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映画『牙狼 GARO 月虹ノ旅人』あらすじネタバレと感想。“オトナの特撮”としてバイオレスやエロスも描く

  • Writer :
  • 村松健太郎

ドラマ、映画、アニメなど様々な形で展開されてきた雨宮慶太監督によるオトナの特撮作品

雨宮慶太監督による特撮アクション「牙狼 GARO」シリーズの劇場版。2014年に放送されたテレビシリーズ「牙狼 GARO 魔戒ノ花」の冴島雷牙の新たな冒険描いています。

映画ならではのダイナミックなアクションと、「牙狼 GARO」シリーズのファースト主人公で、雷牙の父である冴島鋼牙を演じる小西遼生をはじめ、これまでシリーズを彩ってきた渡辺裕之、京本政樹らキャストが集結。新旧レギュラーメンバーの共演も見どころです。

映画『牙狼〈GARO〉―月虹ノ旅人―』の作品情報


(C)2019「月虹ノ旅人」雨宮慶太/東北新社

【公開】
2019年(日本)

【脚本・監督】
原作・監督・脚本 雨宮慶太

【キャスト】
中山麻聖、石橋菜津美、水石亜飛夢、蛍幸次朗、小西遼生、肘井美佳、渡辺裕之、松田悟志、京本政樹

【作品概要】
来年にはシリーズ15周年を迎える人気アクションシリーズの劇場版最新作。

シリーズの原点である2005年のドラマシリーズのメインキャラクターが復活、黄金騎士の鎧と称号を受け継ぐ一族・冴島一族の物語の一つの決着戦が描かれます。

映画『牙狼〈GARO〉―月虹ノ旅人―』のあらすじとネタバレ


(C)2019「月虹ノ旅人」雨宮慶太/東北新社

父の鋼牙、更にその父の大河から、黄金の鎧と牙狼(GARO)の称号を受け継いだ冴島雷牙。

異次元へと旅立った父の帰りを待ちながら、人間に憑依する魔獣ホラーを狩り続ける魔戒騎士である雷牙は、共に戦ったマユリやクロウ、育ての親でもあるゴンザたちともに時を過ごしています。

ある時、死人の邪気を浴びた雷牙は牙狼の鎧の浄化のために英霊の塔に向かいます。

その途中で白い仮面をつけた謎の男・白孔が襲い掛かります。

魔戒騎士の雷牙と互角以上の力をもつ白孔に苦戦する雷牙、気が付くとマユリが何者かに導かれるように謎の列車に乗っていってしまいます。

列車に飛び乗った雷牙はそこで、パデルと名乗る少年に出会い、列車の案内を受けます。

しかし、切符を持っていなかった雷牙は、全身を鎧の様なモノで固めた車掌に捕まり、牢獄に入れられてしまいます。

パデルの協力もあって牢獄から抜け出した雷牙は、パデルの制止を振り切って、先に進みます。

各車両ごとの難関を乗り越えマユリのいた先頭車両にたどり着いた時、それまで雷牙がいた列車は消え、元の場所に戻ります。

雷牙の目の前に父・鋼牙が姿を現し、今の雷牙は邪気を浴びた牙狼の鎧に捕らわれ、死の淵をさまよっていると告げられます。

マユリやクロウ、ゴンザによって、鎧から助け出された雷牙は、英霊の塔にある牙狼の鎧のもとへと走ります。

白孔の狙いは、最初から歴代の牙狼の魂が集まる英霊の塔でした。英霊の塔の力を得た白孔は真の姿を現します。

その正体こそ、冴島一族と因縁深い暗黒騎士バルゴでした。復活したバルゴに対して鋼牙・雷牙の親子が時代を超えてバルゴに挑みます。

以下、『牙狼〈GARO〉―月虹ノ旅人―』ネタバレ・結末の記載がございます。『牙狼〈GARO〉―月虹ノ旅人―』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

圧倒的な力で二人に迫るバルゴ。その前にパデルが現れ真の姿を現します。パデルこそ、魔戒騎士冴島大河の仮の姿でした。

3代の牙狼が揃い、バラゴと最後の闘いに挑みます。

バラゴは英霊の塔の力を使い、最強の魔戒騎士と言われる王牙(オーガ)の鎧を召喚します。

牙狼の鎧を召喚できない3人は苦戦を強いられますが、マユリが育てた花の花弁によってのちらかで鎧を召喚できるようになります。

三人の黄金騎士がかわるがわる王牙に挑みます。巨体で迫るバラゴに対して、黄金騎士は互角以上の闘いを展開します。

押されるバラゴは戸惑いを隠せません、そんなバラゴに対して、牙狼の鎧には今まで共に戦った人々の想いと歴史が込められていると言い、トドメの人たちを浴びせるのでした。

映画『牙狼〈GARO〉―月虹ノ旅人―』の感想と評価


(C)2019「月虹ノ旅人」雨宮慶太/東北新社

今回は冴島雷牙を主役にした2作品目でメインストーリー、メインキャラクターはドラマシリーズの『魔戒の花』から続いていますが、元々の雷牙の父・鋼牙の物語でもあります。

そこで、最初の主演俳優小西遼生を筆頭にヒロインの肘井美佳などが、少し懐かしい顔も出演しています。

その中でも渡辺裕之と京本政樹という。還暦越えのベテランが圧倒的な存在感を見せています。

京本政樹は『翔んで埼玉』でもその若々しさを見せつけていましたが、二人とも実に若々しく、一部スタントもありそうですが、要所要所で実に切れのいい動きを見せています。

時代劇などの経験もあるからだと思いますが、剣劇アクションは実に様になっています。

若手組も中山麻聖は水谷豊監督作品『轢き逃げ』で主演を張るようになりましたし、石橋菜津美も連続ドラマ『ボイス』に出演するなどすっかり売れっ子で、先見の明があったと言えますね。

まとめ


(C)2019「月虹ノ旅人」雨宮慶太/東北新社

2019年で15周年を迎える牙狼シリーズ。

深夜帯やCS、映画やソフトでの展開を前提にしているために、バイオレンスにしても、エロスにしても、一段上の“オトナの特撮”として得意な地位を築いた牙狼

タイアップパチンコが大ヒットしたことから、パチンコ屋さんで見かけたという人もいるのではないでしょうか。

このパチンコのヒットで、資金面で安定したおかげで10年以上続く息の長いシリーズとなりました

これより長く続いている特撮ブランドで言えば仮面ライダー、スーパー戦隊、ウルトラマンくらいで、企画が特撮界の異才雨宮慶太がほぼ独力で作り上げたものであることを考えると、ひときわ異彩を放った作品群と言えると思います。

本作は一番最初のドラマシリーズからの流れを汲んでいるものでした。

2016年からこのファーストシリーズのデジタルリマスター版もテレビ放映がされましたが、今考えれば今回の映画への布石だったのでしょう。


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