Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ヒューマンドラマ映画

Entry 2020/09/16
Update

映画ミッドウェイ2020キャスト|海外イケメン俳優の“男の色気”に注目、ルークエヴァンスやニックジョナスらに圧倒される!

  • Writer :
  • 石井夏子

映画『ミッドウェイ』は2020年9月11日(金)より全国公開。

『インデペンデンス・デイ』のローランド・エメリッヒ監督が、歴史的海戦を20年に及ぶリサーチを経て鮮明に描いた映画『ミッドウェイ』。

第二次世界大戦の中でも、歴史を左右するターニングポイントとなった激戦として知られるミッドウェイ海戦を、そのきっかけとなった真珠湾攻撃から描いて行きます。

史実に真正面から切り込んだ、シリアスなストーリーや人間関係に引き込まれる本作ですが、ふと見回すと、エド・スクライン、ウディ・ハレルソン、ルーク・エヴァンス、アーロン・エッカート、ニック・ジョナスと、個性の異なる魅力的な俳優たちがずらり。

本記事では、アメリカ軍人を演じた俳優たちとそのキャラクターに熱い視線を送ってみましょう。

映画『ミッドウェイ』の作品情報

Midway (C)2019 Midway Island Productions, LLC All Rights Reserved.

【日本公開】
2020年(アメリカ映画)

【原題】
MIDWAY

【監督】
ローランド・エメリッヒ

【脚本】
ウェス・トゥック

【製作】
ハラルド・クローサー

【キャスト】
エド・スクライン、パトリック・ウィルソン、ウディ・ハレルソン、マンディ・ムーア、ルーク・エヴァンス、豊川悦司、浅野忠信、國村隼、デニス・クエイド、アーロン・エッカート、ニック・ジョナス

【作品概要】
戦う男たちを真正面から捉えたのは、『インデペンデンス・デイ』(1996)のローランド・エメリッヒ監督。

観客のド肝を抜く一大スペクタクル映像の第一人者が、20年に及ぶリサーチと新たに発見された日本軍側の貴重な資料をもとに、両軍に敬意を捧げて史実を再現。

キャストには、山本五十六、チェスター・ニミッツをはじめとした実在の人物を演じるために、ウディ・ハレルソン、パトリック・ウィルソン、デニス・クエイド、アーロン・エッカート、豊川悦司、浅野忠信、國村隼など日米の実力派俳優が集結しました。

映画『ミッドウェイ』のあらすじ

Midway (C)2019 Midway Island Productions, LLC All Rights Reserved.

1941年12月7日の日本軍による奇襲とも言える真珠湾攻撃。

戦争の早期終結を狙う山本五十六連合艦隊司令官(豊川悦司)の命により、山口多聞(浅野忠信)や南雲忠一(國村隼)がアメリカ艦隊に攻撃を仕掛けました。

大打撃を受けたアメリカ海軍は、新たな太平洋艦隊司令長官に、兵士の士気高揚に長けたチェスター・ニミッツ(ウディ・ハレルソン)を立てます。

両国の一歩も引かない攻防が始まる中、日本本土の爆撃に成功したアメリカ軍の脅威に焦る日本軍は、大戦力を投入した次なる戦いを計画。

一方、真珠湾の反省から、日本軍の暗号解読など情報戦に注力したアメリカ軍は、情報部のレイトン少佐(パトリック・ウィルソン)がその目的地をミッドウェイと分析、限られた全戦力を集中した逆襲に勝負を賭けます。

そして遂に、アメリカ軍のカリスマパイロット、ディック(エド・スクライン)率いる上空から攻撃をする戦闘機の空中戦と、山口艦長や南雲艦長率いる海上からの戦艦の砲撃の壮絶な激突へのカウントダウンが始まり…。

エド・スクラインがストーリーの柱を担う

Midway (C)2019 Midway Island Productions, LLC All Rights Reserved.

群像劇である本作ですが、その大きな柱となっているのが、エド・スクライン演じるアメリカ海軍のパイロット、ディック・ベストの成長です。

初登場時は生意気で自信過剰なだけの若者だったベスト。哨戒飛行を終え、空母エンタープライズに戻る際に、訓練と称してわざとエンジンを切って着艦してみせます。

その姿は、「死」というものをリアルに考えておらず、ただただ己の強さを誇示したいだけの薄っぺらな人間に見えました。

ですが、真珠湾戦争で親友を亡くしたことで、「死」を身近に感じ、日本に対する明確な敵意を持つようになります。

そして、昇進したことによる責任感や、自分の判断ひとつで部下を失うことへの罪悪感が、彼を大きく変えました。

ミッドウェイに向かう艦上機に積んだ酸素の配合が誤っていたため、肺を痛めてしまうとわかっていながらも、隊長である自分が退くわけには行かないと、腹を据えて真っ直ぐに飛んでいく姿は頼もしく写ります。

本作で良いなと感じたのは、成長=別人格になる、とは描かなかったことです。

確かにベストは大きく変化します。自分のことだけではなく、他者のことを考えられるようになります。

しかし、彼の傲慢で大胆な性格は変わらぬまま、それが長所として、何者にも迎合しないカリスマ的リーダーになって行くのです。

この微妙な匙加減を、エド・スクラインが絶妙に演じました。

ベストは発艦時にルーティーンとして、妻と娘の写真を飾り、ガムを口に入れるんですが、その仕草が戦いを重ねるごとに大きな意味を持ち始めていく様子を、目線と指先の動き一つで伝えてくれます。

また、ベストの妻アンを演じたマンディ・ムーアも、ほぼ男所帯の本作に華を添え、強い意志を持った女性として内なる戦いを体現

彼女がストーリーのラストでベストに掛けた一言が、ひとつの戦いの終わりと、新たな戦いへの始まりを感じさせました。

ルーク・エヴァンスの包容力とダダ漏れる色気

参考:ルーク・エヴァンスのインスタグラムより

この投稿をInstagramで見る

BTS shot from my first album shoot #atlast

Luke Evans(@thereallukeevans)がシェアした投稿 –

ディック・ベストの上官であるウェイド・マクラスキーは、「ワイルド・スピード」シリーズや、『美女と野獣』(2017)のガストン役でお馴染みの、ルーク・エヴァンスが演じています。

ベストの自分勝手さを窘めながらも、彼の才能を認め、導いて行くマクラスキー。

マクラスキーはベストの性格を熟知していて、彼の良さをどうにか伸ばしてやれないかといつも思案しています。

軍隊もので見られる大きな声での恫喝や叱責も一切しません

ベストの妻アンが、かなり失礼な発言で詰め寄っても、大人の余裕でひらりとかわします。「この妻あってのベストか」と、楽しんでいるようにも見えます。

ベストの昇進をクールに喜び、ベストの帰還を誰よりも信じている。最高に理想の上司、それがマクラスキーなんです。

そしてなにより、たいへんセクシーで100点満点です。怪我をしてもセクシーでした。

ニック・ジョナスの軽妙さが作品のスパイスに

Midway (C)2019 Midway Island Productions, LLC All Rights Reserved.

『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』(2017)では隠れキャラのように登場した、ニック・ジョナス。

本作でも、彼が出演していたことを知らず、本編を観て驚いた方も多いんではないでしょうか。

ニック・ジョナスは、航空整備員のブルーノ・ガイドー役として顔を出します。

しかもその登場の仕方に痺れます。空母エンタープライズに特攻してきた日本軍に立ち向かうため、咄嗟の判断でデッキに止めていた艦上機に乗り込み、撃ち落とすんです。

おかげでエンタープライズは守られ、彼は昇進します。

どうしてそんなに勇敢でいられるのかと尋ねた仲間に、彼の生き方を決定づけた、父の交通事故死の話をするガイドー。「先のことはわからないから心配してもしょうがない」。

その過去を、悲しみでも後悔でもなく、悟ったようにあっけらかんと語ったニック・ジョナスの表現力に心を奪われました。

常に微笑んでいるような甘いマスクと、身軽な立ち居振る舞いが、重々しい本作の空気をカラッと明るくしてくれます。

まとめ

本作を見応えのある作品に仕上げているひとつの要素として、俳優たちの演技力があげられます。たとえ出番の短い役でも、経験豊かで高い演技力を持った俳優をキャスティング

ニミッツ大将役には、いるだけで安心感が得られる稀有な存在、ウディ・ハレルソンが扮し、情報将校のレイトン少佐を信じて行動して行く有能な指揮官として印象付けました。

そのレイトン少佐を演じたパトリック・ウィルソンも、冒頭の豊川悦司との緊迫感に満ちた駆け引きで物語に引き込みます。

デニス・クエイドは、病を隠しながら、部下を鼓舞し慕われる司令官を体現。

陸軍でありながらも日本本土空襲を指揮したジミー・ドゥーリトル中佐役にはアーロン・エッカート。彼の存在が、日本とアメリカだけでない、別の視点から第二次世界大戦を見せてくれます。

群像劇として、役者の演技合戦もみどころの本作。ぜひスクリーンで圧倒されてください。

映画『ミッドウェイ』は2020年9月11日(金)より全国公開です。





関連記事

ヒューマンドラマ映画

映画『さらば愛しきアウトロー』ネタバレ感想。ロバートレッドフォードの俳優引退記念に代表作を振り返る

名優ロバート・レッドフォード、最後の出演作品 『明日に向って撃て!』(1969)や『ニュースの真相』(2015)などの作品を発表し、長きにわたり活躍してきたロバート・レッドフォードの俳優引退作『さらば …

ヒューマンドラマ映画

【ミッドウェイ映画2020リメイク】トヨエツ・浅野忠信・國村隼の演技力を本編動画で解説。日本人キャスト確かな存在感を残す!

映画『ミッドウェイ』は2020年9月11日(金)より全国公開。 『インデペンデンス・デイ』のローランド・エメリッヒ監督が、歴史的海戦を20年に及ぶリサーチを経て鮮明に描いた映画『ミッドウェイ』。 第二 …

ヒューマンドラマ映画

【ネタバレ】スペンサー ダイアナの決意|結末感想と評価あらすじ解説。実話から“人生を変える極意”を元プリンセスから学ぶ

離婚を決めた3日間に迫る『スペンサー ダイアナの決意』 イギリスのダイアナ元皇太子妃が亡くなって25年。この『スペンサー ダイアナの決意』は、彼女がチャールズ皇太子の不倫や自由のない王室での生活などに …

ヒューマンドラマ映画

映画『犬猿』あらすじとキャスト。公開日時と上映館も【吉田恵輔作品】

『ヒメアノ〜ル』の吉田恵輔監督が約4年ぶりとなるオリジナル脚本を映画化! 窪田正孝、新井浩文、「ニッチェ」の江上敬子、筧美和子ら異色の組み合わせが果たしてどのような化学反応を起こすのか? 兄弟姉妹とい …

ヒューマンドラマ映画

映画『みをつくし料理帖』あらすじ感想と内容評価。松本穂香と奈緒に託した角川春樹監督の最後の作品

映画『みをつくし料理帖』は2020年10月16日(金)より全国一斉ロードショー! 作家・高田郁の原作小説を、名匠・角川春樹監督が自身最後の作品として作り上げた時代劇『みをつくし料理帖』。 恵まれない境 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学