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【ネタバレ】ビッグ・フィッシュ|あらすじ感想と結末の考察評価。ティム・バートンとユアン・マクレガーが父子の絆を美しく紡ぐ

  • Writer :
  • 谷川裕美子

現実世界とファンタジーを織り交ぜたティム・バートン監督作品の真骨頂

ダニエル・ウォレスのベストセラー小説を原作とした、『アリス・イン・ワンダーランド』(2010)の鬼才ティム・バートン監督によるファンタジードラマ『ビッグ・フィッシュ』。

自らの人生をおとぎ話のように語る男とその息子の温かな絆を描きます。現実世界をファンタジーに昇華させたティム・バートン監督の見事な手腕が見どころです。

主演は「スター・ウォーズ」シリーズのユアン・マクレガー。アルバート・フィニー、ビリー・クラダップが共演。

一度は断絶してしまった父と息子。死期を前にした父と共に過ごすことにより、二人の絆が再生していくさまを感動的に美しく描きます。

映画『ビッグ・フィッシュ』の作品情報


(C)2003 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

【公開】
2004年(アメリカ映画)

【原作】
ダニエル・ウォレス

【監督】
ティム・バートン

【脚本】
ジョン・オーガスト

【編集】
クリス・レベンゾン

【キャスト】
ユアン・マクレガー、アルバート・フィニー、ビリー・クラダップ、ジェシカ・ラング、ヘレナ・ボナム・カーター、アリソン・ローマン、ロバート・ギローム、マリオン・コティヤール、マシュー・マッグローリー、ミッシー・パイル、スティーヴ・ブシェーミ、ダニー・デヴィート

【作品概要】
『チャーリーとチョコレート工場』(2005)『アリス・イン・ワンダーランド』(2010)の鬼才ティム・バートン監督による、父と息子の絆を綴るファンタジー映画。

作家ダニエル・ウォレスのベストセラー小説『ビッグフィッシュ 父と息子のものがたり』を原作に、「チャーリーズ・エンジェル」シリーズのジョン・オーガストが脚色を手がけました。

「スター・ウォーズ」シリーズ、『プーと大人になった僕』(2018)のユアン・マクレガーが主演を務めます。

出演はアルバート・フィニー、ビリー・クラダップ、ジェシカ・ラング、ヘレナ・ボナム・カーター。

映画『ビッグ・フィッシュ』のあらすじとネタバレ


(C)2003 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

エドワードは一人息子のウィルに幼い頃から、未来を予見する魔女のこと、一緒に旅をした巨人のこと、人を襲う森とその先にある美しい町のことなど、不思議な話を聞かせていました。彼が語る物語を聞くと、誰もが楽しく、幸せな気分になりました。

しかし、大人になったウィルは父のホラ話を嫌いになりました。ウィルの結婚式でも、招待客の前で息子が生まれた日に巨大な魚を釣った話をした父に対してウィルは怒り、一方的に父と疎遠になりました。

長い間父と子はすれ違ったままでしたが、ある日母のサンドラから父の病状が悪いと連絡が入ります。ウィルは身重の妻・ジョセフィーンと一緒に実家に戻りました。

エドワードは変わっておらず、楽しげにジョセフィーンにホラ話を聞かせます。父に本当の話をして欲しいと願うウィルは葛藤していました。

父が若い頃留守がちだったのは、自分たちとの生活を嫌って、外に出ていたからではないかとウィルは考えていました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには映画『ビッグ・フィッシュ』ネタバレ・結末の記載がございます。映画『ビッグ・フィッシュ』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)2003 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

エドワードはさまざまな奇想天外なストーリーをこれまで語ってきました。町のお化け屋敷に住む魔女の目に自分の最期の姿が映し出されたことや、町の人を怯えさせた巨人カールを連れて故郷を出たこと、途中で美しいスペクターという町に迷い込んだこと。

サーカスで運命の女性と恋に落ちて結婚し、戦時召集を受けて危険任務の末に命からがら帰ってきた後、銀行強盗の手伝いをさせられるなど、波瀾万丈の物語でした。

ウィルは父の話を信じていませんでしたが、父の古い荷物を整理している最中に古い証書を見つけます。彼は名が書かれていたジェニファーという女性に会いに行きました。

ジェニファーはスペクターにある古い屋敷に一人で暮らしており、ウィルのことを知っていました。彼女は、エドワードが不況で荒廃したスペクターを救うために、資金を集めて買い取ってくれたことを話します。

人々は変わらずスペクターで暮らせるようになり、ボロ屋敷を修理してくれた彼にジェニファーは恋心を抱きます。しかし、妻を心から愛していたエドワードは彼女の誘いを断り、スペクターを去った後二度と戻りませんでした。

ジェニファーの話を聞いて、ウィルは父が母と自分を深く愛していたことを知ります。しかし、家に戻ると誰もいませんでした。エドワードは危篤となり、入院していました。

一人でベッドに付き添っていたウィルの前で、エドワードが目を覚ましました。父は川に行きたがり、自分の最期の話をしてくれるよう息子に頼みます。

ウィルは楽しいホラ話を紡いで聞かせました。エドワードとウィルが病院を逃げ出し、カーチェイスの末に川に着くと、川岸にはエドワードに出会ったすべての人々が待っていました。笑顔で彼らに別れを告げて川に入ると、愛するサンドラが待っていました。エドワードは口から指輪を出して彼女に渡し、川の中でビッグフィッシュに変身して泳ぎ去ります。

エドワードはその話を満足そうに聞いてから、静かに旅立ちました。

エドワードの葬式には、ホラ話の登場人物らが大勢集まってきました。彼はこれまで本当に経験したことを、楽しい物語にしていたのでした。

そして、数年後。幼い息子が友だちに、おじいさんは5メートルの大男と戦ったんだと話すのを聞いて、ウィルは本当だと言って相づちを打ちます。

話を語りすぎたエドワードは、本人が話そのものになっていました。そうして父は永遠に生きるのだと、ウィルは思いました。

映画『ビッグ・フィッシュ』の感想と評価


(C)2003 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

壮大なホラ話の真実

ティム・バートン監督が綴る、美しく温かなヒューマンドラマです。境目がわからないほど、ファンタジーと現実が美しく溶け合います。ファンタジーの鬼才バートン監督の真骨頂ともいえる作品です。

エドワードの現実の世界は、常にファンタジーに書き換えられていました。美しい心を持った彼は、平凡な出来事を楽しい奇想天外な物語に変えることで、楽しい世界へと変えていたのです。

スペクターに住むジェニファーは、自分たち外の世界でエドワードに出会った人々はすべてファンタジーの住人で、彼の家族だけが現実の存在だったと寂しげに語ります。

エドワードは幼いウィルに自分の外での経験をファンタジックに語っていましたが、ジェニファーらには自分の家族のことを普通に話していたのでしょう。

しかし、エドワードの話には真実がちりばめられていました。

サンドラと一目で恋に落ちたのは本当。でも彼女の好きな水仙畑を作って告白したのは多分ウソ。でも本当ならそうしたかったくらい、心から彼女を愛したのは真実だったのです。

こんなにも心から愛せる人がいる人生はどれほど幸せだったことでしょう。そして、こんなにも愛されたサンドラは、彼が旅立った後も永遠に幸せでいられたのではないでしょうか。

ウィルは最後に、父は物語となって永遠に生きると呟きます。エドワードは、永遠に妻を、家族を慰めるために、楽しいホラを吹き続けたのかもしれません。

目に相手の最期を映し出す魔女や、エドワードを慕うジェニファー役を演じた、バートン作品常連のヘレナ・ボナム・カーターの演技も、ファンタジックな世界を味わい深くしています。

ファンタジーで光るユアン・マクレガーの魅力


(C)2003 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

若い頃から数々の名作に出演してきた人気俳優ユアン・マクレガーが、若き日のエドワードを好演しています。

「スター・ウォーズ」シリーズでオビ=ワン・ケノービ役、『プーと大人になった僕』(2018)では大人になったクリストファー・ロビン役を演じて好評を得ました。ファンタジーととても相性のよい俳優です。

バートン監督はファンタジーだけの世界を数多く描いてきましたが、本作では現実世界が並行して描かれます。しかし、ユアン演じる若き日のエドワードは、完全にファンタジーの世界の住人です。

甘い顔立ちで柔らかな雰囲気をまとったユアン・マクレガーが、奇想天外な世界にするりと溶け込み、自由自在に駆け回ります。洞窟に住む巨人と旅に出たり、一目惚れしたサンドラのことを聞き出すためにサーカスでこき使われたり(しかも団長は後に狼男だと判明!)、戦地から脱出して地球を半周して妻のもとに帰ってきたり。

世界をめいっぱい楽しんでいる屈託のない笑顔を見ると、どんな無茶な話でも納得させられてしまいます。それでいて、サンドラのハートを射止めたのもうなずける、一面の水仙畑が似合うほどの男前ぶり。非の打ち所がありません。

死を前にした老年期のエドワードの厳しい状況と、ユアン・マクレガーの紡ぐ若く明るさに満ちた喜びの世界の対比が素晴らしく、エドワードがおとぎ話をし続けずにいられなかった思いが、ひしひしと伝わってくるのです。

まとめ


(C)2003 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

父と子のすれ違いという、どの家庭でも起こりえる悲劇を、美しいファンタジー世界に昇華させたハートフルヒューマンドラマ『ビッグ・フィッシュ』。

ホラ話ではなく、本当のことを自分に話してほしいと父に願っていた息子のウィル。しかし、父の本当の気持ちは、その美しいホラ話の中に込められていました。

つまらないごく普通のことを、素晴らしい物語に変えてしまう父の思いと魅力を理解したウィル。物語の一員となって永遠に生きるエドワードをうらやましく思い、いつかきっと父のようなチャーミングな老人になるに違いありません。



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