Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ホラー映画

Entry 2019/09/04
Update

ギレルモ新作ホラー映画『スケアリーストーリーズ怖い本』ネタバレあらすじと感想。ラスト結末も

  • Writer :
  • こたきもえか

映画『Scary Stories to tell in the Dark』は2019年8月9日全米公開。

今回ピックアップするのはギレルモ・デル・トロが製作を務めた注目のホラー映画です。

ポスターを見るだけで恐ろしさが満点の新作、『Scary Stories to tell in the Dark(原題)』についてご紹介します!

スポンサーリンク

映画『Scary Stories to Tell in the Dark』の作品情報

映画『Scary Stories to Tell in the Dark』

【製作】
2019年(アメリカ・カナダ合作映画)

【原題】
Scary Stories to Tell in the Dark

【脚本・製作】
ギレルモ・デル・トロ

【監督】
アンドレ・ウーヴレダル

【キャスト】
ゾーイ・マーガレット・コレッティ、マイケル・ガーザ、ガブリエル・ラッシュ、オースティン・ザジュール、ナタリー・ガンツホーン、オースティン・エイブラムズ、ディーン・ノリス、ギル・ベローズ、ロレイン・トゥーサント、マリー・ウォード、カレン・グレイヴ、 ハビエル・ボテット、トロイ・ジェームズ、アンドリュー・ジャクソン、マーク・スティガー、キャスリーン・ポラード、ウィル・カール、エリアス・エドラキ、ジェーン・モファット、アマンダ・スミス、ブランドン・ノックス

【作品概要】
監督を務めるのは『ジェーン・ドウの解剖』(2016)のアンドレ・ウーヴレダル。

主役の女の子、ステラ役にはポール・ダノ初監督作品『ワイルド・ライフ』(2018)に出演のゾー・マーガレット・コレッティ。

ステラの父親役には「ブレイキング・バッド」シリーズや『リトル・ミス・サンシャイン』(2006)とドラマと映画双方で活躍するディーン・ノリス。

そして製作と脚本を務めるのはゴシック・ホラー映画の名匠、『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)でアカデミー賞作品賞、監督賞を受賞したギレルモ・デル・トロ。

アルヴィン・シュワルツが発表した児童文学「誰かが墓地からやってくる」シリーズを原作とする本作はデル・トロ監督の意向により、アンソロジーではなくひとつのストーリーで構成される長編映画の形をとり、発表されました。

映画『Scary Stories to Tell in the Dark』のあらすじとネタバレ

物語の舞台は1968年のペンシルバニア州。

とある小さな街に住む父親と2人暮らしのステラはホラー映画が大好きで小説家になることを目標にしているティーンエイジャー。

ハロウィンの日、彼女は友人のオーギーとチャックと仮装をして出かけ、学校のいじめっ子のトミーにいたずらをしかけました。

トミーと仲間に追いかけられた3人が逃げ込んだのはドライブインシアター。そこで彼らはレイモンという少年に出会い、匿ってもらいます。

ホラー映画好きのレイモンの為に、ステラたちは幽霊屋敷として名高い家を探検することに。それはもともと街の創設に貢献したベロウズ家が所有していたものでした。

彼らは隠し部屋を見つけある本を発見します。それは一家の集合写真から全て削除された謎の女性サラ・ベロウズが記した怪談話でした。

そこに追ってきたトミー達一行が現れ、ステラ達は屋敷に閉じ込められてしまいます。

しかし不思議と扉が開き、無事に彼らは帰宅するのでした。

自分の部屋に戻り本を開いたステラは、新しく“ハロルド”という小説が血で書かれていることを発見し仰天します。その主人公の名前はトミー。

その頃家に帰ったトミーは隣人に食事を届けにトウモロコシ畑を歩いている最中でした。

その時、ハロルドと名付けられたかかしがトミーを追い回し、彼は刺されて怪物に変身しようとしていました。

翌日、トミーが行方不明との話を聞き農場に探しに行ったステラ達はそこでトミーの服を着たかかしを発見。

ステラはトミーがかかしにされてしまったと確信しますが、オーギー、チャック、レイモン達は信じず、警察に届け出ることも否定します。

その日の夜、再びサラの本に”大きな爪先”と題された新たな小説が浮かび上がりました。今度の主人公の名はオーギー。

それはシチューの中に入っている人間の足を食べてしまったオーギーが、その足の持ち主だった死体に追い回されるという内容でした。

ステラは急いでオーギーに連絡し警告しますが、彼は既に得体の知れない怪物に追いかけ回されており、どこかに連れて行かれました。

ステラ達は本を破壊しようと試みますが燃やしても消滅できません。次に浮かび上がった小説は“赤いスポット”。

その夜、チャックの姉ルースはミュージカル出演を控えた舞台裏で自分の顔に何やらおできのようなものを発見します。彼女はそれをどうにかしようとしますが、おできの中から現れたのは何百匹ものクモ。

絶叫するルースのもとに間一髪ステラ達が駆けつけ、ルースは一命を取り止めました。ステラ、レイモン、チャックはこれ以上の被害を抑えるため、サラ・ベロウズの過去を調べることにしました。

以下、『Scary Stories to Tell in the Dark 』ネタバレ・結末の記載がございます。『Scary Stories to Tell in the Dark』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

スポンサーリンク

彼らは調査を進めるうちに精神病院に辿り着きます。

チャックと別行動していたサラとレイモンが忍び込んだ部屋で分かったのは、サラの兄イフラムが一家の工場が街の水を水銀で汚染した事実を隠すため、サラに電気ショックを与えていたという事実。

その頃、従業員たちの追っ手から逃げ惑っていたチャックは赤いライトで照らされた不気味な廊下に迷い込みます。

そんな彼のもとに忍び寄るのはぶよぶよとした外見と顔が気味の悪い“ペール・レディ”という怪物。

ステラとレイモンが駆けつけた時には、怪物はチャックを体内に取り込んでしまっていました。

侵入罪で補導されるステラとレイモン。実はレイモンは徴兵忌避者であることが明かされます。

彼は弟が”バラバラにされて“戦場から帰ってきた経験から、軍隊に行く意思が無くなったと言います。

留置所での夜。新たな怪物がステラたちの元へやってきました。

バラバラの手足や胴体、頭部を自在に合体する“ジャングリー・マン”は最初に警察を殺し、ステラとレイモンに忍び寄ります。

間一髪逃げた2人はベロウズ家の屋敷へ。そこでステラはタイムスリップし、サラ・ベロウズの時代へ行きます。

家族に幽閉され、サラと同じ恐ろしい経験をしたステラはサラの幽霊に向かって「あなたは本当の話を語ろうとした為に家族に犠牲にされた。その悲しみはあなたをモンスターに変えてしまったけれど、殺しをやめたらこれからはあなたの真実を語ることができる」と懇願します。

そして本には恐怖小説ではなく、事実を書くように言います。

ステラの願いは通じ、彼女は現実世界へ帰り、ジャングリー・マンに追われていたレイモンと再会を果たしました。

時は経ち、レイモンは意を決して軍隊へ入隊することを決めました。

ステラと父、回復したルースは未だ行方のわからないチャックやオーギーを探る為旅に出ます。

彼らは無事なのか、それとも…ステラは今回の出来事を自分の物語に書く模様。

新しい出発と事件の余韻を残し、映画は幕を閉じます。

スポンサーリンク

映画『Scary Stories to Tell in the Dark』の感想と評価

ノートに書かれた通りに恐ろしい出来事が起こる…どこか『デスノート』を彷彿とさせる本作の一番の見どころは、次々と現れるモンスターたち。

蒼然のトウモロコシ畑で襲いかかるかかしの“ハロルド”や、切断された手足を自在に組み替える恐ろしい“ジャングリー・マン”、そしてぷよぷよとした身体がどこかキモかわいい(?)“ペール・ガール”。

幼年期の悪夢や恐ろしい記憶がそのまま具現化したような、恐怖のおとぎ話の挿絵から抜け出てきたような怪物たちのヴィジュアルに背筋を凍らせられます。

“Scary Stories to Tell in the Dark”は母との死別や選ばなければいけない道からの逃避など、大きく重たい現実をとある冒険を通して子供たちが乗り越えてゆく成長譚です。

『クリムゾン・ピーク』や『デビルズ・バックボーン』などギレルモ・デル・トロ監督らしいおとぎ話めいた語り口やヴィジュアルはワクワクさせるポイント。

しかし物語のキーとなる女性“実の兄により電気ショック療法を施され、恐怖の物語を創造するに至った”サラという女性の恐怖や抑圧、内部へのフォーカスが少ないこと、またモンスターたちがテンポ良く次々現れる演出により少々暗黒性が欠けてライトな印象に仕上がっているのも事実です。

“Scary stories to Tell in the Dark”暗闇の中で伝える恐怖の物語…、タイトルの“暗闇”は物語を生み出したサラの心中。

心に泥沼のように広がる暗澹へより踏み込んだ演出が多く含まれていれば、一層心理的にもおどろおどろしさが増した映画だったのではと思わされます。

それでも主人公ステラのように、思春期に怖いもの見たさで恐怖映画や小説に耽溺した日々を過ごしたことがある、暗闇の中の更なる闇へと手を伸ばしたい…、そんな衝動を抱えたことがあるホラー映画ファンにとっては“日常の中に潜む悪夢へのきっかけ”を探した時を想起させる一本。

不思議なノスタルジーを覚える理由は、デル・トロはじめ製作者たちのモンスターたちへの愛、尊敬からでしょう。

まとめ

幽霊屋敷や少年たちの冒険、恐ろしいおとぎ話、ホラー映画オタクに醜い怪物。

様々なエッセンスが詰まった映画『Scary Stories to Tell in the Dark』

昔の思い出を覗きに行くように、構えず楽しんで観て頂きたい作品です!

関連記事

ホラー映画

『来る』ネタバレ感想と考察。ホラー映画に登場したアレの正体を解説【オムライスのくにへいってみたいの意味も】

独特の美意識であるスローモーションと美しいCGの作風で人気を誇る中島哲也監督が、「第22回日本ホラー小説大賞」を受賞した澤村伊智の原作『ぼぎわんが、来る』を映画化。 主人公のジャーナリスト野崎役に『海 …

ホラー映画

実話映画『事故物件 恐い間取り』ネタバレ感想と考察。芸人松原タニシの原作をもとにガチ怖のホラーが誕生

実話でもある『事故物件 恐い間取り』がついに解禁 殺人や自殺など、何かしらの死亡事故が起きた、いわくつきの部屋を現わす言葉「事故物件」。 この事故物件に住み、自身の体験を書籍にしている「事故物件住みま …

ホラー映画

ジェーンドウの解剖あらすじネタバレと結末!考察と感想ともに怖い最後とは何かを探る

“ジェーン・ドウ”それは、“身元不明な女性”のことー。 全米最大のジャンル映画の祭典である「ファンタスティック・フェスト」にて、最優秀作品賞を受賞。 数々の映画祭で注目を集めた作品『ジェーン・ドウの解 …

ホラー映画

映画『NY心霊捜査官』ネタバレ感想と結末評価解説。実話ホラー事件に潜む悪霊オカルト作品を考察!

悪魔と刑事が端正に向き合った恐怖の根源『NY心霊捜査官』 エクソシズムという心霊恐怖の犯罪捜査というスリラー的要素の『NY心霊捜査官』は、実際にニューヨークで発生した事件を基にしています。 原作は、こ …

ホラー映画

映画『ポラロイド』あらすじネタバレと感想。アナログな恐怖の秘密はカラヴァッジョの陰影とスピルバーグファンとしての遊び心

『IT イット “それ”が見えたら、終わり。』のロイ・リーがプロデューサーを務めた、ポラロイドカメラが巻き起こす怪奇ホラー! 『ポラロイド』は、ノルウェー出身のラース・クレヴバーグが製作・監督・脚本を …

U-NEXT
タキザワレオの映画ぶった切り評伝『2000年の狂人』
山田あゆみの『あしたも映画日和』
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
【連載コラム】光の国からシンは来る?
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【KREVAインタビュー】映画『461個のおべんとう』井ノ原快彦の“自然体”の意味と歌詞を紡ぎ続ける“漁師”の話
【玉城ティナ インタビュー】ドラマ『そして、ユリコは一人になった』女優として“自己の表現”への正解を探し続ける
【ビー・ガン監督インタビュー】映画『ロングデイズ・ジャーニー』芸術が追い求める“永遠なるもの”を表現するために
オリヴィエ・アサイヤス監督インタビュー|映画『冬時間のパリ』『HHH候孝賢』“立ち位置”を問われる現代だからこそ“映画”を撮り続ける
【べーナズ・ジャファリ インタビュー】映画『ある女優の不在』イランにおける女性の現実の中でも“希望”を絶やさない
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
アーロン・クォックインタビュー|映画最新作『プロジェクト・グーテンベルク』『ファストフード店の住人たち』では“見たことのないアーロン”を演じる
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
【平田満インタビュー】映画『五億円のじんせい』名バイプレイヤーが語る「嘘と役者」についての事柄
【白石和彌監督インタビュー】香取慎吾だからこそ『凪待ち』という被災者へのレクイエムを託せた
【Cinemarche独占・多部未華子インタビュー】映画『多十郎殉愛記』のヒロイン役や舞台俳優としても活躍する女優の素顔に迫る
日本映画大学