ヒットメーカーのリュック・ベッソンが放つ大ヒット・カーアクション・エンターテイメントが11年振りに復活。
一見、平凡なタクシーが一変、超絶レーシングマシンに変身すると、今度はイタリア人強盗団を追い、マルセイユの街を再び駆け抜けます。
これまでの「TAXi」シリーズからキャストを一新し、映画『TAXi ダイヤモンド・ミッション』が新始動します。
映画『TAXi ダイヤモンド・ミッション』の作品情報
【公開】
2019年 フランス映画
【原題】
TAXi5
【監督】
フランク・ガスタンビト
【キャスト】
フランク・ガスタンビト、マリク・ベンタルハ、ベルナール・ファルシー、サブリナ・ウアザニ、エドゥアルド・モントート
【作品概要】
これまでのシリーズ同様、リュックベッソンが制作、脚本を務め、主演のフランク・ガスタンビト自身がメガホンを取っています。
天才的なドライビングテクニックを持っていますが人格に問題のある刑事マロと伝説のタクシーの持ち主、ダニエルの甥、エディが強盗団を追い、マルセイユの街を疾走します。
映画『TAXi ダイヤモンド・ミッション』のあらすじ
アルジェリアのある砂漠を疾走する車が砂煙を上げて、街に到着。車を降りるドライバーの携帯に「エディ」を名乗る男から着信があります。
エディは車を返却するように男に懇願、その車こそ、かつて伝説の“TAXi”と呼ばれた車でした。
遡ること、一週間前。フランス警察の警部マロは、確保した容疑者を警察署へ連行します。
容疑を認めない容疑者を供述させようと、マロは自身の運転する車で無茶な走行を繰り返し、容疑者は恐怖のあまり供述を始めます。
意気揚々と成果を上司に報告するマロですが、上司はマロにマルセイユへの転属を命じます。
理由を問うマロに上司は前日、マロが一夜を共にした女性が警視総監の娘であり、総監の怒りをかったと説明します。
しぶしぶマルセイユに赴いたマロをマルセイユ署の署長アランが出迎え、署員に引き合わせます。
イタズラ好きのメナール、小柄なミシェル、監視・追跡狂レジス、「男」と「食」が止まらないサンドリーヌと変人ばかりの職場にマロは辟易しまい、早々に現場に向かいます。
そのころ、タクシードライバーのエディは、客を乗せて走っていたところ、恋人のサンディからスマホに着信が入ります。
電話越しに誘惑するサンディにのせられたエディは、客を乗せたまま、サンディの元へ向かい、急ぐあまりバスレーンに侵入するのでした。
それを目撃したマロはエディを制止しようとしますが、エディはマロをはね、そのまま逃走します。
逆上したマロは、同行していたサンドリーヌと共にエディを追いかけます。
マロから逃げようとするエディの無茶な運転に客は車酔いを起こし、車外に嘔吐。
それを見たサンドリーヌもつられてパトカー内で盛大に吐き、視界が奪われたマロは海に落ちてしまいます。
海から這い上がったマロを向かえたのは、本庁から派遣されていた刑事たちでした。
刑事達は自分たちの邪魔をしないよう新顔のマロに釘を刺すと去っていきます。
マロから逃げたのびたエディはサンディの元に辿り着き、事に及ぼうとしますが、サンディの父親に見つかってしまい、追い出されてしまいます。
その頃、マルセイユ署には市長のジベールが訪れ、巷を騒がすイタリア人強盗団を逮捕するよう厳命、マロをリーダーに抜擢します。
強盗団の過去の犯行を調べたマロは逃走にフェラーリを使用していたことを知り、アランに署の車両では太刀打ちできないと告げます。
「ダニエルとエミリアンが居てくれたら…」そうつぶやくアランは、かつてフランスを騒がせた犯罪者たちを捕まえてきた刑事エミリアンと、その相棒でタクシードライバーのダニエル、そしてダニエルの「タクシー」の話を語りました。
マロは二人の行方とタクシーの所在を尋ねますが、エミリアンは退職、ダニエルはフランスを離れ、タクシーの所在も不明、ただダニエルの甥がマルセイユに暮らしていることを告げます。
翌日、ダニエルの甥の素性を掴んだマロは驚き隠せません。
その男こそ、マロをはねて逃げたエディでした。
エディを連行したマロはタクシーを貸すように迫り、応じなければ逮捕すると脅しますが、逆にエディは貸してほしければ自分を相棒にするよう言います。
エディの提案を拒否するマロでしたが、エディの「まともな署員がいない」という言葉に反論できないマロは、エディの提案を受け入れるのでした。
こうして、アルジェリアから届いたタクシーを受けとったマロとエディの元に強盗団出現の知らせが入ります。
逃走する強盗団に追いついたマロとエディですが、フェラーリとの性能差により追いつけません。
エディはマロに抜け道を指示し、再び強盗団に追いつきますが、路面電車に阻まれ逃がしてしまいます。
また、この時、市内で大きな事故が発生し警察の対応が遅れており、マロは事故の発生が不自然であり何か裏を感じていました。
映画『TAXi ダイヤモンド・ミッション』の感想と評価
11年ぶりの作品となった本作『TAXi ダイヤモンド・ミッション』は、キャストを一新しシリーズ再起動の作品となっています。
主人公マロとその相棒エディは、これまでのダニエルとエミリアンを彷彿とさせる迷コンビです。
基本的にはエディにマロが突っ込み続けますが、マロがハンドルを握ると立場が逆転し、エディがおびえながらマロをいさめようとする姿が非常にコミカルでした。
その他のキャラクターたちも非常に個性が強く、特にこれまでのシリーズにも登場していたヌベールは、市長になっても相変わらずのオトボケぶり。
「TAXi」シリーズファンにとって、懐かしく感じられるのではないでしょうか。
また、作中で繰り広げられるカーアクションの数々はほとんどCGを使っておらず、実車によるギリギリのスタント走行はリアルな臨場感を見事に演出
していました。
はじめは自分自身のことにしか興味を示さず、「マルセイユに長居しない」とまで言っていたマロですが、一連の騒動で仲間や自分の居場所を見つけ、最後にはマルセイユに残る決意をする姿は心温まる光景でした。
まとめ
一度は幕を閉じたかに思えた「TAXi」シリーズですが、監督フランク・ガスタンビトの自分も『TAXi』を撮りたいという強い想いに揺り動かされ、リュック・ベッソンが再始動を決意。
フランクのために最高の脚本を準備したという本作は、これまでのシリーズを周到しながらもよりコミカルで、よりスタイリッシュに復活
をとげました。
第4作活躍したプジョー701は、本作でも活躍しましたが最後には大破してまいましたが、新たな『TAXi』となるのか気になるところです。
そして、マロに復讐を誓ったトニードックのカムバックは実現するのでしょうか?
再び『TAXi』がフランスを疾走する日に、ファンとしては期待したいところですね。