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映画『エイリアンVSプレデター』ネタバレ感想とラスト結末の考察。ゲームやアメコミで先行で実現された夢の対決| SFホラーの伝説エイリアン・シリーズを探る 第6回

  • Writer :
  • 桂伸也

連載コラム「SFホラーの伝説『エイリアン』を探る」第6回

SF映画の二大スター・キャラクターが激突という夢の競演『エイリアンVSプレデター』

SFホラーの金字塔『エイリアン』とエイリアン・モンスターの代表格『プレデター』という二大スターが一堂に会する本作は、『エイリアン』『プロメテウス』の時代からはるかさかのぼった現代、地球を舞台として「エイリアン」を狩る「プレデター」の戦いに人間が巻き込まれるという奇想天外な物語です。

本作は「エイリアン」シリーズには直接つながらず、シリーズの登場人物は一切登場しませんが、『エイリアン2』『エイリアン3』に出演したランス・ヘンリクセンが、南極への探索隊を派遣するウェイランド社の社長役で登場、シリーズの繋がりをかすかににおわせます。さらにサナ・レイサン、ラウル・ボバら個性的な面々が、物語を盛り上げています。

作品は「バイオハザード」シリーズを手掛けたポール・WS・アンダーソン監督が担当、『エイリアン』『プレデター』の制作担当陣とともにこのフュージョンを見事に完成させました。アイデアとしては当時大きな物議を醸しましたが、両作品の見どころをうまく組み合わせ見ごたえのある作品に仕上げています。

コラム第5回となる今回は、シリーズ番外編的作品でもある本作を考察し、作品の印象とともにこの作品が登場した意味などを探っていきます。

【連載コラム】『SFホラーの伝説エイリアン・シリーズを探る』一覧はこちら

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映画『エイリアンVSプレデター 』の作品情報

(C)TWENTIETH CENTURY FOX ALL RIGHTS RESERVED.

【公開】
2004年(アメリカ映画)

【原題】
Alien vs. Predator

【監督・脚本】
ポール・W・S・アンダーソン

【音楽】
ハラルド・クローサー

【キャスト】
サナ・レイサン、ラウル・ボバ、ランス・ヘンリクセン、ユエン・ブレムナー、コリン・サーモン

【作品概要】
奇想天外な企画を10数年の時を経て実現した、人気SFシリーズ「エイリアン」と「プレデター」の主役クリーチャー対決を描いた映画。

『モータル・コンバット』『バイオハザード』のポール・W・S・アンダーソン監督がダン・オバノン、ロナルド・シャセットらの『エイリアン』コンビによる原案をまとめ脚本家、夢の競演を実現しました。

人気ドラマシリーズ「ミレニアム」の主役でもあり、「エイリアン」シリーズにも出演したランス・ヘンリクセンが再び登場、さらにメインキャストのサナ・レイサン、ラウル・ボバらは個性的な演技でシリーズにまた新たな風を吹き込んでいます。

映画『エイリアンVSプレデター 』のあらすじとネタバレ


(C)TWENTIETH CENTURY FOX ALL RIGHTS RESERVED.

2004年10月4日、人工衛星が南極ブーヴェ島の地下に大規模な熱源を発見、地下には古代都市跡が見つかります。

大企業ウェイランド社のビショップ・ウェイランド社長(ランス・ヘンリクセン)は遺跡調査チームを編成、適任者のスカウトを開始します。

その中の一人で女性冒険家のアレックス(サナ・レイサン)は、氷山をロッククライミングしている中でスカウトの連絡を受けます。

また考古学者ウェルズ(ラウル・ボヴァ)は、メキシコの遺跡発掘を行っている際に資金難に陥る中で援助するといわれ参加を引き受けます。

レックスが調査隊の拠点となる破氷船ハイパー丸に着くと、同じように招集されたエキスパートたちがすでに多く集まっていました。

そこにはウェイランド社長も来ており、皆に7日前の発見の経緯を話しますが、レックスはウェイランド社長の意図が見えないのと探索のリスクで一時仕事を断ります。

しかし代打として雇われようとした人物は彼女の知り合いで経験不足であることを知っており、この調査プロジェクトに対し深いリスクを感じたことで彼女は結果的に仕事を引き受けることにします。

ブーヴェ島では1904年に謎の住民失踪事件が起きた後に放置された捕鯨基地がありましたが、そこで調査隊は地下まで続く人工的な大穴を発見、チームを構成し大穴に降下します。

一方、空では甲冑姿の不穏な影が彼らの動向を探りっていました。彼らは宇宙の狩人「プレデター」。

地上に降りた彼らは調査隊の地上班のメンバーを一人、また一人と狩り、調査隊たちと同じように大穴の先にあるものを目指していました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『エイリアンVSプレデター 』ネタバレ・結末の記載がございます。『エイリアンVSプレデター 』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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体調不良が見られたウェイランド社長に、レックスは登山事故で亡くなった自分の父親の話を語り聞かせ説得しようとしますが、ウェイランド社長はそれを聞き入れず調査隊に同行します。

大穴の下には穴をあけた重機を置いてある様子もなく疑問を湧かせる一方、地下にはメキシコのピラミッドと同様の建造物が発見され、調査隊の面々を驚かせます。

建造物に侵入する調査隊。その途中、隊員の一人が踏んだ、ある一つの床石が沈み始めます。

ゆっくり降りていくその床石の様に隊員たちは気づきませんでしたが、そのタイミングでピラミッドの地下奥深くで氷漬けにされたクイーン・ゼノモーフ(「エイリアン」の成虫体)が目を覚まし、新たな卵を産み始めます。

そんな中で調査隊はピラミッドの中でミイラが何体も横たわる部屋を見つけます。「狩りを始められるよう、彼らはささげられた」セバスチャンの助手・トーマス(サム・トラウトン)はそこに記載されていた文字を解読します。

そしてそこに数人の調査員を残してさらに地下へ向かい、石棺を発見します。セバスチャンは石棺の古代文字を解読し石碑を開くことに成功、中からは古代の武器のようなものが現れます。

予想外の展開とウェイランド社長の体調不良を見てレックスは一時拠点の戻ることを提案しますが、傭兵隊長のマックス・スタッフォード(コリン・サーモン)はそれを聞かず、勇み足で銃を石碑から取り上げてしまいます。

すると部屋の罠が発動、ミイラの間にいた調査隊員たちは部屋に閉じ込められ、現れてきた卵から孵化してきたフェイスハガー(ゼノモーフを人間に寄生させる幼体)の餌食となってしまいます。

緊急事態を察知し出口を探すレックスたちでしたが、今度はプレデターたちの襲撃に会い一人、また一人と犠牲になっていきます。

さらに部屋に仕掛けられた罠で隊は分断され、万事休すとなります。途方に暮れる面々でしたが、ウェイランド、レックスらといたセバスチャンは、10分ごとに壁が移動することを突き止め、時を探りながら前進を続けます。

しかし一歩先の様子も分からない中で、ある者は負傷し、ある者は道を失って出くわしたゼノモーフの餌食になります。

そんな中、レックスたちは「プレデター」の一団と遭遇、絶体絶命の危機に陥れられながら、そこに現れたエイリアンのおかげで、逃げるチャンスを得ます。

しかしなおもレックスたちを追う「プレデター」。ウェイランドは自身の死期を悟り自ら犠牲になって「プレデター」と対峙しますが、あっけなく殺されてしまいます。そしてついに生き残りはレックスとセバスチャンだけになってしまいます。

そんな中、セバスチャンは「プレデター」とゼノモーフの関係に関して、この建物が彼ら「プレデター」の儀式に使われるものではないかという仮説にたどり着きます。

さらにレックスは、マックスが奪った古代の武器を取り返しに「プレデター」たちが追ってくるのだと予想、銃を返して「プレデター」たちを味方に引き入れることを考えます。

そして先に進む中、再びゼノモーフに出くわし必死で逃げるも、レックスが途中足を踏み外し高所から堕ちそうになります。

必死に救いの手を伸ばして助けようとするセバスチャンでしたが、もう少しでレックスが引き上げられそうになったところで、突然現れたゼノモーフに捕らえられてしまいます。

ついに孤立してしまったレックスは道の奥で「プレデター」に遭遇します。必死に命乞いし武器を返そうとするレックスでしたが、「プレデター」がレックスを見ている隙に一匹のゼノモーフが現れ「プレデター」に襲い掛かります。

そこでレックスは「プレデター」の落とした槍を拾い上げ、そのゼノモーフを撃退します。

「プレデター」はゼノモーフを倒したレックスの勇気を認め、そのゼノモーフを解体し酸に強いゼノモーフの頭と鋭い攻撃力を持つ尻尾で盾と槍を作りレックスに与えます。2人の行く先は、再びあの「いけにえの間」。

そこにはゼノモーフに捕らえられたセバスチャンが。不運にもすでに寄生されており、「絶対に奴らを地上に出させるな」と念を押しながら自分を殺すように懇願、レックスは悲しみに震えながら銃をセバスチャンに向け引き金を引きます。

そして「プレデター」が爆弾をセット、レックスととともに逃れます。

一方、劣勢のゼノモーフたちは地下深くのクイーン・ゼノモーフのもとに集まり、拘束具を酸の血で溶かしてクイーン・ゼノモーフを解き放ちます。

二人が地上に逃げると穴の周辺はすべて陥没、それでも2人は何とか逃げ切ります。ホッとしたのもつかの間、地上にクイーン・ゼノモーフが現れてきてしまいます。

必死に抵抗するもクイーン・ゼノモーフに追いかけ回される2人。絶体絶命の中、2人は共謀して給水塔とクイーン・ゼノモーフを鎖でつなぎ、冷たい海の底へ沈めることに成功します。

しかし最後の瞬間、レックスとともに懸命に戦った「プレデター」は、無残にもクイーン・ゼノモーフのしっぽの餌食となり息を引き取ります。

そして突然そこに仲間の「プレデター」の一団が現れて彼を引き取ります。そしてそのリーダーがレックスの勇気をたたえるように一本の槍を送り、地球を去ります。

地球を離れた宇宙船の中には、ベッドに横たわる「プレデター」の死体が。突然その腹からは「プレデター」たちの口もとにあるような牙を持ったチェストバスター(ゼノモーフの幼体)が現れ、この顛末の続きを予感させていました。

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映画『エイリアンVSプレデター 』の感想と評価


(C)TWENTIETH CENTURY FOX ALL RIGHTS RESERVED.

時代に求められ生まれた「ブロックバスター同士の対決」

SFアクション、SFホラーそれぞれの名作キャラクターが対決、という奇想天外なアイデア。このアイデアはそもそも映画化が進み始めたころから、制作側より物議を醸したといわれています。

イギリスの週刊誌「Radio Times」では2015年発行の誌で、ロンドン・フィルム&コミコンに出席したシガニー・ウィーバー(シリーズのヒロイン、リプリー役を4作にわたって担当)に対して『エイリアン3』におけるリプリーの死について尋ねた結果、その死は「本作『エイリアンVS.プレデター』が製作されると聞いたことが要因だった」と、ネガティブな意向を持っていた様子を明かしたと報じています。

また合わせてその際、本作を作ることに対して『エイリアン2』を担当したジェームズ・キャメロン監督が疑問を呈していたこと、さらに初期作『エイリアン』を担当したリドリー・スコットが『エイリアン3』を手掛けるつもりでいたものの、FOXが本作を作ると決定したことを聞いて取りやめたという話を明かしたといわれています。

このアイデアは1990年に出版されたコミックス版、そして1993年にリリースされたビデオゲームと、本編とはまったく関係のないメディアで生まれました。

それらと本作の関連性は不明ですが、本作がこれらに続くように作られたことを考えると、製作の意図としてはやはり「エンタテインメント性の高い作品を作る」という点にあることは明白です。

一方、本作の公開を迎えた時代は映画などのサブカルチャー的な文化において一つのターニングポイントを迎えた時期であった点にあったことも注目すべきでしょう。

2000年を過ぎ映画というフィールドへの進出を求められたというこの事態は、ある意味SF映画が一つの終点を迎え、まったく異なる新しい発想、コンセプトが出始めたころでもあります。

例えばホラー映画で近年スタンダードともいえるPOV視点の作品『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』は1999年に公開され、以後2007年に初期作が発表された「パラノーマル・アクティビティ」シリーズをはじめ、多くのPOVフォロワーを生み出しました。

そういった状況の中、本作のような対決シリーズは時代に合わせ、改めてその「ヒーロー」のインパクトを確かめるような作品として排出されたと見ることもできます。

また、本作はある意味「ブロックバスター同士の対決」という企画手法の走りになった作品でもあります。

本作は2004年に公開され、その一年後にはホラー映画のスター対決ともいえる『フレディーVSジェイソン』が公開されました。そして2006年に本作の続編『AVP2 エイリアンズVS.プレデター』が公開されています。

ちなみに2005年には番外、パロディー的な作品として『エイリアンvsヴァネッサ・パラディ』などといった作品も公開されました。

近年のMARVEL、DCのスター同士の競演にもその影響は拭えないところでしょう。また日本でも二大スターではありませんが『富江VS富江』という作品が2007年、映画『貞子 vs 伽椰子』が2016年と、対抗意識すら感じられるネーミングの作品が生まれています。

そしてこういった傾向は「メインのモンスターを複数登場させる」という傾向に広がりさまざまなアイデアに展開し始めました。

B級映画ではモンスターパニック映画の製作で名高いアサイラム製作の人気シリーズである「メガシャーク」シリーズの第一弾『メガ・シャークVSジャイアント・オクトパス』は2009年、以後4作に加えさまざまに奇想天外な「対決」作品を生み出しました。

2017年の『キングコング: 髑髏島の巨神』、2018年の『ランペイジ 巨獣大乱闘』などの作品にもこういった展開の影響は考えられます。

本作以前にもこうした対決をさまざまに考えたアイデアはあったかもしれません。その意味では先のゲーム版、コミック版が先行して発表されたことより『エイリアン』と『プレデター』、あるいはその他のビッグネームを対決させるというアイデアは誰かが考えただろうとも容易に想像できるところです。

しかし制作側のしがらみや、それら作品が大ヒットにより文化的にさまざまな影響を人々に与えた際の「イメージを壊してほしくない」という呪縛など、暗黙の掟のようにも見える壁があったわけです。

そう考えると、本作ほどのビッグネーム同士を対決させるというパターンは、歴史の中ではある意味一大センセーションであり、こういった傾向に至ったのは本作が起点であったか、あるいはこういった作品を必要とする時代性があったとも考えられるでしょう。

『エイリアン』『プレデター』シリーズへのリスペクト溢れるディテール


(C)TWENTIETH CENTURY FOX ALL RIGHTS RESERVED.

もともと1990年に公開された映画『プレデター2』では、「プレデター」を追っていた刑事(ダニー・グローバーが担当)が、彼らの宇宙船の中に侵入した際に、彼らが狩猟を行って得た獲物のはく製が壁に飾ってあるシーンがありましたが、ここにはゼノモーフの頭部のはく製がカメオ出演的に並んでいることが確認され、実はそのころより二つのモンスターの競演をにおわせるところもありました。

こういった点から推察するに、製作スタッフはジョン・デイヴィス、ゴードン・キャロル、デヴィッド・ガイラー、ウォルター・ヒルと両作品からそれぞれの製作スタッフが参加、脚本は『エイリアン』の原案担当ダン・オバノン、ロナルド・シャセットらと、作品を手掛けたポール・WS・アンダーソンという枠組みでの製作であるものの、作品はどちらかというと『プレデター』側の視点に対して『エイリアン』の世界観をいかに取り込むか、という点が大きな課題となっていたと思われます。

本作のディテールに目を向けると、どちらかというと「エイリアン」シリーズへのリスペクトをにおわせる箇所が多く認識できます。

物語の発端を起こした米企業ウェイランド社の社長チャールズ・ウェイランド役として『エイリアン2』『エイリアン3』で物語のキーとなる重要な役割を果たしたランス・ヘンリクセンの起用は、シリーズの中で大きな存在の一つとなるウェイランド社のバックグラウンドを描く上で重要なポイントでもありました。

またサナ・レイサン演じるレックスも、危機意識が非常に強く最初はすぐ退却するよう促す性格だったにもかかわらず最後にはゼノモーフと拮抗し、命がけでゼノモーフを地上に出すまいと勇敢に戦う姿は、「エイリアン」シリーズのヒロイン・リプリーの姿にダブって見えます。

ゼノモーフの描き方についても非常に多くのリサーチと試みが感じられるものとなっています。

劇中でゼノモーフの動き方として新しいものはラストのクイーン・ゼノモーフのチェイスシーンなどが挙げられますが、フェイスハガーの動きや人間が繭になるシーン、卵の孵化、エイリアン自身の移動シーンなどは「エイリアン」シリーズに登場するゼノモーフの動きそのもの。それを「プレデター」と戦わせたらどうなるかという点を、深く追求した映像となっています。

また本作のラストで貯水槽タンクに引きずられてクイーン・エイリアンが海底深く沈められるシーンなどは、初期作『エイリアン』で見られた、主人公リプリーがゼノモーフにトドメを刺すことはできず船外に追い出して逃げることになったというエンディングとダブって見えるところでもあります。

こうした配慮からは、逆に『エイリアン』の立ち位置を大きく変更することはマーケット面などの配慮も含めかなり困難と判断した様子もうかがえます。

その意味で作品は「プレデター」の立ち位置を若干変更、人間とつながるという展開が本作では大きなポイントとして作り込んでいる一方で、ラストで「プレデター」の一団が仲間の死体を回収し、彼らの武器を主人公レックスに送るシーンなどは『プレデター2』のラストシーンを髣髴するようでもあり、この新たなポイントを自然なものにするという課題をうまくクリアしているといえます。

まとめ


(C)TWENTIETH CENTURY FOX ALL RIGHTS RESERVED.

本作の「対決」を成立させる物語作りにはかなりの苦労も考えられる一方で静的な画、リドリー・スコット監督作品のような一枚一枚の画にすら美学を感じられるような作品のモディファイに対し、「エンタテインメント性」を盛り上げるにあたりどちらかというと動的な画、ハラハラドキドキさせるような目まぐるしいアクションシーンやスケール感を信条とするポール・WS・アンダーソン監督の起用はまさに適任だったともいえるでしょう。

ちなみに両作へのリスペクトへの一方で最後に『AVP2 エイリアンズVS.プレデター』につながる「ゼノモーフと「プレデター」のハイブリッド」生物が登場する場面は、H・R・ギーガーのデザインによるクリーチャーの絶対的なインパクトで揺るがない存在となっている『エイリアン』シリーズへの、唯一の抵抗ともいえます。

本作が最初に公開された際にこのシーンはある意味パロディー的な意味合いにも見られましたが、この生物が次の物語につながっていくことを考えると、その呪縛から抜け出そうとする意思すらうかがえるところでもあります。

作品としては残念ながら「SF映画の金字塔とされる伝説的な作品を汚した」という酷評も多く上がったといわれていますが、注意深く分析すればそれぞれのシリーズに対する強いリスペクトも感じられ、改めてSF映画の在り方を考えさせてくれるものと思われます。

【連載コラム】『SFホラーの伝説エイリアン・シリーズを探る』一覧はこちら




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