『呪術廻戦』の原点、待望のアニメ化!
2018年の連載開始から爆発的人気を誇り、2020年に放送されたテレビアニメで社会現象まで引き起こした『呪術廻戦』。
“ポスト鬼滅”との呼び声高い本作はテレビアニメ1期放送終了の興奮冷めやらぬ中、劇場版アニメの制作が発表。本編の前日譚であり、原作コミックでも屈指の人気キャラクター・乙骨憂太を主人公とした『呪術廻戦0』の劇場アニメ化は大きな話題となりました。
2021年12月24日の映画『劇場版 呪術廻戦0』公開に向け、本記事では原作コミック『呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校』のをネタバレ有りあらすじを交えて紹介・解説します。
CONTENTS
漫画『呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校』のあらすじとネタバレ
第1話「呪いの子」
16歳の少年・乙骨憂太は拘束されていました。
強力な呪いを宿す彼を危険視する者たちによって、死刑に処されようとしていた憂太。彼自身も、これまで無関係の人間を傷つけてきたことからそれを受け入れていました。
しかし、呪術高専の講師にして特級呪術師でもある五条悟は憂太の身柄を預かり、高専へ編入させます。
乗り気ではなかった憂太ですが、自身の力を操る術を学ぶため、それ以上に五条の「一人は寂しいよ?」という言葉に抗えず、呪術高専東京校へ向かいます。そこで同学年の高専生である禪院真希、狗巻棘、パンダと出会います。
憂太に宿る呪いにすぐさま気づき敵意を向ける三人。すると、憂太に宿る呪いが姿を現します。
憂太に宿る呪いとは、生前憂太と親しくしていたが交通事故により死亡した際、憂太への想いの強さから呪いと化した少女・祈本里香。彼女は憂太を傷つけようとする存在を守るために憂太へ宿り、時に一般人に危害を加えることもありました。
何とか里香を諫めた憂太を、五条は早速生徒たちの実習へと伴います。その実習にて、憂太は真希とペアを組むことになります。
実習に向かった二人は、とある小学校に巣食う呪いを祓うことに。襲ってくる呪いを次々と祓っていく真希ですが、呪いの動きが鈍いことに気がつきます。
憂太の影響と考えた真希は、憂太に呪術師としての等級を尋ねますが彼にはわかりません。憂太から学生証を取り上げ、確認した真希は「特級」と記されていることに驚きます。
その時、巨大な呪いが現れ、二人は飲み込まれてしまいます。
二人は巨大な呪いの腹の中で、同様に飲み込まれた児童に遭遇。真希は児童が呪いの影響を受け、命が危ないことに気がつきます。
また真希自身も、飲み込まれる際に負った傷から呪いの影響を受けていました。
動揺する憂太ですが、真希からの自信を持ちたければ呪いを祓えという言葉に覚悟を決め、里香を呼び出し、呪いの腹の中から脱出。結果的に呪いを祓い、真希や児童を救出することに成功します。
運び込まれた病院で、五条から真希や児童の無事を知らされた憂太は、里香について「里香が呪いをかけた」のではなく「自分が里香に呪いをかけた」のではと考えていました。
しかし五条は人間の「愛」ほど歪んだ呪いはないと語り、憂太の言葉を否定。憂太は里香の想いの強さを改めて実感し、里香の呪いを解くことを決意します。
漫画『呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校』の感想と評価
本作においての憂太はただ、呪いに振り回される人生であった自身の運命を呪術高専の仲間たちと出会いや自身との葛藤を経て、クライマックスでの夏油との決戦へ至り、やがて呪術界を代表する呪術師へ成長していく様子が描かれています。
その中でも、憂太が触れる様々な“想い”が印象的です。
呪術高専で出会う仲間たちの“想い”や激闘を繰り広げることになる夏油の“思想”、様々な“想い”が劇中に登場します。
どれもが形は違えど、憂太にとって勇気をくれたり成長のきっかけになっていたりしますが、それらの中でも象徴的だったのが、呪いとなってしまった里香の“想い”と憂太が里香へ抱く“想い”ではないでしょうか。
初めは、憂太を苦しめるだけの存在であった里香ですが、憂太自身を単純に苦しめるだけでなく何かしらの害意から守ろうとする“想い”があることが察せられます。そして物語の序盤ではそれに気がつかず、ただ苦しむだけであった憂太は、やがて里香を解放することを望み始めます。
クライマックスでは窮地に陥る憂太が何のためらいもなく、里香の能力を解放する依り代として差し出す場面は、里香はもちろん仲間を守りたいという”想い”を感じることができます。
また夏油との決戦後における里香の呪いが解ける場面では、自身の呪いにより里香を束縛してしまったことを悔やみますが、里香自身の感謝の言葉から互いの“想い”の強さが感じられる感動的な場面となっています。
本作では人のマイナスな感情に由来する“呪い”に対峙する呪術師の活躍を描くにあたって、対照的に描かれた、これらの強い“想い”を感じることができ、人間の感情は常に表裏一体である様を象徴しているようにも感じられます。
映画『劇場版 呪術廻戦0』の作品情報
【公開】
2021年12月24日
【原作】
芥見下々
【監督】
朴性厚
【キャスト】
緒方恵美、花澤香菜、小松未可子、内山昴輝、関智一、櫻井孝宏
【作品概要】
2018年より「週刊少年ジャンプ」で連載中の芥見下々の人気漫画『呪術廻戦』のプロトタイプとして発表され、のちに正式に前日譚としてコミックス化された『呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校』を劇場版アニメ化。
監督の朴性厚をはじめ、2020年から放送されたテレビアニメ1期のスタッフが再集結。アニメーション制作もテレビアニメ同様にMAPPAが担当します。
かつて将来を誓い合った少女・里香の死をきっかけに彼女の呪いに取りつかれてしまった少年・乙骨憂太が呪術高専で出会う仲間や闘いの日々を通じて成長し、やがて呪術界を震撼する事件に身を投じていく姿を描きます。
まとめ
『呪術廻戦』の前日譚が描かれる本作『呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校』。
元々は全4話の読み切り作品として掲載され、連載の予定は当初なかった本作ですが、その人気の高さから長期連載が決定。しかし作者である芥見下々があえて「続き」を描かなかったことで、本作は『呪術廻戦』の前日譚として位置づけられました。
それゆえ本作の主人公・乙骨憂太は、本編にあたる『呪術廻戦』でも序盤からその存在が仄めかされており、後々登場することとなるため、憂太の始まりの物語となる本作はファンの間でも高い人気を誇っています。
そんな本作は、2021年12月24日に劇場作品として公開が予定されており、奇しくも公開日が劇中で「百鬼夜行」が決行された日付と同じであることから話題を呼んでいます。
すでに各キャストも発表され、乙骨憂太役には『幽☆遊☆白書』蔵馬役、『新世紀エヴァンゲリオン』碇シンジ役で知られる緒方恵美が、祈本里香役には「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズの常守朱役、『鬼滅の刃』では恋柱・甘露寺蜜璃を演じる花澤香菜が演じます。
また、本作はページ数や連載回数の制限があるため若干バトルシーンが淡白でありましたが、今回の劇場版アニメ化では迫力あるバトルシーンが描かれることが期待されています。それに応えるかのように、すでに公開されている予告編ではクライマックスの夏油戦を含めた圧巻のバトルシーンが詰め込まれ、ファンの期待はさらに上昇しています。
今や遅しと公開が待ち望まれる『劇場版 呪術廻戦0』。劇中でアニメ化された憂太がどのような活躍を見せてくれるのか楽しみでなりません。