されたこの2つの作品を見比べてみるのも楽しいのではないでしょうか。

奇想天外な発想にあなたも騙されてはみませんか? 山あり谷ありな人生に希望を見つける光となる作品です。

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