週刊少年ジャンプに15年にわたって連載されてきた大人気漫画『BLEACH』の完全実写化作品。
この世にとどまる悪霊を退治する死神の仕事を代行することになった高校生の活躍を描く!
『アイアムアヒーロー』『いぬやしき』を手がけた、日本のVFXアクションの最先端をいく作り手たちの渾身の1作です。
映画『BLEACH』の作品情報
【公開】
2018年(日本映画)
【監督】
佐藤信介
【キャスト】
福士蒼汰、杉咲花、吉沢亮、真野恵里菜、小柳友、田辺誠一、早乙女太一、MIYAVI、長澤まさみ、江口洋介
【作品概要】
霊力の高い高校生がとあることから死者の魂をあの世に送り、悪霊を退治する死神の仕事について活躍するさまを描いた週刊少年ジャンプで連載されていた人気漫画「BLEACH」の完全実写化。
メインに吹く福士蒼汰、杉咲花、吉沢亮、早乙女太一といった若手実力派俳優を揃え、国際的な活躍が目立つMIYABIに江口洋介、長澤まさみらが脇を固めます。
メガホンを取ったのは現在の日本映画界でVFX、漫画実写化映画で高い実績を誇る佐藤信介。現代日本を舞台にしたファンタジーかつ剣戟アクションという設定にも注目が集まります。
映画『BLEACH』のあらすじとネタバレ
生まれつき髪がオレンジ色で強い霊感を持っている高校生の黒崎一護。
父親と妹2人と暮らしていましたが、幼い時に母親を事故で亡くしていました。
そんなある日一護のところに朽木ルキアと名乗る少女が現れます。彼女は死者の魂をソウルソサエティへと送る死神でした。
信じようとしない一護でしたが人の魂を食う悪霊の虚(ホロウ)に家族を襲われ信じざるを得ませんでした。
ホロウと戦う中で負傷し動けなくなってしまったルキア。
絶望的な状況下でルキアは霊力の高い一護に死神の力を譲渡し、一護は自身の霊力でできた斬魄刀と呼ばれる武器でホロウを倒します。
その後ルキアは死神の力を一護から戻そうとしますが、死神になりたての一護では霊圧という力が足りずこのまま死神の力をなくすと反動で死んでしまうとわかります。
霊圧を高めるにはホロウを退治して死神としての力を高めていくしかありません。一護は“死神代行”高校生として活動する羽目になります。しかしソウルソサエティでは死神の力の譲渡は重罪。
ルキアと一護を捕らえるために恋次という死神とルキアの兄で死神界随一の実力者朽木白哉がやってきます。一方、一護も自分の母親の死にとあるホロウが関係してるとわかり復讐に燃えていきます…。
映画『BLEACH』の感想と評価
最近増えてきた『少年ジャンプ』の実写ものですが、ド直球のアクション路線としては、かなり上手くいった作品です。
邦画のVFXを大量投入したアクションというのは、ハリウッド映画に比べると、どうしても見劣りしてしまう印象がありますが、本作『BLEACH』は上手く工夫を見せながら迫力のあるアクションを展開しています。
日本刀の剣戟アクション(もしくはチャンバラ)というのは、日本特有の文化で、なかなか他国では真似できないものです。
同じく『少年ジャンプ』の実写化作品である『るろうに剣心』や『銀魂』も時代劇要素が多く、“日本でしかできない作品”だったからこそ、上手くいった要素があるは確かです。
本作『BLEACH』も剣戟アクションとして非常に優れています。
福士蒼汰はもともと身体能力の優れた役者で。この作品でもその資質を存分に活かしていますし、杉咲花も特訓の成果を見せ、見事な剣さばきを披露しています。
もともと大衆演劇界でトップスターを張り続けてきた早乙女太一や、国際的活躍を見せるMIYAVIの殺陣のクオリティは言うまでもありません。
特に終盤の福士蒼汰演じる一護と早乙女太一演じる恋次の一戦は、2人の身体能力、編集、VFXのクオリティも相まって邦画アクション史の1ページに加えられる名シーンになっていると思います。
それに加え、日本のVFX映画では長く第一人者として知られる、佐藤信介監督の手腕も存分に発揮されています。
本作は死神と言う題材を扱ったファンタジー作品でもありますが、敵のホロウの造詣の再現度、クライマックスでの街の破壊描写に死神や滅却師の武器の描写など、原作の愛読者もそうでない人も興奮必至のビジュアルイメージがふんだんに盛り込まれています。
個人的には市街戦で一護がバスに隠れたときの攻防戦の描写が迫力、リアルさ、斬新さ共に優れていて、テンションが上がりました!
それ以外でも終盤の街の破壊され具合は、一般的な邦画にはないスケール感で、その中でのバトルも違和感なく没入できました。
的確なストーリーとキャスティング
VFX以外に原作エピソードの抽出の仕方や、キャスティングも非常に的確だったと思います。
70巻を超える原作の中で思い切って3巻までのエピソードに絞ったこと。
膨大なキャラの中で話の中心にすえるキャラを10数人にとどめたこと。
人気キャラの多いソウルソサエティの死神の登場を3人に抑えたことは、非常に抑制の効いた英断だと思います。
漫画実写化で失敗してしまうひとつのパターンとして、映画の尺に収まらないくらいのエピソードを薄~く網羅して、スカスカになってしまうことがありますが、本作は全くそんなことはありません。
また、キャスティングも原作のイメージを損なわなく、かつちゃんと人気のあるキャストという面では、絶妙なラインを攻めたと感じるはずです。
特に原作でも癖が強く、かつ重要な人気キャラである朽木白哉役に、海外評価も高いロックアーティストで『キングコング 髑髏島の巨神』などのハリウッド作品でも活躍しているMIYAVIを持ってきたのは、凄いキャスティングです。
見事に人間離れした雰囲気が出ていました。
原作を知ってる人にはたまらないですし、見てない人は原作ではどんなキャラ造詣なのか気になるのではないでしょうか。
まとめ
2018年本格的な剣戟アクションが見たければ、間違いなく必見作品です。
続編が期待できる作りにもなっているので、本作がヒットすれば、よりスケールアップした『BLEACH』の世界が見られることは間違いないでしょう。
今回の制作陣であれば、原作の目玉であるソウルソサエティの世界観も見事に表現できるはずです!
あの人気死神たちも誰がキャスティングされるのか、考えてみるだけでもワクワクして楽しくなってきます。
『ジャンプ』好きの少年も、チャンバラ好きのお年寄りも、楽しめる快作です!