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【ネタバレ】ダブル・スナイパー|あらすじ感想とラスト結末の評価。キャストのスコット・アドキンスが素晴らしいアクションで魅了する

  • Writer :
  • 秋國まゆ

孤高の暗殺者vs正体不明の狙撃手の戦いを描いたスナイパー・アクション!

ニック・マッキンレスが監督を務めた、2024年製作のイギリスのスナイパー・アクション映画『ダブル・スナイパー』。

数々の暗殺を完璧に遂行してきたスナイパーのサム。しかし、ある任務でターゲットではない人を初めて撃ってしまいます。

良心の呵責に苛まれたサムは、パートナーのケンの制止も聞かずに引退を決意。組織から最後の任務を言い渡され、彼と共に見晴らしのいい高級ホテルの最上階の部屋へと向かいます。

しかしそれは狙われる側としても、狙撃には打ってつけの場所で……。

映画『ダブル・スナイパー』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。

映画『ダブル・スナイパー』の作品情報


(C) 2024 TAKE COVER FILM LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

【公開】
2024年(イギリス映画)

【脚本】
ジョシュア・トッド・ジェームズ

【監督】
ニック・マッキンレス

【キャスト】
スコット・アドキンス、アリス・イブ、ジャック・バー、マダリーナ・ベラリウ・イオン、アルバ・デ・トッレブルーナ、ビリー・クレメンツ(暗殺者役でカメオ出演)、エイダ・マイケルズ=メイソン(ブロンド役でカメオ出演)

【作品概要】
テレビドラマ「ザ・ロストワールド」シリーズに出演するニック・マッキンレスが監督を務めた、イギリスのスナイパー・アクション作品です。

『デッドロック 絶対王者ボイカ』(2006)や『エクスペンダブルズ2』(2012)などに出演するスコット・アドキンスが主演を務めています。

映画『ダブル・スナイパー』のあらすじとネタバレ


(C) 2024 TAKE COVER FILM LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

狙撃銃の弾の速さは、時速2900キロ以上。約3キロ先の標的を仕留めることができます。ですが狙撃手にとって、一番重要なのは射撃の能力ではありません。それは、身を隠す能力です。

数々の暗殺を完璧に遂行してきたスナイパーのサム・ロード。しかし、最低最悪のテロリストを暗殺する任務で、彼のそばにいたターゲットではない女性を撃ってしまいました。

サムは撃つ前に、彼女がこちらに気づいて身を挺して守ったことに気づきます。良心の呵責に苛まれたサムは、パートナーの観測手ケンの制止を聞かずに引退を決意。

組織から最後の任務を言い渡され、サムはケンと一緒に、ドイツ・フランクフルトにある高級ホテルの最上階のペントハウスに向かいます。

到着して間もなく、サムは自身の引退に反対するケンと口論になりました。ケンはサムの引退に対して思っていることを全部吐き出します。

「俺は機転が利くし窮地にも強い、セックスもうまい。だが俺はあんたじゃない」

「俺も撃てるが、天才のあんたとはレベルが違う。殺しの名手だろ」「(サムがやったことは)正義のための正当な行為だ。なぜわからない?」

これに対して、サムはこう言い返しました。「奴を守った彼女のように、お前も誰かのために犠牲になれるか?」

「あの彼女を撃ってから全てが変わった。照準器の中しか見てこなかった以前の俺とは違う」「別の世界を見たい」

サムはケンに申し訳ないと思いつつも、引退することは頑として譲りませんでした。すでに上司のタマラにも引退する旨は話してありました。

ケンと同様、サムの射撃の腕に惚れ込んでいたタマラも納得していませんでしたが、驚いた様子でもなかったと言います。

サムの気持ちを聞いて、ケンは彼との最後の任務、任務までの2日間を楽しもうと決めました。

和解した2人のもとに、女性マッサージ師のモナとリリーがやってきます。女好きのケンは大喜びでしたが、サムは警戒してマッサージを頑なに拒否しました。

手相が読めるロマ人の母をもつモナは、そんな彼とケンの未来を占います。

ケンは、一か所に留まることができない、悪ガキのままでいたい永遠の少年と言われました。当たっていたケンはモナを気に入りました。

しかしここまで終始笑みを浮かべていたモナでしたが、サムの手相を見て笑顔が消えました。占いの結果を濁すモナに、サムは占いは信じないと言いつつ、気になるから話せといいました。

モナは言葉を選びながら、「あなたには信じてるものがあるけど……その対象はニセモノよ」「今は信じているけれど、いずれやめる」と答えました。

そこへ今度は、ホテルのコンシェルジュのミルコが豪華な夕食を持ってきました。ミルコは、サムがカーテンを閉めて欲しいことを聞いても、景色も食事の大事な一部だといって勝手にカーテンと、バルコニーへのドアを開けてしまいます。

確かに、一面がガラス張りの窓となっているペントハウスからは見晴らしのいい景色を眺められますが、それは狙う側も狙われる側も、狙撃には打ってつけの場所で……。

それを危惧していたサムの予想は当たり、突如サムたちに銃弾の嵐が襲います。サムは冷静に、狙撃手は南西の高層ビルにいると推測。そんな彼に、ミルコと一緒にきていたホテルの女性従業員が襲い掛かってきます。

サムと格闘戦を繰り広げた末、彼女は正体不明の狙撃手に撃たれて死亡。すると今度は、ミルコがサムを殺そうとしてきたのです。

サムは女性従業員より手強いミルコに苦戦を強いられましたが、格闘戦を繰り広げた末、部屋にあった花瓶で彼の頭を殴って倒しました。

以下、『ダブル・スナイパー』ネタバレ・結末の記載がございます。『ダブル・スナイパー』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C) 2024 TAKE COVER FILM LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

2人の暗殺者を倒したものの、未だカーテンは開いたままです。サムもケンも、互いに武器は手元にありません。

そのため、2人はとりあえず部屋の明かりを消して少し部屋を暗くします。完全に部屋の明かりを消してしまい、狙撃手に暗視スコープを使われたら逆にマズいことになるからです。

助けを呼ぼうにも、サムとケンの携帯も手の届かないところに。モナの携帯も、みんなの手が届かないテーブルに置いてあるバッグの中。

パニック状態にあるリリーの携帯が入った彼女のバッグは、ケンが隠れる場所の近くにありました。

サムの合図で、ケンはリリーのバッグを取るために銃弾を避けて柱の陰に飛び込み、それと同時にモナはサムのところへ避難しました。

しかしその直後、リリーが堪らずこの部屋から逃げようと立ち上がってしまったのです。

サムはリリーを守り、モナと一緒に彼女を落ち着かせます。その間に、ケンはズボンのベルトを上手く使って、リリーのバッグを手繰り寄せ彼女の携帯をゲット。

ケンはモナを介してリリーのパスコードを聞き出し、組織の表向きの会社である「オーシャン・バレー生命保険」に電話をかけ、タマラに現状を報告します。

するとタマラから、モナたちを手配した覚えはないと言われるのです。ではなぜ、彼女たちはこのペントハウスに入るための合言葉を知っていたのか……。

ケンは、合言葉を知るごく少数の関係者の中にスパイがいて、自分たちは嵌められたのだと推測。タマラは街に援軍の当てがあるといい、そこでじっとしているよう命じます。

サムは狙撃手に命を狙われている理由は分からないものの、民間人であるモナたちを必ず守ると2人に約束します。

8歳の娘がいるため死ねないモナは、手相でサムが殺し屋だと知ったことを彼に言い、彼を責めました。

サムはモナの非難を受けつつ、彼女のコンパクトを手に入れ、狙撃手を探します。そしてモナに、誰に雇われたのかと尋ねました。

モナは、ミルコからサムたちをもてなすよう電話があったと答えました。するとその直後、倒したと思っていたミルコが、サムに再び襲い掛かってきたのです。

それを見たケンは、サムを守るためにミルコの相手をします。そして格闘戦の末、ケンはミルコを窓の外へ背負い投げして始末しました。

サムはケンの代わりにリリーの携帯をゲット。彼に感謝を告げた直後、ケンは狙撃手に腹を撃たれてしまいました。

彼が殺されたのではないかと、今度はサムがパニック状態に。するとモナが、ケンは血を流しているもののまだ息をしていると、彼に伝えて落ち着かせます。

しかしその一方で、モナはいくらサムが組織の命令に従って悪人を殺していたとはいえ、殺し屋の言葉は誰にも響かないと冷たく言います。

実はモナの娘がまだ1歳だった時、娘の父親が人違いで道で銃殺されたことがあったからです。人違いでモナの夫を撃ったその殺し屋も、国に命令され正義のために殺したと言っていたという……。

その話の直後、サムのもとにタマラから電話が。電話の向こうで、タマラが合図を送った援軍が、サムたちを狙う狙撃手を始末したと彼女に報告します。

サムもモナのコンパクトの鏡越しに、狙撃手が射殺されるのを確認。タマラは、「チームをそちらに送ってホテル内の安全を確認させる。携帯は切らないで」とサムに指示しました。

しかし、その次に言った「柱から出てきていいわ」というタマラの言葉に、サムは疑問を抱きます。なぜ自分が柱の陰に隠れていることを、彼女が知っているのかと……。

その疑問を彼女にぶつけた直後、柱の影から出ようとしたサムに銃弾が。サムはタマラが黒幕であると確信しました。

タマラは有能なスナイパーであるサムが辞めると聞いて、彼がライバルのところに移ってしまうのではないかと危惧して、彼を始末しようと暗殺者や傭兵を送り込んだのです。

サムが先ほど見た閃光は、狙撃手を殺したと思わせるために見せたタマラの嘘。今のサムは以前の組織に忠実に仕えてくれていた頃とは違い、情にもろく冷静さを失っているため寝返られるリスクが甚大だと、彼女は考えたのです。

ではなぜケンまで殺そうとするのか、サムはタマラに尋ねます。タマラは、サムの最初の仕事の話をしました。

「ドバイでのあなたの最初の仕事、仲間の暗殺。実質厄介払いね」「今、後任者があなたと同じ仕事をやっているけれど、娼婦まで雇ったのにしくじるなんてガッカリ」

「あなたは腕がよかった、仕事が完璧」「優秀な射手は貴重な存在だから、失うのは残念だわ」「これまでも今も、全部正当ないい殺しよ」

さらにタマラは、サムたちの通信回線を全て乗っ取っているから助けを呼ぶことも警察を呼ぶこともできないと、そこから見える高層ビルも組織のものだから逃げも隠れもできないと言い、サムに投降を促します。

しかもタマラは、自分が送り込んだ娼婦であるモナたちも、口封じのために殺すつもりでいるのです。その証拠に、狙撃手はソファーの影から姿を見せたリリーを撃ちました。モナを誘き出すための囮として。

サムは、自分が狙撃手に狙われている隙に、リリーを安全なところへ運ぶようにとモナに言いました。その作戦は見事成功するも、狙撃手に脊髄を撃たれたリリーは死んでしまいました。

そんなサムたちを嘲笑うかのように、タマラはサムに電話をかけてきました。「ケンの得意分野をあなたが真似をしても恥をかくだけ。最初から全員死ぬ運命にあるのだから諦めて」

「ライフルを取りに行きたくても、動けば撃たれる。エレベーターにもカウンターにも近づけない」

「逃げることも隠れることもできないのにまだ諦めないというなら、好きなだけそこに籠っていればいいわ」

そう言う彼女に一矢報いるため、サムはモナから水晶玉を借りて、それを監視カメラにぶつけて監視の目を1つ潰します。

それまで優位に立って余裕の表情を浮かべていたタマラも、堪らず机にあった物や持っていた煙草に怒りをぶつけ、「きれいに片付けるのがあなたへの餞だった。だけどここまできたら地獄を見てもらうしかない」と彼に言いました。

それに対しサムは、必ずここから逃げてタマラを殺しに行くと宣言しました。

朝日が昇って狙撃手の顔に日が差し込んで狙いづらくなった時が、ここから逃げ出すチャンスだとサムは考えていました。

ですが、サムが自分の後任の狙撃手の考えが分かるように、相手にもサムの考えがバレていることを意味します。

サムはモナに、狙撃手が考えていることを話しました。秒で片付く仕事だったはずが、サムに邪魔されたせいで台無しに。

それに加え、時間が経てば経つほど狙撃手の怒りは増していく。でもだからと言って怒りに身を任せることはなく、慌てず冷静に、標的と射撃のことだけに集中していることを。

他のことは一切考えず、仕事に全神経を注ぎ完璧な一発に集中する。これまで自分がやってきた狙撃手の考えを、サムは思い出して冷静さを取り戻します。

エレベーターの動作音を聞いたサムは、モナに隠れるように指示を出し、銃弾を避けてカウンターの上に置いたライフルをゲット。カウンターの後ろに隠れ、ケースから出したライフルを静かに組み立てます。

そしてサムはライフルを構え、まずは狙撃手の隣にいる観測手を射殺。さらにライフルとその他の戦術を使って、ペントハウスにやって来た敵の援軍を、1人ずつ確実に仕留めていきました。

しかし援軍の1人に、モナが人質に取られてしまいます。サムが武器を床に置こうとすると同時に、モナは背後に立つ援軍の1人に肘鉄を食らわせました。

自分たち3人は直線状にいるため、狙撃手が手を出せない、且つ彼女が離れた一瞬の隙をついて、サムは援軍の1人を射殺。

しかしその直後、援軍の1人がサムを殺そうと襲い掛かってきました。死闘の末、サムは奪ったナイフで援軍の1人を殺しました。

モナは自分を助けてくれたサムにお礼を言い、いつ兵士になったのかと尋ねます。

サムは、飛行機が2機高層ビルに突っ込み、世界貿易センターが崩れた時の恐怖から、18歳で入隊を決めたのだと答えました。

世の中に立ちたくて軍に入隊したサムは、アフガニスタンやイラクに4回従軍しました。そして射撃が得意なサムは、民間の軍事会社で働くことになりました。

軍にいた時よりも給料は良くなったものの、サムは公には言えないような仕事をやる羽目に……。

最初は、政治家がビビッてできないことを、正しいことをしてると、サムたちはやっていると思っていました。世界のために、テロと戦っていると。

物事は白か黒か、英雄か悪党か、善か悪か、正義か不義かで見る方が楽でした。以前までは狙撃手と同じように自分もそう思っていたけれど、今はそんな自分の考えが甘かったことを後悔していると、サムは言いました。

サムの話に黙って耳を傾けていたモナは、彼の手相をみて、「殺しと生き残りの手相を持ってる、強運の持ち主よ」といいました。

人は嘘をつくけれど、手相は嘘をつかない、と。モナは、サムのライフルをとる手伝いをする代わりに、娘のミレナを探して助けてあげてとサムにお願いしました。

サムは、モナの約束を守り、ミレナを全力で守ると神に誓います。必ず2人でここから脱出して生き残る、と。そう誓い合った2人は協力して、エレベーターを昇ってやってきた敵の増援2人を倒します。

しかしサムがモナからライフルを受け取る前に、彼女は狙撃手に撃たれてしまいました。サムはすかさずライフルを構え、狙撃手とほぼ同時に銃を発砲。

サムの弾は、スコープを貫き狙撃手の目に命中。狙撃手の弾をサムは華麗に避けました。

モナは息も絶え絶えに、娘に自分たちよりもいい人生を送れるように、生き残る術を教えてあげて欲しいとサムにお願いし、彼の腕の中でそのまま息を引き取りました。

その直後、死んだと思っていたケンの意識が戻りました。しかしケンは脊髄を撃たれたため、足を動かせません。

ひとまずケンを安全な寝室に運び、サムはタマラが黒幕だったことを伝えます。するとケンは、「知ってる」と答えたのです。

ケンがサムを引き止めていたのは、サムのパートナーだったからクビを免れていた己自身のためだけでなく、彼が辞めればタマラの怒りを買うと分かっていたからでした。

サムがタマラにケンの生存を伝えると、状況はさらに悪化。組織の上層部の許可が下りて、サムたちは最重要標的になってしまったのです。

サムの嫌な予感は的中し、外にいるドローンから銃弾の雨がサムに襲い掛かってきます。さらにドローンからミサイルまで飛んでくる始末。

サムは銃弾とミサイルをかわしつつ、ドローンに接近。バルコニーにあった消火器とBBQ用のコンロに銃弾を当て、その近くを飛んでいたドローンを爆撃します。

しかしドローンを始末したサムがケンのもとに戻った時には、すでに彼は息を引き取っていたのです。

サムは、ケンが最後の力を振り絞って作ったシルクのシーツでできたパラシュートを使い、敵の増援が来る前にホテルから脱出。トラックの荷台に降り立ちました。

後日。サムたちの暗殺の一件で組織での立場が危うくなったタマラは、新たな雇用主がいるドバイに向かうため、護衛をつけて空港にいました。

そこへ、あの夜を生き延びたサムから電話がかかってきます。今のサムが信じているのは業(カルマ)、次世代のために世界をよくしたいという使命を再認識し、守るべき存在ができたという。

そう話したサムは、神はいると思うかとタマラに尋ねます。トイレの前で仁王立ちするタマラの背後で、スマホゲームに興じていた1人の少女が清掃中の看板をトイレの出入り口に置きました。

タマラはその問いには答えず、電話を切ってトイレに入りました。その直後、清掃員に扮したサムがトイレに入りました。サムはタマラに直前に宣言したとおり、直接会って彼女を殺したのです。

そして銃声を聞いて駆けつけたタマラの護衛2人も、サムはサイレンサー付きの銃で射殺。ケンたちの仇討ちに協力してくれたミレナの手を引いて、その場から立ち去りました。

映画『ダブル・スナイパー』の感想と評価


(C) 2024 TAKE COVER FILM LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

物語を通して、狙撃手(スナイパー)が冷静沈着に、完璧な一撃で標的を仕留めるための心構えや射撃能力を、体感し学ぶことができるので、銃マニアでもそうでない人もガンアクションに興味を持つほど楽しめます。

また同じ狙撃手であっても、狙撃手にとって一番重要な身を隠す能力があるかどうかで、生死が決まるものだなと、サムたちの対決を見てしみじみと感じました。

何故サムたちが命を狙われるのか、しかも無関係のモナたちまで狙われる理由が分からない、敵が何者であるかも分からない。誰もがパニック状態に陥りそうなのに、誰よりもはやく冷静さを取り戻し状況を把握・打開する策を講じていくサムは本当に頼もしくて格好良いです。

そんなサムと、最初は軽口を叩いたり喧嘩したりと凸凹コンビっぷりを見せた女好きでチャラいケンも、最後の最後で命懸けで相棒を守るという男気溢れる姿を魅せてくれます。

そしてサムたちが助けを求めて頼ったタマラが、まさかのサムたち暗殺を企てた首謀者だったなんていう裏切り展開は衝撃的でした。

モナたち娼婦だけでなく、狙撃手も傭兵も暗殺者もドローンもみんな、タマラが刺客として送り込んだもの。しかも当の本人は安全圏からずっとサムたちを監視しているため、ケンたちの仇討ちをしようにもできない状況。

タマラの完璧な采配と作戦能力、組織の暗殺者たちを自己判断で動かし、上層部にもサムたちを最重要標的にしてほしいと掛け合えるほどの組織での影響力は、サムの射撃能力の次に凄いです。

でもタマラがサムたちの性格を理解し行動を読めるように、サムたちだって長年一緒に働いていたのだから彼女の性格・行動パターンもお見通しなわけで……。

物語の最後、生き残ったサムがモナの娘ミレナのサポートもあり、タマラとその護衛たちを暗殺し、ケンたちの仇を華麗に討ち取ったのはスカッとしました。

まとめ


(C) 2024 TAKE COVER FILM LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

孤高の暗殺者vs正体不明の狙撃手による、距離3000mのバトルを描いたスパイパー・アクション作品でした。

本作の見どころは何といっても、サムvsサムの後任者として送り込まれた組織の狙撃手による緊迫感・臨場感あふれるバトル、サムがケンとモナのサポートを得て、次々と現れる刺客たちを倒していくアクション場面の数々です。

特に物語の終盤、サムと狙撃手が打った銃弾が交差する場面は格好良すぎて惚れ惚れします。

ケンたちのおかげで無事ホテルから脱出し生き延びることができたサム。そのことはとても喜ばしいことでしたが、彼らを殺した黒幕であるタマラも五体満足で生きていて、しかも組織での立場が危うくなっても全然痛手になってないのが悔しい。

そう思っていたら、サムが宣言どおりに、清掃員に扮して空港のトイレに入ったタマラを直接殺して、彼女の護衛たちも殺して仇討ち成功。

今後のサムとミレナの身の安全まで保障するというオチがあったので、ちゃんと視聴者も登場人物もスカッとできる構成が練られた脚本でビックリ。

サム役を演じたスコット・アドキンスによるアクション場面も、脚本も映像も素晴らしいスナイパー・アクション作品をぜひ一度ご鑑賞ください



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