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Entry 2019/08/17
Update

Netflix『全裸監督』第8話あらすじネタバレと感想。シーズン1ラストはテレビで脇毛見せ!|パンツ一丁でナイスですね〜!8

  • Writer :
  • 白石丸

連載コラム『パンツ一丁でナイスですね〜!』八丁目

Netflixオリジナルシリーズ『全裸監督』が2019年8月8日より配信中です。

伝説のAV監督村西とおるを描いた本シリーズ。

このコラムでは1話づつ、ネタバレありのあらすじを含め、解説しています。今回取り上げるのは第八話「性革命」。

日本に帰ってきた村西はポセイドン企画に勝つために怒涛の勢いで作品を撮っていき、黒木香は全国的にブレイク。

そしてともに突っ走ってきた村西とトシが切ない顛末を迎えます。

【連載コラム】『パンツ一丁でナイスですね〜!』記事一覧はこちら

ドラマ『全裸監督』の作品情報


Netflixオリジナルシリーズ『全裸監督』

【総監督】
武正晴

【監督】
河合勇人、内田英治

【原作】
本橋信宏

【脚本】
山田能龍、内田英治、仁志光佑、山田佳奈

【キャスト】
山田孝之、満島真之介、森田望智、柄本時生、伊藤沙莉、冨手麻妙、後藤剛範、吉田鋼太郎、板尾創路、余貴美子、小雪、國村隼、玉山鉄二、リリー・フランキー、石橋凌

【作品概要】
80年代、ビニ本ブームを爆発させ、49番目の体位“駅弁”を生み出し、AVという言葉を日本に定着させた男・村西とおる。

エロで外交問題を起こし、前科7犯、アメリカでは懲役370年を求刑された生きる伝説を描く、Netflix限定配信ドラマ『全裸監督』が配信中です。

村西を演じるのは日本を代表する怪優となった山田孝之。

村西と深い絆で結ばれる有名女優・黒木香を演じるのはオーディションで抜擢された森田望智。

その他、満島真之介、玉山鉄二、リリー・フランキーをはじめ、カメオ出演まで含めてそうそうたる豪華キャストが出演しています。

総監督は『百円の恋』(2014)『リングサイド・ストーリー』(2017)『銃』(2018)の武正晴。

演技、演出と同じく、80年代の日本を見事に再現した美術も見所のひとつ。

すべてが世界基準のアウトロー一代記です。

ドラマ『全裸監督』第八話「性革命」のあらすじとネタバレ

黒木香は“朝まで生テレビ”に出演し、日本の性をタブー視する風潮はおかしいと主張していました。

彼女は人間はありのままに生きるべきだと言って自身の腋毛を晒します。

村西たちは事務所でその放送を見ていました。香の芝居がかったトークは村西の影響だと、メイクスタッフ順子が指摘。

サファイア映像の面々は村西の出所祝いにクラブに繰り出します。そこには香も来ており、村西はバーカウンターで彼女と話し込んでいました。

大学を正式に退学したという香は村西に「あなたのことが忘れられなかった」と抱きつきます。

香が取材で抜けた後、クラブに来ていた池沢が村西に話しかけてきます。池沢はサファイア映像を買取りたいと言ってきました。

作品は村西たちが今までどおり作成し、販売は池沢が請け負うという提案でしたが、村西は跳ね除けます。従わないなら昭和の終わりと共にお前は消えると池沢は言いますが、村西は不敵に笑いました。

その裏で、トシはドラッグに溺れていました。

数日後、ビデオ規制委員会は村西の作品が爆発的に売れていることに目を付け、サファイア映像への規制を緩和すべきだと池沢に持ちかけます。

池沢は、それを認めるならポセイドン企画の作品も本番行為をしてモザイクは薄めると、規制委員会を丸め込みました。

池沢は古谷とも会い、ポセイドンの作品をもっと裏に回していいから取り分を変えるよう要求。今目立つのはまずいと言う古谷に、池沢は警察には武井がいるから大丈夫だと笑いました。

そして村西の作品は裏で回すなと念を押します。

そんなことも知らずサファイア映像は超強行スケジュールで撮影を入れていました。事務所には黒木香に憧れた女優志望が沢山やってきます。忙しさのあまり村西は三田村にも監督を任せ始めます。

一方、ポセイドン企画も本番撮影を解禁し、全作品を池沢がチェックしながらの量産体制に入りました。ストーリー性なんていらない、男優は映さなくていい、質のいい女優を集めろという池沢。

対して村西は、自身が作品に出演し、独自の口上で女優の気持ちを高め、作品を盛り上げて撮影していきます。サファイア映像の作品は村西の独自のキャラも受けて、人気急上昇。

ポセイドン企画とサファイア映像は互角の販売戦争を繰り広げます。黒木香もテレビに積極的に出演し、人気を博しました。

ある日、奈緒子が事務所にやってきます。彼女は自分がAVに出ていたことが知られ、会社を辞めることになったんです。

トシがマスターテープを古谷に渡して製造された、サファイア映像の裏ビデオが原因でした。トシは自分がやったことを白状します。

全ては村西の保釈の資金調達の為だったと言うトシに、村西は販売をやめるよう頼みます。

トシは古谷に販売をやめると言いに行きますが、裏ビデオ製作所の管理は任せると言い出す古谷。

どうすることもできずドラッグに逃げるトシ。

彼はその夜、またサファイア映像の素材を盗み出そうとしますが、川田に見つかってしまいます。川田はトシが用意した保釈金と同額分を、手切れ金として渡そうとしますが、トシは跳ね除けました。

裏ビデオのこともドラッグのことも、武井に目をつけられたら終わりだという川田に、トシは掴みかかります。村西が2人を止め、川田は出ていきます。

村西はトシのことは信用しているがもう限界だと言って、北海道に帰るよう勧めました。泣きながら許してくれというトシに村西はもう終わりだと告げました。

村西はトシを抱きしめ、出てってくれと頼みます。「後悔するぞ」というトシに村西は「もうしている」と返しました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『全裸監督』第八話「性革命」ネタバレ・結末の記載がございます。『全裸監督』第八話「性革命」をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


Netflixオリジナルシリーズ『全裸監督』

天皇崩御が間近になり、警察は元号変更に伴って全国規模での警戒態勢を敷くこととなります。武井も管轄の縄張りを整理するよう命じられました。

クリスマス、村西と香はイルミネーションを見ながら話していました。

願い事は何にするか聞かれた村西は、もう一度香と作品が撮りたいと言います。香も、村西と一緒ならAVで世の中を変えていける気がすると応えました。

二人は共に性革命を起こすことを誓いました。

元号が変わる直前、武井は池沢のもとにやってきます。今後のビジネスを語る池沢に、武井は「あんた本番は嫌いだったんじゃないのか」と言いますが、池沢は時代の変化だと笑いました。

村西と香はテレビに出て作品を宣伝、放送は大受けし、ビデオ屋メルヘンは大行列。

しかしある夜、武井主導の一斉摘発が行われ、トシが逮捕されます。裏ビデオ販売網は警視庁に潰され、池沢まで捕まりました。

裏との関係を断っていた村西たちは摘発されずに済みますが、武井は事務所にやってきて「裏に手を出したら逮捕する」と脅して帰りました。

そして天皇が崩御され、時代は平成に変わります。

古谷は武井と、これからも持ちつ持たれつでバランスを保とうと話し合いました。

池沢が消えた今、村西は新たなポルノ王とまで呼ばれるようになっています。

奈緒子は本格的に女優デビューし、監督として一人前になった三田村とは睦まじい仲に。

トシは出所しますが、迎えに来ていたのは古谷と組員たちでした。古谷の計らいで早く出所できたトシは、本格的に極道の世界に入っていきます。

そして池沢は刑務所内で首を吊って自ら命を絶ちました。

サファイア映像は事務所を移転することになります。移転直前、村西とおると黒木香の再共演がついに実現します。

エロで世界を変えようと話す2人。村西はパンツ一丁になると、腋毛を晒す香にカメラを回し、口上を述べます。

「私は黒木香さんと熱いファイトを交わし、みなさんにミラクルをお見せします。どんなことが起きても目を閉じないでください」

村西は笑みを浮かべて「よ~い、アクション」と声をかけました。

ドラマ『全裸監督』第八話「性革命」の感想と評価

相棒との別れ

参考:Netflix Japanの公式ツイッター

ついに完結した『全裸監督』シーズン1。

僅か8話で、村西が英語教材のセールスマンだった昭和55年から、ポルノ王にまでのし上がる平成元年まで濃密に描き切りました。

このドラマは全体を通して、アウトローがのし上がるピカレスクロマンの要素、そして青春ドラマの要素が強い作品でした。

日本自体がバブル絶頂で、希望と勢いに満ちていた時代だったこととも関係しているかもしれません。

何にも失うものがないからこそ業界の常識をぶち破ることが出来ていた村西ですが、最終話で一番最初からともに歩んできた相棒トシを失ってしまいます。

トシを突き放す村西の胸中はいかほどか、「もう後悔してる」というセリフにはどれだけの思いが込められているのか。

そもそも村西がハワイに撮影に行かなければトシも裏ビデオの世界に手を出すこともなかったわけですから、彼の後悔は計り知れません。

村西とトシが決定的に決裂する場面は、これまで視聴してきた人間にとっては涙なしには見れない場面となっていました。

勝利と伴う犠牲

そしてもう一人、村西のために自分の生き方を変えた黒木香は最終話でさらなる開花を見せます。

動画サイトに、実際の黒木香のテレビ出演時の映像がいくつか残っています。

役づくりのための研究を重ねた森田望智。『全裸監督』には女優森田望智ではなく、本物の黒木香が存在していました。

村西も香も、通常時の喋り方と、カメラや大衆向けにスイッチが入った時の違いがかなり極端です。

彼らが露悪的な行動をとり特殊な喋り方をするのは、世間に対する武装なのです。

そうやって彼らが戦ってきたことにより、AVの世界はよりオープンなものになり、市民権を得ていきました。

そもそも『全裸監督』がNETFLIXで潤沢な予算で製作され、全世界配信されていること自体が、村西たちが戦いに勝利した証です。

しかしただ栄光だけを描くのではなく、革命を起こすために彼らが家族や仲間や普通の平穏な生活をどれだけ犠牲にしたのかも描写されています。

様々な痛みを乗り越えてきた村西が、これからも修羅の道を突き進むことを予感させるラストカットは不思議な爽快感がありました。

まとめ

参考:Netflix Japanの公式ツイッター

既にご存知の方も多いかと思いますが、『全裸監督』は大好評を博し、配信開始からわずか1週間でシーズン2の製作が決定しました。

村西たちと同じく、武監督や山田孝之の賭けも大勝利を収めたのです。

これまで暗黙の規制をされていた題材が、一流のスタッフキャストが集まり、最高のパフォーマンスをすれば大ヒット、というこの結果は多くのクリエイターに勇気を与えたのではないでしょうか。

日本の表現に風穴を開けた作品として『全裸監督』は語り継がれていくことでしょう。

平成に入りバブルが弾け、だんだんと日本が暗くなっていく時代の中、村西たちはエロでどう戦うのか。そして道を踏み外したトシの運命は?

これからも目が離せません。

いずれやってくる『全裸監督』シーズン2の記事をお楽しみに!

Netflixオリジナルシリーズ『全裸監督』は2019年8月8日から全世界で配信中です。

【連載コラム】『パンツ一丁でナイスですね〜!』記事一覧はこちら


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