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Entry 2021/08/04
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映画『レディ・イン・ザ・ウォーター』ネタバレ結末感想とラストのあらすじ解説。M・ナイト・シャマランが描くミステリアスなファンタジー|B級映画 ザ・虎の穴ロードショー45

  • Writer :
  • からさわゆみこ

連載コラム「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第45回

深夜テレビの放送や、レンタルビデオ店で目にする機会があったB級映画たち。現在では、新作・旧作含めたB級映画の数々を、動画配信U-NEXTで鑑賞することも可能です。

そんな気になるB級映画のお宝掘り出し物を、Cinemarcheのシネマダイバーがご紹介する「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第43回は、『シックス・センス』(1999)、『サイン』(2002)など、衝撃的な結末で話題となった、M・ナイト・シャマラン監督のファンタジー作品『レディ・イン・ザ・ウォーター』です。

舞台はフィラデルフィア郊外にある、多国籍の個性豊かな住人が住んでいる「コーブ・アパート」、住人に快適な暮らしを提供するため、仕事をこなしている管理人のクリーブランドは、敷地内のプールに異変をみつけ調査します。

ある晩、無断でプールを使用する者を目撃し、そこが不思議な女性“ストーリー”です。ヒープは彼女の“目的”に関わるうちに不思議な体験をしていきます。

【連載コラム】「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」記事一覧はこちら

映画『レディ・イン・ザ・ウォーター』の作品情報

(C) 2006 Warner Bros. Entertainment Inc.

【公開】
2006年(アメリカ映画)

【原題】
Lady in the Water

【監督/脚本】
M・ナイト・シャマラン

【キャスト】
ポール・ジアマッティ、ブライス・ダラス・ハワード、ジェフリー・ライト、ボブ・バラバン、サリタ・チョウドリー、シンディ・チャン、M・ナイト・シャマラン、フレディ・ロドリゲス、ビル・アーウィン、メアリー・ベス・ハート、ノア・グレイ=ケイビー、ジャレッド・ハリス

【作品概要】
主役のクリーブランド・ヒープには、『プライベート・ライアン』(1998)や『PLANET OF THE APES 猿の惑星』(2001)などの大作にも出演し、『シンデレラマン』(2005)でアカデミー賞助演男優賞ノミネート、『バーニーズ・バージョン ローマと共に』(2010)で、ゴールデングローブ賞 ミュージカル・コメディ部門で主演男優賞を受賞した、ポール・ジアマッティが務めます。

謎の女性ストーリー役はシャマラン監督作品『ヴィレッジ』(2004)で、主役を務め、『スパイダーマン3』(2007)、「ジュラシック・ワールド」シリーズなどで、主要な役を演じたブライス・ダラス・ハワードです。

M・ナイト・シャマラン監督は自身の作品に、カメオ出演することでも有名ですが、本作ではキーパーソン的な役柄で出演しています。

映画『レディ・イン・ザ・ウォーター』のあらすじとネタバレ

(C) 2006 Warner Bros. Entertainment Inc.

フィラデルフィア郊外のアパート、コープ・アパートで管理人をしているクリーブランド・ヒープは、日々、アパートでの管理人業務に勤しんでいました。

共用部分の掃除や居住者達の要望に応えながら、多国民の人々が住むこのアパ-トで多忙な暮らしをしています。

その日、ペレスの家では5人の娘が害虫で大騒ぎ、映画の批評家をしているファーパー氏が新しい住人としてやってきました。

韓国人女子大生のヤン、右半身だけを鍛えているレジー、部屋に引きこもっているリーズ、動物愛護家のベル、無駄話でつるむ男のグループなど、個性的な住人が暮らしています。

ヒープはアパートの共用プールに、深夜許可なく使用している気配を感じていました。プールの水の汚れが酷いからです。

無断使用を疑ったヒープは、住人たちに聞いて回りますが、誰も使用していないと答えます。そこで彼は深夜のパトロールを開始します。

手がかりが掴めないまま経ったある日、ヒープは家の窓からプールで泳ぐ人影をみつけ、急いで外に出て懐中電灯でプールを照らしますが誰もいません。

落とし物のアクセサリーをリクライニングチェアに置き、椅子の位置を揃えたりしながら、家へ戻ろうとした時、プールからそのアクセサリーを取って潜る者に気づきます。

ヒープは警告をしながら、プールに入って潜りますがみつからず、プールから上がりますが、足を滑らせ転倒し気を失ったままプールに落ちてしまいます。

ところが彼が気がついた時には、家のベッドで横になっていて、ソファーには見知らぬ少女が座っていて、助けてくれたのか訪ねると彼女は頷きます。

ヒープがどこから来たのか聞くと“ブルー・ワールド”と答え、彼に“心を針で指されたような目覚めは感じるか?”と訊ねます。

少女は“ストーリー”と名乗ります。ヒープもフルネームを教えると、クリーブランドは、“崖の土地”という意味があるといいます。

ヒープはストーリーに家に帰るよう促しますが、彼女は何かに怯えて涙を流します。それを見た彼は落ち着くまで居ることを許し、一緒にうたた寝してしまいます。

明け方目覚めたヒープは、しがみついて眠るストーリーに困惑します。そして、何者なのか独り言を言うと、“ナーフ”だと彼女はつぶやきました。

ストーリーを抱きあげ外へ出たヒープは、草むらの中からうごめくものを感じます。プールサイドから振り向くと、草と同化する何か襲いかかろうとしていました。

目が覚めたストーリーもその存在に気がつき、悲鳴をあげプールを指さしますが、ヒープは家に慌てて逃げ帰ります。

朝になりヒープは保険局に通報したり、居住者の韓国人大学生のヤンに、“ナーフ”の意味がわかるか訊ねます。

ヤンはナーフのことを東洋の物語に出てくる、海の妖精だと教えてくれます。幼い頃に祖母から聞いたが覚えていないと言います。

ヒープはヤンの母親が物語のことを知らないか訊ね、彼女の母親から物語を聞き始めます。

“ナーフ”とは水の精のことで、“器”と呼ばれる選ばれし者の前に現れます。“選ばれし器”はナーフに出会うと、ある“感覚が目覚める”といいます。

そして、選ばれし器に会えたナーフは、迎えに来た巨大な鷲と共に元の世界に帰り、自由になれます。

ヒープは家に戻ると、ストーリーに誰に会いに来たのか聞くと、“作家”だと答えます。名前も性別もわからないが、アパートの住人である事だけは確かでした。

“選ばれし器”に出会えれば、その日の晩にでも帰ることができると彼女は話し、ヒープは探すことを約束します。

以下、『レディ・イン・ザ・ウォーター』ネタバレ・結末の記載がございます。『レディ・イン・ザ・ウォーター』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

(C) 2006 Warner Bros. Entertainment Inc.

ヒープがまず思い浮かべたのは、映画の批評をしているファーパーと、動物愛護家のベルです。ところが2人とも過去に執筆経験があっただけでした。

女子大生のヤンにも同じことを聞きますが、彼女でもありません。しかし、彼女から草むらの獣について有力な話しを聞きます。

おとぎ話には“スクラント”という猛獣が出てきて、水から上がったナーフを殺すため、その時を潜んで狙っていると言います。

その猛獣は草のような毛で覆われ、草むらに紛れているため、みつかりにくいと教えます。

ヒープはもう1人、心当たりを思い浮かべます。兄妹で生活をしているビックとアナで、兄のビックは小説家志望です。

ヒープが執筆の進捗はどうかと訊ねると、ビックは今一つ自信が持てない様子でした。彼はヒープに電球の交換を依頼します。

ヒープがビッグの部屋に入ると机の上に、“ぜったいに読むな!”と書かれた原稿が置いてありました。偶然その上紙がめくれて、原稿の“料理本”という題が見えます。

交換が済んだことを伝えに戻った時、題名が見えたことを話すと、ビックは“料理本”という題だが、内容は社会問題や求められる指導者の姿を書いたと話します。

一方、家で待つストーリーはヒープの持ち物を物色します。キラキラする金属の物や、ガラス製のものです。そして、彼女は棚の奥に鍵付きの日記をみつけ読みます。

家に帰ったヒープにストーリーは、日記を抱きしめて“悲しい日記”と言います。ヒープには妻と娘がいましたがある晩、彼の留守中に不審者が侵入し殺害されていました。

ヒープは医師をしており、夜も家を空けることが多く、そのことを悔やんでいました。ストーリーはそんな彼にアパートの住人を助ける“役割”があると告げます。

ヒープは単純に誰にでもできる、管理員の仕事のことだと思っています。そして、彼女に“器”をみつけて外に連れてきていると話します。

ビックに必要書類が出ていないと嘘をつき連れてきていました。ビックはストーリーをみると、心を掴まれたように呆然とします。

彼は変な気分を感じると訴え、ヒープは“心が針で指されてような”?と訊ねます。彼はそうだと返事をすると、ストーリーは「お互いを見られてよかった」と言って別れます。

“器”に会えたストーリーは役割を終え、その晩に大鷲が迎えに来ます。

(C) 2006 Warner Bros. Entertainment Inc.

ヒープはその前にもう一軒、バブチック家へトイレ修理にいきました。ここの夫人は“夫の秘密”を勝手にしゃべってしまい、秘密が秘密でなくなっていました。

トイレにこもりがちなバブチック氏は、修理屋に直してもらったと言い、ヒープはそのまま家に引き返しました。

ストーリーは大鷲を見てはいけないと告げ、元居たプールへ行きます。ヒープは管理員の仕事に戻り、アパートのゴミを収集して周ります。

すると、自分の世界へ帰ったと思ったストーリーが、アパートに逃げ込んできました。ヒープが慌てて駆けつけると、彼女は足に深いひっかき傷を負っていました。

ストーリーは“安全”だと言っていましたが、草むらに潜んでいた、スクラントに襲われました。ヒープはストーリーをビッグの家に避難させてもらいます。

その間にヒープはヤンの家に行き、おとぎ話の続きがないか聞きにいきます。ヤンの母はヒープに警戒心が強く、ヤンがいないと言葉も通じません。

ヤンは外出していましたがヒープは電話で、ナーフが大ケガをした時はどうするのか聞き、ナーフは治癒する特別な薬を持っていると教えます。

スクラントにも天敵がいました。ブルーワールドの守護神“タートゥイック”です。

木の上に住む猿によく似た、3匹のタートゥイックは、邪悪な生き物と呼ばれていますが、ブルーワールドの正義を守っています。

ヒープはプールに入ると排水口の蓋を開けて、奥へと潜っていきます。すると突き当りには簡単な扉が取り付けてあり、その奥は部屋のようになっていました。

中にはプールサイドに置き忘れた、貴金属などがコレクションされていて、その中にそれとは違う、宝石の鉱物のようなものもありました。ヒープはそれが薬だと思い持ち帰ります。

外出先までおとぎ話のことを聞くヒープに、興味を持ったヤンはすぐに家に帰り、話しの続きを聞いたと、ヒープの家を訪ねてきます。

ナーフが襲われる理由はそのナーフが、“特別な存在”だからだと言い、“マダム・ナーフ”と呼ばれる女王だからでした。

ヒープはビックとアンに、ストーリーのことを話します。ビックは彼女に会ったことで、恐怖心が消え内なる声が聞こえると言います。

ストーリーは中西部の街でビックの書いた本が話題となり、その街のある少年が本に感銘をうけ、大人になると演説家から指導者になって、本に書かれた思想が広まると予言します。

ビックの本はこの世界を変える“種”なのだと話しました。

ヒープは再びヤンの母の元を訪ね、話の続きを聞きます。ナーフを助ける存在にはある役割を担った者がいます。“器”に引き寄せられるが、自分が何者なのか自覚はありません。

宇宙からメッセージを解読できる“通訳”、スクラントがら守る“守護者”、ナーフを助ける仲間“ギルド”です。

そして、おとぎ話の中に時々出てくるのが、万物の生命力を蘇らせる癒し人の“ヒーラー”で、蝶を呼び寄せる者です。

ストーリーはピンチを救ってくれたヒープを“守護者”だと考え、他の役割人はわかりません。ヒープはファーパーの読解力を借りに部屋へ行きます。

そして、いつもパズルを解いているデュリーを“通訳”、無駄話をする男達を“ギルド”、一度蝶が肩に止まったところを見た、ベルが“ヒーラー”ではないかと考えます。

デュリーはクロスワードを解きながら、“音楽パーティー”でスクラントの気をそらしてストーリーを守り、大鷲を呼び寄せる計画を導きます。

ヒープがひきこもっているリーズをパーティーに誘います。リーズは知的な人物でヒープに質問をします。「人間は救済に値するか?」

ヒープが迷わず“YES”と答えると、彼は意外な回答だと言います。なぜならヒープが抱える家族の悲劇を調べて知っていたからです。

そして、「辛いだろうが、ここに逃げてはいけない」と諭します。更に何かが起きようとしていることも察していると・・・。

ストーリーはヒープにスクラントの姿は鏡越しでないと見えず、守護者が“ネフ・ラ・モラ”と呪文を唱え、目をジッと見ればあとづ去りして、近寄れないと教えます。

アパートの住人たちを集め、音楽パーティーは始まりますが、計画はとことん失敗していきます。ストーリーを狙うスクラントはヒープを恐れず、守護神の“タートゥイック”も現れません。

とうとう、ストーリーはスクラントに襲われ、瀕死状態になります。ナーフを助けようと集まった者たちはもう一度、“通訳”、”守護者”、”ギルド”が誰なのか考えます。

(C) 2006 Warner Bros. Entertainment Inc.

ビックが「純粋な目で見ることができ、神の声がきこえる感受性の強い者」するとデュリーは自分の息子のことを思い出します。

息子はシリアルのパッケージから、宇宙のメッセージを受け取ります。ギルドは“儀式を7人の姉妹”で行い、みんなの心を1つにすれば強い力となり、ストーリーを助けることができると言います。

そして、その奇跡は“秘密のない男”と“尊敬される男”が、証人となってくれると告げました。

“7人の姉妹”はペレス家の5人姉妹とアナとヤン、“秘密のない男”はバブチックで“尊敬される男”はリーズです。

7人の女性はヒーラーのベルの肩に手を添え、ベルはストーリーに蘇生するよう訴えます。ところが変化がみられません。ヒープが蝶の話しをすると、ベルは蝶を呼び寄せたのはヒープだと言います。

デュリーの息子も儀式の中心者は“男性”だったと言いに来ます。ヒープはヒーラーとしてストーリーを抱きかかえ、家族を守れなかった後悔、会いたい気持ち、そしてそこに集まる者に対して「みんな愛している」と言います。

ストーリーの傷はみるみる治癒していきます。そして、外は突然の雨で人々は屋内に戻り、バンドの爆音ライブを楽しみ、中庭のプールサイドには誰もいなくなりました。

その時が訪れました。再び、ストーリーとヒープが出ていくと、スクラントが待ち受けていました。ヒープはストーリーの盾になります。

その時、スクラントが視線を変えると突然、後ずさりをし始めます。スクラントの視線の先には、レジーが食べ物を持って立っていました。

“守護者”はレジーでした。レジーがスクラントにジリジリ迫りますが、滑って転倒すると襲われそうになると、木の上から3匹のタートゥイックが現れ、スクラントを攻撃しはじめ、茂みの奥へと引きずり去っていきました。

プールの上空では大鷲が旋回をはじめています。深い悲しみから立ち直れたヒープは、ストーリーに感謝をします。

プールの水面に大鷲の影が写り、ストーリーはブルーワールドへと戻っていきました。

映画『レディ・イン・ザ・ウォーター』の感想と評価

(C) 2006 Warner Bros. Entertainment Inc.

『レディ・イン・ザ・ウォーター』は、人間世界の危機を察したナーフが、秘密裏にブルーワールドからやってきて、その危機をダイレクトに伝えるのではなく、人が持っている性善説に委ねていく物語でした。

人には自分でも気がつかない役割を担っていて、信じる気持ちと優しさがあれば、協力し合う知恵が湧き、ピンチから脱出することができると伝えていました。

“ヒーラー(癒す人)”がヒープだったのも、もともと医師だったと考えれば適任者でした。

そしてカメオ出演の多いシャマラン監督が、今作に限っては主要人物として登場します。そこには何か意図があったのでしょうか?

猛獣“スクラント”の正体を考察

シャマラン監督といえば、『シックス・センス』(1999)や『アンブレイカブル』(2000)、『サイン』(2002)で鬼才と名高い監督となりますが、のちにその『サイン』と『ヴィレッジ』(2004)で、盗作疑惑が起き起訴されてしまいます。

そんな渦中を経て制作されたのが本作となります。『レディ・イン・ザ・ウォーター』は興行的にも批評家たちからの評判も悪く、第27回ゴールデンラズベリー賞で助演男優賞、監督賞を受賞してしまいます。

若くして成功を収めたシャマラン監督でしたが、“盗作”という汚名で一気に色眼鏡で見られるようになり、新作へのモチベーションも奪われたのではないかと考えます。

それを名もなき小説家ビック・ランに投影させ、彼に再び創作意欲を与えようとした、ストーリー的な役割の人物も実際にいたのかもしれません。

映画界には成功者を妬み、業界から引き釣り下ろそうとする“権力”もあったのでしょうか?それらを見つけにくい姿の“スクラント”に例え表現したのかもしれません。

エンターテイメントで人を楽しませる、純粋な気持ちを持ったクリエイター達は、その世界を守るために、スクラント(権力)からストーリー(映画)を守ろうとしたとも捉えることができます。

シャマラン監督の出演により、そのメッセージが露骨な形で、目に映った業界人もいたのではないでしょうか?

興行的に成功するしないに関わらず、シャマラン監督自身が見えない何かの恐怖から、立ち直るための作品だったと思えてなりません。

邪悪と呼ばれる“タートゥイック”が守護神の理由

それでは邪悪と称された“タートゥイック”は、なぜブルー・ワールドの守護神なのでしょう?

“タートゥイック”も草のような毛で覆われ、見つけにくい存在です。ブルー・ワールドの守護神とされていましたが、これは“同族嫌悪”による逆襲のようにも感じます。

全ての悪が敵というわけでなく、悪が悪の足を引っ張る場合もある・・・そんな風に見ることはできませんか?権力者にとって別の驚異は悪で、邪魔者になりうるからです。

右半身だけを鍛えるレジーの存在は、異端で驚異な存在だと思います。わけのわからないものには悪も恐れるでしょう。それを上手く利用するのも悪だと考えたら、あのキャラクターの存在にも納得できました。

変わったことをするという意味では、シャマラン監督も異端な存在だったでしょう。彼をいぶかる業界人もいれば、上手く利用したい業界人もいるということです。

タートゥイックがなぜ守護神なのか、少し理解に苦しみましたが、人間界に置き換えてみると、味方ではないけど、結果的に味方の役割になった人がいて、勝手に守護神と崇めてしまうこともあるのでは?と感じたのです。

まとめ

(C) 2006 Warner Bros. Entertainment Inc.

映画『レディ・イン・ザ・ウォーター』は、水の精(ナーフ)と人間が共存し、自然の知恵を与えてもらいながら、平和な世界を保っていました。

やがて文明の発展とともに距離ができ、ナーフの助言を聞かなくなった人間達は、争いごとが絶えなくなりました。ナーフは諦めて人間に助言することを止めてしまいます。

本作は危機の迫る人間界に再び、メッセージを残すためブルーワールドから、ナーフが現れるところから物語がはじまりました。

残念ながらあまり好評といえる作品ではありませんでしたが、観方によってだいぶ印象が変わりました。

近年、M・ナイト・シャマラン監督作品は再び息を吹き返しており、新作への期待も大きくなっています。ストーリーが予言で数十年後、ビックの小説が日の目をみると言ったように・・・。

【連載コラム】「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」記事一覧はこちら

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