連載コラム『映画という星空を知るひとよ』第216回
⽔野美波の漫画『恋を知らない僕たちは』が、映画化に。なにわ男子の⼤⻄流星が主役の英二役に抜擢され、映画初主演を飾っています。
青春真っ只中の6人の高校生の‟本気の恋”。ですが、彼らの恋の矢はそれぞれ一方通行のあらぬ方に向かいます。放たれた恋の矢は何処へ行くのでしょうか。
それぞれの恋の行方が気になる映画『恋を知らない僕たちは』は、2024年8⽉23⽇(⾦)全国ロードショー!
映画公開に先駆けて『恋を知らない僕たちは』をご紹介します。
映画『恋を知らない僕たちは』の作品情報
【日本公開】
2024年(日本映画)
【原作】
⽔野美波『恋を知らない僕たちは』(集英社「マーガレットコミックス」刊)
【監督】
酒井⿇⾐
【脚本】
⼤北はるか
【主題歌】
『コイスルヒカリ』(なにわ男子)
【キャスト】
⼤⻄流星、窪塚愛流、⿑藤なぎさ、莉⼦、猪狩蒼弥、志⽥彩良
【作品概要】
本作の原作は、累計発行部数120万部超える水野美波による超人気少女コミック『恋を知らない僕たちは』(集英社マーガレットコミックス刊)。酒井麻衣監督が、それぞれの“本気の恋”に向き合う6人の高校生たちをリアルに描き出しました。
映画初主演となる「なにわ男子」の大西流星を英二役に迎え、直彦役に『ハピネス』(2024)『少女は卒業しない』(2023)の窪塚愛流が演じます。
また泉役を『なのに、千輝くんが甘すぎる。』(2023)の莉子、小春役を『【推しの子】』(2024)『交換ウソ日記』(2023)の齊藤なぎさ、瑞穂役を『かそけきサンカヨウ』(2021)の志田彩良、太一役にはアイドルグループ「HiHi Jets」の猪狩蒼弥と、フレッシュなメンバーが集結。
映画『恋を知らない僕たちは』のあらすじ
高校2年の相原英二(大西流星)と別所直彦(窪塚愛流)は中学からの親友同士です。
中学2年生の時に英二と直彦の学校に、英二の幼なじみである汐崎泉(莉子)が転校してきました。
英二は幼い頃から泉に密かに思いを寄せていたのですが、言葉にできずにいるうちに直彦が彼女に告白して付き合うことになりました。
やがて同じ高校に進学した3人は、新たな友人たちと出会います。泉と同じクラスの藤村小春(齊藤なぎさ)は、あることが原因で直彦に心を奪われ、‟彼女”になりたいと思います。
図書委員を務める池澤瑞穂(志田彩良)は、同じ図書委員の英二を意識し始め、同級生の瀬波太一(猪狩蒼弥)はそんな瑞穂を一途に想い続けます。
夏祭り、文化祭とイベントが目白押しの高校生活の中で、恋愛が交錯する6人。さてその恋の行方は……!?
映画『恋を知らない僕たちは』の感想と評価
原作は人気コミック漫画の『恋を知らない僕たちは』。登場人物は、恋に恋する年頃の高校生たちです。
英二は、恋よりも友情をとり、気になる相手に「好き」と言えません。直彦は、英二とは逆に愚直なほど恋に正直な男子。泉は、恋に真っ直ぐなポジティブ女子。小春は、恋に恋して恋愛の迷子になっているよう……。太一は、気になる相手に一途な恋心を抱いています。また、瑞穂は、恋を知りたいと思う少女です。
こんな6人が、それぞれに一方通行の想いを気になる相手に捧げます。夏祭りや文化祭などのイベントで勃発するのは、ハラハラドキドキの恋愛バトルで、あちこちに胸キュン場面もたっぷり盛り込まれています。
映画初主演を飾った大西流星が演じる英二は、親友のために自分の気持ちを封じ込めます。
好きな人のために嘘をついたり、好きな人に「好き」と伝えられなかったりと、じれったい行動をとる彼らですが、そこにあるのは、恋愛に不器用な等身大の高校生たちの姿です。
友情を取るのか、自分の気持ちに素直になるのか。こんな選択を迫られるのも、ほろ苦い青春の一ページと言えます。
自分の気持ちを素直に伝えて傷ついても、人を好きになることは、優しい気持ちにさせてくれ、大人の階段を一歩登ることになります。
また、傷ついた心を癒してくれる人の存在もあるということにも気が付くでしょう。
どんなに好きでも届かない思いがあれば、お互いに気持ちが通じ合う恋もあるのです。6人の高校生たちの‟本気の恋”の結末を見届けてください。
まとめ
『恋を知らない僕たちは』略して『恋僕』は、6人の高校生の純愛物語です。
相思相愛で人もうらやむ直彦と泉のカップルに、横恋慕する英二と小春、英二に魅かれる瑞穂、また瑞穂が大好きな太一と、男女6人の恋愛は混戦模様。
たやすくおさまらない恋愛感情が、火花を散らします。果たして、6人の恋はどうなるのか……。
真剣に‟本気の恋”と向き合う高校生たちに、観客も甘酸っぱい青春時代の思い出が蘇ることでしょう。不器用な英二を熱演する映画初主演の大西流星にご注目ください。
映画『恋を知らない僕たちは』は、2024年8⽉23⽇(⾦)全国ロードショー!
星野しげみプロフィール
滋賀県出身の元陸上自衛官。現役時代にはイベントPRなど広報の仕事に携わる。退職後、専業主婦を経て以前から好きだった「書くこと」を追求。2020年よりCinemarcheでの記事執筆・編集業を開始し現在に至る。
時間を見つけて勤しむ読書は年間100冊前後。好きな小説が映画化されるとすぐに観に行き、映像となった活字の世界を楽しむ。