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香港映画『四十四にして死屍死す』日本初上映決定!2023年の大阪アジアン映画祭のスペシャル・オープニングを飾る|大阪アジアン映画祭2023見聞録2

  • Writer :
  • 星野しげみ

第18回大阪アジアン映画祭のスペシャル・オープニング&クロージング作品決定!

「大阪発。日本全国、そしてアジアへ!」をテーマに、アジア各地の優れた映画を世界または日本の他都市に先駆けて上映・紹介する大阪アジアン映画祭。

2023年3月10日(金)〜19日(日)での開催が決定された本映画祭は、2023年でついに18回目を迎えました。

ラインアップ発表から、ジョージア・ドイツ合作『私だけの部屋』(英題:A Room of My Own)などもコンペティション部門に追加。参加数が増え、16の国・地域の合計51作品(うち世界初上映15作、海外初上映8作、アジア初上映2作、日本初上映20作)に決まりました。

また、スペシャル・オープニング作品、クロージング作品もそれぞれ決定しましたので、お知らせいたします。

【連載コラム】「大阪アジアン映画祭2023見聞録」記事一覧はこちら

2023年開催の大阪アジアン映画祭のオープニング作品が決定!

第18回大阪アジアン映画祭のスペシャル・オープニング作品に、ホー・チェクティン監督の最新作『四十四にして死屍死す』(シジュウシニシテシシシス)が決定

今年度は、例年とは異なり開催初日にセレモニー等は実施せず、3月15日(水)にスペシャル・オープニング・セレモニーおよびスペシャル・オープニング作品の上映を行います。

また、クロージング作品に選ばれたのは、坂口健太郎主演、伊藤ちひろ監督の日本映画『サイド バイ サイド 隣にいる人』です。

本コラムでは、『四十四にして死屍死す』と『サイド バイ サイド 隣にいる人』の2作をご紹介いたします。

スペシャル・オープニング上映作品『四十四にして死屍死す』


(C) 2023 One Cool Film Production Limited, 852 Films Limited, Icon Group Limited, the Government of the Hong Kong Special Administrative Region All Rights Reserved.

スペシャル・オープニングに決定した『四十四にして死屍死す』は、ABCホール初日の3月15日(水)に上映されます。

本作の監督は、現代のシリアスな問題を軽やかなコメディに昇華させた新鋭、ホー・チェクティン

⻑編初監督作となる前作『正義迴廊(原題)』は、香港電影⾦像奨(4月16日最終結果発表予定)で作品賞、監督賞、新人監督賞など最多部門でノミネートされています。

香港大ヒット作監督による最新作『四十四にして死屍死す』は、マンションを舞台に繰り広げられる一夜のブラックコメディです。

高層マンションの玄関先で見つけた男の死体。関わりあいを恐れて主人公たちは、死体を移動させます。

熱血警備員と監視カメラの目をかいくぐり、彼らは無事に死体を運び出すことができるのでしょうか。そして死体はどこからやってきたのでしょう。

本作では、風評被害がもたらす恐怖から無責任⾏動に突き進む家族の悲喜こもごもを映し出し、死体騒動を通して今を⽣きる香港人の姿を描きだします

映画『四十四にして死屍死す』の作品情報


(C) 2023 One Cool Film Production Limited, 852 Films Limited, Icon Group Limited, the Government of the Hong Kong Special Administrative Region All Rights Reserved.

【日本公開】
2023年(香港映画)

【原題】
死屍死時四十四

【英題】
Over My Dead Body

【監督】
ホー・チェクティン

【脚本】
コン・ホーヤン

【出演】
テレサ・モー、ロナルド・チェン、ウォン・ヤウナム、ジェニファー・ユー、イーダン・ルイ、ヨン・ワイルン

映画『四十四にして死屍死す』のあらすじ

義⺟の住む高層マンションで、妻と娘、義兄と暮らすミンは、ある夜、⽞関先で裸の男性の死体を発⾒し、家族と大騒動に。

自分たちの部屋が “事故物件 “となり、資産価値が暴落することを恐れ、義⺟の号令のもと死体を隣人の⽞関先に移します。

やがて同じ階に住む、余⽣を静かに過ごす⽼夫妻、禁⽌された⽝を飼う⼥性とそのメイド、怒りっぽい⽗親と気難しい息⼦が、次々とこの騒動に巻き込まれていきます。

クロージング上映作品『サイド バイ サイド 隣にいる人』


(C) 2023『サイド バイ サイド』製作委員会

監督の伊藤ちひろは、行定勲監督の『世界の中心で、愛をさけぶ』をはじめ、数多くのヒット作の脚本を生み出した名脚本家。

主人公の未山は、若手実力派俳優として活躍している坂口健太郎が演じ、柔らかい雰囲気で未山というミステリアスなキャラクターに命を吹き込んでいます。

未山の過去の恋人・莉子には、元乃木坂46の齋藤飛鳥。乃木坂46卒業発表後初の映画出演となる本作で、新たな魅力を開花させています。

『サイド バイ サイド 隣にいる人』は、2023年4月14日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

映画『サイド バイ サイド 隣にいる人』の作品情報


(C) 2023『サイド バイ サイド』製作委員会

【公開】
2023年(日本映画)

【監督】
伊藤ちひろ

【出演】
坂口健太郎、齋藤飛鳥、浅香航大、磯村アメリ、市川実日子

映画『サイド バイ サイド 隣にいる人』のあらすじ

目の前に存在しない“誰かの想い”が見える青年・未山(坂口健太郎)。

その不思議な力で身体の不調に悩む人や、トラウマを抱えた人を癒やし、周囲と寄り添いながら、恋人で看護師の詩織(市川実日子)とその娘・美々(磯村アメリ)と静かに暮らしていました。

そんな彼はある日、自らの‟隣”に謎の男(浅香航大)が見え始めます。これまで体感してきたものとは異質なその想いをたどり、遠く離れた東京に行きついた未山。

ミュージシャンとして活躍していたその男は、未山に対して抱えていた特別な感情を明かし、更には元恋人・莉子(齋藤飛鳥)との間に起きた‟ある事件”の顛末を語ります。

未山は彼を介し、その事件以来一度も会うことがなかった莉子と再会。自らが“置き去りにしてきた過去”と向き合うことに……。

やがて紐解かれていく、未山の秘密。彼は一体、どこから来た何者なのかーー?

第18回大阪アジアン映画祭の開催概要とチケットについて


(C) 2023『サイド バイ サイド』製作委員会

【開催期間】
2023年3月10日(金)〜19日(日)

*実施プログラムについては、新型コロナウイルス感染症の影響等により中止または変更する場合があります。最新情報は映画祭ウェブサイトにてお知らせいたします

【開催会場】
ABCホール、シネ・リーブル梅田、梅田ブルク7、大阪中之島美術館、国立国際美術館

【鑑賞料金】
基本料金:1,300円(全席指定席)
⻘春22切符(22歳までの方):500円(全席指定席) 他

【販売方法】
上映会場・上映日によって料金・販売方法・発売日が異なります。また、1上映につき、お一人様1枚のチケットが必要ですので、ご注意ください。

梅田ブルク7、シネ・リーブル梅田上映分は各劇場ウェブサイト及び劇場窓口にて販売。
ABCホール、大阪中之島美術館上映分は映画祭ウェブサイト及び会場窓口にて販売。

*チケットは3月5日(日)より上映会場ごとに順次発売開始。料金や販売方法等の詳細については、映画祭ウェブサイトにてお確かめください

「大阪アジアン映画祭」公式サイトはコチラ→

まとめ


(C) 2023 One Cool Film Production Limited, 852 Films Limited, Icon Group Limited, the Government of the Hong Kong Special Administrative Region All Rights Reserved.

2023年3月10日(金)〜19日(日)に開催される第18回大阪アジアン映画祭。ついにスペシャル・オープニングとクロージング作品が発表されました。

3月15日(水) ABCホールにて上映
スペシャル・オープニング作品:香港映画『四十四にして死屍死す』テレサ・モー主演、ホー・チェクティン監督

3月19日(日)18:30 ABCホールにて上映
クロージング作品:日本映画『サイド バイ サイド 隣にいる人』坂口健太郎主演、伊藤ちひろ監督

どちらも、世界初上映とあって、選りすぐりの作品を待ち除くファンの気持ちをそそります。

第18回大阪アジアン映画祭は、2023年3月10日(金)〜19 日(日)に開催!

【連載コラム】「大阪アジアン映画祭2023見聞録」記事一覧はこちら

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