「未体験ゾーンの映画たち2019」情報!
ヒューマントラストシネマ渋谷にて開催中の「未体験ゾーンの映画たち2019」で、韓国映画『マリオネット 私が殺された日』が3月15日 (金)より公開することが決まりました!
『ハン・ゴンジュ 17歳の涙』『トガニ 幼き瞳の告発』といった実際の性犯罪事件を告発する作品を多数生み出してきた韓国映画界。
その中でも『チェイサー』『殺人の告白』などはミステリー的ジャンル性を持たせフィクションのように観せることで、韓国国内でも幅広い観客に大きな衝撃を与えました。
ネット社会の暗部をえぐる韓国ノワール『マリオネット 私が殺された日』のビジュアルと予告映像が公開されたのでご紹介します。
CONTENTS
映画『マリオネット 私が殺された日』のポスタービジュアル
涙を流し何かを訴えるように正面を見つめるイ・ユヨン。
キム・ヒウォンがその視界を遮るように割って入ろうとしています。
イ・ユヨン演じるソリンの見つめる先を邪魔することで、彼女の人生さえも邪魔するように見えます。
手前に配された画面の割れたスマートフォンがネット社会を象徴していて、割れたガラスがその社会によって打ち砕かれたという感じがします。
ポスター1枚で映画のテーマを表現しているみたいですね。
映画『マリオネット 私が殺された日』の予告編
予告編は、高校生の頃のソリン(ミア)が夜道を歩いているところから始まります。
そこにかぶさるようにして、彼女が受けた犯罪の会話が聞こえます。
そこからすぐに、現在のソリン。
車を降りた彼女を何者かが監視しているようにも見えます。
ソリンが過去の悪夢によってこれまでの日常が乱されていく様子が見て取れます。
過去の犯人の高校生たちの姿をぼかすことで、高校生の頃のソリンが思い出したくもないということがわかる映像です。
何かを探っているようなキム・ヒウォンは味方なのか、それとも…。
展開が気になりますね。
映画『マリオネット 私が殺された日』の作品情報
【公開】
2019年(韓国映画)
【原題】
나를 기억해/英題:MARIONETTE
【監督・脚本】
イ・ハンウク
【キャスト】
イ・ユヨン、キム・ヒウォン、キム・ダミ、イ・ハクジュ
【作品概要】
性犯罪被害の過去を持つ女性に再び降りかかる悪夢を描いた韓国製ミステリー。ネット社会の暗部を抉った作品です。
主演は『アトリエの春、昼下がりの裸婦』のイ・ユヨン。
国内外の映画賞を多数受賞して以降『背徳の王宮』『あいつだ』などのヒット作を立て続けにヒロインを演じています。
競演にキム・ヒウォン。『アジョシ』で主人公の少女とその母親を拉致するマンソク兄役を務めるなど、癖のある役を多く演じ、異彩を放っています。
監督はイ・ハンウク。
映画『マリオネット 私が殺された日』のあらすじ
14年前、当時女子高生だった被害者は、同級生の男たちに集団で強姦されてしまいます。
その動画はネットにアップされたことから、韓国全土に強い衝撃を与えました。
被害者をまるで魂のない人形のように扱う非人道的な様子から、その出来事は「マリオネット事件」と呼ばれるようになります。
この惨劇は、人々の記憶に深く刻まれることとなり、犯人たちが逮捕された後も、被害者だったミナが当たり前の人生を歩むことを阻みました。
しかし、彼女はソリンと名前を変え、別人として生きてゆくことを選びます。
ソミンはトラウマと戦いながらも夢だった教職に就き、愛する人との結婚も間近に控え一歩ずつ人生を取り戻していました。
だがそんな矢先、彼女を再び悪夢へと誘う一通のメールが届き…。
映画『マリオネット 私が殺された日』のみどころ
参考映像:『アトリエの春、昼下がりの裸婦』(2014)
集団強姦の被害に遭い人生を狂わされながらも、名前を変え再び強く生きようと願う主人公を演じるのは若手演技派イ・ユヨン。
彼女は『アトリエの春、昼下がりの裸婦』での初々しく透き通った演技は、国内外の映画賞を多数受賞しました。
その後、2015年の作品『背徳の王宮』や『あいつだ』(2015)などのヒット作で立て続けにヒロインを演じています。
また、2016年の東京国際映画祭のワールド・フォーカスで上映された、ホン・サンホ監督の『あなた自身とあなたのこと』をご覧になった韓国映画ファンも多いことでしょう。
参考映像:『あなた自身とあなたのこと』(2016)
今回「未体験ゾーンの映画たち2019」で公開される本作品『マリオネット 私が殺された日』に出演をしたイ・ユヨン。
彼女は、青少年犯罪や性犯罪などの記事や文献を多数読み込み、演技に望んだそうです。
持ち前の透明感だけでなく、その気迫通りのリアルな演技は、観客のあなたに性犯罪の持つ陰惨さと、ネットで増殖する悪意の底知れぬ恐怖を突きつけてきます。
キャストの競演者には、2010年の作品『アジョシ』などの癖のある役柄で異彩を放地、2019年には48歳とベテラン俳優となったキム・ヒウォンが脇を固めます。
そして悲惨な事件に遭遇する若き日の主人公を演じるのは新鋭キム・ダミ。
2018年に多くの韓国映画ファンの心を掴んだ大作アクション映画『THE WITCH/魔女』で、名匠パク・フンジョン監督の元、主役に抜擢され注目を浴びました。
若手からベテランまで韓国映画界を支える豪華キャスト総出演です。
まとめ
ネット1つで世界中どこにいても繋がってしまう現代。
日本でもツイッターの動画やSNSがすぐに拡散し、事件に発展するニュースをよく目にします。
面白がって動画を撮ったり、それをネットにあげたりする行為を行っている本人たちは、内輪だけで盛り上がっているつもりでも、実はそうではなくなってきています。
リベンジポルノでも問題視されるように、ネットで流出された動画は半永久的にネットに存在し続けます。
映画『マリオネット 私が殺された日』は、そんな半永久的に残っていた動画から第2の人生を奪われそうになるヒロインの恐怖を描いています。
この映画で、事件後も擁護されない性犯罪被害者が住みにくい世の中であるということを知ると同時に現代社会のネットに対する問題点を突き付けられたような気がします。
ネット社会と犯罪について考えてもらう1本です。
映画『マリオネット 私が殺された日』は3月15日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷“未体験ゾーンの映画たち2019”にてロードショーです!
3月21日までの1週間限定公開なので、ぜひ、お見逃しなく!