強盗犯と保安官の激しい銃撃戦のクライムアクション映画『デッドヒート』
2020年10月2日に公開された映画『デッドヒート』は、麻薬組織の資金を狙う強奪犯と、犯人を逮捕すべく追う保安官が激しい銃撃戦を繰り広げる、犯罪スリラー・アクション映画です。
35年ぶりに続編が出た、大ヒット作『トップガン マーヴェリック』の公開を控えたバル・キルマーと、『ヘルボーイ ゴールデン・アーミー』などのアクション映画で活躍するルーク・ゴスが共演する本作は、果たしてどんな内容のものなのでしょう。
今回は、映画『デッドヒート』のネタバレあらすじと作品情報をご紹介いたします。
映画『デッドヒート』の作品情報
【公開】
2020年(アメリカ映画)
【脚本】
クリスチャン・セスマ
【監督】
クリスチャン・セスマ
【キャスト】
ルーク・ゴス、ヴァル・キルマー、マイク・ハットン、ポール・スローン、マーサ・ミシェル、ベロニカ・ボーズマン、ミュリエル・テリオ、ジェイ・モンタルボ、ニック・バレロンガ、メルセデス・キルマー
【作品概要】
アクション映画で活躍する俳優ルーク・ゴスと、大ヒット作の35年ぶりの続編『トップガン マーヴェリック』の公開を控えるヴァル・キルマーが共演した、犯罪スリラー・アクション映画です。
本作の脚本・監督を務めるのはクリスチャン・セスマ、ルーク・ゴス主演の『タイムリミット-72』『デス・クルー』(2015)などのアクション映画を手掛けてきました。
さらに本作には、ヴァル・キルマーの娘メルセデス・キルマーも出演しており、キルマー親子の共演と、長年一緒に映画を作ってきた監督と俳優が再びタッグを組んだ作品でもあります。
映画『デッドヒート』のあらすじとネタバレ
5年前、ダミアン・ブルックスと一癖も二癖もある仲間たちは、エル・ゴード率いる麻薬組織「シナロア・カルテル」の麻薬資金、3300万ドル(35億円相当)をソルトン湖への輸送中、強奪して砂漠のどこかに埋めました。
それを知ったエル・ゴードは、手下と雇った業者を使ってソルトン湖付近の砂漠を捜索させましたが、掘り起こした地中深くからは金ではなく、バツ印付きの泥袋が発見されて思わず悪態をつきます。
一方、麻薬捜査を行う保安官ウィリアム・タッカーは、エル・ゴードと手を組み、大麻を密輸するダミアンを捕まえようと執念深く追いかけていました。
ようやくアジトを突き止め、ダミアンを逮捕したタッカーでしたが、強制捜査によって繰り広げられた銃撃戦のせいで、カルテルメンバーを含めて4人を死なせてしまいました。
しかも、押収できた大麻はわずか4.5キロ分と少量の武器だけ、タッカーはこの麻薬捜査の不手際が原因で、免職処分になってしまったのです。ダミアンには、大麻を密輸した罪によって5年の実刑判決が下ります。
それから5年後、ダミアンの仲間の女性ジャネルと彼女の恋人シシは、同じ仲間のトニーから、ダミアンが仮釈放されたことを聞きます。
免職処分を受けたタッカーは、ダミアンが仮釈放されることを知り、ダミアンのせいで免職処分を受けた恨みと当時の事件を解決すべく、彼を監視します。
この5年で大麻は合法化され、仮釈放されたダミアンは密売者扱いされないものの、仮釈放中は保護観察官レイラ・ロペスによる監視と、出所後の再就職に向けた活動をしなくてはなりません。
その頃、シシ・ジャネル・トニーは、組織のブレーンであるジェフ・ベントレーと再会します。ジェフは過去に、エル・ゴードの娘であるオリヴィアと寝たことがあり、彼女の兄であるクコとその手下と揉めたことがありました。
駆けつけたダミアンたちによってその場を脱したものの、苦い思い出である当時の事を思い出したジェフとトニーは、改めて自分たちがシナロア・カルテルに命を狙われていることを自覚します。
その頃ダミアンは、カジノを運営する昔の仲間リオ・キャップとゴルフ場で再会し、例の計画を実行すると声をかけました。
ダミアンは、ソルトン湖で待つトニーたちと再会を果たし、「DEAや移民税関捜査局(ICE)は、密売ルートを制圧したからか、かつての気概はないため、俺たちはその隙を突く。エル・ゴードは雲隠れし、組織も解散しており、彼の手下はそう多くはない。今こそ5年前に隠した3300万ドルを手に入れよう」と話し、収監中に画策してきた計画を実行に移そうとします。
ダミアンはまず、シシとジャネルに、5年前の強制捜査の後、DEAを早期退職した捜査官2人と接触するようにと命じ、トニーとジェフには、DEAの倉庫に忍び込み、ハードドライブと当時の捜査記録を入手せよと、命じました。
そんなダミアンは、レイラと共に就職活動をしていましたが難航し、彼女の紹介で会ったリオのカジノで働くことになりました。
一方、バハカリフォルニア州メヒカリに豪邸を築き、そこで保護観察を受けるエル・ゴードは、手下から「仮釈放されたダミアンが昔の仲間と会っている」と報告を受けます。
エル・ゴードはオリヴィアを介して、手下たちにダミアンを捕まえるよう命じました。
映画『デッドヒート』の感想と評価
物語の冒頭では、男たちが砂漠の中から泥袋を発見したシーンが描かれているのですが、最初はこれが何を意味するのか全く分かりません。
ですが、物語が進むにつれて、徐々にその謎が解けていきます。あれは、ダミアンたちが金を強奪した挙句、泥袋をエル・ゴードたちに見つけさせたシーンだったのです。
タッカーもまた、家庭を蔑ろにしてまで5年前の事件を追い続けていましたが、ダミアンを逮捕するべく動いたことさえ、彼の想定内の出来事だったという事実は衝撃的でした。
しかも、ダミアンはただタッカーに追い詰められて逮捕されたのではなく、自らの引退が必要だったことを考えて、わざと逮捕させています。
エル・ゴードやオリヴィアたち、タッカーの動きまで予測して考えたダミアンの計画は、本当に素晴らしく、観客もまんまと騙されることでしょう。
また、頭脳明晰な策士であったダミアンとジェフの、5年間に及ぶ3300万ドル強奪計画はとても大掛かりなものであり、ドキドキハラハラする展開ばかり。
アクションシーンが物語の前半にある強制捜査の時と終盤の銃撃戦の時だけだったのが少し残念ですが、最後に大どんでん返しがある犯罪モノの映画としては面白い作品です。
まとめ
映画『デッドヒート』は、ダミアンが一癖も二癖もある仲間たちと共に、保安官や麻薬カルテルを出し抜き、3300万ドルという大金を強奪する犯罪スリラー・アクション映画です。
ダミアンたちも物語の後半で、エル・ゴードたち「シナロア・カルテル」に捕まり、さらには執念深く事件を追いかける保安官・タッカーまで現れ、彼らの計画もここまでかと誰もが思ったことでしょう。
それも全て、ダミアンの計画のうちだったというのだから、本当によくこんなことまで考えたなと感心します。
ダミアンの策士っぷりを悟ったタッカーが、今まで蔑ろにしていた家庭に戻り、普通の父親に戻りたいと言うシーンは、本作で一番感動できます。
物語のラストシーンには、ドタバタ劇を繰り広げたダミアンたちが、事の顛末を明かす種明かしがあります。
映画『デッドヒート』を楽しく鑑賞するためには、最後までお見逃しなく。