第18回大阪アジアン映画祭は2023年3月10日(金)〜19日(日)に開催!
「大阪発。日本全国、そしてアジアへ!」をテーマに、アジア各地の優れた映画を世界または日本の他都市に先駆けて上映・紹介する大阪アジアン映画祭。
2023年3月10日(金)〜19日(日)での開催が決定された本映画祭は、本年でついに18回目を迎えました。
コロナ禍により2020年から途絶えていたゲストとの交流が再開される他、上映会場の1つに2022年春にオープンされた大阪中之島美術館が加わった第18回大阪アジアン映画祭。
このたび、第18回大阪アジアン映画祭の開催概要および上映作品ラインナップが発表。本記事では本映画祭の開催概要にくわえ、Cinemarche注目の上映作品を紹介いたします。
【連載コラム】「大阪アジアン映画祭2023見聞録」記事一覧はこちら
CONTENTS
「大阪アジアン映画祭」とは?
『天国か、ここ?』(コンペティション部門)
「大阪発。日本全国、そしてアジアへ!」をテーマにアジア各地の多彩な映画を日本・大阪より発信し続け、「“目利き”の映画ファンたちが信頼を置く国内映画祭」の一つとして知られている大阪アジアン映画祭。
2023年に第18回目を迎える本映画祭では、映画上映のみならず、ポスター展、ワークショップ、ブックフェア、シンポジウムなど映画祭をより楽しめる関連イベントを実施。
さらにコロナ禍により2020年から途絶えていたゲストとの交流を再開する他、上映会場の1つに2022年春にオープンした大阪中之島美術館が新たに加わりました。
第18回大阪アジアン映画祭では、スペシャル・オープニング作品・クロージング作品を除き、15の国・地域の合計48作品(うち世界初上映13作、海外初上映8作、アジア初上映2作、日本初上映19作)もの映画が上映されます。
『白日青春』(コンペティション部門)
「コンペティション部門」では、アンソニー・ウォン主演作『白日青春』(香港)、昔ながらの理髪店が舞台の人情劇を描いた台『本日公休』(台湾)、宮崎駿アニメの大ファンで愛猫を「ミャーザキ」と名付けたカップルを描いた『マックスとミンとミャーザキ』(インド)など個性豊かな作品がエントリー。
さらに国内からは、『コントラ』アンシュル・チョウハン監督が少女の事件を題材に魂の救済を描く『赦し』、いまおかしんじ監督が亡くなった同志たちを想う『天国か、ここ?』。
『親知らず』宮嶋風花監督が長澤樹・窪塚愛流らを迎えて贈る『愛のゆくえ』、『眠る虫』金子由里奈監督がキャストに細田佳央太・駒井蓮を迎え、大前粟生による同名小説を原作に手がけた『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』が同部門にエントリーしました。
『緑のざわめき -Saga Saga-』(インディ・フォーラム部門)
暉峻創三プログラミング・ディレクター肝煎りの「特別注視部門」では、アカデミー賞国際長編映画賞・バングラデシュ代表に選出されたミステリー映画『風』、サンダンス映画祭(審査員賞受賞)のほか20ヶ国以上の映画祭で上映された映画愛溢れる『Leonor Will Never Die(英題)』(フィリピン)などが上映。
そして、斬新で挑戦的な作品を紹介する「インディ・フォーラム部門」では、『左様なら』石橋夕帆が監督を務め主演・唐田えりかの演技が光る『朝がくるとむなしくなる』、松井玲奈主演作『緑のざわめき -Saga Saga-』、瀬戸かほ主演作にして海外映画祭で評価を高め続けている『New Religion』などが上映。
また同部門では、新進気鋭の田中晴菜監督の短編『甘露』『Shall We Love You?』2作も特別上映されます。
Cinemarche注目の上映作品を紹介!
『New Religion』(インディ・フォーラム部門)
『New Religion』のあらすじ
雅は事故で娘を失った。事故後、彼女はデリヘル嬢として働いていたが、ある日、彼女の背骨の写真を撮りたいという奇妙な客と出会う。彼女は撮影を許すのだが…。
個の喪失の物語は夢や現実、そして社会の崩壊をめぐる神話へとつながっていく。
『New Religion』の見どころ
ロンドン・フライトフェスト映画祭でのワールド・プレミアをはじめ、ワルシャワ国際映画祭、トリエステ・サイエンスフィクション国際映画祭、リスボン国際ホラー映画祭(MOTELX)、アメリカ・スラムダンス映画祭など多数の海外映画祭にて上映された、Keishi Kondo監督による長編『New Religion』。
サンティアゴホラー映画祭ではベストシネマグラフィ&審査員賞をW受賞するなど、海外の批評家・映画ファンたちから高い評価と注目を集め続けている本作は、第18回大阪アジアン映画祭にてアジアン・プレミア上映を迎えます。
主演は『クレマチスの窓辺』『この日々が凪いだら』の瀬戸かほ。SF・ホラーといったジャンルをも超越した「アブストラクト・SFホラー」という新ジャンルを名乗るにふさわしい、想像を絶する映画となっています。
Keishi Kondo監督から入選コメントも到着!
2022年、ヨーロッパを中心に映画祭を回ってきた『New Religion』がようやく日本初上映となります。一筋縄ではいかない、アブストラクトSFホラー。あなたの感性でこの映画を完成または補完するように楽しんでもらえたらとても嬉しいです。
『甘露』『Shall We Love You?』(インディ・フォーラム部門)
『甘露』のあらすじ
亡くなった祖父が営んでいた駄菓子屋を取り壊すことになり、遺品整理をする大吾のもとに、滅多に実家にも現れなかった弟の蒼馬が帰ってくる。
蒼馬が幼い頃、祖父に渡したという「何か」を探しているうちに姿を消してしまい……。
『Shall We Love You?』のあらすじ
放課後、高校の体育館の隅に集まる演劇部の真琴、悠、芽依は、オスカー・ワイルド作「The Happy Prince」を翻訳、舞台化しようとしている。
彼女達は台本の読み合わせをしながら幸せとは何か考える。
2作品の見どころ
あいち国際女性映画祭・短編部門でグランプリを受賞した短編『いきうつし』をはじめ、国内外の映画祭にて作品が高く評価されている田中晴菜監督。
2021年には池袋シネマ・ロサにて特集上映が開催された田中監督の「失われるもの/失われたもの」への眼差しを描き続ける作家性は大阪アジアン映画祭でも評価され、このたび短編『甘露』『Shall We Love You?』2作の特別上映が決定されました。
『Shall We Love You?』は第17回札幌国際短編映画祭2022・ジャパン・パノラマ部門にも選出されました。
田中晴菜監督から入選コメントも到着!
『甘露』、『Shall we love you?』の2作上映、および焦点監督として取り上げて頂き大変光栄です。どちらも至極パーソナルな、小さく愛おしい作品です。多くの方にご覧頂けたら嬉しいです。
『世界』(インディ・フォーラム部門)
『世界』のあらすじ
監督が出身地・長野市で地元の子ども達と10年かけて撮影する映画『刻』、その撮影の中で子どもたち自身と触れ合い、生まれた物語。
吃⾳を抱える中学⽣の秋と、やりたい事に悩むシンガーソングライター・ゆうみのストーリーが映し出す人間ドラマ。
『世界』の見どころ
初の⻑編映画『空(カラ)の味』は第10回⽥辺・弁慶映画祭で弁慶グランプリ・⼥優賞・市⺠賞・映検審査員賞の4冠に輝いた塚田万里奈監督。
『世界』が生まれるきっかけとなった映画『刻』は、塚田監督の実体験をベースに、自身の出身地・長野市に暮らす子どもたちをキャストに迎え、10年の時間の物語を16mmフィルムで映し出すという長期プロジェクトのもと制作が続けられています。
そして『刻』の制作を進める中で生まれた短編『世界』は、ロッテルダム国際映画祭にて入選を果たしました。
第18回大阪アジアン映画祭・開催概要
【開催期間】
2023年3月10日(金)〜19日(日)
*実施プログラムについては、新型コロナウイルス感染症の影響等により中止または変更する場合があります。最新情報は映画祭ウェブサイトにてお知らせいたします。
【開催会場】
ABCホール、シネ・リーブル梅田、梅田ブルク7、大阪中之島美術館、国立国際美術館
【鑑賞料金】
基本料金:1,300円(全席指定席)
⻘春22切符(22歳までの方):500円(全席指定席) 他
【販売方法】
梅田ブルク7、シネ・リーブル梅田上映分は各劇場ウェブサイト及び劇場窓口にて販売。
ABCホール、大阪中之島美術館上映分は映画祭ウェブサイト及び会場窓口にて販売。
*チケットは3月5日(日)より上映会場ごとに順次発売開始。料金や販売方法等の詳細については、2月以降、映画祭ウェブサイトにてお知らせいたします。
まとめ
2023年3月10日(金)〜19日(日)に開催される第18回大阪アジアン映画祭。ついにこのたび、本映画祭の開催概要および上映作品ラインナップが発表されました。
発表された上映作品は、どれも“目利き”の映画ファンたちが気になるものばかり。開催が待ち遠しくなる内容となっています。
また、コロナ禍により2020年から途絶えていたゲストとの交流が再開されることも、大阪アジアン映画祭を愛する人々にとっては何よりも吉報なのかもしれません。
そして今回の映画祭での作品ラインナップのうち、スペシャル・オープニング作品(メイン会場であるABCホール初日の3月15日(水)に上映)とクロージング作品については2月上旬での発表を予定。今後の新たな情報に期待です。
第18回大阪アジアン映画祭は2023年3月10日(金)〜19 日(日)に開催!
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