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映画ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール|あらすじネタバレと感想。ラスト結末も

  • Writer :
  • こたきもえか

刹那的な青春時代と淡い恋、そこにはいつも音楽がある。

今回取り上げるのは、2014年にイギリス映画で公開された『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』です。

可愛いファッションと耳に残る心地よい音楽、そして胸を締め付けられる儚くも一生忘れられない青春のひと時を描いた普遍的な物語である本作の魅力をご紹介します。

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映画『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』の作品情報


(C)FINDLAY PRODUCTIONS LIMITED 2012

【公開】
2015年(イギリス映画)

【原題】
God Help the Girl

【監督】
スチュアート・マードック

【キャスト】
エミリー・ブラウニング、オリー・アレクサンダー、ハンナ・マリー

【作品概要】
監督のスチュアート・マードックはロックバンド“ベル・アンド・セバスチャン”のヴォーカル、ギターで、2009年にリリースした同名ソロアルバムを原作として自身で監督、脚本を務めました。

舞台はスコットランド、グラスゴーのある街。拒食症の少女と音楽を愛する少年少女の出会いと恋を描いた本作は、2014年サンダンス映画祭で審査員特別賞を受賞。

主人公の少女イヴを演じるのは『エンジェルウォーズ』(2011)でベイビードールを演じる、あどけなさと艶やかさを併せ持つ女優エミリー・ブラウニングです。

イヴに恋に落ちる青年を演じるのはオリー・アレクサンダー。『エンター・ザ・ボイド』(2009)『ライオット・クラブ』(2014)に出演する彼はバンド“イヤーズ・アンド・イヤーズ”のヴォーカルとしても活躍しています。

映画『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』のあらすじとネタバレ


(C)FINDLAY PRODUCTIONS LIMITED 2012

拒食症を患う少女イヴが長年心療内科に入院し、ラジオで音楽を聴くことを毎日の楽しみにしていました。

ある日、病院を抜け出してイヴはライブハウスへ出かけます。

そこでギタリストのジェームズ率いるバンドが演奏を始めますが、彼は演奏中にメンバーと意見の相違で喧嘩になってしまいます。

公演後、体調を悪くし座り込んでいるイヴをジェームズが見つけ、自宅へ連れ帰って介抱します。

ジェームズはイヴに恋をしますが、イヴは彼を友人として信頼を寄せます。

その後病院に戻ったイヴは監視をつけられるようになり、罰としてラジオを没収されることになってしまいました。

そんなイヴに主治医は治療の一環として曲作りを勧められます。

イヴは髪を切ってもらい音楽で自分の気持ちに向き合うことにし、気分を改めました。彼女はピアノで作曲に励み、“ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール”が完成します。


ある日病院の運動時間を抜け出したイヴは大学でプールの監視員をするジェームズの元を訪ねます。

ジェームズの勧めでイヴは彼と同じアパートに入居することを決めました。

イヴは自分の曲をカセットテープに録音し、街の有名ラジオDJに聞いてもらおうと考えます。

イヴはライブ準備中の人気バンド“ウォブリーレッグ・ラット”を訪ね、ボーカルのアントンにテープを渡してもらうように頼みます。

ジェームズはジェームズは上流階級の女子高生キャシーにギターを教えていて、ある日イヴはレッスンに同行しました。

イヴのアドバイスによりキャシーは音楽の楽しみに目覚め、キャシーとイヴも友人となりました。

レストランのウェイトレスのバイトを始めたイヴは、ある夜アントンにテープを渡したかどうか聞きに行きます。

アントンは自分が働いている古着屋に彼女を連れて行きます。

2人はそのまま恋に落ち、関係を持ちました。

送ったテープに関する連絡が来ず落ち込み気味のイヴ。

そんなある日、イヴ、ジェームズとキャシーはカヤックで川を下りながらそれぞれの話や音楽について語り合い、バンドを組むことを決めます。

様々な曲の制作、演奏のためイヴ達は新たにバンドメンバーを募集します。

バンドは予想以上の大人数となり、イヴは次々と作曲を続けます。

以下、『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』ネタバレ・結末の記載がございます。『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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しかし病院から持ち出した薬が切れ、イヴは精神的に不安定になり始めました。

ジェームズはイヴを元気付けるため小さなパーティーを開きます。パーティーの後、ジェームズはライブの日程が決定したことをイヴとキャシーに伝えます。

その時会場に現れたアントンがイヴを連れ出す様子を見て、ジェームズはショックを受けました。

ジェームズは自分の恋心をイヴに伝えることができていなかったのです。

イヴは、アントンがイヴのテープを勝手に駄作だと判断し、DJ達に渡していなかったことを知ります。

イヴはひどく腹を立て、アントンに別れを告げます。

それからジェームズはイヴによそよそしい態度を取るようになり、すれ違い始めた2人は少しずつ距離が開いていきます。

キャシーも家族旅行でフランスに行っているため、ひとりぼっちとなったイヴはドラッグに手を出を出してしまいます。

過剰摂取が原因で気を失ったイヴを助けたのはジェームズでした。彼女は再び病院へ運ばれます。

イヴの音楽の才能を見込んだ医師の勧めを受け、彼女はロンドンの音大への進学を決意します。

再びイヴは病院を抜け出してジェームズの家を訪れたイヴは、留学について話し合いますが、将来について考え始めたイヴはこの地で不確かな夢を追い続けているジェームズと意見が合いません。

2人は口論になりますが、変わらぬ友情を確かめ合います。

やっとイヴに想いを告白しキスをしたジェームズにイヴは、なぜもっとしてくれなかったのかというのでした。

そしてイヴのテープを聞いたDJは、ライブ当日の生放送でイヴ達のバンド“ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール”を高く評価して宣伝してくれます。

大勢の人がやってきて大成功を収めたライブ。そしてイヴがロンドンへ発つ日、ジェームズは駅までイヴを送リマす。

ホームで別れを告げ、イヴの乗った列車をジェームズはキャシーとともに見送るのでした。

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映画『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』の感想と評価


(C)FINDLAY PRODUCTIONS LIMITED 2012

イヴとジェームズというキャラクターは正反対です。

イヴは長年拒食症に悩まされ、いつ心も体も崩れてしまうか分からない脆く不安定な状態。

彼女は音楽の天性の才能があり、音楽を頼りに人生を進もうとします。

反してジェームズは音楽を愛しているものの今の状態で充分、自己満足でもやっていければ良いと考えている青年です。

2人には音楽という共通点があるものの、望んでいる音楽を共にした人生はまったく異なるものなのです。

心身ともに不安定だからこそ音楽に全てをかけるイヴと、安定を望みながら音楽と寄り添っていきたいジェームズ。

2人がこれからどう生きていくのか観客は知ることができませんが、未熟ながらも必死に前へ進もうとする姿に胸を打たれます。

音楽に限らず絵画、小説、映画製作…創作は、タイトル通り“神に愛された”天性の才能を持つ人々と、愛しているからこそ、よく知っているからこそ自分でその中心に飛び込むことを手放す人々がいるのではないでしょうか。

本作はキュートで洒落たファッションとビジュアルに包まれながらも、そんな苦悩を描いた作品なのです。

まとめ

揺れる青春時代の心情をつなぎとめ、自我を認識させるのはイヴ、ジェームズ、キャシーにとって音楽でした。

自分にとって忘れられないひと時を共に過ごした人のこと、その時いつも隣にあった音楽に思いを馳せながら『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』ぜひご覧ください。

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