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『デッドストリーム』あらすじ感想と評価解説。POVホラー映画が描く炎上系配信者vsヤバすぎ心霊スポットの“決戦の行方”

  • Writer :
  • 糸魚川悟

映画『デッドストリーム』は2024年8月16日(金)より新宿シネマカリテほかで全国順次公開!

有名人から一般人まで、多くの人が自分自身を映した映像配信を行っている現代社会。

「音楽の流行は個人やインフルエンサーの映像配信から生まれる」と言われるほど、多くの配信者が多種多様な配信を行っていますが、中には話題性のためにわざと過激な行為を配信する「炎上系」と呼ばれる配信者もいます。

今回はそんな炎上系配信者が、何人もの人間を死に追いやった危険過ぎる「呪いの家」へと足を踏み入れ、配信を敢行した末路を描いたホラー映画『デッドストリーム』(2024)の魅力をご紹介させていただきます。

映画『デッドストリーム』の作品情報


(C)MMXXII WINTERSPECTRE ENTERTAINMENT. ALL RIGHTS RESERVED.

【日本公開】
2024年(アメリカ映画)

【原題】
Deadstream

【監督・脚本】
ヴァネッサ・ウィンター、ジョゼフ・ウィンター

【キャスト】
ジョゼフ・ウィンター、メラニー・ストーン、ジェイソン・K・ウィクソム、パット・ガーネット、ゲイブ・キャスドーフ

【作品概要】
2016年に佐藤信介監督『アイアムアヒーロー』が観客賞を受賞したことでも知られる、アメリカの映画祭「サウス・バイ・サウスウエスト映画祭(SXSW映画祭)」で観客賞を受賞したPOV形式のホラー映画。

主演・監督・脚本・製作・編集・音楽をジョゼフ・ウィンターが妻ヴァネッサと共に手がけ、低予算ながらも海外レビューサイトで高い評価を得ています。

映画『デッドストリーム』のあらすじ

(C)MMXXII WINTERSPECTRE ENTERTAINMENT. ALL RIGHTS RESERVED.

炎上系配信者として高い知名度と収入を得てきたショーンでしたが、その過激すぎる内容によって収益化の権利が剥奪され、スポンサーやファンからも見放されてしまいます。

追い詰められながらもやっとの思いで再度収益化の権利を得たショーンは、復帰のためにある廃墟でのライブ配信を決行。深い森の奥に佇むその廃墟は、何人もの住人を死へと追いやった《いわくつきの館》として有名なホラースポットでした。

「奇妙な現象が発生したら必ず確認する」というルールを設け、自らの退路を断ちながら踏み入れた廃墟で、ショーンは触れてはならない何かを呼び覚ましてしまう……。

映画『デッドストリーム』の感想と評価


(C)MMXXII WINTERSPECTRE ENTERTAINMENT. ALL RIGHTS RESERVED.

本作は撮影しているカメラも物語のひとつの小道具となる、いわゆる「Point Of View(POV)」の形式で展開される作品です。

「POV」は登場人物が撮影した映像を後日誰かが発見したと言う形式で物語が開始される「ファウンド・フッテージ」と呼ばれるジャンルと掛け合わされることが多く、「POV」の始祖とも言える『食人族』(1980)や大成功を収めた『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(1999)も両ジャンルを掛け合わせたものとなっていました。

しかし、本作は「POV」でありながらも従来の「ファウンド・フッテージ」とは異なり、撮影された映像は「生配信」されているため、ショーンの動向は過去に起きた事ではなく現在進行形で視聴者に届けられていたものとなります。

そのため劇中ではショーンが視聴者から怪異の謎や立ち向かい方の情報を得ながら、生きる道を模索していく様子が描かれており、「生配信」と言う設定を上手に利用して設定が繰り広げられていました。

炎上系配信者 vs ガチヤバホラースポット


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『デッドストリーム』の「いわくつきの物件を調査する映像制作者」という設定自体は、『コンジアム』(2019)や『シークレット・マツシタ 怨霊屋敷』(2022)など、近年では際立って珍しいものではありません。

しかしながら、本作の主人公ショーンは一般的な映像制作者・配信者とは異なり、他の作品では類を見ない「炎上系」という特性を前面に描いています

ネタのために身体を張る度胸と、逆境にも勢いだけで対抗していく精神力はホラー映画の主人公としても珍しくもあり、ショーンの妙な「戦闘力の高さ」が鑑賞者にもある種の安心感を与えてくれていました。

一方でショーンが訪れることになる廃墟は、これまでに11人もの死者を出したという《いわくつき》な危険過ぎるホラースポット。足を踏み入れるのはそのまま死を意味するとすら言える、そんなホラースポットと炎上系配信者のタイマンバトルが繰り広げられます

ギャグのようにも思える設定ですが、意外なことに不気味で怖い雰囲気作りは非常にしっかりと演出されており、ショーンのノリがなければすぐにでも鑑賞を中断したくなるほどです。

配信者側もホラースポット側も決してワンサイドゲームにはならない、しっかりホラーでありながらも笑えて熱くなる新時代ホラー映画でした。

まとめ


(C)MMXXII WINTERSPECTRE ENTERTAINMENT. ALL RIGHTS RESERVED.

「炎上系な配信者が、ガチヤバなホラースポットに殴り込む」という設定だけですでに面白い映画『デッドストリーム』。

物語の終盤では配信者ならではの方法で事態の解決を図る展開があるだけでなく、安全だと思われたセーフティゾーンが脅かされる要素もあり、設定だけでなく細かな部分にもしっかりと力を入れた作品となっています。

日本では「姿を消した主人公ショーンを探す」というコンセプトのX(旧ツイッター)アカウント「ショーンはどこへ消えた?」が開設され、ファウンド・フッテージとしての面白味を日本の配給もバックアップしています。

そんなアメリカ産のPOVホラー映画『デッドストリーム』は、2024年8月16日(金)より新宿シネマカリテほかで全国順次公開

ショーンとホラースポットの戦いが、どのような結末を迎えることとなるのか。ぜひその目で決戦の行く末をご覧になってください。




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