Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ラブストーリー映画

Entry 2019/11/20
Update

映画『午前0時、キスしに来てよ』あらすじネタバレと感想。主題歌にGENERATIONS from EXILE TRIBEの「One in a Million -奇跡の夜に」を起用

  • Writer :
  • 村松健太郎

映画『午前0時、キスしに来てよ』は12月6日(金)よりロードショー!

『近距離恋愛』『きょうのキラ君』など映画化された作品も多い、みきもと凛の同題コミックをGENERATIONS from EXILE TRIBEの片寄涼太と橋本環奈のW主演で映画化。

国民的スーパースターの人気俳優と、普通の女子高生のリアルなシンデレラ恋愛LOVEストーリー。

片寄と橋本が主人公の2人を演じ、共演の彰役を眞栄田郷敦が務めます。演出は『ひるなかの流星』『四月は君の嘘』の新城毅彦監督です。

映画『午前0時、キスしに来てよ』の作品情報


(C)2019映画「午前0時、キスしに来てよ」製作委員会

【公開】
2019年(日本映画)

【原作】
みきもと凛

【脚本】
大北はるか

【監督】
新城毅彦

【キャスト】
片寄涼太、橋本環奈、眞栄田郷敦、八木ありさ、鈴木勝大、酒井若菜、遠藤憲一

【主題歌】
GENERATIONS from EXILE TRIBE「One in a Million -奇跡の夜に」

【作品概要】
片寄涼太と橋本環奈のW主演による人気コミックを映画化したラブストーリー。共演に眞栄田郷敦、八木ありさ、鈴木勝大、酒井若菜、遠藤憲一らが務め、主題歌「One in Million-奇跡の夜に-」を片寄涼太も所属するGENERATIONS from EXILE TRIBEが担当しています。

映画『午前0時、キスしに来てよ』のあらすじとネタバレ


(C)2019映画「午前0時、キスしに来てよ」製作委員会

優等生の花澤日奈々は、真面目で勉強ばかりしている女子高生。友人の磯山光(るんちゃん)や幼馴染で花屋の息子の浜辺彰(あーちゃん)たち共に平凡なJK生活を送っています。

そんな日奈々ですが、実は頭の中では恋愛に関して興味津々です。

まわりのJKの間で大人気のスター俳優綾瀬楓のことも、何にも思っていないようにふるまっていますが、彼がテレビに出れば胸がトキめいてしまいます。

そんなある日、日奈々の学校で楓が出演する映画の撮影が行われることになります。

生徒会役員だった日奈々は、エキストラとして撮影に参加することに、そして違う世界の住人だと思っていた綾瀬楓と会話をしてしまいます。

翌日、数少ない趣味の映画鑑賞のために映画館に向かうと、そこで楓と再会。撮影が遅れていて、時間が余っている楓は日奈々と共に映画を楽しみます。

このことがきっかけで、交流を深める日奈々と楓、ついには裏表のない日奈々を見て癒しを感じた楓は日奈々と正式に想いを告白して交際を始めていきます。

楓のマネージャーの茂雄は相手がJKと聞いて戸惑いを隠せませんが、楓のいつも見せないリラックスした様子と、日奈々のまっすぐな性格を知り、なんだかんだと文句を言いながら二人を応援していきます。

楓と住む世界が違うことに悩んだり、彰から想いを告白されたりと心揺れる日奈々でしたが、それでも楓への想いは強くなり、楓と共に歩んでいく道を選びます、

ところが、報道で、二人の交際が明るみに。相手が高校生ということもあってバッシングが拡がる中、楓は単独で記者会見をし、騒動を謝罪します。

思い出の映画館で騒動の目をぬって、しばらくぶりに再会した二人。その日は日奈々の誕生日でもありましたが、楓はお祝いの言葉も言えずに、日奈々に別れを告げます。

茂雄から楓が喉の病気で歌手業を諦めざる得なかったこと、そんな楓にとって演技の仕事は唯一の夢だということを聞かされた日奈々は、静かに身を引くことを選びます。

以下、『午前0時、キスしに来てよ』ネタバレ・結末の記載がございます。『午前0時、キスしに来てよ』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)2019映画「午前0時、キスしに来てよ」製作委員会

それから3年。スペイン・バルセロナ。映画祭の表彰式で楓は最優秀男優賞を受賞しました。スキャンダルを乗り越えた楓は俳優として、誰もが認める存在になりました。

受賞を祝うパーティーの直前、大量に届いた祝いの手紙の中にある人物からの手紙を見つけた茂雄は手紙の山からその一通を抜き取りジャケットの裏ポケットにしまいます。

パーティには柊やFunnyboneのメンバーも集まり、賑やかな会となります。主役としてパーティに臨んでいる楓を見た茂雄は思い切って手紙を楓に渡します。

手紙は彰からでした。手紙にはこの三年間の日奈々の出来事が綴られていました。

日奈々は楓と別れてから、ピアノへの夢を叶えるために音大に進んでいました。

彰は今までと変わりなく日奈々を支えていましたが、町中には楓を起用したし広告で溢れていて、日奈々の中から楓を追いやることはできないと悟り、映画祭での受賞を機に手紙を書いたのでした。

手紙には日奈々の誕生日でもある今夜、あの映画館に日奈々がいることが書かれていました。

全てを知った楓は茂雄の助けを借りてパーティーの抜け出すと、3年前の誕生日渡せなかったプレゼントを手に日奈々のもとへ走り出します。

映画館に駆け付けた楓、しかし、劇場は上映が終わっていて、日奈々の姿はありませんでした。

途方に暮れて、劇場を後にしようとしたとき、そこに日奈々の姿がありました。驚く日奈々に対して、楓は改めて愛を告白すると渡せなかったプレゼント。

楓は新しい靴を渡し、日奈々を強く抱きしめます。そして、二人は口づけを交わします。

映画『午前0時、キスしに来てよ』の感想と評価


(C)2019映画「午前0時、キスしに来てよ」製作委員会

本作『午前0時、キスしに来てよ』は、純度100%のキラキラ映画です。スーパースターと平凡なJKの恋物語。

洋画でいえば『プリティ・ウーマン』(1990)や『ノッティングヒルの恋人』(1999)などにも通じる、今の身分の差の恋物語です。

過去にも邦画では、警察官とJKの『PとJK』(2017)や、担任教師とJKの『近距離恋愛』(2014)などの作品もありましたが、今回は更にずば抜けて普通ではない世界観です。

この普通ではない恋愛をすることになる普通のJK・日奈々を演じるのが橋本環奈

意外にもここまで平凡なキャラクターを演じることはなかった彼女ですが、抜群の巧さで、平凡な女の子になり切っています。

一方、文字通りの白馬の王子様キャラの片寄涼太。

俳優としても活動してきていますが、やはり本業でないというとこともあるのか、どこか硬い感じがいつまでも抜けない部分があります。普通の人を演じると無理が出てしまいます。

ただ、今回はそこをうまく逆手にとって“明らかに普通でない人”=綾瀬楓を演じさせることで、その部分をプラスに変えました

2019年の映画『かぐや様は告らせたい』の平野紫耀もそうでしたが、どうしても硬さが気になる人に、それを逆手に取ったキャラクターを見つけて与えてあげれば、十分に機能することがよくわかりました。

まとめ


(C)2019映画「午前0時、キスしに来てよ」製作委員会

キラキラ映画ではありますが、ちゃんとしている映画でもあります。

それは多分にヒロインを演じた橋本環奈の安定感と上手さゆえですが、『四月は君の嘘』『ひるなかの流星』など安定した作品を作り続けている新城毅彦監督の手腕でもあります。

眞栄田郷敦や岡崎紗絵といった若手キャストも大健闘していますし、楓のマネージャーを演じる遠藤憲一の巧さは相変わらずです。

このジャンルの映画は原作をつかまえたところや、キャスティングを決めたところで明らかに映画を放棄している作品も多々あります。

そんなな中で、映画『午前0時、キスしに来てよ』は、当たり前といえば当たり前のことですが、ちゃんとしている映画です。

新城毅彦監督は、ちゃんと映画の道筋を作っていますし、脚本も破綻せずその一方でお約束的な場面や華となる場面を用意しています。

片寄涼太もある意味そのままというような立ち位置のスターを演じ、橋本環奈がコメディエンヌぶりを発揮して映画をピシっとさせます

実はこの冬の映画ではラブストーリーが少なく、そんな中でも貴重な作品といえるでしょう。

関連記事

ラブストーリー映画

映画『愛うつつ』ネタバレ感想と結末解説のあらすじ。キャスト細川岳とnagohoが「恋愛」についての“普通とは何か”を問いかける

2021年1月23日に一足早く特別上映された映画『愛うつつ』。 現在、新型コロナの影響でユーロスペースでの上映は延期、2021年春公開予定。 「愛しているからこそ抱けない」新⽥純と「愛しているからこそ …

ラブストーリー映画

覆面系ノイズ中条あやみ歌とギターは本人?実写映画ニノ役演技評価も

待望の映画化『覆面系ノイズ』は2017年11月25日(土)より全国公開がされます。 福山リョウコ原作の累計100万部突破の人気気No.1恋愛コミックを、主演のニノ役に中条あやみが演じ、三木康一郎監督の …

ラブストーリー映画

『赤い糸 輪廻のひみつ』あらすじ感想と評価解説。ギデンズ・コー監督の台湾映画は冥界・現世を行き来する《輪廻転生》ラブストーリー

映画『赤い糸 輪廻のひみつ』は2023年12月22日(金)よりシネマート新宿・シネマート心斎橋ほかで劇場公開! 『怪怪怪怪物!』(2017)『あの頃、君を追いかけた』(2013)などで知られるヒットメ …

ラブストーリー映画

映画『芳華 Youth』感想ネタバレとあらすじ。結末まで恋する特別な青春の日々

中国4000万人が涙した美しくも切ない物語。 ヴェネチア、トロントなど数々の映画賞を獲得した巨匠フォン・シャオガン監督が描く、1970年代の中国、激動の時代に軍歌劇団として前線で生きる若者。 軍の歌劇 …

ラブストーリー映画

映画『雪の華』あらすじネタバレと感想。登坂広臣と中条あやみ共演で中島美嘉の2003年のヒット曲を映像化

中島美嘉の2003年のヒット曲『雪の華』を基にしたラブストーリー映画『雪の華』は、2019年2月1日(金)より全国ロードショー。 本編の約半分を北欧フィンランドで撮影、爽やかな日差しのさす夏と雪に囲ま …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学