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Entry 2020/02/11
Update

ホラー映画『人面魚』ネタバレあらすじと感想。 最新やばいTHE DEVIL FISHに魅入られたのはビビアン・スー!?|未体験ゾーンの映画たち2020見破録19

  • Writer :
  • 増田健

連載コラム「未体験ゾーンの映画たち2020見破録」第19回

世界各国の様々な映画を集めた、劇場発の映画祭「未体験ゾーンの映画たち2020」は、今年もヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田にて実施、一部作品は青山シアターで、期間限定でオンライン上映されます。

前年は「未体験ゾーンの映画たち2019」にて、上映58作品を紹介いたしました。

今年も挑戦中の「未体験ゾーンの映画たち2020見破録」。第19回で紹介するのは、台湾のホラー映画『人面魚 THE DEVIL FISH』

どこの国でも人々の口に上るのが怪談話であり、都市伝説です。台湾の都市伝説「紅い服を着た少女」は…赤い服を着た老婆のような顔の少女が、人を山に誘い込む…というお話は、アレンジして2015年『紅衣小女孩(The Tag-Along)』として映画化されました。

映画のヒットし、2017年『紅衣小女孩2(The Tag-Along 2)』が製作され、こちらは更なる大ヒットを記録。シリーズの3作目も製作されます。

この3作目、都市伝説の「紅い服を着た少女」は卒業しました。次に取り上げた都市伝説は、あの「人面魚」だったのです…。

【連載コラム】『未体験ゾーンの映画たち2020見破録』記事一覧はこちら

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映画『人面魚 THE DEVIL FISH』の作品情報


(C)2018 Entertaining Power Co,Ltd. All Rights Reserved.

【日本公開】
2020年(台湾映画)

【原題】
人面魚 紅衣小女孩外傳 / The Tag-Along: The Devil Fish

【監督】
デビッド・ジュアン(莊絢維)

【キャスト】
ビビアン・スー(徐若瑄)、チェン・レンシュオ(鄭人碩)、チャン・シューウェイ(張書偉)、ロン・シャオホア(龍劭華)、チェン・シャオウェイ(陈少卉)

【作品概要】
魚を介して人に憑りつく邪悪な魔神と、霊媒師との死闘を描いたホラー映画。

出演はアイドルとして活動、96年にバラエティ番組『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』のレギュラー出演で、日本でも全国的な人気を獲得したビビアン・スー。台湾・香港・日本・中国の映画に出演し、現在も国際的な活躍を続けています。

また「東京国際映画祭2017」の”アジアの未来”部門で上映された、『アリフ、ザ・プリン(セ)ス』のチェン・レンシュオ、『落日』など台湾のTVドラマで活躍するチャン・シューウェイ、また前作『紅衣小女孩2』と同じ役で、ロン・シャオホアが出演しています。

ヒューマントラストシネマ渋谷とシネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2020」上映作品。

映画『人面魚 THE DEVIL FISH』のあらすじとネタバレ


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その昔、魔神が棲む地であった台湾の蘭澤(ランタン)。明の時代の英雄、鄭成功は武将を送り、”虎爺”(台湾で信仰を集める”保生大帝”に仕えた猛虎。道教の神で”黒虎将軍”とも呼ぶ)の力を借り魔神を成敗したと、後世に伝えられている…。

2007年、ランタン。川で釣りをしていた男が、1匹の魚を釣り上げます。連れの2人と共に魚を料理し食した男は、その魚も網にのせて焼き始めます。

何処からともなく、魚はおいしい、と訊ねるの囁き声が聞こえてきます。3人は見回しますが、誰の姿もありません。やがて声は魚を釣り上げた男、ホウの名を呼びました。

ホウの目の前で網の上で焼かれた魚が、生き返ったかのように動き始めます。魚の側面には目と口が現れ、”人面”となり蠢きます。

1人の男は吐いて倒れ、もう1人は自ら頭を岩に打ち付けます。魚に現れた”人面”の口から黒い煙が立ち上り、ホウの口に入ります。ホウの瞳の中には、赤い眼を光らせた何かがいました。

まだ幼い少年、ジュンカイ(チェン・シャオウェイ)は悪夢で目覚めました。父のリン・ジーチェン(チェン・レンシュオ)がなだめますが、魔物の夢を見たと訴えるジュンカイ。

TVのニュースは豪華な自宅に戻ったホウが、理由も無く家族の6人を殺したと伝えています。惨殺された家族の頭には、袋が被せられていました。

道教の神を祭る大坑玄虎宮。この寺院の道士であり霊媒師のリンは、弟子と共に悪魔祓いを行っていました。その姿を少年ジャハオが、友人とビデオカメラで撮影しています。

弟子がジャハオらに気付き、撮影を中断させますが、彼らが昨日電話して、寺院の取材を依頼した少年と知ると、彼はカメラの前で”虎爺”を祭る寺院の歴史を語ります。そこに現れたジュンカイが、この地の魔物を倒した”虎爺”について話します。

集音マイクを持つジャハオは、弟子がリンに警察が来たと伝える会話を捕えます。興味を持った少年はリンの後をつけました。

面会相手はリンと旧知の刑事、エーシャン(チャン・シューウェイ)です。逮捕したホウを取り調べていましたが、彼は”虎爺”に会わせろと要求していると告げます。

自分には長らく”虎爺”は降りてこないと、断ろうとしたリンですが、捜査に行き詰ったエーシャンは、手がかりを得ようと協力を要請します。車の中のホウを見た彼は、その異様な表情からホウに魔神に憑いていると悟ります。

今夜魔神を祓う儀式を行うと告げるリン。その会話をジャハオたちは聞いていました。

その日の夕刻、ジャハオは精神科に通院する母ヤーフェイ(ビビアン・スー)に付き添っていました。担当の医師から母を支えるよう、励まされるジャハオ。

2人は自宅に戻ります。ジャハオは今友人と共に撮影しているビデオ動画が、コンテストで入賞すれば、母と海外旅行に行けると明るく話します。またピアニストである母に、母校であるジャハオの学校から演奏の依頼も来ていました。

ジャハオは母に明るく振る舞いますが、話題は父から送られた離婚届にうつります。ヤーフェイは夫と別居中で、別の女性と暮らす夫は、病んだ妻から息子を引き取りたいと願っています。

ヤーフェイは夫と電話で言い争いとなります。この状況が母を苦しめていると痛感しながらも、ただ見守るしかないジャハオ。

一方リンは息子と亡き妻メイリンに祈ってから、ジュンカイを休ませ儀式の準備にかかります。その寺院に友人と共に忍び込むジャハオ。彼は母のためにコンテストで入賞できる動画を撮ろうと、魔神祓いの撮影を試みます。

まな板の上に1匹の魚を用意したリン。ホウを椅子に拘束し、弟子たちが呪文を唱え儀式は始まります。”虎爺”に我に降臨せよと祈り、リンはホウに術をかけます。

何者だ、なぜ”虎爺”に会いたいと魔神に迫るリン。しかしホウは手錠を逃れリンに襲いかかります。”虎爺”を降臨させようと祈っても叶わず、ホウに首を絞められるリン。

弟子と刑事のエーシャンが駆け付け、ホウの身をリンから引き離します。ホウの口から黒い煙が立ち上りますが、リンは煙をまな板の上の魚に封じます。魔神を封じた魚を油で揚げ始末するリンたち。魚をゴミ捨て場に処分する姿を、ジャハオは見ていました。

ジャハオがその魚を拾うと、揚げた魚は目を見開き口を開くと、中から小魚が飛び出します。ジャハオはその小魚を掴むと、水の入った容器に入れて持ち帰ります。

翌日、学校の発表で、他の生徒のビデオ作品の内容を知ったジュンカイは、それに負けない作品を作ろうと決意します。

リンは亡き妻を思い出しながら、朝食の準備をしていました。しかし息子のジュンカイは、また恐ろしい夢をみたと訴えます。息子の描いた恐ろしい顔の絵を見つめるリン。

自宅に帰ったジャハオは、母に送ったペンダントを身につけないか尋ねます。彼は不要なものを処分していましたが、それには父と親子3人で写した写真も含まれていました。少し考えてヤーフェイは、写真の処分に同意します。

魚を飼育している水槽に、ジャハオは例の小魚を入れ飼っていました。母に尋ねられた彼は、魚の成長を記録しコンテストに出すと答えます。魚をじっと見つめるヤーフェイ。

息子ジュンカイが魔物に襲われる夢を見て目覚めたリン。夜にも関わらず訪問者がいました。それは刑事のエーシャンで、彼は魔神祓いの儀式でホウに何をしたか尋ねます。ホウは留置所から姿を消していました。

手がかりを求め刑事とリンは、ホウが家族を殺害した家に入ります。リンの目にその家は、風水を意識しベットの下にお札を置いた、何かから住人を守る意図が感じとります。

この家でホウは家族の顔に、ビニール袋を被せ殺害していました。幸せそうな家族写真に、惨劇を予感させるものはありません。エーシャンは何かに襲われたと感じますが、気がつくと自らビニール袋を被っていました。

煙草に火を付けるエーシャンの手は震えていました。リンは彼にこの家は風水を意識していると話すと、刑事は事件の時ホウの妻は、警察でなく風水師に電話したと告げます。

自宅でシューベルトの「魔王」をピアノで演奏していたヤーフェイは、鍵盤の上に濡れた魚にウロコがあるとに気付きます。それを始末した彼女は夫に気配を感じます。しかし息子ジャハオが帰った時、家には彼女しかいませんでした。

ジャハオは捨てたはずの、父と写った家族写真が並べられているのを見て、母にまた出したの、と尋ねます。震えながら力なく、自分は出してないと答えるヤーフェイ。

エーシャンは、ホウの妻が連絡した風水師は隠居したが、その娘は協力的だと語りリンと訪ねます。娘は風水は判らないと言いながらも、残された資料をリンに渡します。

事件の日彼女は、ホウの妻が風水師に助けを求める電話を受け取っていました。その電話口でホウの妻は襲われます。彼女はリンに、役立つかもと言いホウの家系図を渡します。

改めてホウの家に戻ったリンとエーシャン。そこにはお供え物があり、誰かが訪れた模様です。2人が改めて家を調べると、壁の向こうに階段があると気付きます。

階段を降りると隠し部屋がありました。そこに子供が生活していた形跡がありました。エーシャンは希少疾患である皮膚病のカルテを見つけます。この部屋で病気に侵された、ホウの息子が暮らしていました。

その頃ジャハオは力なくベットに横たわる母に、もう一度病院に行ってと頼みますが、ヤーフェイは息子に、私は写真を出していないと答えます。自分を信じて欲しいと語る母に、ずっと寄り添ってゆくと約束するジャハオ。

ヤーフェイは改めて、息子から送られたペンダントを取り出し見つめます。気を取り直し魚に入った水槽や、部屋を綺麗に片付けますが、振り返ると部屋は荒れ果てたままです。

慌てて洗面所に行き薬を飲むヤーフェイ。しかし息子の残したビデオカメラに、なぜかジャハオが夫とその交際相手の女性と、仲良くしている光景が映し出されます。彼女は泣き崩れ、心は壊れていきました。

ホウの家の前に車を停め、見張っていたリンとエーシャンは、お供え物を持って現れた老婆に声をかけます。2人は老婆と隠し部屋で話します。

私はあの子をアティと名付けた、と語る老婆。彼女はアティを取り上げた産婆でした。しかし生まれながら奇病で醜かったアティを、ハンは世間に隠しこの部屋に閉じ込めます。

老婆はアティを10年以上も世話し続けましたが、治る見込みのない奇病にハンは絶望し、息子を化け物と呼び暴力を振るうようになります。あの事件の後、アティの姿は見ていない、その生死は私にも不明だと2人に告白する老婆。

帰宅したジャハオは、母からあなたは父とその相手の女と暮らしたいの、と言われます。その言葉に息子は怒り、そんな調子だから父は出て行ったと叫びます。

息子が去り、部屋に残されたヤーフェイは、勝手に動き出したメトロノームの音に誘われ、ピアノの前に立ちました。振り返るとベットの上に四つん這いになった、真っ黒で恐ろしい形相の子供がいます。自分の名を呼ぶ何者かに頭を掴まれ、彼女は意識を失います。

隣室のジャハオは悪夢を見て目覚めます。異様な気配を感じ辺りを見ると、浴室まで床が濡れています。意を決してシャワーカーテンを開けると、浴槽の中に生きたまま魚を喰らう、母の姿がありました。

何も言わず四つん這いで息子に迫るヤーフェイ。後ずさるジャハオがもう一度見ると、いつもと変わらぬ母の姿がありました。

しかしヤーフェイは何も語らず姿を消します。ジャハオは何か恐ろしいことが起きていると確信しました。

以下、『人面魚 THE DEVIL FISH』のネタバレ・結末の記載がございます。『人面魚 THE DEVIL FISH』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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夜の大坑玄虎宮で祈りを捧げる道士、リン・ジーチェンの元に、ジャハオ少年が母を連れ、魚を持ち現れます。彼はリンに、ホウに魔神祓いを行った際に魔神を封じた魚を拾い、その口から現れた小魚を持ち帰ったと告白します。

リンと弟子はジャハオの母・ヤーフェイを椅子に座らせ、ジャハオが拾った魚をまな板の上に乗せ封じます。ヤーフェイに術をかけ、憑りついた者に正体を訊ねるリン。

リンの脳裏にホウの犯した罪が浮かびます。家族を殺害する前、彼は地下室に閉じ込めた我が子アティを虐待しトランクに詰め、生きたままランタンの山中に埋めていました。

封じた布の下でうごめく魚を弟子が叩くと、魚は動きを止めヤーフェイも大人しくなります。母の身を心配するジャハオに、護符を与え肌身離さず持つよう伝えるリン。その様子をヤーフェイは、じっと見つめていました。

リンは怪異を断つべく弟子たちとランタンの山中に入り、道教の神”虎爺”に祈り魔神を封じる儀式を行います。一方ジャハオの学校では生徒や来客を前に、ピアニストであるヤーフェイがピアノを演奏しますが、ジャハオは母の普段と異なる様子に気付きます。

ヤーフェイがシューベルトの「魔王」を演奏し始めた時、リンたち道士の周囲を霧が包み始めます。激しくヤーフェイが演奏すると、観客の生徒たちが苦しみ始めます。

山中では弟子の幾人かが霧の中に引きこまれ、何者か乗り移られリンたちを襲います。自らに”虎爺”を降臨させ闘おうとしても、我が身に降ろすことができないリン。

学校では生徒や関係者が苦しみ逃げまどいます。ジャハオが見守る中、ヤーフェイの鬼気迫る演奏が続きます。山中では形勢不利とみた弟子が、リンを連れ逃げていました。

周囲の人々が逃げまどう中、ジャハオはいつの間にか自宅にいて、凄まじい形相のヤーフェイに襲われます。気を失ったジャハオは学校におり、教師に介抱されますが、その手には母のペンダントが握られていました。

弟子に連れられ逃げのびたリンは、自分のふがいなさを悔しがります。しかし我が子ジュンカイにも魔神の手が迫っていると気付き、息子を抱きしめます。

ジャハオは夜の大坑玄虎宮を訪れ、”虎爺”に会わせてと訴えます。その頃リンはジュンカイを乗せ車を走らせていましたが、ラジオは学校の演奏会で、多くの人が苦しみ倒れた事件を報じます。ピアノを演奏していたヤーフェイは姿を消していました。

リンは父アーロン(ロン・シャオホア)を訪ねていました。彼は息子と孫を迎え入れますが、リンは優れた道士である父に、”虎爺”の力を借りたいと訴えます。

リンの妻メイリンは、ジュンカイを妊娠中にガンを発病し、医師から母か子の一方しか救えないと宣告されました。リンは必死に”虎爺”に祈りましたが、その願いも空しく亡くなったメイリン。

悲しみのあまり術の刺青を入れた腕を縦に切り裂き、自殺を図ろうとした息子をアーロンが止めます。その時からリンは、”虎爺”を降臨させられなくなりました。

アーロンは息子に、生と死は神でも越えられない、神は正しき心にやどると諭します。親子は改めて”虎爺”に祈りを捧げます。

うなされていたジュンカイが目覚めると、リンに行かないでと懇願します。幼い息子も父の身に迫る危険を気付いていました。ジュンカイに必ず戻って来ると告げたリン。

ランタンの山中に向かおうとするリンの前に、ジャハオが現れ自分も連れていってと訴えます。母を取り戻すには、”虎爺”の力を借りるしかないと信じていました。リンはジャハオを車に乗せます。

ランタンの目的地に着くとリンはジャハオに、何があっても護符を手放すなと告げます。我々の相手は普通の魔神ではない、何か邪悪なものが控えていると警告します。

2人は地面を掘り、ホウが我が子アティを入れて埋めたトランクを掘り出します。中には崩れた子供の白骨が入っていました。アティの魂の浄化と成仏を祈るリン。

霧に包まれた周囲から、2人に迫る気配が感じられます。魔神に憑かれたリンの弟子たちが襲ってきました。リンはジャハオに逃げるよう告げ闘いますが、ジャハオも捕まります。

護符の力で逃れることが出来たジャハオ。しかし霧の中に母の姿を見つけ、その後を追います。敵に迫られたリンは、ついに我が身に”虎爺”を降臨させ、虎の如く闘います。

林の中にビデオカメラが落ちていると気付き、拾い上げたジャハオはそこに映る映像に導かれ、いつしか廃墟と化した自宅にいました。水槽の中には例の怪魚が泳いでいます。母の歌声に導かれて進むと、そこに赤ん坊のジャハオをあやすヤーフェイがいました。

次にまだ幼い自分と母の姿が現れますが、彼が触れるとヤーフェイは姿を消します。今度はピアノを弾く母が現れますが、その部屋には入れません。護符の力で部屋に入れないと気付いて、護符を捨て去ったジャハオ。

部屋に入れましたが、中は荒れ果て目を光らせたヤーフェイが迫ってきます。母に恨み言を言われても、何があっても一緒にいる叫び、ジャハオは母を抱きしめます。

ヤーフェイが腕を強く締め付けてもなお、ずっとここにいる、ママは僕のママだと叫ぶジャハオ。その思いがヤーフェイの心を動かし、廃墟は黒い煙となり消え去ります。

リンは憑りつかれた弟子たちと闘っていましたが、その前に亡き妻メイリンが姿を現します。息子のために寺院で”虎爺”に祈っていたアーロンは、危機を察知します。息子の相手は300年前に”虎爺”が封じた大魔神と知り、改めて”虎爺”の加護を祈祷します。

メイリンを抱きしめたリン。亡き妻は息子ジュンカイに会いたいと訴えますが、リンは涙ながらに妻に別れを告げ術をかけます。メイリンの正体は黒い姿をした子供、ホウ疎まれ生き埋めにされたアティの悪霊でした。

アティの悪霊を浄化しようとするリンですが、大魔神の力を得た悪霊の力は強く、リンは弾き飛ばされ木の枝に体を貫かれます。父の危機を感じたのか、ベットでうなされていたジュンカイが目を見開くと、瞳は黄色く輝いています。

苦しむリンの前に、黒い煙に包まれ赤く光る眼を持つ大魔神が現れます。アティの怨念を利用して封印を破った大魔神は、今度こそ”虎爺”を倒そうと企てていました。

リンのために祈っていたアーロンは、現れた孫に”虎爺”が憑いたと知ります。その頃リンはジュンカイを産み、命尽きようとしたメイリンに、息子を育て上げるよう頼まれ、約束したことを思い出していました。

息子との日々を思い出し、メイリンに別れを告げたリンは、体を貫いた枝を折って”虎爺”に祈り、その真の姿をこの地に降臨させます。息子ジュンカイに身にも降臨した”虎爺”は、その力を存分に発揮します。

“虎爺”こと”黒虎将軍”が飛びかかると、大魔神は体を四散させ姿を消します。後には力尽きたリンが残されていました。

ジュンカイは夢の中で、父と母に別れを告げていました。リンから爺ちゃんを頼むと告げられたジュンカイ。夢を見ている孫の体を抱きかかえているアーロン。

ランタンの山中に、エーシャン刑事ら警察関係者が入ってきます。魔神に憑りつかれた弟子たちも我に返り助けられ、ヤーフェイとジャハオ母子も無事でした。

ジャハオは山中で拾った”虎爺”の像をアーロンに渡し、ヤーフェイも今は穏やかに暮らしています。祖父と暮らすジュンカイは、”虎爺”と共にいる親子3人の姿を描きます。

時は移り2015年、ホウが家族を殺した家に、カップルが肝試しに入り込んでいました。2人はこの後、大坑山に登ろうと話していました。

台中の大坑山で、女の訴えで行方不明者を捜索しているエーシャン刑事。他の捜索者と無線連絡が取れなくなります。すると汚れた黄色いレインコートを着た3名が現れます。

刑事は3名に近寄り声をかけますが、なぜか返事はありません。振り返ると女の姿も消えています。改めて目の前の人物を見ると、その顔はこの世の者ではありませんでした…。

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映画『人面魚 THE DEVIL FISH』の感想と評価


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都市伝説ホラー映画シリーズが台湾にて誕生

台湾に伝わる都市伝説怪談「紅い服の女」。基本パターンは紅い服を着た子供が現れるが、その顔は黒い肌の醜い老婆。その正体は人を山奥に誘いこむ魔物というお話です。

その物語をアレンジし映画化したのが『紅衣小女孩』、ヒットを受け作られた続編『紅衣小女孩2』は2017年一番ヒットした台湾映画と言われています。

ちなみにこの2作を監督したのはチェン・ウェイハオ(程偉豪)。台湾映画界で高い評価と実績を誇る監督で、彼の『目撃者 闇の中の瞳』は2018年日本で劇場公開されました。

参考映像:『紅衣小女孩2』予告編(2017年)

この人気を受けシリーズ3作目となる本作、原題『人面魚 紅衣小女孩外傳』が誕生する訳ですが、「外伝」とついているように、「紅い服の女」のお話ではありません。シリーズの製作陣は、今後は様々な都市伝説怪談をモチーフに映画を作ろうと企画します。

その結果誕生したのが『人面魚 THE DEVIL FISH』です。この作品は『紅衣小女孩2』の前日談であり、道士のアーロンは両作ともロン・シャオホアが演じ、『~2』に登場するジュンカイの少年時代を描くという形で、シリーズとリンクさせています。

そして『~2』でも活躍した”虎爺”ですが、台湾では山の神として祭られ、催事で道士に憑依し神託を与える、地域の守り神として民間信仰の対象となっている存在です。

近年台湾では「妖怪」がブームで、このシリーズ製作の原動力になっています。日本では映画以外ではなじみの薄い、道士が登場する本作ですが、都市伝説と民間信仰を結び付けた内容は、「ゲゲゲの鬼太郎」的な怪異談が好きな方を、大いに満足させてくれるはずです。

人面魚より怖すぎるビビアン・スー!


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“虎爺”や魔神、道士という聞きなれぬ言葉が登場しますが、前半で登場人物を虐めに苛め、中盤で爆発させ、ラストに”成仏”や”浄化”のカタルシスを与える物語は、「四谷怪談」などの怪談と同じ構造、日本人にもお馴染みのスタイルです。

言うなれば我々にDNAレベルで刷り込まれた怪談ですから、泣ける要素も含め身近な感覚で楽しめるホラー映画です。ですからご想像できる通り、本作のビビアン・スーはお岩さんよろしく、実に苛め抜かれます。

離婚騒動に心の病に加え、バカ息子(でも実に孝行息子です)の持ち込んだトンデモ魚のお蔭で、彼女のメンタルはズタボロの極みになります。魔神に憑りつかれて生魚を咥えるに至っては、もはや化け猫映画女優のレベルの姿です。

冗談はさておき、本作の恐怖描写は彼女の熱演によるところ大です。こんなビビアン・スーは見たくない?いや、こんな姿だからこそ見るべきです。

まとめ


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道教や台湾の民間信仰など、日本人には判りにくい部分もありながら、同時に妖怪・怪談的な描写に親近感を覚える『人面魚 THE DEVIL FISH』。アジアホラー映画ファンはもちろん、怪談スタイルの映画や、そして台湾映画ファンも必見です。

しかし本作を見た日本人のほぼ全員が、おそらく同じツッコミを入れるでしょう。「”人面魚”に現れる人面模様、その位置じゃないよ!」

次回の「未体験ゾーンの映画たち2020見破録」は…


(C)2019 New Classics International Media Limited

次回の第20回は香港のお調子者が、ミラ・ジョボビッチと世界を救う!?アクション映画『ザ・ルーキーズ』を紹介いたします。

お楽しみに。

【連載コラム】『未体験ゾーンの映画たち2020見破録』記事一覧はこちら




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