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Entry 2017/09/05
Update

トゥルーマンショー動画無料視聴はHulu!感想レビューと考察も

  • Writer :
  • 山田苺

ジム・キャリー主演と聞くと、やはり真っ先に頭をよぎるのはコメディです。

今作『トゥルーマン・ショー』でもジャケットを見る感じ、お間抜けな寝顔を全世界にさらして・・・笑

なんて思ってしまいがちですが、とんでもないです・・・

全世界の見世物にさせられた一人の男の人生の価値を問う、スケールが小さいようで大きいドラマものでもあり、今作の世界観が、もし自分も同じ目にあったらと考えると、たちどころにホラーになる異色作です!

1.映画『トゥルーマン・ショー』の作品情報

【公開】
1998(アメリカ)

【原題】
The Truman Show

【監督】
ピーター・ウィアー

【キャスト】
ジム・キャリー、ローラ・リニー、ノア・エメリッヒ、ナターシャ・マケルホーン、ホーランド・テイラー、ブライアン・ディレイト、エド・ハリス

【作品概要】
小さな島に住む、明るい青年トゥルーマンは平和な毎日を送っていますが、それは彼の知らないところで、24時間全世界ライブ中継されていたという、ドラマともSFとも取れる作品。

実際脚本を手がけたアンドリュー・ニコルはフィリップ・K・ディックの『時は乱れて』という作品から着想を得たとのこと。

ちなみに監督も彼が勤める予定でしたが、笑えるジム・キャリーの笑えない出演ギャラによって、泣く泣く降板させられるという切ない逸話も。

『トゥルーマン・ショー』は、Huluで視聴できますよ。
Huluで今すぐ視聴!

2.映画『トゥルーマン・ショー』のあらすじとネタバレ

小さな離れ島・シーへヴン。青年トゥルーマンはサラリーマンとして、平凡ながらも穏やかな日々を送っていました。

持ち前の明るさから近所づきあいもよく、美しい妻・メリルと2人で一軒家住まい。

そんなトゥルーマンには、フィジー島に行くのがささやかな夢のひとつでした。

しかし彼はまだ少年の頃に、父親と海に出た際、嵐にあって父を亡くします。

そのトラウマもあって、トゥルーマンはずっと島から出たことがなく、おまけに出張で船を利用しなければならない場面でも、引き返してしまうほど重症でした。

ある日親友のマーロンとゴルフをしているとき、トゥルーマンはそれでもフィジー島に行きたいといいます。

しかしマーロンはもちろん、妻のメリルでさえ全く取り合ってくれません。

ある日、いつものようにトゥルーマンがキヨスクで新聞を買っていると、なんと海で死んだはずの父が、目の前にホームレスの格好で立っていました。

トゥルーマンは恐る恐る声をかけようとしますが、父は突然見知らぬ男女2人に羽交い絞めにされ、そのままバスに連れ込まれてしまいます。

その日父に会ったことを母親に伝えるトゥルーマンですが、母親は自分も夫を失ってから他人の空似は良くあると言い、優しく受け流されてしまいます。

自宅に戻った彼は、地下室にしまわれた思い出の数々を取り出します。

その中には真っ赤なセーターがあり、それは彼が大学生時代の頃、恋をしたローレンのものでした。

しかし彼がローレンに好意を抱くと、まるで割り込むかのようにメリルが登場してくるのでした。

しかし2人は図書館でばったり会い、ローレンは今から学校を飛び出そうとトゥルーマンを誘い、彼は驚きながらもついていきます。

ふたりは海辺でいい雰囲気になるのですが、ローレンは突然真剣な表情でこの世界は偽もので、天気も建物も舞台の装置にしか過ぎないと、突拍子も無いことを言い出します。

驚くトゥルーマンを前に、今度は自分の本名はローレンではなくシルヴィアだと言い、この島も、彼の日常を常に24時間世界中にライブ中継するためのものだと言い放ちます。

すると1台の車がやってきて、シルヴィアの父と名乗る男が降りてきて、彼女を強引に連れて行きます。

シルヴィアは最後に「私を探しにきて!」と言い残し、トゥルーマンは唖然とします。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『トゥルーマン・ショー』ネタバレ・結末の記載がございます。『トゥルーマン・ショー』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
翌日、彼が車の運転をしていると、カーステレオの調子がおかしくなり、叩いて直そうとします。

するとどこかの波長が混線し、流れてきた音声はどこかのスタジオの打ち合わせのような会話でした。

さらにラジオをいじると、今度はノイズが走り、それと同時に町中の全員が耳を押さえるしぐさをするのです。

この状況を不審に感じたトゥルーマンは、普段行かない会社の隣のビルに入り込み、エレベーターのボタンを押します。

中にはエレベーターは無く、代わりに舞台裏で休憩しているような人しかいませんでした。

トゥルーマンはマーロンに相談しますが、マーロンは丁寧に答えているように見えて、無線から流れている会話の内容を、そのまま話しているに過ぎませんでした。

さらにこの中継を行っているスタジオでは、ある計らいの準備がされていました。

それは先ほどホームレス姿で見つかった父親との、奇跡の再会でした。

トゥルーマンは父と抱擁し、視聴者も感動の嵐となりますが、彼はまだ自分の状況を疑っていました。

彼はメリルを車に乗せ、会社に向かわず別の目的地へ向かおうと車を飛ばしますが、突然車が横は入りし、たちどころに道路は渋滞してしまいます。

さらに彼は、自分を見張っているであろう人物を出し抜くかのような行動に出ると、先ほどの車はいなくなっていました。

彼はその隙に車を走らせると、今度は突然道を炎が塞いできますが、彼は構わず突き進みます。

すると今度は防護服を着た男たちによって、道は通行止めにされており、原発事故によって
進めなくなっていました。

結局トゥルーマンはここで取り押さえられ、自宅に戻されます。

都合よく自分の行く手を阻まれたトゥルーマンはますます疑念を抱くようになり、さらにメリルがCMのようなかみ合わない会話をしたこと、彼がメリルにきつく問い詰めると、誰もいないのに他の人に助けを求めたことで確信を得ます。

一方放送中の番組では視聴者質問コーナーへ入り、ゲストには「トゥルーマン・ショー」のプロデューサーが登場します。

彼は、トゥルーマンは母親が望まず生んだ赤ん坊のひとりだったこと、島への脱出を防ぐために父との離別を演出したこと、その父が再び現れてしまうような矛盾は、番組出演に未練があるキャストが時折起こすことがある出来事のひとつだということ、今回の感動の再開もその矛盾を消すための演出だということを淡々と説明します。

翌日、トゥルーマンは何事もないかのように、いつもの日常に戻ります。

帰宅後、地下室で何か探し物をしたかと思うとそのまま居眠りしてしまいますが、実はそれはスタジオから彼の様子を伺っている人を出し抜く罠でした。

彼は誰にも見られることなく部屋を抜け出し逃走を図ったのです。

島の住人が一段になって彼を探しても、急遽夜を昼に変えても、トゥルーマンを見つけることが出来ません。

プロデューサーは、彼が船で海に出たと見て、カメラの画面を切り替えます。

彼はヨットに乗ってひたすら海岸線を目指しているトゥルーマンを見つけると、舞台装置で嵐を起こしてでも止めようとします。

荒波に飲まれたトゥルーマンはうなだれたまま動きません。

固唾を呑んで見守る視聴者たちですが、彼は気を失っているだけでした。

そのまま船を進めると、船は空の模様をした壁にぶつかり、出口がありました。

プロデューサーは最後のあがきで外の世界より、この世界にいるほうが安全で幸せになれると促します。

するとトゥルーマンは、カメラに向かって笑顔でいつもの決め台詞を残して出口へと消えていきました。

3.映画『トゥルーマン・ショー』の感想と評価

主演がジム・キャリーということもあって、パッと見コメディに見えますが、笑えるような場面はあまり無く、その代わりトゥルーマンのいる世界はすべて作り物というまるでホラーのような設定が良い感じでミスリードとなっています。

それでもトゥルーマンが外の世界に出るシーンは、この番組を見てる視聴者同様、感動のシーンとなっています。(ブリー・ラーソン主演の『ルーム』を思い出します・・・)

しかしこの作品がよくよく考えればホラーだと感じるのは、唯一トゥルーマンをシーへヴンに「閉じ込めている」と抗議するシルヴィアの存在です。

普通に考えれば一人の男をまるで見世物のように隔離し、その映像で娯楽を提供している時点でかなり常軌を逸しています。

彼女の言い分ももっともなのですが、製作スタッフも世界中の視聴者もそのことを疑うことすらなく楽しんでいるのです・・・

さらにもっと怖いのが、トゥルーマンが島を脱出するとき、観客は応援しているのです。

さっきまで島に閉じ込められいるトゥルーマンを楽しんで見ていたにも関わらず・・・ものすごい手の平返し・・・実際番組が終われば、すぐにチャンネルを変えるのにです

トゥルーマン感動の脱出と、視聴者のアツい手の平返し、受け止める側としては混乱しちゃうくらい色んな意味で感情の大洪水でした。

まとめ

『トゥルーマン・ショー』は特別ミスリードを狙った作品ではないのですが、その凝った脚本のおかげでいろんな捉え方が出来る作品でもあります。

実際、もし自分の今いる世界も、気づいていないだけで本当は全部演出だったら・・・と絶対一度は考えてしまう作品でしょう。

個人的にはアンドリュー・ニコル監督でリメイクして欲しいくらい面白いストーリーでした。

今までにないドラマ映画が見たいなら、新旧問わずにまずはこちらを見てみるのがオススメかもしれません・・・!

あと、唯一笑える場面といえば、日本人の番組のハマり具合が世界中で一番えげつなかったです・・・笑 スウェット・掛け軸にカタカナ表記!

さて、『トゥルーマン・ショー』が観られるHuluでは現在2週間無料トライアルを実施中

無料トライアル期間に解約をすれば料金は一切かかりませんし、記事でご紹介した作品以外にも映画・海外ドラマ・国内ドラマ・アニメなど、大量の作品が見放題となっています。

作品によって追加料金がかかるVOD(定額制動画配信サービス)もありますが、Huluは全作品見放題というのも安心して使えるポイントですね!

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