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映画『エコール』ネタバレあらすじと感想!動画無料視聴方法も

  • Writer :
  • 山田苺

2016年に観客の感性が試されるダークファンタジー『エヴォリューション』が公開された、監督ルシール・アザリロビック。

今からおよそ10年前に作られた長編作も同様に、考えるよりも感じて見るべき作品を手がけていました。

1.映画『エコール』の作品情報


(C) L’Ecole,byLucileHadzhalilovic

【公開】
2006年(ベルギー、フランス合作)

【原題】
Innocence

【監督】
ルシール・アザリロビック

【キャスト】
ゾエ・オークレール、ベランジェール・オーブルージュ、リア・ブライダロリ、マリオン・コティヤール、エレーヌ・ドゥ・フジュロール

【作品概要】
『エヴォリューション』にて男の子とその母親しか住まない島を舞台にしたダーク・ファンタジーを手がけた、ルシーア・アザリロビック監督デビュー作。

今作は森の奥深くの閉鎖された学校で、幼い少女しかいない環境を同じくファンタジー風に描いています。ストーリーの展開や、設定も『エヴォリューション』と通じる部分が垣間みえます。

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2.映画『エコール』のあらすじとネタバレ


(C) L’Ecole,byLucileHadzhalilovic

水中。森林。地下道。そして日の入る子供部屋のような場所。

そこに星のマークの入った棺が運ばれると、周りに白い制服に身を包んだ少女が数人集まります。

棺桶を開けると、中には同じ歳くらいの少女が眠っていました。

その少女・イリスは皆と同じ制服を着て、年齢に応じた色のリボンを付けられます。

最年長は紫、最年少は赤色となっていますが、イリスが赤色のリボンをつけると、セルマという少女は、その色はナターシャのものだと絶叫し、怒りをあらわにします。

最年長・ビアンカはイリスに一通り、部屋を説明しますが、イリスは生き別れた弟を心配し、ここがどこなのかを聞いてきます。

するとビアンカは、ここが私達の家だと返すのでした。

湖でイリスたち最年少は、最年長の少女に泳ぎを教わります。

そこで自分と同い年のローラに、イリスは湖に入ったかと尋ねます。ローラはすぐ出るつもりだと答えるだけでした。

イリスは家に帰りたがり、誰か個々を探しにきてくれるのかと問いますが、ここには誰も現れないと返されてしまいます。

夜になると、森の中にある道に、街灯が灯り始めます。

食堂で眠っていたイリスは、寮の案内に連れ出されます。

そのとき窓から、ビアンカがひとりでどこかへ向かうのを見かけ、声をかけます。

最年長の少女は、夜9時になると別の館へ向かう決まりになっています。

イリスはそのことを知ると、夜も眠れません。

翌日、イリスはビアンカにつれられ、赤いリボンの子が集まる館へ案内されます。

そこには杖を突く女性・エディットが、生物について少女達に教えます。

青いリボンの少女・アリスはバレエのレッスンに余念がありません。

彼女やビアンカは、年に一度校長先生が踊りを見に訪れ、女の子を審査するといいます。

イリスも赤いリボンの少女達とレッスンを受けることに。

講師のエヴァは、少女たちを選ばれた幸運な人だと言い、笑顔でレッスンを始めます。

イリスたちは森でかくれんぼをしますが、その隙にイリスは別の館へ出かけていったビアンカの後をこっそり後をつけます。

彼女が入っていった館を探検するイリス。するとある部屋で男の医者が、少女に注射を売っているところを目撃します。

怖くなったイリスは館を飛び出し、途中で他の少女達に発見されます。

森を出ることはこの学校の中では罰則に値しますが、イリスは森は出ていないと弁解するのでした。

どうしてそんなに外にでてはいけないのか。セルマはイリスにある紙を見せます。

そこには人の顔の絵がかかれており、セルマは外には沢山のおかしな人間がいるので、ここを出てはいけないと説明します。

イリスはセルマに、ビアンカが夜何をしているのか聞きます。

すると、しつこいイリスに対して、暴言を吐き、枝で彼女をひっぱたきました。

その後のバレエの授業で、エヴァはイリスの様子がおかしいことに気付きます。

エヴァはそんなにビアンカが好きなら、彼女に従えるかと聞き、「服従こそが幸福の道」とイリスに説きます。

一方、ローラはまだ外に出ようと考えており、イリスに止められながらも、ボートの手綱をはずさせ、ひとり湖を進んでいきました。

ところがボートには穴が開いており、どんどん水が浸入してきて…。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『エコール』ネタバレ・結末の記載がございます。『エコール』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
ビアンカは、部屋にイリスがいないと探しに行くと、シャワールームでうずくまっているのを発見します。

イリスはローラの脱走を止めなかった自分は罰を受けるのかと怯えていましたが、ビアンカは優しくイリスを慰めます。

しばらくして、生徒達の前にローラが入った棺が運ばれ、火がつけられます。

別れの儀式と賞されたそれを、大勢の少女達が見ていました。

新年が訪れ、少女達は祝いの食事を取りますが、エヴァはひっそりと泣き始めます。

それを見かねたエディットは慰めると同時に、彼女の耳元で何かをささやき続けます。

アリスは校長に選ばれるために、授業が無いのにエヴァのレッスンを受けに来ます。

しかしエディットは、アリスの外への興味を焚き付けるようなエヴァの振る舞いが気に入らず、少女らを自分達の二の舞にさせる気かと言います。

校長が訪れ、審査が始まりますが、最後の2人まで選ばれたアリスは、結局校長に指名されることはありませんでした。

エヴァに期待させるようなことを言われたアリスは、ショックのあまり倒れてしまいます。

目が覚めると、アリスは誰にも気付かれないよう、学校を囲む高い壁を乗り越え、外の世界へと飛び出します。

後日、エディットたちは、少女達にアリスは過ちを犯したため、もう会えないし、話題にも出さないようきつく言いました。

ビアンカはひとつ年下のナディアを、いつも自分が夜訪れる館へ連れて行きます。

そこには他の少女も3人おり、少女達はエディットとエヴァに連れられ、柱時計の中にあるからくり扉のようなものから、奥へ入って行きます。

そこには楽屋のような部屋があり、エヴァは皆に用意された衣装を着るよう指示します。

舞台へあがる際、ナディアは物音が気になり、観客を怖がりますが、ビアンカは舞台から観客は見えないとなだめます。

しかし踊りの最中に何度も転んでは、舞台から逃げようとするナディアを、エヴァはくい止めます。

翌日、今夜が最後の舞台だとビアンカは告げられました。

そして舞台で踊るビアンカに、賞賛の声と、バラの花が投げ込まれます。

ビアンカはそのバラを胸に挿し、踊りを続けます。

舞台終了後、ビアンカはナディアとともにこっそり客席にある出入り口を通りますが、すぐに使用人と出くわしてしまいます。

使用人はこの舞台で払われたお金で、学校は運営されていると説明します。

その後、外へ出ることが嫌になったビアンカですが、別れの日は訪れ、リボンを返します。

エヴァとエディットは、ビアンカやイリスをはじめ、少女達を地下の駅に連れて行き、一緒に列車に乗りこみます。

恐れるビアンカは、私達はどうなるのかと、タバコを吸うエヴァに問いますが、すぐに私達を忘れるだけだと返します。

しばらくして目的地に着くと、少女達は別の女性に引き渡されます。

どこかの大きな公園に向かう少女達。

そこの噴水で水遊びをするビアンカたちの下に、男の子が使っていたボールが飛んできます。

ビアンカはそのボールを拾うと、男の子と噴水越しに笑顔で見つめ合うのでした。

3.映画『エコール』の感想と評価

『エヴォリューション』も若干でしたが、『エコール』はそれ以上に見る人を選ぶ作品だと、びしびしと感じました。(世間体的な意味で)

もちろん今作はそんな卑猥な内容は一切無く、原題どおり、無垢ゆえに悲劇的な運命をたどる少女をはじめ、その無垢に付け入る閉鎖的組織が、監督独特のタッチで描かれています

正直に言えば、『エヴォリューション』みたいに、見ているだけでガリガリになりそうな激マズ料理が出てくるかと思ったり、先生達が突如全裸で森のど真ん中で変な円陣を組むのかと想像したのですが、そこまでダークテイストではありません。

どちらかというと、『ヴァージン・スーサイズ』をクライマックスに、よりオフビートにした感じといえます。

ただし、数々の謎がそのまま解き明かされることなく、終焉の展開も同じなため、「考えるより感じろ系」「え、何でそうなった?と思ったら負け」と、言わんばかりに全力で謎を放置してエンディングに突き進みます。

可愛い女の子がきゃぴきゃぴしている映画が好きな方か、自分の感性を真っ向から試されたい人は、マストで見ていただきたい作品だと思います。

まとめ

想像力を試され、ひとつひとつの謎に対して、何故そうなったのかと考えてしまうと、あっという間に思考から延々と抜け出せなくなる作品です。

まるでバラエティ番組内で衝撃映像だけをピックアップて紹介するように、何故そのようになったのかという解説は全くない感じに似ているように思います。

私も最初は色々考察しましたが、結局エヴァ役のマリオン・コティヤールのお尻を見た当たりから考えることを放棄しました。

とはいえ、作品の雰囲気はクラシカルで、どこか怪しげな感じが伝わってくるので、そういった雰囲気が好きな人でも是非見てみたほうが良いかと思います…!

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