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映画『怪談新耳袋Gメン 孤島編』心霊現象の怖いスポットをドキュメントした先に待つものは⁈|夏のホラー秘宝まつり:完全絶叫2019④

  • Writer :
  • 増田健

2019年8月23日(金)より、キネカ大森ほかで開催される「第6回夏のホラー秘宝まつり2019」。

「夏のホラー秘宝まつり」に欠かせない作品といえば、おじさんたちが心霊スポットに殴り込みをかける、ガチンコ心霊ドキュメンタリー「怪談新耳袋Gメン」

「夏のホラー秘宝まつり2018」で上映された佐藤周監督作品『怪談新耳袋Gメン 冒険編 前編・後編』は、人気投票【ホラー総選挙】で堂々の1位、グランプリを受賞しました


(C)2019 キングレコード

待望のシリーズ最新作、『怪談新耳袋Gメン 孤島編』は、8月23日(金)より上映されます。

「夏のホラー秘宝まつり2019」に先立ってDVD発売された、『怪談新耳袋Gメン 密林編』。今年は『密林編』『孤島編」2作を共に、谷口恒平が監督を務めます

心霊映像を撮影すべく、絶海の孤島に乗り込んだGメンたち。彼らは何を体験するのだろうか。

【連載コラム】「夏のホラー秘宝まつり:完全絶叫2019」記事一覧はこちら

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映画『怪談新耳袋Gメン 孤島編』の作品情報

【公開】
2019年8月23日(金)(日本映画)

【監督・編集】
谷口恒平

【出演】
田野辺尚人[別冊映画秘宝編集長]、後藤剛[シャイカー社長]、今宮健太、谷口恒平、はち[日本人形]、山口幸彦[キングレコード]

【協力】
木原浩勝、中山市朗

【作品概要】

「怪談新耳袋Gメン」を名乗る中年の男たちが繰り広げる、心霊ドキュメンタリーシリーズ最新作。今回は絶海の孤島にある、心霊スポットに突撃取材を敢行します。

監督は、音楽と映画プロジェクト作品の映画祭“MOOSIC LAB”で2013年に、フェイクドキュメンタリー『あの娘はサブカルチャーが好き』を発表し、注目を集めた谷口恒平。

初の劇場公開長編映画『おっさんのケーフェイ』でも、プロレスの世界を舞台に、虚実交えた物語を描いています。彼の手掛ける心霊ドキュメンタリー映画は、どのような作品になるのか。

映画『怪談新耳袋Gメン 孤島編』のあらすじ


(C)2019 キングレコード

前作『怪談新耳袋Gメン 密林編』の完成後、Gメンのキャプテンである田野辺編集長は呟く。「幽霊の姿を見たい」と。

テーマはただそれだけ。2019年7月某日Gメンたちは、心霊スポットに殴り込みをかけるべく集結する。

今回取材に参加するGメンのメンバーは、実はGメンで一番の怖がりである山口幸彦プロデューサーに、霊感の持主である後藤剛社長。心霊スポットでも冷静なカメラマン・今宮健太に、『密林編』から監督に就任した谷口恒平。

以上の4名に欠かせないメンバー、日本人形の“はち”を加えたGメン。この映画は霊の姿の撮影する、そんな無謀な闘いに挑んだ男たちの記録である。

今回Gメンが向かった場所は、周囲から隔絶され逃げ場の無い、手つかずの自然が残る絶海の孤島“O島”。2泊3日の日程で調査するGメンは、雨の中さっそくロケハンを開始する。

伝説の舞台となった神社、廃墟と化したホテルで、お馴染みの霊を呼びだす実験を行うGメンたち。確かに怪しい気配は感じられる。

また地元の関係者が危険を考慮し、夜間に向かう事を止めさせようとした、飛行機の墜落事故現場に迫ろうとするGメン。それは警告通り身の危険を伴う行為であった。

翌日はかつて自殺の名所となった、島の火山に向かったGメン。しかし悪天候が彼らの行く手を阻む。

田野辺キャプテンの望む成果が出せず、策は尽きたかに見えた谷口監督。そこで彼は現地にすむ人物に連絡し、島の人々の間に伝わる怪異を聞き出す。

最後の夜に最恐の心霊スポットを巡り、幽霊の姿の撮影を試みたGメン。そして彼らは想像を絶する体験を味わい、シリーズ史上かつてない結末を迎える。

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映画『怪談新耳袋Gメン 孤島編』の感想と評価


(C)2019 キングレコード

Gメンと共に“肝試し”を楽しもう

心霊スポットを紹介する心霊番組、と聞いて思い浮かぶものは、おどろおどろしいナレーションが流れ、取材映像が流れる紹介番組でしょうか。

それともホラー映画仕立ての再現ドラマ、はたまた霊能者やアイドル・お笑い芸人が現地に行くレポート番組でしょうか。

ドラマ・映画で多くの作品を生んだ「怪談新耳袋」の、スピンオフとして始まった「怪談新耳袋 殴り込み! 」シリーズ。その流れをくむ「怪談新耳袋Gメン」最新作が、『怪談新耳袋Gメン 孤島編』です。

「怪談新耳袋Gメン」シリーズは、形式としてはレポート番組と同じです。しかし登場するのは中年のおじさんたちと、製作側も観客もそれで良しと認めた作品です。

心霊ドキュメンタリーとしての、この作品の面白さはリアルな“肝試し体験”を描いている事。恐怖体験の遭遇を望みながら、Gメンは必ずしもそれを体験するとは限りません。

映画が描くのは生の“肝試し体験”。心霊現象が無くとも何かに驚いたり、何も起きず居心地の悪い時間を過ごしたりもします。

あるいは恐怖に耐えきれず騒いだり、何かを意識するあまり真面目に語り始めたり。不測の事故や第三者と出会うなど、アクシデントとの遭遇もあるでしょう。

多くの人が行った“肝試し体験”を、リアルに追体験できるのが「怪談新耳袋Gメン」シリーズです。作品に現れた怪奇現象も、ある人はリアルに思え、ある人はフェイクや説明のつく出来事と解釈。これも誰もが経験した“肝試し体験”に起こる出来事です。

“肝試し”にクライマックスやエピローグが無いように、「怪談新耳袋Gメン」も明確なドラマ性や、納得出来るラストは必ずしも存在しません。それが他の心霊番組と大きく異なります。

この作品、確かに現場でやらせ無し!

“一切やらせなしのガチンコ心霊ドキュメンタリー”、これが「怪談新耳袋Gメン」の宣伝文句です。

リアルな“肝試し体験”を追求した結果、オチ無し・山無し・恐怖無しの展開になる事もあります。

今回の『怪談新耳袋Gメン 孤島編』で、谷口恒平監督は心霊スポットに乗り込む姿だけでなく、作品全体、孤島で行った取材旅行そのもの含めて、やらせなしのガチンコ展開で構成しました。

2泊3日の撮影旅行は天候に恵まれず、様々なアクシデントを引き起こします。撮影スケジュールは遅れ、心霊スポットでのGメンの行動にも、様々な影響を与えていきます。

天候に悩まされた結果、撮影に与えられる猶予はあと僅か、と追い詰められたGメンたち。ではどうする、と突発事態に対処する姿も、映画の軸として取り込まれていきます。

田野辺編集長は「怪談新耳袋Gメン」シリーズの原点を、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』だと語っています。

『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』は呪われた森に入り、行方不明になった映画撮影クルーが残した撮影映像を発見、それを編集したという設定が特徴の、モキュメンタリー形式のホラー映画です。

対してレポート番組的に構成された『怪談新耳袋Gメン 孤島編』。

しかし撮影期間中の出来事をほぼ時系列で紹介し、次々発生するアクシデントに対処した結果、Gメンはが何かに遭遇する、という展開は『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』と共通です。

これは天候に恵まれなかった撮影に対する、谷口監督の苦肉の策だったかもしれません。しかし各心霊スポットでの出来事が、バラバラの独立したエピソードとして見えがちなシリーズ作品の中で、本作はストーリーラインの通ったものになりました。

現場でやらせが無かったとしても…


(C)2019 キングレコード

やらせ無しの“肝試し体験”映画「怪談新耳袋Gメン」シリーズ。しかし正直なところ皆が、実は裏で何か行っているのでは、と疑っているでしょう。

奇抜な映像はCG・フェイクである、映画どころかニュースまで嘘をつく、と広く信じられている現在。

映像を編集・加工した映画を見て、これは全て真実と考える人がいれば、相当なお人好しでしょう。奇抜な映像はCGである、映画どころかニュースまで嘘をつく、と信じられる現在においては。

ところで『怪談新耳袋Gメン 孤島編』で、Gメンはある怪異に遭遇します。それは本物なのか、偽物なのか。映画の中で意見は対立し、謎を残したまま映画は終了します。

Gメンが遭遇したもう1つの怪異も、心霊現象なのか、自然・人工の説明のつく現象なのか、正体は明かされません。

おそらくCGなど、後から加工したものでは無いと思われますが、これが偶然撮られたものか、狙って撮影されたものか、その正体について解説を含め、結論づけた説明はありません。

“肝試し”として楽しんで見ていた映画は、何かモヤモヤした印象を与えて終了します。この作品を見た方は、作り手の意図を意識せざるを得なくなります。

『怪談新耳袋Gメン 孤島編』は、無論メタフィクションではありません。しかし観客が作品に没頭する事を許さず、描かれた出来事が虚か実かを考えさせる仕掛けがあります。

作品の裏側に何かあるかもしれない、良く出来た心霊番組・怪異談には、嘘が潜んでいるかもしれない。だが、確実に嘘とも言い切れない。

いつものようにGメンが心霊スポットに殴りこむ内容で、作品の裏側を意識させる映画を作った谷口監督。さすがはフェイクドキュメンタリーや、虚実交えたプロレスの世界を映画化する人物です。

まとめ


(C)2019 キングレコード

実は「夏のホラー秘宝まつり2019」と『怪談新耳袋Gメン 孤島編』について、山口プロデューサーと田野辺編集長にお話をお伺いしました。

山口プロデューサーは「怪談新耳袋Gメン」シリーズの中で、前作の打破を模索する新人監督の試みについて語っていました。

また田野辺編集長は谷口恒平監督を、観客の映画の見方を揺らがせる、メタな仕掛けの入った映画を作る人物と注目していました。この時映画はまだ完成していませんでしたが、その予言通りの作品が登場したのです。

従来のシリーズ作品同様、“肝試し体験”映画として充分楽しめる作品ですが、同時に仕掛けのある映画としても注目下さい。

ところで『怪談新耳袋Gメン 孤島編』は、「夏のホラー秘宝まつり2019」のキネカ大森での上映で、上映後の舞台挨拶、並びに「夏のホラー秘宝まつり」名物、“ホラーしゃべれ場トークショー”が行われる回があります。

この機会に映画の中に登場した怪異の正体は、実のところ何なのか是非尋ねてみて下さい。

もっとも「本物だ」と言われても心から信じられないし、「フェイクだ、正体はアレだ」と言われても、信じたい気持ちは消えないでしょう。

それでイイんです。このモヤモヤ感を含めて楽しむのが、怪談話であり、ホラー映画ですから。

映画『怪談新耳袋Gメン 孤島編』は2019年8月23日(金)より、キネカ大森ほかで開催される「夏のホラー秘宝まつり2019」にて上映!

【連載コラム】「夏のホラー秘宝まつり:完全絶叫2019」記事一覧はこちら

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