本日は「編集なかじきり」として、連載コラムについてお話をさせていただきます。
Cinemarcheの新たなアウトプットして、連載コラムをスタートさせたのは6月12日。早いもので、この企画もそろそろ1ヶ月を迎えようとしています。
手始めの連載コラムの第1弾を引き受けてくれたのは、映画随筆家の森田悠介さん。
作り手の言葉から映画を読み解く
森田さんは現在、日本映画大学の広報のお仕事をされています。
そんな森田さんの書かれた連載コラム「映画道シカミミ見聞録」の第1回目は、蒼井優さんのアカデミー賞受賞式での言葉から感じた、“映画という救い”について執筆されました。
また、本日7月10日に掲載した5回目では、オウム真理教事件を取材し、映画として完成させた森達也監督の言葉を用いて、現在大ヒット見せる『万引き家族』との類似した社会問題に触れられていました。
森田さんの連載コラムは、実際に映画を制作する人物たちから見聞きした、“生きている言葉”を切り取っていただけるので、とても興味深いものになっているはずです。
また、連載コラムはジャンル的な要素で切り取っている執筆もあります。
映画をジャンルから横断的に読み解く
SFホラーコラムニストの糸魚川悟さんと、邦画の特撮研究家の森谷秀さんです。
糸魚川さんの連載コラム「SF恐怖映画という名の観覧車」の第1回は、いくつかのホラー映画について触れながら、ここでも『万引き家族』についての見解が触れられていました。
すでにお気付きだと思いますが、映画は1作品で感想を論じるだけでは、作品の対比や同列の傾向を見出すことはできません。
先に述べた森田さんの『万引き家族』と、糸魚川さんの『万引き家族』では、切り口は異なるものの、そこにある種の時代性や社会的な構造が見えてくるのかもしれません。
【連載コラム】『SF恐怖映画という名の観覧車』記事一覧はこちら
そんな糸魚川さんの書かれた連載コラムにあった「スペースオペラ」に触発されたのは、日本の特撮映画に特化して連載コラムを担当する森谷秀さんです。
特撮という手法から映画を読み解く
連載コラム「邦画特撮大全」の第2回は、日本のスペースオペラ『宇宙からのメッセージ』を取り上げてくれました。
そのほか第1回では、日本特撮の父親的な存在である円谷英二に触れ、コテコテの特撮映画ではない、石原裕次郎主演の『太平洋ひとりぼっち』を引き合いに出すなど、とても興味深い考察を執筆をされています。
まとめ
連載コラムは1つの記事だけでも十分に読み応えのあるものですが、別の記事や映画作品と繋がりを見出すことで、さらに映画への好奇心や考察を深めていけるのは大きな特徴です。
これは連載コラムに限らず、あらすじネタバレ記事や告知記事などでも言えることです。複数の腕利きのライターが所属していることがCinemarcheの大きな魅力になっています。
個人の映画感想ブログではない、ライター同士の連携プレーやネットワークのようなものだと、自負しています。
Cinemarcheでは、単なる画一化された映画情報でなく、本当に読者が知りたい映画の面白さとは何か?
そのことに標準を合わせて、これからも映画探求を心がけて思惟を深めていこうと思います。
連載コラム告知!
Cinemarcheでは新たに「韓国映画」を切り口にした連載コラムが始まります。
また、それに続き、映画監督の連載エッセイも準備中です。
今後とも「映画告知記事」「あらすじネタバレ記事」同様に、「連載コラム」シリーズも一緒にお楽しみいただければ幸いです。