やがて袂を分かつ2人が過ごした青い春
2018年から2024年まで「週刊少年ジャンプ」まで連載され、シリーズ累計発行部数が1億部を突破した芥見下々による漫画「呪術廻戦」。
魅力的なキャラクターと読者の心を折るようなダークな展開が人気の「呪術廻戦」は、2020年から放送されたアニメ制作会社「MAPPA」によるハイクオリティなアニメも話題となりました。
そして2025年、作品の中でも圧倒的な人気を誇る人気キャラクター「五条悟」の過去に焦点を当てた人気エピソードが、総集編として劇場で公開。
今回はシリーズ初となる総集編映画『劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折』(2025)を、ネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。
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映画『劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折』の作品情報

(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
【日本公開】
2025年(日本映画)
【原作】
芥見下々
【監督】
御所園翔太
【脚本】
瀬古浩司
【主題歌】
キタニタツヤ「青のすみか (Acoustic ver.)」
【キャスト】
中村悠一、櫻井孝宏、遠藤綾、永瀬アンナ、子安武人
【作品概要】
芥見下々による漫画を原作としたアニメ「呪術廻戦」の第2期「第25話」から「第29話」の5話を再編集した劇場版総集編映画。
「呪術廻戦」第2期「懐玉・玉折/渋谷事変」で初監督を務め、クランチロールアニメアワード2024で最優秀監督賞を受賞した御所園翔太が総集編も手掛け、同アニメの主題歌「青のすみか」で2023年の紅白歌合戦への出場を果たしたキタニタツヤが本作でも同曲のアレンジバージョンで再び主題歌を担当しました。
映画『劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折』のあらすじとネタバレ

(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
2006年夏、静岡県浜松市に存在する元焼肉チェーン店の社長一家が住んでいた館を訪れた2級術師の庵歌姫と1級呪術師の冥冥。
2人はこの館で起こる連続失踪の原因を探る最中、呪霊による結界術に巻き込まれ館の中に幽閉されてしまいます。
歌姫は結界の正体にたどり着き冥冥と共に結界術を打ち破ると、その場に現れた呪術高専の生徒であり特級術師でもある五条悟と夏油傑、家入硝子によって救出されました。
五条家に数百年に一度生まれる「六眼」と「無下限呪術」を同時に発現させている五条悟は高校生ながら自他ともに認める「最強」の存在であり、一方で呪霊を取り込むことで使役できる「呪霊操術」を使う夏油傑も呪術師界において特筆すべき存在した。
ある日、2人は日本中を自身の結界術で保護する天元の「星漿体」を護衛する任務を、呪術界上層部から依頼されます。
「不死」の能力を持つ天元でしたが「不老」ではないため、数百年ごとに「星漿体」と呼ばれる適応者と同化しなければ高次の存在へと進化してしまう危険性があり、進化した天元が敵となるか味方となるか不明なため、この任務は呪術界にとって重要なものでした。
天元と「星漿体」の同化を快く思わない組織は2つあり、「星漿体」である中学生の天内理子を迎えに行ったその時、呪術界の転覆を目論む呪詛師集団「Q」からの襲撃を受けた五条と夏油は一撃も喰らうことなく襲撃者を撃退し、「Q」を壊滅に追い込みました。
両親を事故で亡くしメイドの黒井美里との二人暮らしをしている天内は、自身が暗殺者に狙われる状況でありながら、翌々日に迫る同化の日までいつも通りに過ごしたいと願い、自身の通う中学に通学。
五条と夏油は再び呪詛師による襲撃を受け難なく撃退しますが、天内を狙うもう一つの組織である宗教団体・盤星教「時の器の会」が天内に巨額の懸賞金を時間制限付きで懸けたことを知ります。
さらに何者かに拉致された黒井を救うため沖縄まで足を運んだ3人は、無事に黒井を取り返すと同化が行われるその日まで、沖縄で過ごすことに決めました。
夏油は護衛が始まって以降、五条が莫大なエネルギーを利用する「無下限呪術」による防御を解いていないことを心配しますが、五条が同化することで自身を失ってしまう天内のために、最後のバカンスを楽しませたいと願っていることを知り、沖縄での延泊を受け入れます。
翌日、同化の時間が迫り、高専結界内まで天内を護衛した五条が「無下限呪術」での防御を解いた瞬間、五条の腹部を刀が貫きました。
盤星教から依頼を受けた暗殺者・伏黒甚爾は五条の圧倒的な強さを知っていたため、天内に懸賞金を懸けることで金に目がくらんだ呪詛師に五条たちを襲わせるように仕組み、五条が疲弊するのを待ち続けていたのです。
負傷しながらも夏油に、天内と黒井を連れ天元のもとに向かうように指示した五条は、ひとりで甚爾と対峙しますが、呪力を全くもたない代わりに、化け物染みた身体能力を持つ「天与呪縛」を持つ甚爾に翻弄されます。
甚爾は術式を封じる呪具「天逆鉾」を使い、五条をめった刺しにした上で持っていたナイフで頭を刺し、五条を倒しました。
黒井との別れをすませ天元のもとに向かう天内に、夏油は「同化が嫌であれば戻ることもできる」と言います。
それは呪術界を敵に回すことにもなりますが、既に夏油と五条は天内が望まないのであれば、呪術界にでも立ち向かうことを決めていたのです。
黒井や学校の友人たちとの日々に幸せを感じていた天内は、受け入れていたはずの天元との同化に迷いが生まれ、夏油の差し伸べた手を取ろうとしますが、その場に現れた甚爾によって射殺されてしまいます。
夏油は甚爾に攻撃を仕掛けますが、圧倒的な身体能力を持つ甚爾には太刀打ちできず、死なない程度の重傷を負わされるのでした。
映画『劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折』の感想と評価

(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
「現代最強の呪術師」誕生の物語
「呪術廻戦」の現代編では常に「現代最強の呪術師」として物語に君臨する五条悟。
原作の中盤では彼の力を封印する目的のために、黒幕は民間人にも大量の犠牲者を出す「渋谷事変」を引き起こすことになるほどでした。
そんな「最強」の呪術師である五条悟の過去を描いた本作は、「反転術式」習得していないため全自動の防御や圧倒的な力を放つ「茈」と言った技を利用出来ない、未熟な「最強」が描かれています。
弱者を守る強い意志も持ち合わせていない五条悟がどのような挫折を経て、「現代最強の呪術師」に上り詰めたのか。
シリーズ初の総集編に納得が出来る、「始まりの物語」と言える作品です。
未来を決する崩壊の引き金

(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
「呪術廻戦」における物語上の黒幕である羂索は、「懐玉・玉折」編が挟まれる段階においてその正体が明らかになっていません。
しかし、彼の暗躍は物語の遥か過去から行われており、本作では「渋谷事変」と「死滅回遊」に至る未来を決定付けてしまう2つの崩壊が描かれています。
羂索は最終的な目的を果たすために天元と星漿体の同化阻止に幾度となく挑戦しており、本作には登場しないものの盤星教を操り、伏黒甚爾を天内理子殺害のために動かしたのも羂索であるとされています。
天内理子の死によって、羂索は現代に自分の計画を進めることを確信することになり、本作の段階で決定的な崩壊の引き金は引かれていたのです。
さらに、羂索の計画に必要な「夏油傑」が「五条悟」と袂を分かつ事態も発生し、夏油の離反がどこまで羂索の策略なのかは不明なものの、本作は本編を隅から隅まで知る上で特に重要な1作となっています。
まとめ

(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
『進撃の巨人』のアニメ化を担当した制作会社「MAPPA」が制作しているアニメ版『呪術廻戦』。
近年のアニメーション技術の粋を集めたような本作は、地上波放送用のものを再編集した作品でありながら、劇場映えするハイクオリティな作品となっていました。
時系列として2021年に公開された『呪術廻戦0』(2021)よりも昔を描いた『劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折』は、シリーズ初鑑賞の方にもオススメな作品。
物語のラストに差し込まれるエンディングは完全新規の映像となっており、ファンは感涙すること間違いなしの「青春」を感じることの出来る大満足の総集編映画でした。
































