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映画『一陽来復Life Goes On』あらすじと感想レビュー!

  • Writer :
  • シネマルコヴィッチ

東日本大震災は平成23年(2011年)3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震と、それによって引き起こった大津波の大規模地震災害。

この地震の規模はモーメントマグニチュード9.0。死者は15,893人、重軽傷者は6,152人、警察に届出があった行方不明者は2,553人。(未確認情報を含む警察庁調べ)

また、これにより福島第一原子力発電所のメルトダウン事故が発生。今なお大きな波紋を起こしています。

あれから6年が経とうとしています。

映画『一陽来復Life Goes On』は、観測史上最大の地震(日本周辺)によって被災した岩手・宮城・福島の今を生きる者たちの記録です。

1.映画『一陽来復 Life Goes On』の作品情報


(C)2017 Kokoro Film Partners

【公開】
2018年(日本映画)

【監督】
尹美亜

【キャスト】

【作品概要】
東日本大震災から6年目の岩手・宮城・福島で、前を向いて生きる人々の姿を追ったドキュメンタリー。女川町の復興を記録した「サンマとカタール 女川つながる人々」で制作プロデューサーを担当した尹美亜が初監督を務め、女優・藤原紀香と声優・山寺宏一がナレーションを担当。

2.映画『一陽来復 Life Goes On』のあらすじ


(C)2017 Kokoro Film Partners

2016年夏頃から17年春先にかけての東日本大震災から6年目を迎えた岩手・宮城・福島…。

愛する子ども3人を亡くした事実と向き合い続ける夫婦…

父親は生まれる亡くなり、生前の写真を父として話す算盤好きな少女…

震災を風化させないために語り部の活動をするホテル従業員たち…

被災当時、原発30キロ圏内で唯一稲作業を営んだ農家…

殺傷することなく被爆した牛の世話を続ける牛飼い…

新しい漁業に挑む漁師など、節目のない困難と知りつつ、それでも一歩ずつ前に進もうとする東北各地の人々。

復興6年目の現状に見えはじめた小さな幸せや希望をとは…。

3.映画『一陽来復 Life Goes On』に出演する東北の人たち言葉


(C)2017 Kokoro Film Partners

「風化させたくない以上に思うことがあります
なかったことにしたくない
伊藤俊(南三陸・ホテル従業員)」

「皆いろいろなもの背負って生きていて
それは顔に書いているわけではない
でも人が生きるって、そういうこと
遠藤伸一(石巻・木工職人)」


(C)2017 Kokoro Film Partners

「水質分析すると、50年若返ったといわれる海に
今戻っているわけです
後藤一磨(南三陸・農漁業)」

「農業は農業で生きていく他ない、生業だから
秋元美誉(川内・農業)」

「時間が解決するとは思わなくて
多分ずっとこんな感じなんだろうなって
奥田江利香(南三陸・会社員)」


(C)2017 Kokoro Film Partners

「町民を一つにするのが神社だ、祭りを通じて
二本松富太郎(釜石・鵜住神社 総代)」

「自然という財産の、私達はその利子だけで
生活させてもらっているんですね
後藤清広(南三陸・牡蠣漁師)」

3.映画『一陽来復 Life Goes On』の感想と評価


(C)2017 Kokoro Film Partners
映画『一陽来復 Life Goes On』を観ることは、正直なところ、現実の重さに胸の痛い場面もあります。

あの震災を“忘れたい”、“目を背けたい”と感じる人たちがいることを知りつつも、この映画を紹介したいと思います。

被災した人たちと被災していない人を分けるものは何でしょう。

そのような2分割は本来あるのでしょうか。

同時代に生きたことは共有者であり、“何か得体の知れない共犯者”ではないかというように思えてなりません。

直接的であれ、間接的であれ、東日本大震災で大きく分断をされた事実は、東北とその他の地域にはあります。

また、被災地内でも被災者認定の違いや保証の格差によって、今なお、人間関係やコミュニティで見られるのは真実なことも理解しています。

未だにくすぶり続ける多くの問題に無関心を装うことは、間違いなく、これらの事実を助長していると言えるのかもしれません。

尹美亜監督が追いかけた、今の東北を生きる人たちの映像は、震災後の暗い人生のみを生きているのではないことを伝えてくれています。

岩手・宮城・福島に住む彼らが、困難とともにどのように自分と向き合ったのかを紡いでいる姿があります。

人はなぜ生きるのでしょう。

人は限られた人生で好きなことを行い、人生を謳歌する。これも生き方の真理なのでしょう。

しかし、それだけではないことをこの作品は伝えてくれます。

誰かによって、または何者かによって、生かされた自分は生きる

生かされた人生がある”ことをこの作品は伝えています。

映画『一陽来復 Life Goes On』のタイトルは、“一陽来復(いちようらいふく)”の意味は、冬が去り春が来ること。悪いことが続いたあと、ようやく物事がよい方に向かうこと(デジタル大辞林 引用)です。

震災後の東北で生かされた人たちの映像は、これから先、何百年も語り継がれるだろう、生きた証、生かされた証の映画なのです。

まとめ


(C)2017 Kokoro Film Partners

東日本大震災の起きる前日、私は福島県会津若松に仕事に出かけていました。

そこから帰宅した震災当日は北関東で被災者となり、東北には住んではいないものの被災者認定を受けています。

また、その後の人生観は大きく変わり、震災からしばらくして、家族は妻の祖母の家に送り出すこと決断。やがて家族とは違う生き方を選びました。

他にも震災直後は救援物資を福島県の被災者に送り、1ヶ月後には南相馬にボランティアに向かい、会津若松、いわきにも走りました。

しかし、今なお、東日本大震災から6年目を迎える宮城県、岩手県、福島県に観光に行くことに何か大きなハードルがあります。

先日も観光に行った先は日本海側の東北でした。

この映画を観たことをきっかけに、岩手県や宮城県に遊びに会いに行こうと思います。

何か大きいことを成し遂げることだけが人間の行動ではないのだと思います。

生かされた自分と正直に向き合うためにも。

映画『一陽来復Life Goes On』は、2018年3月3日公開です。ぜひ、ご覧ください。

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