連載コラム『映画という星空を知るひとよ』第93回
“ボディガード”ライアン・レイノルズד殺し屋”サミュエル・L・ジャクソンのタッグに、“詐欺師”サルマ・ハエックが加わった、痛快コメディアクション『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード』。
ひょんなことから殺し屋を護衛する羽目になったボディガードの奮闘を描いた映画『ヒットマンズ・ボディガード』(2017)の続編です。
休暇中のボディガードのマイケルは、以前にあるミッションでコンビを組んだ殺し屋・ダリウスの妻ソニアから、マフィアに捕まった夫を救出する手助けを無理やり頼まれ、またしても自身の不運を孕んだ事件へ巻き込まれていきます。
『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』のパトリック・ヒューズ監督がまとめあげた『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガードは、2022年4⽉8⽇(⾦)よりTOHOシネマズ⽇⽐⾕ほか全国公開。
CONTENTS
映画『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード』の作品情報
【日本公開】
2022年(アメリカ映画)
【原題】
『HITMANʼS WIFEʼS BODYGUARD』
【監督】
パトリック・ヒューズ
【脚本】
トム・オコナー、フィリップ・マーフィ、ブランドン・マーフィ
【キャスト】
ライアン・レイノルズ、サミュエル・L.ジャクソン、サルマ・ハエック、アントニオ・バンデラス、モーガン・フリーマン、フランク・グリロ、キャロライン・グッドオール、レベッカ・フロント、ガブリエラ・ライト、アリス・マクミラン、クリストファー・カミヤストム・ホッパー、ブレイク・リトソン、リチャード・E・グラント
【作品概要】
『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード』は、「デッドプール」シリーズのライアン・レイノルズと「アベンジャーズ」シリーズのサミュエル・L・ジャクソンが共演した2017年の映画『ヒットマンズ・ボディガード』の続編。
前作に続いて、ライアン・レイノルズとサミュエル・L・ジャクソン、サルマ・ハエックが主人公たちを熱演。第2弾となる本作では、アントニオ・バンデラス、モーガン・フリーマンらも共演します。
パトリック・ヒューズが監督として引き続きまとめあげました。
映画『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード』のあらすじ
英国ナンバーワンを誇るボディガード、マイケル・ブライス。
宿敵である凄腕の殺し屋ダリウス・キンケイドを保護し、国際裁判所に送り届けるという任務を遂行したのですが、それは大きな代償を伴いました。
ダリウスに保護対象者を殺害されたトラウマにさいなまれて神経症に陥り、ライセンスをはく奪されてしまいました。おまけに、セラピーに通っても医師にサジを投げられる⽇々が続きます。
しまいには、仕事から離れようとして休暇を取り、出かけたイタリアのバカンス先で、ダリウスの妻・ソニア・キンケイドに拉致されました。
ソニア・キンケイドは、ダリウスの型破りな妻にして詐欺師。キレると何をしでかすかわからない激情的な女性でした。
マイケルは、ソニアからマフィアに捕まったダリウスを救出するというミッションを強いられます。
クレージーな彼⼥に振り回されながらも、ダリウスの救出に成功するマイケル。
ところが、彼らが殺したマフィアの中には、インターポールへの情報提供者も混じっていたのです。
怒ったインターポールの捜査官ボビーに拘束され、マイケルとダリウスそれにソニアの3⼈は捜査に協⼒するハメになりました。
インターポールが追っていたのは、クロアチアのインフラを壊滅に追い込んだハイテク装置の密売です。
ターゲットとされるギリシャの⼤富豪アリストテレスは狂信的な愛国主義者で、祖国に経済制裁を課すEUに対してこの装置を使ってのサイバーテロを企てていると言うのです。
その取引現場に潜伏したマイケルたちは⼀度は装置の奪取に成功。が、アリストテレスの包囲網は彼らをジワジワと苦しめていきます……。
映画『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード』の感想と評価
ユニークな異色コンビ
ボディガードと殺し屋がタッグを組む、という一見あり得ないような構図で展開するストーリー。
本作『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード』は、前作同様ハチャメチャな面白さを持って始まります。何よりも、殺し屋ダリウスの妻・ソニアが物凄い。
ソニアは詐欺師ですが、殺し屋顔負けのアクションと肝っ玉を持っています。そして誰よりも深ーくダリウスを愛し、夢はマイファミリーを築くこと。
中でも一番願っているのは、ダリウスとのベイビー。これがまたどんなに努力してもなかなか授からず、ソニアは焦っていました。
……というわけで、ハネムーンの最中に夫をさらわれたソニアの怒りもまた頂点に達しています。
休暇中のマイケルを探し出して拉致して協力者とし、無理やりダリウスを奪回します。
前作で奇妙な友情で結ばれたダリウスとマイケルに、本作ではスーパーウーマンのソニアも加わって、サイバーテロを企てる犯罪組織と待ったなしの戦いが始まります。
イタリアやギリシャの⾵光明媚な景⾊においての市街地を破壊しまくるカーアクション、圧倒的な⽕薬量を投⼊したガンファイトなど、見応えもたっぷりなコメディアクション。
異色コンビプラスワイフの斬新な魅力が詰まった作品となりました。
個性が光る名優たち
マイケル演じるライアン・レイノルズは口数の多い、災難に巻き込まれやすい役どころを熱演。マイケルと同じように口数が多い、陽気な殺し屋ダリウスは、サミュエル・L・ジャクソンが演じています。
ダリウスを愛し抜きその子供を切望する妻のソニアには、『エターナルズ』(2021)のサルマ・ハエック。
不敵な悪党を演じる『ペイン・アンド・グローリー』(2019)のアントニオ・バンデラス、マイケルの⽗に扮するアカデミー賞俳優モーガン・フリーマン、気難しい⽪⾁屋のインターポール捜査官を演じた『コンティニュー』(2021)のフランク・グリロらと、それぞれにアクの強さを⾒せつける名優たちが集結しました。
個性豊かなキャストによって、生み出されたとも言える『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード』。
作品のアップテンポな展開に、ライアンとサミュエル、そしてサルマの軽妙なやりとりが合わさりあい、最後の最後まで⽬が離せません。
まとめ
“ボディガード”マイケル役のライアン・レイノルズד殺し屋”ダリウス役のサミュエル・L・ジャクソンのタッグに、殺し屋の妻ソニアとしてサルマ・ハエックが加わった『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード』。
世界の危機を救うために炸裂する、ボディカードと殺し屋の怒涛のコンビ復活です。
血しぶきも派手に飛ぶド派手なアクションも前作そのままに、激情妻ソニアのモーレツなラブコールもあって、その面白さはますますヒートアップしています。
ファミリーを築きたいソニアの願望の行く末にあるマイケルの悲劇! 衝撃のラストにもご期待ください。
『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード』は、2022年4⽉8⽇(⾦)より、TOHOシネマズ⽇⽐⾕ほか全国公開!
星野しげみプロフィール
滋賀県出身の元陸上自衛官。現役時代にはイベントPRなど広報の仕事に携わる。退職後、専業主婦を経て以前から好きだった「書くこと」を追求。2020年よりCinemarcheでの記事執筆・編集業を開始し現在に至る。
時間を見つけて勤しむ読書は年間100冊前後。好きな小説が映画化されるとすぐに観に行き、映像となった活字の世界を楽しむ。