大人気スパイアクション映画「007」シリーズ第4作!
テレンス・ヤングが監督を務めた、1965年製作のイギリス・アメリカ合作の大人気スパイアクション映画『007/サンダーボール作戦』。
「007」こと英国情報局秘密情報部「MI6」の敏腕諜報員ジェームズ・ボンドが、因縁ある巨大組織「スペクター」に奪われた、NATO空軍のヴァルカン爆撃機とその核弾頭を奪還するミッションに挑む姿とは、具体的にどんな姿だったのでしょうか。
ショーン・コネリー演じる初代ジェームズ・ボンドが、世界を股にかけた新たなミッション「サンダーボール作戦」に挑む、「007」シリーズ第4作目『007/サンダーボール作戦』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
映画『007/サンダーボール作戦』の作品情報
(C) 1965 Danjaq, LLC and Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.
【公開】
1965年(イギリス・アメリカ合作映画)
【原作】
イアン・フレミングの小説『サンダーボール作戦』
【監督】
テレンス・ヤング
【キャスト】
ショーン・コネリー、クローディーヌ・オージェ、アドルフォ・チェリ、マルティーヌ・ベズウィック、ルチアナ・パルッツィ、リク・ヴァン・ヌッター、バーナード・リー、ロイス・マクスウェル、デスモンド・リュウェリン、フィリップ・ロック
【作品概要】
『007/ドクター・ノオ』(1963)や『007/ロシアより愛をこめて』(1964)などを手掛けるテレンス・ヤングが監督を務めた、イギリス・アメリカ合作のスパイアクション作品。
原作はイギリス人のスパイ小説・冒険小説家イアン・フレミングの小説『サンダーボール作戦』をもとに、『007/ドクター・ノオ』(1963)の脚本担当リチャード・メイボームが、作家のジョン・ホプキンスとジャック・ウィッテンガムの協力を得て脚色した「007」シリーズ第4作目です。
「007」シリーズでジェームズ・ボンド役でお馴染みのショーン・コネリーが主演を務め、『血みどろの入江』(1970)のクローディーヌ・オージェや、『まぼろしの市街戦』(1967)のアドルフォ・チェリが共演しています。
映画『007/サンダーボール作戦』のあらすじとネタバレ
(C) 1965 Danjaq, LLC and Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.
「007」こと英国情報局秘密情報部「MI6」の敏腕諜報員ジェームズ・ボンドは、2人の同僚を殺害した巨大組織「スペクター」のNo.6であるジャック・ブヴァール大佐の葬式に、フランス支局の若い女性と一緒に出席しました。
葬式が終わった後、未亡人となった彼の妻が自らドアを開けて車に乗り込んだのを見て、ボンドはそれが変装したブヴァールであることに気づきます。
ブヴァール邸宅で待ち伏せしたボンドは、戻ってきた彼にそのことを告げました。ブヴァールとの乱闘の末、同僚たちの仇を討つことができたボンドは、ジェットパックを使って脱出し、「ボンドカー」こと愛車のアストンマーティン・DB5で追っ手を撒きました。
その後、ボンドは休養をとるため、イギリス南部にある保養所を訪れました。そこは北大西洋条約機構(NATO)の空軍基地が近くにありました。
そこでボンドは、怪しい男2人と出会います。1人目は中国の秘密結社「トング」の印を左手首に彫ったリッペ伯爵という男、2人目は交通事故に遭い、頭に包帯を巻いて顔を隠しているアンジェロという、リッペ伯爵の隣室の男です。
リッペ伯爵は入れ墨を見られてしまったことで、ボンドを電動式の脊椎牽引装置を使って殺そうとしますが、設定した時間より早く理学療法士のパトリシア・フィアリングが駆けつけたことによってそれは失敗。
挙句の果てにそのことへの仕返しとして、リッペ伯爵は自身が入っていたスチームバスの中に閉じ込められてしまいました。
その日の夜。リッペ伯爵への復讐を果たしたボンドは、先の一件で一気に親密になったパトリシアと熱い夜を過ごそうとしましたが、怪しい動きをするリッペ伯爵とその部下の姿を部屋の窓から見て断念します。
リッペ伯爵たちの後を追いかけてみた結果、ボンドはアンジェロの死体を発見。近くにあった消火栓の押しボタンを押して、保養所の従業員たちにそのことを知らせ、パトリシアの元へ戻りました。
翌日。急遽ロンドンにあるMI6の本部に戻ることになったボンドは、パトリシアに別れを告げ、ボンドカーに乗って保養所を後にします。
するとそこへ、リッペ伯爵が乗った車が襲来。リッペ伯爵が拳銃を発砲した直後、さらにその後ろから爆走するバイクが現れ、バイクから放たれたロケット弾によって彼の車は爆発し炎上してしまいました。
そのおかげでMI6本部に無事帰還することができたボンドは、早速Mとイギリスの首相代理として来た内務大臣、そして自分以外の00(ダブルオー)要員が集まった緊急会議に参加。
Mと内務大臣は、「2発の原子爆弾を搭載したNATO(北大西洋条約機構)空軍のヴァルカン戦略爆撃機が、飛行訓練中に突如消息を絶った」と述べた上で、首相官邸に届いた脅迫テープを聞かせます。
「親愛なる首相閣下。NATOのヴァルカン戦略爆撃機に搭載された2発の原子爆弾は、スペクターが所有している」
「1週間以内にイギリス政府が所定の方法で1億ポンドを支払わなければ、イギリスまたは米国の主要都市を破壊する」
「この要求に応じる時は合図として、明日の午後6時にビック・ベンのベルを7回鳴らせ」
このスペクターからの脅迫を受け、米英両政府から奪還作戦の指揮官に任命されたMは、ボンドたち00要員に、ヴァルカン戦略爆撃機の捜索および原子爆弾の奪還を目的とした調査司令「サンダーボール作戦」を発令しました。
Mは00要員にそれぞれ捜索地域を割り当て、ボンドにはカナダの調査を任せようとしましたが、ボンドはバハマ諸島のナッソーに変更して欲しいと言います。
サンダーボール作戦の資料を見て、ボンドは保養所で見た死体はアンジェロではなく、ヴァルカン戦略爆撃機の乗組員の1人である、NATO空軍の指揮官フランソワ・ダーヴァル少佐であることに気づいたからです。
そのため、ダーヴァルの妹ドミノがいるナッソーに行きたいと告げるボンド。Mはこれを承認し、ボンドにナッソーの調査を任せることにしました。
以下、『007/サンダーボール作戦』ネタバレ・結末の記載がございます。『007/サンダーボール作戦』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
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一方その頃、フランス・パリで地下サミットを開いたスペクターは、ある計画を実行に移していきます。
それはヴァルカン戦略爆撃機に搭載された原子爆弾を強奪して、NATOと米英両政府を恐喝し、2億8000万ドル手に入れることでした。
計画の考案者であるスペクターのNo.2であるエミリオ・ラルゴは、NATO空軍基地近くの保養所に同志のリッペ伯爵とスペクターのNo.12であるフィオナ・ヴォルペを派遣し、その準備を進めさせていました。
リッペ伯爵にヴァルカン戦略爆撃機の乗っ取りを頼まれたのは、アンジェロでした。アンジェロは完全にダーヴァルになりきるために、彼そっくりの顔に整形し、レッスンで声も変えました。
フィオナがオブサーバーとして飛行訓練に参加するダーヴァルに近づき、彼が飛行訓練に向かう前にアンジェロが始末する。
そしてアンジェロがダーヴァルに成りすまし、ヴァルカン戦略爆撃機に搭乗し、飛行訓練中に即効性のガンマ・ガスを使ってアンジェロ以外の乗組員を殺害。
バハマ近くの海の真ん中に着水させ、ラルゴとその部隊と合流。彼らに原子爆弾を渡すことが、アンジェロたちに課せられた任務でした。
しかしここで、予想外の問題に直面します。それはアンジェロが土壇場で、「顔や声を変えた自分以外に、ダーヴァルに成り代わることは出来ない。だから報酬は10万ドルではなく、25万ドルをよこせ」と、要求してきたのです。
フィオナはひとまず、「No.1(スペクターのボスであるブロフェルドのこと)に話して、あとで15万ドルを渡す」と言い、アンジェロをNATO空軍基地へ送り出しました。
ですが任務完了後、アンジェロはラルゴに殺され、人選を誤ったせいで危機を招いたとして、ブロフェルドから暗殺指令が出されたリッペ伯爵もフィオナによって殺されてしまいました。
ラルゴとその部隊は原子爆弾とその起爆装置を回収。ヴァルカン戦略爆撃機をカモフラージュネットで隠してから撤収しました。
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一方ボンドは、ナッソーに到着後、早速ドミノに接触しました。しかしドミノとは少し話せただけで、彼女はすぐにビーチへ到着した自身の後見人の元へ行ってしまいました。
その日の夜。ボンドはドミノとその後見人が出席するパーティーに潜入。そこでボンドは、ドミノと一緒にいるラルゴと遭遇し、ドミノがラルゴの愛人であることを知りました。
ボンドはカードゲームをしていたラルゴを負かしただけでなく、ドミノとダンスを踊っている姿を見せつけ、彼を挑発します。
ボンドに負けた分を取り返してきたラルゴは、ドミノを迎えに行きました。そこでラルゴは、「日曜日にパルミラ(ラルゴの屋敷)へ招待しよう」とボンドに言い、ドミノを連れて船に乗り去っていきました。
翌日。ホテルに戻ったボンドは、ポーラという助手が待つ部屋へ向かいました。しかし自室にポーラの姿はなく、別の誰かが潜んでいることに気づきます。
するとそこへ、CIAのエージェントであるフィリックス・ライターが登場。ボンドは彼との再会もそこそこに、バスルームで見つけたラルゴの手下クィストを懲らしめ、ラルゴの元へ送り返しました。
しかしパルミラに戻って早々、クィストはボンド暗殺に失敗したとして、ラルゴが獰猛なサメを放し飼いにしているプールに放り込まれ、殺されてしまいました。
その後、ボンドはライターに助手のピンダーとポーラを紹介し、4人でナッソーに出張してきた特務装備開発課「Q課」の課長であるQの元へ向かいました。
ボンドはQから、彼が開発した腕時計型の強力なガイガーカウンター(放射線測定器)と赤外線フィルムを搭載した水中カメラ、遭難信号を打ち上げるための小型銃、小型化された酸素ボンベ(持続時間は4分)と無害の放射能カプセルなどの秘密兵器を受け取りました。
一方ロンドンでは、Mたちが時間稼ぎとして、ビック・ベンを7回鳴らしました。それを確認したスペクターは、新たなメッセージを送ってきました。
「5月27日の午後8時、ビルマ沖のメルギー諸島の北緯20度、東経60度に位置する場所に、価格の合計が1億ポンド以上である3~8カラットのダイヤモンドを、ケースに入れて持ってこい」
「ケースを回収し中身を確認した後、16.23メガサイクルで原子爆弾の所在を教える」
スペクターが指定した時間まであと55時間。ボンドは、ラルゴが所有する水中翼船「ディスコ・ヴォランテ号」があるエリアにヴァルカン戦略爆撃機が着水していると推測し、その船底へスキューバダイビングを試みました。
その結果、ボンドは水中ハッチを撮影し、海底にヴァルカン戦略爆撃機が隠されていることを確信しました。
そんなボンドに気づいたラルゴは、手下たちに手榴弾を投げさせ、彼を殺そうとします。撤退を余儀なくされたボンドは海から上がり、通りかかった車にホテルまで乗せてもらうことにしました。
しかしその車を運転していたのは、ラルゴ同様、スペクターの紋章が刻まれた指輪をつけたフィオナでした。
約束の日曜日。パルミラにやって来たボンドに、ラルゴは手下のヴァーガスとヤンニを紹介した上で、パルミラの敷地内を案内します。
ラルゴがボンドを接待している間に、フィオナとその手下はボンドの部屋を訪れ、そこにいたポーラを拉致しました。
その日の夜。ラルゴに言われ、ドミノと一緒にジャンカヌーの祭典を楽しんでいたボンドは、ライターからポーラが拉致されたことを知らされます。
ボンドはピンダーに頼んで、バハマの総督に島中を停電するよう要請し、ポーラの救出へ向かいました。
ラルゴたちが停電に気づいた頃には、既にボンドはパルミラの敷地内に侵入していました。
しかし拉致されたポーラは、隠し持っていた毒入りのカプセルを飲んで自決していたのです。
ポーラの死を確認後、ボンドはラルゴとその手下たちによって危うく殺されかけましたが、命からがらパルミラから脱出。しかしホテルの部屋へ戻ると、フィオナがボンドを殺すために待ち構えていたのです。
ボンドと寝た後、フィオナは手下を呼び寄せ、ボンドを捕まえてラルゴの元へ連行しようとします。しかしその道中、一瞬の隙を突かれてボンドに逃げられてしまいました。
「キスキスクラブ」という名のクラブに逃げ込んだボンドは、逃げる際に負傷した左足を手当てします。しかしその直後、血痕を追ってきたフィオナに見つかってしまいました。
そこでフィオナは、ボンドとダンスを踊るフリをして、手下が持つ銃の射程範囲内に誘導します。それにいち早く気付いたボンドは、すぐさまフィオナと立ち位置を変えて回避しました。
ボンドは背中を撃たれたフィオナの遺体を椅子に座らせ、近くにいた客に「参った、彼女死ぬほど飲んでいてね」と言って誤魔化し、その場から立ち去りました。
残り14時間50分。ロンドンにいるMたちはスペクターの要求に応じ、彼らにダイヤモンドを引き渡す準備を進めていました。
翌日。ボンドはライターと共にヘリに乗り、強奪されたヴァルカン戦略爆撃機を再捜索。ラルゴが水族館用に飼っているサメ「ゴールデン・グロット」が多く集まっているサンゴ礁を見つけます。
ゴールデン・グロットを1頭射殺し、他のゴールデン・グロットの注意を引きつけた上で、ボンドは潜水を開始。カモフラージュネットに隠されたヴァルカン戦略爆撃機を見つけ、その証拠として、副操縦席に座ったアンジェロの遺体から、ダーヴァルの認識票と腕時計を持ち帰りました。
その後、ドミノに会いに行ったボンドは、ディスコ・ヴォランテ号に原子爆弾があるのかどうか確かめるための協力を求めました。
ボンドから兄の認識票と腕時計を受け取り、兄の死にラルゴとその組織が関与していることを知ったドミノは、「ボンドがラルゴを殺す」ことを条件に彼に協力することを決めました。
ボンドはドミノにガイガーカウンターを渡し、原子爆弾の捜索を頼んでから、彼女をラルゴの元へ送り返しました。
別れ際、ドミノはボンドに、「川に橋が架かっているけれど、そこへは誰も近づけないの。そのそばには、海を潜ってパルミラの向こうに通じる階段がある。何か秘密がありそうね」と言いました。
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その階段に向かったボンドは、ラルゴとその部隊が来るのを待ち伏せし、倒した1人の手下に扮して共に海へ潜り、水中ハッチからディスコ・ヴォランテ号へと潜入。
その結果、ラルゴたちが原子爆弾をマイアミへ運ぼうとしていることと、2発の原子爆弾はディスコ・ヴォランテ号ではなく、水中洞窟に隠されていたことが判明しました。
ラルゴに正体を見破られてしまったボンドは、その水中洞窟に閉じ込められてしまいます。
一方、ディスコ・ヴォランテ号に戻ったドミノは、ガイガーカウンターを使って船内を捜索するも、原子爆弾を積み終えたラルゴに見つかってしまいました。
ドミノを監視させていたヴァーガスがボンドに殺されたことを悟ったラルゴは、裏切ったドミノを尋問しようとするも、部屋から漏れた彼女の悲鳴を聞いた博士クーツに止められてしまいます。
その頃ボンドは、ラルゴの手下に扮する前に飲んだ放射能カプセルと小型銃を使い、ライターに自分の居場所を知らせました。そのおかげで、ライターが連れてきたアメリカ沿岸警備隊によって無事救助されました。
そしてボンドは、ライターにこう言いました。「原子爆弾の攻撃目標はマイアミだ。大至急、警告しろ」「原子爆弾はファウリー岬の沖にある難破船に仕掛けるらしい」
ライターからこのことを聞いた米国海軍は、ラルゴとその部隊との対決のため、米国海軍フロッグマンパラシュートの小隊をファウリー岬の沖へ送り込みました。
海中での激闘の末、ボンドと米国海軍フロッグマンパラシュートの小隊はラルゴの部隊を撃退。しかし、肝心のラルゴには逃げられてしまいました。
ディスコ・ヴォランテ号に帰還したラルゴは、1発の原子爆弾を搭載したディスコ・ヴォランテ号の後部を切り離し、時速40㎞近く出る速さを活かしてファウリー岬の沖からの離脱を図ります。
しかし、ラルゴは気づいていませんでした。ドミノを尋問するラルゴの姿は正気じゃないと思ったクーツ博士が、起爆装置を海に捨てていたことを………。
それを追いかける米軍海軍の艦隊と、切り離されたディスコ・ヴォランテ号に残るラルゴの手下たちが激しい銃撃戦を繰り広げる中、ボンドはもう1発の原子爆弾を搭載したディスコ・ヴォランテ号の前部に侵入。操縦室にいるラルゴとその手下たちと激闘を繰り広げていきます。
爆走するディスコ・ヴォランテ号の操縦室内での激闘の末、ラルゴの手下たちを倒したボンドは、銃を手にしたラルゴに危うく殺されかけるも、クーツによって助け出されたドミノが槍銃を使って兄の仇を討ちました。
しかし、舵が利かなくなったディスコ・ヴォランテ号は座礁し爆発。その直前で海に飛び込んだボンドとドミノは、米国海軍の大型戦略爆撃機「B-17」が海に投げ入れたヘリウム風船付きの救命ボートに乗り込みます。
そのヘリウム風船をスカイフックを装備したB-17が掴み、スカイフックによって回収されたことで、ボンドとドミノは無事救助されました。
映画『007/サンダーボール作戦』の感想と評価
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命懸けのミッション「サンダーボール作戦」に挑むボンド
本作ではボンドは、宿敵であるスペクターが奪った原子爆弾と、それを搭載していたNATOのヴァルカン戦略爆撃機を調査するミッションに挑みます。
本作で初めて姿を現したスペクターのNo.2であるラルゴと、頼りになる助っ人たちと一緒にミッションに挑むボンドが繰り広げる熾烈な戦いは、互いに明晰な頭脳を持ち、緻密な戦略を練って相手を追い詰めていくため、観る人をあっと言わせるアクション場面ばかりです。
また作中では、ボンドの格好良い姿だけでなく、ジェットパックを使って空を飛んだり、リッペ伯爵をスチームバスの中に閉じ込めて仕返したりする姿も描かれています。
シリアスな場面が多い中、そうした茶目っ気があるギャグ要素もあって面白いです。
2億8000万ドルの強奪を目論むスペクター
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本作で初めて姿を現したスペクターのNo.2であるラルゴは、スペクターの新たな事業として、NATOを恐喝して2億8000万ドルを手に入れる計画をブロフェルドに提案しました。
スペクターのNo.9による組織の資金の横領と、スペクターのNo.6であるブヴァールの死によって大打撃を受けていたスペクターにとって、失った利益を取り戻すまたとないチャンスです。
考案者であるラルゴが指揮を執ったその計画は上手くいき、スペクターはNATOのヴァルカン戦略爆撃機に搭載された2発の原子爆弾の強奪に成功。NATOはもちろん、米英両政府を恐喝し、大金と1億ポンド以上の価値があるダイヤモンドを手に入れようとします。
リッツ伯爵が人選を見誤ったり、ボンドにリッツ伯爵の正体を見破られたりするなど、思わぬ問題が生じたものの、結果的に計画通りに事を進めていくラルゴたちを見て、「敵ながらあっぱれ」と感心させられることでしょう。
また、互いに正体を知った上で繰り広げられるボンドとラルゴたちの腹の探り合いは、観ているこちらがヒヤヒヤさせられます。
まとめ
(C) 1965 Danjaq, LLC and Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.
奪われたNATOのヴァルカン戦略爆撃機に搭載された2発の原子爆弾を奪還するべく、「サンダーボール作戦」という危険なミッションに挑むことになったボンドが、宿敵スペクターとの熾烈な戦いを繰り広げていく、イギリス・アメリカ合作のスパイアクション作品でした。
本作の見どころは、ボンドvsラルゴたちの激闘の数々と、ラルゴとその部隊vs米国海軍による海中での激闘です。
また作中では、スペクターの幹部たちが一堂に会した場面や、「サンダーボール作戦」のためにMI6本部に集結した00要員全員の姿が描かれています。
ボンド以外の00要員は椅子に座った後ろ姿しか描かれていませんでしたが、これまでの「007」シリーズ作品でボンド以外の00要員が登場したことは一度たりともありません。
そして本作でも、ブロフェルドは首から下しか描かれておらず、どんな顔をした人物なのか不明のまま……。今後の「007」シリーズ作品でブロフェルドと、00要員の正体が明かされるのかどうか楽しみです。
ボンドたち00要員が集結した貴重な場面を観ることができる、「007」シリーズで最も面白いスパイアクション映画が観たい人に、とてもオススメな作品となっています。