映画『達人 THE MASTER』は、2021年9月10日(金)よりシネマート新宿/心斎橋ほか全国順次公開!
“私は何かの達人だった気がする…”
映画『達人 THE MASTER』の主人公にして初主演を務めるのは、R-1ぐらんぷり優勝のお笑い芸人 アキラ100%として知られる大橋彰。
大橋は近年俳優としても活動を見せ、映画『こはく』や、ドラマ『トップナイフ ー天才脳外科医 の条件ー』などで活躍しています。今回扮するのは、突然現れた謎の男・達人。記憶喪失になりながらも、自分が何の達人だったのか探す男を演じます。
そのほかのキャストに、ヒロインの静子役を『パンとバスと2度目のハツコイ』(2017)の安倍萌生、男と静子を見守る奈津役には、『おもちゃ』(1999)の宮本真希が演じ、また『こはく』でも大橋と共演した井浦新も劇中で怪演を披露。
演出を担当するのは、映画『ゆらり』(2017)や『こはく』(2019)の横尾初喜。持ち前の柔らかな映像と演出で独自の作風で大橋を主演に軽妙な笑いを描いています。
映画『達人 THE MASTER』の作品情報
【公開】
2021年(日本映画)
【脚本】
森ハヤシ
【原案・脚本・監督】
横尾初喜
【キャスト】
大橋彰(アキラ 100%)、安倍萌生、宮本真希、榊英雄、山口森広、織田あいか、中田祐太、秋山勇次、森下能幸、井浦新
【作品概要】
お笑い芸人として人気のアキラ100%が本名の大橋彰名義で映画初主演を務めたコメディ作品。記憶喪失の男が自分は何者であるかの記憶を取り戻すため奮闘を描いています。
原案・脚本・演出を担当したは、『こはく』でも大橋彰とタッグを組む横尾初喜監督。
ヒロインの静子を『パンとバスと2度目のハツコイ』の安倍萌生、男と静子を見守る奈津を宮本真希が演じ、『こはく』でも大橋と共演する井浦新が“ある役柄”で怪演を見せています。
映画『達人 THE MASTER』のあらすじ
父と母を共に交通事故で亡くし、心を閉ざしている資産家・牧田家の跡取り娘、静子。
可愛がってくれた祖父も他界し、静子は遺してくれた豪邸で家政婦・奈津とふたりで暮らしていました。
ある日、奈津が謝って窓から落としてしまった植木鉢が、偶然、通りかかった男の頭を直撃。男は命に別条はなかったものの、“自分は何者であるか?”と、記憶を失ってしまいます。
家政婦の奈津は事故の責任を感じたのか、記憶喪失となった男を牧田家の豪邸で面倒を見ることを提案。日々、甲斐甲斐しく男の記憶が戻るまでサポートを努めます。
一方で男の「俺は何かの達人だった気がする…」という言葉をヒントに記憶を戻すため、アレやコレやと記憶奪還の作戦を始めます。
しかし奈津の努力の甲斐もなく一向に回復の兆しはありません。そんな日常が続き、静子と奈津も次第に男への心境に変化も見せはじめ、何かの達人であったろう男を「達人(たつひと)」と呼びながら3人で団欒の食卓を囲んだりもしました。
そんな矢先、静子の叔父や謎の男が登場し、跡取り娘の静子を巻き込む事態が動き始め…。
映画『達人 THE MASTER』の感想と評価
芸人にして役者・大橋彰
本作『達人 THE MASTER』は、R-1ぐらんぷり優勝のお笑い芸人「アキラ100%」こと本名の大橋彰の名前で初主演を果たしたコメディ作品。
「私は何かの達人だった気がする…」と、大橋彰は記憶を失った謎の男をコミカルかつ、トボけた演技で演じています。例えて言えば、“和製ミスタービーン”のような演技を見せているとも言えますし、かつての松竹映画の“喜劇”プログラムピクチャーのようにも取れ、人気を博した旬なコメディアンの主演作にも思えます。
主演を務めた大橋自身は、世界の喜劇王チャーリー・チャップリンのファンでもあるので、そんな眼差しで本作を観ると、貴重なコメディ映画の主演作とも言えるでしょう。
いづれにしても裸芸人としてでなく、またお盆芸をも見せない大橋彰がいかなる演技をみせるのかに注目です。
ヒロイン・安部萌生
一方で大橋彰演じる謎の男に恋心を寄せるヒロイン・牧田静子を安部萌生が務めています。
安部萌生は1993年4月5日、山口県生まれ。青山学院大学在学中よりモデル活動を始め、2014年度ミス青山学院大学グランプリ受賞。
2016年の映画『種まく旅人 夢のつぎ木』で女優ビュー果たし、その後も映画やドラマに出演し様々な役柄に挑んでいます。
主な出演作には『本日は、お日柄もよく』(2017)、映画『八重子のハミング』(2016)、『大綱引きの恋』(2021)があります。
先に大橋彰がチャップリンのファンであるとお伝えしましたが、放浪紳士のような“ある種の異邦人”がどこからかやって来て、心を閉ざしたヒロインの心を開くという点は、映画の定番中の定番の設定です。
内気なヒロインをどのように魅了し、また恋に落とすかにも、和製喜劇(コメディ映画)として見守りたい。そんな気持ちに自然とさせてくれるのが、安部萌生ならではの魅力ある存在感と言えるでしょう。
まとめ
本作『達人 THE MASTER』のタイトルデザインは、金子敏治が担当。彼の描いた遊び心溢れる独特の書体の中には、映画に登場するヒントがいくつも隠されています。映画を更に楽しむためにも読み解いてみることをお薦めいたします。
また撮影を担当した『僕たちは変わらない朝を迎える』『裸の天使 赤い部屋』『本気のしるし』などで知られる春木康輔のカメラワークにも注目。
劇中の謎のPOV視点?いかなるものか? さらにはラストショットは、極めて映画としては稀の嗜好で終わります。これをどんな意味を含み、想像して読み解くかは、大きな遊びとして観客に解釈を託されています。
そのようないくつもの点は、原案から演出までを務めた横尾初喜監督の正に遊び心でしょう。
上記の他にも主題歌「愛しているといわせて」は、横尾監督のご婦人であるエンクミこと遠藤久美子が唄い、映画はコメディ作品として、“喜劇シリーズの続編”を期待してしまうのではないでしょうか。
それをひと役も、二役も担っているのが、井浦新が演じた「No.4」。すでに横尾作品『こはく』(2019)で、大橋彰と井浦新は共演済みですが、本作『達人 THE MASTER』でのやり取り、また井浦新の大怪演は必見です!
映画『達人 THE MASTER』は、2021年9月10日(金)よりシネマート新宿/心斎橋ほか全国順次公開!