『野火』メイキング&石川忠ライブ映像も上映決定!塚本晋也監督作品『野火』は2018年も劇場に帰ってくる!!
2018年11月に新作時代劇『斬、』の公開を控える塚本晋也監督が、戦後70年から上映を重ねてきた本作。
2018年も終戦記念日を中心に、渋谷ユーロスペースほかにて全国上映を決行いたします。
さらに今年は本作の全容に迫った濃密なメイキングと、2017年に逝去された石川忠の『野火』上映記念ライブ映像の上映が、一部劇場にて決定しました。
CONTENTS
映画『野火』の作品情報
【公開】
2015年(日本)
【監督・脚本・編集・撮影・製作】
塚本晋也
【キャスト】
塚本晋也、リリー・フランキー、中村達也、森優作、中村優子、山本浩司、山内まも留
【作品概要】
高校生時の塚本晋也が、大岡昇平の問題作『野火』を読んだ感動を念願を叶えて完全実写化。戦後70周年を迎えるにあたり、日本社会の状況が右傾化していく危惧を感じ、「これはヤバイ」と単独で撮影で挑んだ渾身の一作。
また、1959年に、市川崑監督が初の映画化をした『野火』では、描かれることのなかった真実を伝える衝撃の作品です。
塚本晋也と映画『野火』
2014年、ヴェネチア映画祭メインコンペティション部門選出され、戦後70年に当たる翌2015年に塚本晋也監督自ら全国83館を走り回って公開させた本作『野火』。
第89回キネマ旬報ベスト・テン「日本映画ベスト・テン」第2位を獲得し、第70回毎日映画コンクールでは監督賞&男優主演賞をダブル受賞するなど好評を博した大岡昇平原作を映画化した『野火』。
塚本監督は制作当初から抱いていた真意がありました。
「『野火』を毎年終戦記念日に上映されるような映画にしたい」
これに多くの劇場が共感した持ったことから、これまでアンコール上映を重ねてきました。
そのことは、塚本監督自身が各地の劇場で観客と対話することまでを、ある種の使命感を抱き行ってきたことに結実していたからでしょう。
2018年の塚本監督版『野火』上映内容とは
当初、塚本晋也監督が自ら配給を行なっていた初年度から現在まで、劇場や自主上映会を含む、総観客数は8.5万人を超えたそうです。(現在の配給は新日本映画社/エスパース・サロウ)
戦後73年となった2018年も、渋谷・ユーロスペースを中心に全国27館の劇場で上映が決定しています。(6月30日現在)
しかも、ユーロスペースはじめ14館の劇場で監督の舞台挨拶も実施予定になています。
今年は本編に加え、60分のメイキング「塚本晋也解説『野火』20年の軌跡」も上映が決定。
その内容は、戦争体験者の声、撮影風景、映画祭、全国の劇場行脚の様子を通して、戦後70年という重大な年を浮き彫りにする濃密なドキュメンタリーに仕上がっているようです。
惜しまれつつ逝去されたメタルパーカショニスト石川忠
さらに、1988年の『鉄男 TETSUO』以来、ほとんどの塚本作品の音楽を手がけ、2017年12月21日に惜しまれつつ逝去したメタルパーカショニストの石川忠と本作にも出演するBLANKEY JET CITYのドラマー中村達也の共演した、30分にわたる『野火』上映記念ライブ映像も公開。
この映像は、塚本監督の現場で経験を積んできた、『FORMA』(2013)の坂本あゆみが手がけたもので、劇場の音響が体感できます。
また、生前の石川が心血を注ぎ完成させた、劇中使用の全16曲音を収録した『野火』オリジナル・サウンドトラックも初リリースが決定。
一般発売に先駆けて、『野火』上映劇場にて先行販売が実施されます。
今夏の『野火』戦後73年アンコール上映に先行して、7月8日(日)には、早稲田大学大隈小講堂にてシンポジウム「映画監督と時代」が企画されており、パネラーとして塚本晋也監督が登壇します。
その際には、『野火』メイキングも特別に先行上映される予定です。
塚本晋也監督は、自身のファンに向けて、次のようなメッセージを贈っています。
「今年11月24日には自身初の時代劇にして生と死の問題に迫る衝撃作となる最新作『斬、』の公開を控える塚本晋也監督が、究極の状況下での人間の姿を描き戦争の恐怖をあぶり出した『野火』。はじめての方も、今一度の方も、ぜひスクリーンでご体感ください」
塚本監督は映画のみならず、何ごとにも冷静さと熱さを併せ持つ人物です。
しかも、どのような場所であっても、誰であろうと分け隔たりなく、一対一で人間に向き合う真摯さのある人がらであった記憶しています。
ぜひ、塚本監督ファンのあなた!2018年も監督と一緒に『野火』という体感を意識して映画制作した作品ともに、意志を共有してみませんか。
戦後73年目となる2018年も、塚本監督は劇場で最良の音声チェックを行い、ファンのあなたが来ることを楽しみにしているはずですよ。
映画『野火』のあらすじ
第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島。日本軍の敗北が濃厚となった過酷な戦況の中で、結核のため野戦病院へと送られた主人公の田村一等兵。
しかし、入院を拒絶され、部隊にも戻れず、行く当てを失い彷徨い続けます。
田村は、野戦病院の近くにいた2人組みの兵士たちと出会います。父親ほどの年齢の安田は足を負傷しており、永松という若い男が、下僕のように安田の面倒を見ていました。
やがて、田村のカバンに芋が入っていることに気付いた永松でしたが、そんな矢先、野戦病院は戦闘機の攻撃を受けて爆発炎上してしまいます。
またも、独り彷徨い歩いた田村は、教会のある村にたどり着きます。礼拝堂の長椅子に、田村は横たわると疲れ果て眠ってしまいます。
しばらくすると、近くの水辺に船でたどり着いた若い男女が、じゃれ合いながら教会へと入ってきました。
田村は、男女に銃口を向けてマッチが欲しいと懇願しますが、女性は殺されてしまうという恐怖心から発狂。
女性がひどく興奮して騒ぎ続けたために、田村も気が動転したのか、向けていた銃で女性を撃ち殺してしまいます。怯えた連れの男性は、教会の扉から外へと逃げ去って行きます。
その女の死体の側には、小さな地下倉庫があり、田村は貴重な塩を見つけ、その場から立ち去ります。
田村は、やがて偶然に出会った3人組の兵士から、生き残った兵士は全てパロンポンへの撤退命令の集合が掛かっていることを知らされます。
自信過剰気味である伍長と、その部下は、田村が持っている塩に気付くと、塩を目当てにしたのか、自分たちと同行するように仲間入りの提案します。
彼らは笑いながら別の戦場では、人肉を喰ったことを自慢するなど、気の抜けない連中ではあったのですが、田村とっては頼りになりそうな人物たちでもあったのです。
伍長と部下たち、そして田村は共に目的地パロンポンを目指しますが…。
映画『野火』戦後73年アンコール上映スケジュール
【東北地区】
宮城 フォーラム仙台 8/11(土)~8/17(金) メイキング○ ライブ映像○
山形 フォーラム山形 8/15(水) ライブ映像○
岩手 フォーラム盛岡 8/15(水) メイキング○ ライブ映像○
福島 フォーラム福島 8/15(水)
【関東地区】
東京 ユーロスペース 8/15(水) メイキング○ 監督登壇:8/15(水)
東京 立川シネマシティ 8/11(土) ライブ映像○ 監督登壇:8/11(土)
東京 新文芸坐 8/9(木) メイキング○ 監督登壇:8/9(木)
神奈川 横浜シネマリン 8/11(土) メイキング○ ライブ映像○ 監督登壇:8/11(土)
神奈川 シネマ・ジャック&ベティ 8/12(日)~未定 メイキング○ ライブ映像○ 監督登壇:8/12(日)
神奈川 アミューあつぎ映画.comシネマ 8/11(土)~8/17(金) メイキング○ ライブ映像○ 監督登壇:8/15(水)
千葉 キネマ旬報シアター 8/11(土)~8/17(金) メイキング○ 監督登壇:8/12(日)
埼玉 川越スカラ座 8/11(土)~8/17(金) メイキング○ 監督登壇:8/16(木)
埼玉 深谷シネマ 8/12(日)~8/18(土) メイキング○ 監督登壇:8/13(月)
群馬 高崎電気館 8/4(土),10(金),12(日),15(水),17(金) メイキング○ ライブ映像○ 監督登壇:8/10(金)
【近畿地区】
大阪 シネ・ヌーヴォX 8/4(土)~8/17(金) メイキング○
大阪 シアターセブン 8/11(土)~未定 メイキング○ ライブ映像未定
京都 京都シネマ 8/11(土)~8/17(金) メイキング○
兵庫 豊岡劇場ハナレ 8/10(金),8/13(月)
【中部・北陸地区】
愛知 シネマスコーレ 8/11(土)~8/17(金) メイキング○ ライブ映像○ 監督登壇:8/17(金)
福井 福井メトロ劇場 8/18(土)~8/24(金) 監督登壇:8/18(土)
【中国・四国地区】
山口 山口情報芸術センター[YCAM] 8/4(土),5(日) メイキング○ 監督登壇:8/4(土)
広島 シネマ尾道 8/5(日)~8/7(火) ライブ映像○ 監督登壇:8/5(日)
愛媛 シネマルナティック 8/14(火)~8/17(金) ライブ映像○
【九州地区】
熊本 Denkikan 調整中
佐賀 シアターシエマ 8/12(日) メイキング○
大分 別府ブルーバード劇場 8/11(土)~8/17(金) メイキング○ ライブ映像○
鹿児島 ガーデンズシネマ 8/14(火),15(水) メイキング○ ライブ映像○
※2018年7月3日(火)時点。各劇場の上映予定・登壇日は変更となる場合があります。必ず、劇場にお問い合わせのうえお出かけください。
映画『野火』戦後73年アンコール上映の関連情報
●メイキング「塚本晋也解説『野火』20年の軌跡」劇場にて同時上映
塚本監督が10代に小説と出会ってから映画化へを克明にとらえたドキュメンタリー。
戦争体験者への取材、撮影、完成を経てヴェネチア映画祭のプレミア上映、劇場公開時の映像を通して「野火」の全体像に迫る。
監修/構成:塚本晋也 演出/編集:長岡広太 2015年/60分
●石川忠×中村達也 『野火』上映記念ライブ映像 劇場にて同時上映
『野火』初公開時のイベントにて実施された石川忠と中村達也の共演ライブを複数のカメラにより撮影した迫力の映像。
塚本作品の現場で照明スタッフとして経験をつみ、監督デビュー作『FORMA』(2013)が第64回ベルリン国際映画祭フォーラム部門国際批評家連盟賞を受賞した坂本あゆみが手がける。
監督:坂本あゆみ 2015年/30分
●『野火』オリジナル・サウンドトラック初リリース!劇場にて先行販売
石川忠による『野火』劇中使用の全16曲を収録したオリジナル・サウンドトラックが4年のときを経て初リリース。
塚本監督による『野火』と石川忠への想いを込めた2500文字を超えるライナーノーツ付き。
一般発売に先駆けて、『野火』上映劇場にて先行販売。
【タイトル】
野火 オリジナル・サウンドトラック
【アーティスト名】
石川忠
【価格】
未定/レーベル名:KAERU RECORD/品番:CHU-001
【最新情報・お問い合わせ先】
石川忠WEB:http://ishikawachu.xyz
●映画監督が「映画と時代」を語るシンポジウム 7月8日(日)12:30開演
早稲田大学大隈小講堂にて「きけ、わだつみの声」(関川秀雄監督/1950年/109分)と「塚本晋也解説『野火』20年の軌跡」(塚本晋也監修・構成/2015年/60分)の上映とシンポジウム
「映画監督と時代」を実施。塚本晋也監督がパネラーとして登壇する。
【日時】
7月8日(日)12:00開場/12:30開演
【会場】
早稲田大学大隈小講堂《入場無料》
【パネラー】
塚本晋也(映画監督)、鎌仲ひとみ(ドキュメンタリー監督)、藤山顕一郎(映画監督)、野中章弘(ジャーナリスト)、大久保賢一(映画評論家)ほか 司会:小中和哉(映画監督)
【主催】
自由と生命を守る映画監督の会,早稲田大学ジャーナリズム研究所
まとめ
本作『野火』は塚本晋也監督が高校生の時に、大岡昇平原作に触れ、また、先人の映画監督の市川崑監督の同名の映画『野火』を鑑賞して以来、大きく心を突き動かされ続けた作品の映画化です。
「いつか映画化したい!」と長年に渡り、何度も映画化に向けて構想から行動に動きますが叶いませんでした。
しかし、時代の風に戦争へ向かうようなキナ臭さを感じ、独り足を踏み出して遂に2015年に完成させた秀作です。
映画化にあたり、実際の戦争体験者から話を伺うことや、遺骨収集の調査動向を塚本監督も自ら行いました。
撮影現場では、この映像ではまだ緩いと、戦争経験者から聞いた真実の大きさを噛み締めて挑んだ作品です。
だからこそ、塚本晋也監督は2018年も『野火』はアンコール上映に臨んでいます!
戦場で起きた真実とは何か。
あなたの目で刮目してください、お見逃しなく!