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Entry 2020/12/24
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【天気の子ラスト内容考察】異常気象と豪雨は台風被害を予言!君の名はとの違い・帆高が狂った世界を選択する真意を探る

  • Writer :
  • 石井夏子

映画『天気の子』は2021年1月3日に地上波初放送。

多くの観客の心を揺さぶる、新海誠監督のアニメーション映画『天気の子』。

『天気の子』は、2019年7月19日に公開され、2019年公開の映画で堂々1位の興行収入を記録、第92回アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表にも選出されました。

そんな大ヒット作『天気の子』が、2021年1月3日(日)夜9時(21時)より、地上波にて本編ノーカット版として初放送されます!

本作で描かれるのは、雨の止まない東京。水かさが増し、形を変えていく東京の姿は、公開時よりもいまの方が胸に迫るものがあるんじゃないでしょうか。

本記事では、前作『君の名は。』と本作『天気の子』における災害の意味と、主人公たちの選択について、ネタバレ有りで考察していきます。

映画『天気の子』特集記事一覧はこちら

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映画『天気の子』の作品情報

(C)2019「天気の子」製作委員会

【公開】
2019年(日本映画)

【監督・原作・脚本】
新海誠

【音楽監督・主題歌】
RADWIMPS

【キャラクターデザイン】
田中将賀

【作画監督】
田村篤

【美術監督】
滝口比呂志

【キャスト】
醍醐虎汰朗、森七菜、本田翼、吉柳咲良、平泉成、梶裕貴、倍賞千恵子、小栗旬

【作品概要】
『君の名は。』(2016)が歴史的な大ヒットを記録した新海誠監督が、天候の調和が狂っていく時代に、運命に翻弄されながらも自らの生き方を選択しようとする少年少女の姿を描いた長編アニメーション。

『君の名は。』に続いて川村元気が企画・プロデュース、田中将賀がキャラクターデザインを手掛け、『猫の恩返し』(2002)などスタジオジブリ作品に多く携わってきた田村篤が作画監督、『言の葉の庭』(2013)の滝口比呂志が美術監督を担当しました。

『兄に愛されすぎて困ってます』(2017)に出演した醍醐虎汰朗と、『地獄少女』(2019)『Last Letter』(2020)など話題作への出演がひかえる森七菜という新鋭の2人が、帆高と陽菜の声をそれぞれ演じます。

他にも、小栗旬、本田翼、平泉成、梶裕貴、倍賞千恵子らが出演し、『愛にできることはまだあるかい』など複数の主題歌を含む全ての音楽を人気ロックバンドRADWIMPSが担当しています。

映画『天気の子』のあらすじ


(C)2019「天気の子」製作委員会

「あの光の中に、行ってみたかった」

高1の夏。離島から家出し、東京にやってきた帆高。

しかし生活はすぐに困窮し、孤独な日々の果てにようやく見つけた仕事は、怪しげなオカルト雑誌のライター業でした。

彼のこれからを示唆するかのように、連日降り続ける雨。

そんな中、雑踏ひしめく都会の片隅で、帆高は一人の少女に出会います。

ある事情を抱え、弟とふたりで明るくたくましく暮らすその少女・陽菜。

彼女には、不思議な能力がありました。

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3.11の悲劇を描いた『君の名は。』

新海監督作品『君の名は。』(2016)では、高校生男女の「入れ替わり」という、ラブコメあるあるな導入で幕を開けます。

ですが、二人の間には3年のタイムラグがありました。ヒロイン三葉が住んでいるのは2013年の岐阜県の田舎町。主人公の瀧が住んでいるのは2016年の東京でした。

ここからストーリーは歪さを見せていきます。

2013年に三葉の住む町は、隕石の直撃によって消滅。三葉を含む住民500名以上が亡くなっていたんです。

それを知った瀧は、三葉を守るために行動していきます。

これらは、2011年3月11日に発生した東日本大震災から着想を得ています。

当たり前に続いていくと思われた日常が一瞬で失われる恐怖。周期性の災害をもたらすものの登場。

未来から来た瀧が被害を未然に食い止めようと行動することで、悲劇は起こらず、三葉たちは生き残ることができました。

新海監督は、起こってしまった悲劇を「無かったことにする」ことで、ボーイミーツガールの希望の物語を紡ぎあげたんです。

悲劇と向き合った『天気の子』

(C)2019「天気の子」製作委員会

『天気の子』のプロットを構想中、新海監督は、世界そのものが狂っていく感覚を感じていたそう。

そこで主人公の帆高には、「世界を救う」のではなく、「ヒロインだけを救う」という判断をさせます。

『君の名は。』の瀧とは異なり、狂った世界に生まれ育った帆高にとっては、当然の選択でした。

新海監督がこのように考えを変えたのには、東日本大震災や、2017年の九州北部豪雨での大きな被害の影響もあったでしょう。いまだに復興が進まない被災地。

それなのに東京を中心とした日本の中心部の人々は、そのことすら遠い思い出のように忘れ去り、日々を過ごしています。

新海監督はそんな東京を雨の止まない、沈みゆく都市として描き、今一度警鐘を鳴らしたんです。

災害はいつもすぐそばにあり、それを防ぐことも、変えることもできない。でも、すぐそばにいるたった一人の命だったら救うことができるかもしれない

公開後の2019年10月に発生した台風19号による関東地方への被害や、新型コロナウイルスの脅威に晒された2020年を予言していたかのようなストーリーは、公開時と違った印象をもたらします。

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まとめ

(C)2019「天気の子」製作委員会

『天気の子』の副題は、『Weathering With You』。

“weather”には“天気”のほかに“嵐や困難を切り抜ける”という意味があり、『Weathering With You』には、一緒に厳しい天候や困難を乗り越えよう、という思いが込められています。

本編ノーカット版で放送される『天気の子』。劇場で観た方も、初めて観る方も、新海監督の描く繊細な描写と大胆なストーリーをお楽しみください。

映画『天気の子』は、2021年1月3日(日)夜9時(21時)よりテレビ朝日系列にて放送です。

もし見逃してしまったらこちらから視聴方法をチェックしてみてくださいね!

映画『天気の子』特集記事一覧はこちら






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