リュック・ベッソン監督、サッシャ・ルス主演
闘うヒロインで放つノンストップアクションエンターテインメント
映画『ANNA/アナ』は、『ニキータ』(1991)『レオン』(1995)『LUCY ルーシー』(2014)など、戦うヒロインを主人公にした作品を数多く手がけてきたリュック・ベッソン監督が、ロシア出身のスーパーモデル、サッシャ・ルスを主演に迎えたアクション映画です。
ソ連の諜報機関KGBによって造り上げられた最強の暗殺者アナ。彼女の使命は国家にとって危険な人物を消し去ることでした。アナは明晰な頭脳と身体能力を駆使し、国家間の争いをも左右する一流の暗殺者へと成長していくのですが……。
映画『ANNA/アナ』は2020年6月5日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて全国ロードショー。
映画『ANNA/アナ』の作品情報
【日本公開】
2020年(フランス・アメリカ合作映画)
【原題】
ANNA
【脚本・監督・製作】
リュック・ベッソン
【製作】
マーク・シュミューガー
【キャスト】
サッシャ・ルス、ルーク・エヴァンス、キリアン・マーフィ、ヘレン・ミレン、アレクサンドル・ペトロフ、レラ・アボヴァ
【作品情報】
映画『ANNA/アナ』の監督は『ニキータ』(1991)や『レオン』(1995)『LUCY ルーシー』(2014)など、戦うヒロインを主人公にした作品を数多く手がけてきたリュック・ベッソン。ロシア出身のスーパーモデル、サッシャ・ルスを主役のアナに迎え、、オスカー女優のヘレン・ミレン、「ワイルド・スピード」シリーズのルーク・エバンス、『ダークナイト』のキリアン・マーフィらが脇を固めています。RG12作品。
映画『ANNA/アナ』のあらすじ
1990年、モスクワ。露店でマトリョーシカ人形を売っていた大学生のアナは、モデル事務所のスカウトマンに声をかけられます。「モデルにならないか?」という誘いを受けるアナ。モデルになるためパリへ行くと、即デビューし、すぐに売れっ子となります。
彼女に興味を持った事務所の共同経営者のオレグはアナに声をかけ、付き合い始めました。アナはオレグから「自分は武器商人」という裏の顔を打ち明けられると、トイレに隠していた銃で、容赦なくオレグの頭を撃ち抜きました。
実はアナは暗殺者。ソ連の諜報機関KGBによって造り上げられた冷酷な殺し屋だったのです。
3年前、アナはモスクワで、恋人とクスリに溺れる自堕落な生活が嫌になり海軍に志願しました。すると、アレクセイと名乗る男から「軍事訓練1年、現場勤務4年、その後は自由」という仕事を持ちかけられたのです。
彼はKGBの捜査官でした。アナはもともと陸軍士官学校にいましたが、最愛の両親を事故で亡くし、堕落した生活に転落。アクレセイは、そんなアナの陸軍士官学校時代の優秀な成績に目を付けたのです。
それから1年、アレクセイは過酷な訓練を全うしたアナを上官のオルガに紹介します。
オルガはアナに「レストランで食事中のマフィアのボスから5分で携帯電話を奪う」というテストを与えます。店に踏み込んだアナは、オルガから渡された銃をボスに向けますが、弾倉はカラッポ!
やむなくアナは、ワインボトルやグラス、皿にフォークを駆使して闘います。銃を撃つ何十人もの屈強なボディカードを相手に少しも怯みません。
相手をなぎ倒し奪った銃で次々と男たちを撃ち抜くアナ。制限時間はオーバーしましたが、無事にテストに合格します。
アナのKGBとしての最初の仕事がオレグ暗殺だったのです。成功したアナは長官の面接を受け、正式採用となります。けれども、今では恋人となったアレクセイの「5年で自由」が嘘だったと知り、ショックを受けます。
やがてアナはその美貌とスタイル、魅力的なオーラからトップモデルとなり、その一方では、明晰な頭脳によって国家間の争いさえ左右できる一流の殺し屋としても認められます。
そんなある夜、アナは、アメリカの諜報機関CIAの罠にはまり捕まってしまいます。CIA捜査官のレナードから、死か寝返るかの選択を迫られ、アナは「1年で自由。ハワイで保護」の条件をつけてCIA側へつくことを約束します。
2つの巨大組織の狭間で揺れ動くアナですが、必ず生き抜くと誓って動き出しました。
映画『ANNA/アナ』の感想と評価
映画『ANNA/アナ』は、ソ連のKGBとアメリカのCIAという2つの諜報機関の狭間で揺れる凄腕の暗殺者アナを描いています。
アナの現代と過去を交互に映し出す本作。一つの事象になる前触れを後で見せるので、最後まで見ないとストーリー展開がわからないようになっています。
どん底人生から這い上がろうとしてもがくアナには、陸軍士官学校に在籍していたという経歴がありました。中退ですが、射撃の腕前も学科も優秀な成績を収めていたのです。
アナの経歴と美貌に目を付けたKGBが彼女を訓練生に迎え、みっちりと暗殺者のノウハウを教え込みます。
訓練の様子は映し出されませんが、「レストランで食事中のマフィアのボスから5分で携帯電話を奪う」というテストでは見事にその成果が現れます。
屈強なボディーガードたちを相手に、ほぼ丸腰のアナは、手近にあるレストランのテーブルや椅子、ナイフに皿といったものを使って身を守り、闘い抜きます。
相手の拳銃を奪い、その大きな体を盾にして、ためらうことなく発射。やらなければやられてしまう。このピリピリした緊迫感が、闘争心あふれるアナの美しさを一層引き立てていました。
美しいだけなく頭の回転も早いアナは、アメリカのCIAからの寝返りを要求され、窮地に追い込まれます。
彼女が本当に欲しいものは「自由」。それをご褒美にCIAから要求されたのは、成功率0%のミッションでした。果たしてアナはどうするのでしょう。
演じるサッシャ・ルスのボディー&ガンアクションによって、目をそむけたくなるような残忍な暗殺場面も、まるでショーを見ているような見せ場となっています。
アナというスーパーヒロインの未来はどうなるのかと気になり、観る人はどんどんその魅力に惹きこまれて行くのです。
アナの魅力を100%以上伝えること。これは、サッシュ・ルスが監督のリュック・ベッソンから受けたミッションかもしれません。
まとめ
魅力的な〈闘うヒロイン〉を世に送り出し、「TAXi」「トランスポーター」「96時間」シリーズを手掛けたリュック・ベッソンが、本作では監督・脚本・製作を担当しています。
フルスピードで展開する世界をまたにかけるストーリー。そして、武器を持たずに敵地へ乗り込んだアナが5分で40人を倒すレストランの格闘シーンなど、リアルで壮絶なファイティングシーンは、リュック・ベッソンならではのもの。
主役のアナを演じるサッシャ・ルスは、1年を費やして「暗殺者」を演じる準備をしたそうです。アナの内に秘めた悩みや哀しみなど、絶対に表に出さないクールで繊細な表現力もおみごとでした。
けれども、もっとも目を引くのは、アナのハードなアクションでしょう。サーカス団員も驚くような早業で、皿やフォークを武器にしたレストランでの格闘シーンや、立ちはだかる兵士たちと銃撃戦を交え、蹴りやジャンプなど、美しい立ち回りも披露したKGB本部からの脱走場面。
暗殺者としての危機迫る場面ですが、アナの動きに魅せられてしまいます。これだけの美しいアクションが出来るのは、ミステリアスな美を持つサッシャ・ルスしかいないのでは……。
これらは、美しさの中に秘められたアナの野獣のような本能を、しっかりと確認させるサッシャ・ルスの熱演といえるでしょう。
また、ヘレン・ミレン演じるKGBのオルガの役どころも見応えあります。暗殺者としてのアナを牛耳り管理する役処で、アナの性格を見抜いています。アナの一癖も二癖もある理解者ともいえます。
アナを手中にしようとする2つの組織の捜査官アレクセイとレナードが滑稽に見えるシーンもあり、“美しき暗殺者”の行く末がとても気になる作品です。
映画『ANNA/アナ』は2020年6月5日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて全国ロードショー。