渋谷での絶望。そして、死の遊戯へ。
2018年から2024年まで「週刊少年ジャンプ」まで連載され、シリーズ累計発行部数が1億部を突破した芥見下々による漫画『呪術廻戦』。
『進撃の巨人 The Final Season』や『チェンソーマン』などのアニメを手がけた製作会社「MAPPA」がアニメ化した『呪術廻戦』は、映像やバトルシーンのクオリティだけでなく、漫画では描かれていない細部の描写が高い評価を得ました。
そして2025年、2026年1月からのテレビアニメ3期『呪術廻戦 死滅回游 全編』の放送に先立ち、前シーズンにあたるテレビアニメ2期の後半エピソード『渋谷事変』の総集編と『死滅回游 前編』の2話分の先行上映が行われました。
今回はスクリーンで鑑賞できる『劇場版 呪術廻戦「渋谷事変 特別編集版」「死滅回游 先行上映」』(2025)を、ネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。
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映画『劇場版 呪術廻戦「渋谷事変 特別編集版」「死滅回游 先行上映」』の作品情報

(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
【日本公開】
2025年(日本映画)
【原作】
芥見下々
【監督】
御所園翔太
【脚本】
瀬古浩司
【キャスト】
榎木淳弥、内田雄馬、瀬戸麻沙美、津田健次郎、木村昴、中村悠一、櫻井孝宏、浪川大輔、諏訪部順一、緒方恵美、遊佐浩二
【作品概要】
芥見下々による同名人気漫画を原作としたアニメ「呪術廻戦」シリーズのテレビアニメ2期の後半エピソード『渋谷事変』の総集編と、テレビアニメ3期『死滅回游 全編』の2話分が含められた劇場版作品。
『渋谷事変』OPを務めたKing Gnuの楽曲『SPECIALZ』と、EDを務めた羊文学の楽曲『more than words』が劇中歌として使用されました。
映画『劇場版 呪術廻戦「渋谷事変 特別編集版」「死滅回游 先行上映」』のあらすじとネタバレ

(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
【渋谷事変】
2018年10月31日、渋谷駅周辺に呪詛師および呪霊たちによって特殊な帳が降ろされました。
非術師たちを渋谷に閉じ込める帳を解除するために、現代最強の術師・五条悟が渋谷駅の地下5階に潜入しますが、夏油傑の死体を乗っ取った呪詛師・羂索によって特級呪物「獄門疆」に封印されてしまいます。
五条悟の封印を知った虎杖悠仁は、伏黒恵ら呪術高専の仲間と一級呪術師たちと共に渋谷へと潜入。単独での行動を余儀なくされた虎杖は自身を恨む脹相と対峙し敗北しますが、虎杖に血縁の可能性を感じ取った脹相は虎杖にトドメを刺さずに逃走します。
その後、虎杖は呪霊の漏瑚によって宿儺の指を飲まされ、宿儺として覚醒すると宿儺は漏瑚や呪詛師の菜々子と美々子を殺害。一方、数々の戦いで重傷を負う伏黒は呪詛師の重面の襲撃を受け、撃退不能の式神を呼び出す決死の「魔虚羅調伏の儀」を開始します。
自身の計画のため伏黒を死なせるわけにいかない宿儺は伏黒の下に駆け付けると、式神「魔虚羅」を渋谷の一角ごと消滅させ多くの民間人と重面を殺害。
自我を取り戻した虎杖は自身の身体を使って宿儺がした行為に罪の意識を抱え、ひとりでも多くの人間を救うことに贖罪の道を見出し渋谷の街を動き回ります。
漏瑚の攻撃を受け瀕死の重傷を負っていた一級術師の七海が、目の前で呪霊の真人に殺害される現場に遭遇した虎杖は、真人と対峙。途中、同級生の釘崎野薔薇の支援を受け戦いを有利に進めますが、真人が釘崎の顔を吹き飛ばしたことで虎杖は戦意を失います。
真人に殺されかける虎杖を呪術高専京都校の東堂葵が救出。2人はともに真人に立ち向かい、東堂が左手を失う重傷を負いつつも真人を倒します。
逃げる真人を追う虎杖は羂索と遭遇し、羂索は瀕死の真人を術式「呪霊操術」で体内に取り込むと真人の術式「無為転変」を抽出すると言う渋谷事変での第二の目的を達成。
虎杖が弟であると気が付いた脹相は、羂索こそが150年以上前に加茂憲倫の身体を乗っ取り脹相を含む「呪胎九相図」を作り出した張本人であることにも辿り着き、血縁同士を殺し合わせた羂索の殺害を目論みますが、裏梅の介入によって失敗します。
特級術師の九十九由基の参戦によって虎杖たちの命は助かりますが、羂索はすでにマーキングした非術師たちに対して遠隔で「無為転変」を発動。
術師として覚醒することになる彼ら同士を殺し合わせる「死滅回游」の開始を宣言すると、渋谷に大量の呪霊を解き放ちその場を去っていくのでした。
映画『劇場版 呪術廻戦「渋谷事変 特別編集版」「死滅回游 先行上映」』の感想と評価

(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
作中屈指の絶望編「渋谷事変」
本作の前編では、原作漫画10巻〜16巻で描かれた「渋谷事変」を劇場版用に編集された総集編が展開されます。
「渋谷事変」は『呪術廻戦』の中でも屈指の絶望エピソードとして有名であり、メインキャラクターをはじめ多くの登場人物が死亡し退場していくことになります。
本作は上映時間の影響で物語が大幅にカットされた編集バージョンではありますが、主人公の虎杖を演じた榎木淳弥の身を削った演技が話題となった名シーンや、仲間たちの死亡シーンなど絶望するに必要なシーンは印象的に採用されていました。
原作やアニメを未鑑賞では物語の流れを理解するのは難しくもあるかもしれませんが、「死滅回游」の予習としては充分すぎるほどに「渋谷事変」を味わうことのできる総集編となっています。
前日譚主人公の再登場と意外な人気を持つ登場人物の初登場

(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
先行上映となる「死滅回游」のパートでは、死刑執行対象となった虎杖を殺害するために前日譚となる『劇場版 呪術廻戦0』(2021)の主人公である乙骨憂太が死刑執行人として渋谷に送り込まれます。
なかなか本編に登場しなかった前日譚の主人公が、まさかの敵として登場するこの展開は原作でも阿鼻叫喚となったほどであり、両主人公がぶつかる本作はアニメシーンでも、大迫力かつ虎杖と乙骨の圧倒的な力量差はより絶望的に描かれていました。
そしてこのパートで語らざるを得ない登場人物は、同じく敵として登場する禪院直哉の存在です。
強い男尊女卑思考の持ち主であり、基本的にどこまでも他人を見下した発言を繰り返す直哉は原作での登場回数は多くはないものの、その強烈な印象から人気投票で10位以内に入るなどの驚異的な人気を記録しています。
そんな直哉を担当する声優は公開日当日まで秘匿されており、SNS上ではさまざまな予想が飛び交っていましたが、多くのファンが予想した通り、遊佐浩二が演じることとなりました。
一癖も二癖もあるキャラを演じることの多い遊佐浩二らしく、特別なことでもないかのようにゲス発言を繰り返す直哉を見事に演じていました。
まとめ

(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
黒幕の羂索が思い描いた、術師同士の殺し合いを強制するデスゲーム「死滅回游」。
初登場のキャラクターも多く、また「死滅回游」のルールも複雑ではあるものの、少年漫画らしい盛り上がりとダークな部分が詰まった「呪術廻戦」の終盤を描く作品として、魅力的であることは間違いのないエピソード。
名前だけ登場する秤金次や、「死滅回游」で重要な役回りを務める日車寛見や髙羽史彦など、これから登場するキャラクターたちと声優が魅せるアニメならではの「呪術廻戦」に期待が高まる先行上映でした。

































