悪の組織「レッドリボン軍」が放つ、新たな人造人間との戦い!
かつて「世界最悪の軍隊」と呼ばれ、世界征服を企んでいた悪の組織「レッドリボン軍」。
孫悟空に、世界征服の企みは阻止されたものの、実は復活する為に暗躍しており、新たな人造人間を送り込んだことから始まる、地球の存続をかけた戦いを描いた、映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』。
2013年の『ドラゴンボールZ 神と神』から始まる、新たなドラゴンボールワールドを描いた、本作の魅力をご紹介します。
映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』の作品情報
【公開】
2022年公開(日本映画)
【原作・脚本・キャラクターデザイン】
鳥山明
【監督】
児玉徹郎
【キャスト】
野沢雅子、古川登志夫、堀川りょう、久川綾、草尾毅、皆口裕子、田中真弓、伊藤美紀、神谷浩史、宮野真守、入野自由、ボルケーノ太田、竹内良太
【作品概要】『
鳥山明原作の、世界的な大ヒット漫画『ドラゴンボール』を原作に、オリジナルの物語を展開している「ドラゴンボール超」シリーズの最新作。
孫悟空、孫悟飯、孫悟天を演じる野沢雅子を始め、これまで長年に渡り「ドラゴンボール」のキャラクターを演じて来た、メインキャストが集結。
さらに、神谷浩史、宮野真守、入野自由という人気声優が、新たな敵キャラを熱演しています。
映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』のあらすじとネタバレ
かつて、世界を掌握しかけたものの、少年時代の孫悟空に壊滅された「レッドリボン軍」。
その後「レッドリボン軍」の生き残りで天才科学者である、ドクター・ゲロは、人造人間の開発を独自に続け、16号から19号を生み出し、更には自ら人造人間20号となり、悟空への復讐を企みます。
ドクター・ゲロは、悟空に敗北しますが、そのデータを収集し生まれたセルが、悟空の前に立ちはだかります。
セルとの戦いで、悟空は一度命を落としますが、悟空の息子で、当時少年だった孫悟飯との戦いにより、セルは消滅し「レッドリボン軍」は完全敗北します。
それから数十年後。
「レッドリボン軍」の総帥だったレッドの息子マゼンタは、側近のカーマインと共に、秘密裏に「レッドリボン軍」復活の為に動いていました。
マゼンタが目を付けたのは、ドクター・ゲロの孫で天才科学者のドクター・ヘドでした。ヘドは独自に人造人間の研究を進め、その過程で街を混乱に陥れた罪で、刑務所に服役していました。
ヘドを迎えに行ったマゼンタとカーマインは、ヘドに人造人間研究のバックアップを申し出ます。
ですが「悪の組織」より「正義のヒーロー」に憧れを抱くヘドは、「レッドリボン軍」の復活に手を貸すことを躊躇します。
そこで、マゼンタは「悟空が『カプセルコーポレーション』の、ブルマ率いる悪の組織の一員である」と嘘をつき、ヘドに悟空を倒せる程、強力な人造人間を開発するように依頼します。
その半年後。悟飯の師匠で、父親のような存在であるピッコロは、悟飯の娘パンに、人知れず武術を教えていました。
パンが幼稚園に行った後、ピッコロは悟飯の妻であるビーデルに「パンを迎えに行ってほしい」と頼まれます。
学者である悟飯は、自分の研究で忙しく、家族を放ったらかし、武術の修行も怠けていました。
「悟飯は悟空より強い」と信じるピッコロは、その状況を嘆きますが、悟飯は全く気にしていません。
パンの迎えに行くまで、瞑想を行っていたピッコロの前に、人造人間ガンマ2号が現れます。
ピッコロを「大魔王」と呼ぶガンマ2号は、ピッコロに戦闘を仕掛けてきます。
映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』感想と評価
2013年の『ドラゴンボールZ 神と神』で復活した「ドラゴンボール」シリーズ。
2015年の『ドラゴンボールZ 復活の『F』』、2015年から2018年のテレビシリーズ「ドラゴンボール超」を経て、劇場公開となった2018年の『ドラゴンボール超 ブロリ』。
そして、その流れに続くのが、本作の『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』です。
『ドラゴンボールZ 神と神』では、オリジナルキャラクターの破壊神ビルスが登場しましたが、それ以降の『ドラゴンボールZ 復活の『F』』では、人気の高い敵キャラである「宇宙の帝王」フリーザが登場し、『ドラゴンボール超 ブロリー』では、アニメオリジナルキャラクターの中では、屈指の強さと人気を誇るブロリーが登場しました。
そして、今回の敵は「レッドリボン軍」となります。
『ドラゴンボールZ 神と神』以降、劇場版4作品の脚本を担当している鳥山明は、一貫して「娯楽に徹するのが自分の役目と特徴だと思っています」と語っている通り、『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』も、純粋に楽しめる作品となるように、徹底されています。
「レッドリボン軍」が作品に登場した頃は、まだ悟空が少年時代だった為、ギャグ漫画のテイストが残っていた時でした。
本作でも、その頃のテイストは意識されていて、レッド総帥の息子マゼンタが、異常に背が低かったり、戦闘員15番が悟飯にビビりながら誘拐作戦を進めていくなど、どこか間抜けで憎めない組織となっています。
ただ、本作で注目したいのは、主役が孫悟飯とピッコロという点です。
過去作は、主役である悟空を中心に描かれていた為、だいたい悟飯はあっさりと敵に負けてしまうという役回りが多かったです。
ピッコロも、常に作戦参謀的な役割が多く、戦闘にメインで参加することは少なくなっていました。
ですが、本来なら悟飯は、悟空を上回る戦闘能力を持っており「本気になれば最強」というキャラクターです。
『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』では、久しぶりに強い悟飯とピッコロの師弟コンビの活躍が見れるという、悟空とベジータがメインだった過去作とは、明らかに違うテイストになっています。
また『ドラゴンボール超 ブロリー』でも高く評価された、3Dを使用した迫力の戦闘場面も見応えがあるので、本作は劇場で純粋に楽しむのが最適の作品となっています。
まとめ
2013年に復活して以降の「ドラゴンボール」シリーズは、純粋で100%の悪い奴が、登場しないという特徴があります。
かつて悟空を苦しめたフリーザでさえ、『ドラゴンボールZ 復活の『F』』に登場した際は、地獄で毎日、可愛い動物や妖精さんのパレードに苦しんでいる、少しギャグ漫画っぽいキャラクターになっていました。
『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』でも、新たに登場したガンマ1号と2号、そしてドクター・ヘドは「スーパーヒーロー」に憧れを抱いており、悟飯とピッコロと対峙はしますが、決して悪人ではないという点がなかなか面白いキャラクターです。
特に、変なコスチュームに身を包み、どこか人を馬鹿にしたような性格のドクター・ヘドは、愛らしい見た目など、実に鳥山明らしいキャラクターだと感じます。
前作の『ドラゴンボール超 ブロリー』は、半分以上が戦闘場面という、それはそれで凄い作品でしたが、『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』は「Dr.スランプ」の頃からの、どこかバカバカしいけど面白い、エンターテイメントに徹した、鳥山明ワールドが前面に出た作品なので、しばらく「ドラゴンボール」シリーズから離れていたという人にこそ、おススメしたい作品です。