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Entry 2021/12/22
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映画『ゴッドスレイヤー 神殺しの剣』あらすじ感想と評価解説。結末は想像を絶する異世界バトルアクション爆誕|すべての映画はアクションから始まる28

  • Writer :
  • 松平光冬

連載コラム『すべての映画はアクションから始まる』第28回

日本公開を控える新作から、カルト的に評価された知る人ぞ知る旧作といったアクション映画を時おり網羅してピックアップする連載コラム、『すべての映画はアクションから始まる』。

(C)2021 Huace Pictures (Shanghai) Co., Ltd., Free Whale Pictures Co., Ltd. & Huace Pictures (Tianjin) Co., Ltd. All Rights Reserved.

今回は、2022年1月28日(金)より新宿ピカデリーほかにて全国公開の『ゴッドスレイヤー 神殺しの剣』

虚構と現実が入り交じる幻惑世界を、壮大なスケールで描いたファンタジー・アクションです。

【連載コラム】『すべての映画はアクションから始まる』記事一覧はこちら

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映画『ゴッドスレイヤー 神殺しの剣』の作品情報

(C)2021 Huace Pictures (Shanghai) Co., Ltd., Free Whale Pictures Co., Ltd. & Huace Pictures (Tianjin) Co., Ltd. All Rights Reserved.

【日本公開】
2022年(中国映画)

【原題】
刺殺小說家(英題:A Writer’s Odyssey)

【監督・脚本】
ルー・ヤン

【キャスト】
レイ・ジャーイン、ヤン・ミー、ドン・ズージェン、ユー・ハーウェイ

【作品概要】
執筆した内容が現実世界に影響を及ぼすという特殊能力を持つ小説家をめぐる、中国製ファンタジー・アクション。

『ブレイド・マスター』(2015)、『修羅 黒衣の反逆』(2018)で、中国武狭アクションに新風を吹き込んだルー・ヤン監督が、5年の歳月をかけて製作。

主なキャストは、ヤン監督作『修羅 黒衣の反逆』にも出演のレイ・ジャーイン、『ナミヤ雑貨店の奇蹟 再生』(2018)のドン・ズージェン、『リセット 決死のカウントダウン』(2018)のヤン・ミー。

本国の中国では168億円超えのメガヒットを記録しました。

映画『ゴッドスレイヤー 神殺しの剣』のあらすじ

執筆する内容が現実世界に影響を及ぼす能力を持つ謎の小説家、ルー・コンウェン。彼が書き綴る「神殺し(ゴッドスレイヤー)」と冠された異世界の物語によって、現実が変えられていきます。

そんな中、6年前から行方不明となっている娘を探し続ける男グアン・ニンは、小説の完結を阻止したいという巨大企業からの依頼で、娘の居場所と引き換えに、コンウェンの暗殺を請け負うことに。

娘のためにコンウェンを殺そうと何度も試みるも、どうしても踏み切れないグアン・ニンは、逆に小説を完結させることで、自分自身の現実を変えようとしますが……。

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現実とフィクション、2つの世界が入り混じる

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主人公が現実と異なる世界に飛ばされてしまい、冒険者となって旅をする――いわゆる“異世界バトルもの”作品は、日本のみならず海外でも人気のジャンルとなっており、本作『ゴッドスレイヤー 神殺しの剣』もその系譜にあるといえます。

本作の主人公グアン・ニンは、数年前に行方不明となった娘を探し続けていましたが、謎の女トゥ・リンから、小説家ルー・コンウェンの暗殺を依頼されます。

現実世界に変える力のある小説を書くルーを殺して、その力を無くしたい――娘の情報と引き換えに暗殺を引き受けたグアンは、小説のファンと偽ってルーと接触。

本作が既存の異世界バトルものとは少々異なるのは、グアンたちのいる現実世界と、ルーが書き綴る小説の異世界が並行して描かれることにあります。

ルーの小説は、赤髪鬼と呼ばれる怪物が君臨する、都市ごとに人々が殺し合いを続ける世界が舞台となっており、とある理由から赤髪鬼に命を狙われる少年コンウェンが、圧倒的な力を持つ“多弁な鎧”を身にまとい、鬼に殺された姉の仇討ちをしようと旅に出ます。

剣術&異能者たちのバトルが展開

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異世界でコンウェンに憑りついた“多弁な鎧”は、その名の通り喋りを絶やさず、残虐行為もいとわない不気味な生命体。気弱なコンウェンを常に小馬鹿にしますが、彼の血を吸わないと生存できません。

一方のコンウェンも、鎧の存在を疎ましく思うも、赤髪鬼を倒すためにはその力が不可欠。そんな共存共栄の関係にある両者は、一緒に旅をしていくうちに相棒のような関係を築いていきます。

『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(2021)を思わせる、人間と謎の生命体のバディ・ムービーとしてもさることながら、『修羅 黒衣の反逆』も記憶に新しい、ルー・ヤン監督の剣術アクションが冴えます。

見せ場となるアクションは、異世界だけではありません。

実は現実世界のグアンには投げる物を自在にコントロールできる能力があり、トゥ・リンがルー暗殺を依頼したのも、その能力を見込んだから。そしてグアン以外の独自の能力を持つ者たちもまた、ルーの命を狙おうとします。

剣術アクションの異世界と、「X-MEN」シリーズ(2000~)のような異能者たちのアクションが繰り広げられる現実世界。世界別に区分けされた二種類のバトルが、観る者を飽きさせません。

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小説が現実を変える!?想像を絶する結末とは

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世界的スターのジャッキー・チェンも魔法を武器にして闘う『ナイト・オブ・シャドー 魔法拳』(2020)を撮ったように、映画資本力が高い中国では近年、独特なタッチで幻想的かつ緻密な世界観のファンタジー・アクションが量産されています。

その中でも最新作にあたる本作は、作品に豊かな質感を与えるため、最新のモーションキャプチャーやバーチャルシューティングの手法を採用。イマジネーションを刺激する凄惨ながらも美しい情景が、謎が謎を呼ぶ物語の展開に彩りを加えています。

現実世界でのグアンとルーとの出会いにより、小説の異世界にも思わぬ変化が。

はたしてグアンの目的は達成されるのか?そして、コンウェンと“多弁な鎧”コンビは赤髪鬼を倒すことが出来るのか?

チャイニーズ・ファンタジー・アクションが、2022年のスクリーンの幕を開けます。

次回の『すべての映画はアクションから始まる』もお楽しみに。

【連載コラム】『すべての映画はアクションから始まる』記事一覧はこちら

松平光冬プロフィール

テレビ番組の放送作家・企画リサーチャーとしてドキュメンタリー番組やバラエティを中心に担当。主に『ガイアの夜明け』『ルビコンの決断』『クイズ雑学王』などに携わる。

2010年代からは映画ライターとしても活動。Cinemarcheでは新作レビューの他、連載コラム『だからドキュメンタリー映画は面白い』『すべてはアクションから始まる』を担当。(@PUJ920219

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