北海道・函館を舞台に、六振の刀をめぐる戦いが始まる!
2023年公開の映画『名探偵コナン 黒鉄の魚影』が興行収入138億円を突破し、毎年公開される映画シリーズとしてその存在感が増し続ける「名探偵コナン」シリーズ。
メインキャラクター陣の関係性の進展、ミステリー要素、ド迫力のアクションシーンなど、誰が観ても楽しめるように設計された映画構成のセンスは作を重ねるごとに磨き上げられています。
そんな「名探偵コナン」シリーズが2024年に贈る映画『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』は北海道を舞台に、西の名探偵・服部平次と怪盗キッドがぶつかる注目作。
今回は映画『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』(2024)を、ネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。
CONTENTS
映画『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』の作品情報
【公開】
2024年(日本映画)
【原作】
青山剛昌
【監督】
永岡智佳
【脚本】
大倉崇裕
【主題歌】
aiko『相思相愛』
【キャスト】
高山みなみ、山口勝平、山崎和佳奈、小山力也、堀川りょう、宮村優子、ゆきのさつき、小野大輔、遊佐浩二、緒方賢一、林原めぐみ、岩居由希子、高木渉、大谷育江、松井菜桜子、石井康嗣、大泉洋
【作品概要】
青山剛昌の人気コミック『名探偵コナン』の劇場版アニメ映画シリーズの27作目。
『名探偵コナン 紺青の拳』(2019)と『名探偵コナン 緋色の弾丸』(2021)で監督を務めた永岡智佳が本作を手がけ、北海道出身で知られる俳優・大泉洋がゲスト声優として参加しました。
映画『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』のあらすじとネタバレ
日本に名を馳せる財閥の一つであり、刀匠・東窪榮龍による二振の脇差を収蔵する「斧江財閥」に、怪盗キッドから予告状が送られてきます。
戦時中に金採掘で大成功を遂げた斧江財閥でしたが、3代目となる現在は事業も下り坂。収蔵庫にある品々も売りに出し、その大部分を「鈴木財閥」が購入していました。
キッドが狙う二振の脇差は、新選組副長・土方歳三に所縁のある刀。「キッド・キラー」とも呼ばれているコナンと毛利小五郎、そして「西の名探偵」と呼ばれる服部平次は、斧江拓三の家に張り込んでキッドを待ち受けます。
キッドは前日に予め脇差を偽物とすり替え、掛軸を入れる箱に本物の脇差を隠すことで警備の目を搔い潜ろうとしていましたが、キッドの策略を看破していた平次に見つかってしまいます。
個人的な因縁のある平次はキッドの帽子を脇差で切りつけると、現れたキッドの素顔が工藤新一の顔とそっくりであることに気をとられ、キッドを逃がしてしまいました。
翌日、旧函館区公会堂で行われた剣道大会に平次が現れず、和葉はコナンや蘭とともに平次を探しますが見つけられず、居合の達人・福城聖からの熱狂的なアプローチを受けることに。
人だかりのできた埠頭でコナンは平次と再会し、拓三の顧問弁護士・久垣が何者かに斬殺された事件が発生したと聞きます。
北海道警の西村京兵は、かつて毛利小五郎の推理により助けられた経験があり、コナンに同行していた小五郎に事件への協力を求め、3人は久垣の奇妙な死までの行動を知ります。
さらに西村の部下である川添は、久垣が拓三の先々代が大量の金と引き換えに手にした「戦局を覆す兵器」を探していたことも3人に伝えます。また久垣はその兵器を、拓三ではなく武器商人のカドクラに売り捌こうとしていたこと、どちらの勢力からも命を狙われる存在であったことも分かります。
一方でカドクラは久垣から手にした、兵器の秘密につながるとされる東窪榮龍の刀を二振所持していましたが、その二振をキッドに奪われてしまいます。
平次から何とか奪った一振の脇差と合わせて計3振の刀を手にしたキッドでしたが、突如狐面を被った人間からの襲撃を受け負傷。
狐面の人間は相当な手練れの剣士であり、キッドは追い詰められるものの現場に駆け付けた平次とコナンに助けられ、狐面の人間はその場から逃げていきます。
窮地を救われたキッドは、2人に自身の目的を語り始めます。
兵器を狙ったキッドの父はかつて函館を訪れ、目当ての品を見つけたはずだったものの、盗むことはなくそのまま姿を消しました。キッドは父親がなぜ兵器を盗まなかったのかを知るべく兵器を探しており、その在処を示す鍵こそが東窪榮龍による六振の刀なのでした。
キッドはすでに三振を集め、平次が一振を所持。残りの二振は良衛という元教師の男性が所持していると明かし、3人は良衛のもとへと向かいます。
良衛は和葉に執着する聖の父親であり、聖と平次は緊張状態となりますが、良衛自身は兵器を探す2人に協力的に応じてくれ、3人のもとに六振の刀が集まりました。
3人は六振の刀の形状に隠された謎から「土方歳三」と「月」というキーワードを導き出し、平次を追って北海道に現れていた紅葉の言葉から「北海道東照宮に次なる鍵がある」と突き止めます。
しかし、3人の推理は盗聴器を通して兵器を狙う拓三とカドクラに筒抜けになっており、キッドはいち早く東照宮に隠された木箱を盗み出しますが中身は空でした。
巫女によれば、隠されていた「星稜刀」はすでに何者かによって盗まれたとのこと。さらに聖の持つ刀の鞘に久垣の指紋がついていたことから、聖が殺人容疑で逮捕されてしまいます。
久垣の遺した資料から兵器へと辿り着くためには「五稜郭」「星稜刀」「気球」が重要であることが分かりますが、答えを導き出すには情報が足りず、コナンと平次は銀三刑事に追われるキッドを置いて再度良衛の家を訪ねることに。
しかし良衛はカドクラによって攫われており、カドクラは警察に対して良衛の命と函館市内に仕掛けた爆弾の解除を引き換えに兵器を渡すように要求します。
またカドクラは警察に確保された拓三を排除するため、護送中の狙撃を実行。拓三を守るために盾となった銀三が意識不明の重体に陥りましたが、キッドの介入によって拓三と銀三は一命をとりとめます。
コナンは兵器の在処を突き止めるために阿笠博士と少年探偵団を函館に呼び寄せており、元太たちのスタンプラリーのハンコから兵器の場所について行き当たりました。
映画『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』の感想と評価
関係性の発展に熱くなる劇場版第27作
本作で劇場版作品は27作目となる「名探偵コナン」シリーズですが、毎年話題となるのはキャラクター同士の関係性の発展と新たな関係性の芽生えです。
その年の主役となる登場人物はもちろん、意外な組み合わせも見せてくれるこの映画シリーズは「コナン」ファンであればあるほど、供給過多な物語展開にうれしくなること間違いなし。
今回は「西の名探偵」こと服部平次と怪盗キッドが本格的に対峙する初の劇場版作品となっており、2人の衝突と共戦など1作の中に観たい要素がすべて詰まっています。
平次に関連する登場人物はオールスター級に登場する一方で、「工藤新一と怪盗キッドの顔が瓜二つな理由」にも言及される初の劇場版となる本作。
「関係性」に注目し作品を観ている人には外すことのできない作品です。
舞台となるのは北海道
近年の「コナン」映画の魅力のひとつに、実在する場所を舞台として物語が展開する「ご当地映画」の要素があります。
しかし他の「ご当地映画」と全く異なるのは、実在する建物や場所など、その場所を代表する地点となる「ランドマーク」が爆発し大破することです。
23作目に当たる『名探偵コナン 紺青の拳』ではシンガポールの「マリーナベイ・サンズ」が爆破し、25作目の『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』(2022)ではスクランブル交差点が爆破はしなかったものの大変な状態となりました。
北海道・函館を舞台にした本作では、函館戦争で命を落とした土方歳三が物語のメインであるがゆえに、メインとなるのは「五稜郭」。
果たして五稜郭は無事なまま映画を終えることはできるのか、そして旧函館区公会堂や函館山といった名所はどのように登場するのか。アニメだからこそ無茶苦茶なことも可能な「ご当地映画」として楽しめる作品です。
まとめ
ゴールデンウイークシーズン手前の恒例映画として、毎年の楽しみを提供してくれる劇場版「名探偵コナン」シリーズ。
その内容もさることながら、注目している人も多いのが映画ラストに明らかになる翌年の「コナン」映画のメイン登場人物。
次回は劇場版で初登場となる「長野県警」のキャラクターがメインとなることが明かされ、原作人気の高いキャラクターたちであるがゆえにファンたちも大熱狂しています。
そんな2025年の「コナン」映画を観る前に、ぜひとも2024年の『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』を鑑賞してみてください。