イヤミスの傑作がついに映画化!全員悪女で嘘つき同士が騙し騙される?!
驚愕のラスト24分が待ち受ける裏切りエンターテイメント『暗黒女子』をご紹介します。
CONTENTS
映画『暗黒女子』の作品情報
【公開】
2017年(日本)
【監督】
耶雲哉治
【キャスト】
清水富美加、飯豊まりえ、清野菜名、玉城ティナ、小島梨里杏、平祐奈、千葉雄大
【作品概要】
秋吉理香子の小説『暗黒女子』を基に、『MARS~ただ、君を愛してる~』が好評を博した耶雲哉治監督が見事に映像化。名門女子高で巻き起こる謎の怪死事件の真相を明らかにするというミステリー作品。
主演の清水富美加さんの出家騒動もあって、一時は公開が危ぶまれたが無事に予定通りの公開の運びとなった。共演は飯豊まりえ、清水菜名、玉城ティナ、小島梨里杏、平祐奈、千葉雄大と今を時めく人気若手俳優が集結。
映画『暗黒女子』のキャスト一覧
澄川 小百合 / 清水富美加
出家騒動で何かと話題の清水富美加さんですが、期待されていた『暗黒女子』の公開も無事決定し、関係者もファンもホッと胸をなでおろしていることでしょう。
さて、そんな清水富美加は2008年に「レプロガールズオーディション2008」でグッドキャラクター賞を受賞してデビューを飾り、元々はティーン向けファッション雑誌『ラブベリー』の専属モデルとして活躍していました。
彼女の飛躍のきっかけは2011年に『仮面ライダー フォーゼ』のヒロイン・城島ユウキ役を演じたこと。これが初の連続テレビドラマへの出演ですね。
その後、NHK連続テレビ『まれ』でヒロインの同級生・蔵本一子を演じ、一躍全国区の女優として知られるようになりました。
その他映画『HK 変態仮面』(2013)及び続編の『HK 変態仮面 アブノーマル・クライシス』(2016)、2017年公開予定の『笑う招き猫』、『東京喰種トーキョーグール』が控えていますね。
本作『暗黒女子』も含め、これだけの人気作に出演している清水さんの騒動は何とももったいない気もしますが…そこはひとまず置いておきましょう。
『暗黒女子』での彼女が演じるのは、亡くなった白石いつみの大親友で、彼女に全てを捧げて来たという澄川小百合です。
いつみが会長を務めていた文学サークルの会長の座を引き継いだ(元々副会長を務めていた)小百合は、各々が自作した小説の朗読会のテーマを、急遽「いつみの死」に変更し、それよって彼女の死の理由と真犯人が見えてくるのだとか。
そんな小百合のキャラクターについて清水さんは…
小百合はいつみの横につつましく控えていて、いつも周りを一歩引いたところから見ているような女の子。どんな時も冷静な小百合は、ある意味誰よりも傲慢なのかもしれません。私と小百合は笑っちゃうくらい全く違いますね! (公式サイトより抜粋)
…と述べています。果たして小百合が迎える結末とは?!彼女に何らかの思惑があるのか?!そしてそんな小百合を演じる清水さんの熱演に注目です!
白石 いつみ / 飯豊まりえ
2008年に「avex kids×ニコ☆プチ公開モデルオーディション」にて見事グランプリを受賞し、小学生向けファッション雑誌『ニコ☆プチ』の誌面を飾った後、『ニコラ』を経て、現在『セブンティーン』専属モデルを務める飯豊まりえさん。
ティーンのファッションリーダーとして絶大なる人気を誇る飯豊さんが女優として注目され始めたのは、本作と同じく耶雲哉治さんが監督を務めた『MARS〜ただ、君を愛してる〜』のヒロイン・麻生キラ役でしょう。
その後も、フジテレビドラマ『好きな人がいること』(2016)や現在放送中の『嫌われる勇気』、映画『きょうのキラ君』(2017)に出演するなど、女優としての評価も高まっていますね。
そんな飯豊さんが演じるのは、家柄・成績・美貌など全てが完璧な女子・白石いつみ。
その死後に、サークルの部員の秘密を握って利用していたことなどの裏の顔が暴かれることになる訳ですが、そんないつみのキャラクターについて飯豊さんは…
自信をもって凛としている美しいいつみは、例えるなら薔薇のようなイメージ。私にないものばかりを持ってる子だったので…とりあえず撮影に入る3か月前からジムに通って、背筋を鍛えました(笑)。背筋をピンと伸ばすトレーニングから始めたんです。(中略)
ただダークサイドの部分を演じる時は、意外に楽しかったです。最初は「こんな残酷なセリフ無理!」と思ったところも、女優さんならこういう役は一度はやりたいだろうなって思えるようになってからは、振り切って演じられました。(公式サイトより抜粋)
…とかなりダークサイドの面が強いいつみの役を最終的には楽しんで演じられたようですね。彼女の女王様然とした演技に注目が集まっています!
高岡 志夜 / 清野菜名
2007年にファッション雑誌『ピチレモン』のオーディションでグランプリ・ペンティーズ賞を受賞し、専属モデルとして活動していた清野菜名さん。(2011年9月号で専属モデルは卒業)
女優としては、TBSテレビドラマ(及びその後の映画)『桜蘭高校ホスト部』に出演した後、園子温監督作の『TOKYO TRIBE』(2014)のスンミ役で一躍脚光を浴びました。
さらには押井守監督の『東京無国籍少女』(2015)で血まみれ姿でアクションを披露する藍役で見事初主演を務め、その後もTBSテレビドラマ『コウノドリ』(2015)や映画『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』(2016)、『金メダル男』(2016)などの話題作に次々と出演を果たし、女優としてその地位を確立しています。
今回清野さんが演じるのは、新人賞に輝いたプロの作家である2年生の高岡志夜。そのデビュー作『君影草』をいつみが英訳したがるのを何故か拒んでいたという志夜は、いつみの父親と妙に親しいという秘密の一面を持っているのだとか。
そんな志夜が朗読会で披露する『紅い花』では、どうやら留学生のディアナ・デチェヴァを告発するような内容となっているようで…いつも湛えている志夜の笑顔の裏に隠された裏の顔を清野さんがどう演じるのかに注目です!
ディアナ・デチェヴァ / 玉城ティナ
2012年に講談社主催の「ミスiD(アイドル)2013」でグランプリを獲得した後、ファッション雑誌『ViVi』で専属モデルを務めて人気者となった玉城ティナさん。
そんな玉城さんは、映画『オオカミ少女と黒王子』、『貞子vs伽椰子』、『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』など、様々な種類の作品に出演しており、その演技の幅の広さが高く評価されています。
『暗黒女子』と同時期に公開予定の『PとJK』にも出演しており、モデルだけでなく女優としてもその地位を着実に築き上げていますね。(『PとJK』のあらすじなどは以下をご参照ください!)
彼女が演じるブルガリア人留学生ディアナ・デチェヴァは、アメリカ人との父と日本人の母の間に生まれたハーフ美女である玉城さんに打ってつけの役柄。
朗読会では『女神の祈り』を披露し、小南あかねを指し示す内容となっているようで、いつみへの愛情が最も強いのではないかと思われるキャラクターであるディアナが見せる表情を、玉城さんがどう見せてくれるのかに期待が集まっていますね。
小南 あかね / 小島梨里杏
2001年からモデルや子役として活動を始めていた小島梨里杏さんのブレイクのきっかけになったのは、スーパー戦隊シリーズ『烈車戦隊トッキュウジャー』(2014~15)でしょう。
これにより子供から大人まで幅広い層での人気を獲得した小島さんは、NHKドラマ『あっこと僕らが生きた夏』(2012)、映画『先輩と彼女』(2015)、初主演となった『人狼ゲーム プリズン・ブレイク』(2016)、『オオカミ少女と黒王子』(2016)など、多岐に渡るジャンルで活躍することに。
そんな小島さんが『暗黒女子』で演じるのは、老舗の料亭の娘・小南あかね。いつか自分のレストランを開きたいという野心を持っているあかねでしたが、なぜか店を継がせてくれない親。
そんな店も放火の疑いのある火事で焼失してしまうのですが、その辺りも何か彼女と関わりがあるのでしょうか…?
さて、彼女の朗読会での小説のタイトルは『マカロナージュ』。その中では、二谷美礼を犯人だと名指ししているようで…。火事の真相も含め、明らかになっていくのでしょうか?!その辺りが注目ポイントですね!
二谷 美礼 / 平祐奈
女優・平愛梨さんの妹ということで話題となった平祐奈さん。母と祖母が勝手に応募したという逸話のある是枝裕和監督作の映画『奇跡』でいきなりの女優デビューを果たします。
その後、吉田大八監督の『紙の月』(2014)、『ソロモンの偽証 前篇・事件 / 後篇・裁判』(2015)など、話題の映画に次々出演。
2015年には『案山子とラケット~亜季と珠子の夏休み~』で初主演も果たし、『暗黒女子』以降も、主演を務めた『ReLIFE』や『忍びの国』など公開予定の映画を多く抱えているなど、“平愛梨さんの妹”というよりも“女優・平祐奈”としてその地位を確かなものにしていますね。
そんな彼女が演じるのは、1年生の二谷美礼。家は貧乏でお小遣いにも困っているが、努力の末に学院の特待生の座を勝ち取ったという秀才のよう。
自分に自信がなく、暗めの美礼でしたが、いつみと出会ってからはだんだんと明るくなっていくという美礼は、朗読会で『太陽のような人』を読み上げます。
そこでは志夜といつみの父との関係について記されているのだとか。平さんの性格やその表情がどう移り変わっていくのかに注目して見ていきましょう!
北条 / 千葉雄大
『天装戦隊ゴセイジャー』(2010~11)でデビューを飾った言わずと知れたイケメン俳優・千葉雄大さん。
その後、TBSテレビドラマ『桜蘭高校ホスト部』(2011)、日本テレビドラマ『今日は会社休みます』(2014)、映画『アオハライド』(2014)、大ヒットを記録した映画『黒崎くんの言いなりになんてならない』(2016)など、様々な話題作に出演し人気を獲得しました。
2017年にも『ReLIFE』、『帝一の國』、『兄に愛されすぎて困ってます』、『亜人』など公開予定の映画が多数控えており、その人気ぶりは絶大なものとなっているようですね。
そんな千葉さんが『暗黒女子』で演じるのは、文学サークルの顧問の先生・北条。教師役は2回目だという千葉さんですが、女性ばかりのキャストにかなり戸惑ったのだとか。
そんな北条先生は、何やら教師にあるまじき行為をしているなど二面性のある人物のようで…この辺りは目が離せないですね!
映画『暗黒女子』の監督紹介
監督:耶雲哉治
映画『暗黒女子』の監督を務めるのは、耶雲哉治(やくも さいじ)さんです。
1976年生まれ、富山県出身の耶雲監督は、早稲田大学在学中から自主映画の制作を行っており、1998年の東京学生映画祭グランプリなど様々な賞を獲得しました。
2000年から映像制作プロダクションでにロボットに所属し(現在も)、テレビCMなどを多数手がけ、ギャラクシー賞奨励賞を受賞するなどその手腕が高く評価されています。
最も有名なのは、2007年から全国の劇場で上映された「NO MORE 映画泥棒」(マナーCM)を手掛けたことでしょう。
耶雲哉治監督の映画デビュー作!『百瀬、こっちを向いて。』(2014)
映画においては、2014年に早見あかりさん主演の『百瀬、こっちを向いて。』で長編映画デビュー。この作品で、第9回アジア国際青少年映画祭の最優秀監督賞を受賞し、映画界でもその名を轟かせるようになります。
耶雲哉治監督の劇場第2作『MARS~ただ、君を愛してる~』(2016)
2016年には『MARS~ただ、君を愛してる~』(ドラマ版・映画版両方とも)でさらにその評価を高めました。(この時ヒロインを務めたのが飯豊まりえさん)
そんな耶雲監督が『暗黒女子』を手掛けるにあたって…
映像を作るうえでいつも意識しているのは“光と影”。明るい青春モノだとふわっと明るい光なんですが、今回はそういう話でもないのであえて暗めにしています。サロンの雰囲気はルネッサンスの西洋絵画のようなイメージで作っていきました。闇鍋の描写に関しては、観客とスクリーンの彼女たちが闇を共有できると面白いなと。だから普通の映画だとありえないくらいの暗さで撮影しています。
…とコメントを残しているように、“光と影”の芸術ともいえるその映像美にも期待が持てる所です!
原作: 秋吉理香子『暗黒女子』(双葉社)
原作は秋吉理香子さんが2013年に発表した『暗黒女子』です。
秋吉さんは、早稲田大学文学部を卒業後、ロヨラ・メリマウント大学院にて、映画・TV製作修士号を取得。
デビューのきっかけは、『雪の花』で第3回Yahoo! JAPAN文学賞を受賞したことで、翌年に短編集『雪の花』(小学館文庫)が出版されました。
次作『暗黒女子』を経て、『放課後に死者は戻る』(2014)、『聖母』(2015)、『自殺予定日』(2016)と次々に新作を発表し続け、最新作『絶対正義』(2016)も非常に話題となっていますね。
今回『暗黒女子』が映画化されるにあたり…
映画化のお話を聞いた時は「夢が叶った!」と、本当に嬉しかったです。どの作品を書く時も、最終的には映像化されればいいなぁと思いながら書いていますから。というのも、私はもともと映画を作りたくて海外の大学院まで通っていたので、“映像にするならこんな感じかな”というのをいつも文章に落とし込んでいくんですね。基本的には“イメージ先行型”だと思います。 (中略)
完成作を見終わった後は自分の想像を超えた作品になっていて、思わずウルウルしてしまいました(笑)。どんなにかわいくてキラキラしていても、女子は皆、心に「暗黒」を持っているんだよ!って伝わったと思います。(公式サイトより抜粋)
…と述べており、ご自身でも待望の映画化だったことが窺われますね。完成度も太鼓判を押しているようで、ますます公開が楽しみになってきましたね!
映画『暗黒女子』のあらすじ
お金持ちお嬢様が通う聖母マリア女子高等学院。そんな名門女子高で、ある日とんでもない事件が起きてしまいます。
学院の経営者の娘であり、成績・人格・美貌と全てを兼ね備え、全校生徒から羨望の眼差しを送られる“完璧”な女子・白石いつみが謎の死を遂げたのです。
手に“すずらんの花”を持ったまま校舎の屋上から転落したとのことですが、それが果たして自殺なのか、事故なのか、はたまた殺人なのか…謎は深まるばかり…。
しばらくすると、いつみが会長を務めていた文学サークル(校内でも選ばれた者しか在籍できない)の部員の誰かが、いつみを殺したのではないかというあらぬ噂が校内を駆け巡ります。
そんな事態を受け、いつみの親友でサークルの会長を引き継いでいた小百合は、豪華な装飾品に彩られたサロンの中で行われる“闇鍋会”を利用して一計を案じることにしました。
通常は部員各々が執筆した小説を朗読しながら、闇鍋をつつくというものでしたが、今回は急遽「いつみの死」というテーマにした小説の朗読会へと変更したのです。
それによって、いつみの死の理由や、真犯人(もしいるとしたら)が見えてくるというのが小百合の目論見でした。
こうして、部員が持ち寄った食材を鍋に投入した闇鍋を食べ始めたサークルのメンバーたち。
同時に、自身の書いた小説の朗読という体による各自の“証言”と“暴露”が始まっていくことに…。
サークル会長の小百合は1年A組の二谷美礼から朗読をさせました。美礼は白石いつみが亡くなる直前に、いつみの父親を高岡志夜が誘惑して関係を結んでいると相談を受けたと言いました。
その証拠に美礼がつけている“すずらん”の香水は、父親が彼女にプレゼントしたものだというのです。
心を痛めたいつみに美礼は、初めて出来た友人いつみ先輩の支えになりたいと告げると、いつみは友情の証だと美礼に”すずらん”のバレッタをあげます。
いつみが“すずらん”の花を持って亡くなっていたのは、高岡志夜が犯人だと告げるためだと小説に書いた朗読を終えます。
続く、2年B組の小南あかねは、いつみの妹の家庭教師をやりたいと、しつこくせがむ二谷美礼を雇ってから次々物が盗まれて困っていると相談されていたと告白します。
いつみが亡くなる前には、何よりも大切な祖母の形見である“すずらん”のバレッタを盗まれことがあり、美玲の髪につけたものがそれだというのです。
いつみは貧しい家の娘の美礼は手癖の悪さに困っていたので、“すずらん”の花は美礼が犯人だという証拠だと小説に書いた朗読を終えます。
留学生のディアナ・デチュヴァは、小南あかねが白石いつみを死に追いやった小説の告白します。
いつみは卒業を期に文学サークルのサロンを閉鎖を決めていて、あかねはそれを聞かされサロンにあるキッチンでのお菓子作りが生きがいであることの逆恨みだというのです。
あかねの腕には実家が営んでいた料亭が火事になった際に負ってしまった、“すずらん”の花のような火傷の痕があり、いつみの手にしていたダイニングメッセージの“すすらん”は、あかねが犯人という証拠だと書いた小説の朗読を終えます。
続く、2年C組の高岡志夜は、ブルガリアからの留学生のディアナこそが怪しいと告白の小説の朗読を始めます。
学園として今後の留学制度は、留学生第1号のディアナの様子を見ながら継続が検討されていると白石いつみが話してくれた言葉を信じていたというのです。
それを信じて一生懸命に努力してきたディアナ。しかし実はそれはいつみの嘘で留学生制度は今後廃止が決まっていました。
それを知ったディアナがいつみの死に手にかけたというのです。あの“すずらん”の花は、ディアナが花壇で育ていた花であり、その花壇でいつみは亡くなったと小説に書いた朗読を終えます。
それぞれが別のメンバーの犯行で事件は起きたのだと書かれた小説の朗読を終えた後、文学サークルの会長の澄川小百合が小説の朗読を始めます…。
小説のタイトルは「死者のつぶやき」、それは亡くなった白石いつみが事件の真相を書き残したものでした…。
映画『暗黒女子』感想と評価
この作品に登場する文学サークルの女子高生役のそれぞれが美しいのは言うまでもありません。
やはり、女の子たちが出てくるだけで映画は華やかになりますよね。
もちろん、その女優たちの中でも異彩を放っていたのは清水富美加。彼女の存在なくしてはこの作品は成り立たなかたでしょう。
今回の映画撮影の現場は、特撮ヒーロー番組の現場よりも過酷で厳しいものだったとようです。
それでも清水富美加(94年生まれ)は、4つ年上の飯豊まりえ(98年生まれ)とも息のあった演技を見せてくれました。
2人の関係は物語上でも重要で、途中までは太陽と月のような輝きの関係であった役柄もあって仲もよかったようです。
もちろん、最後はいつみという学園の主役の座を小百合が奪いますが、そのあたりの小悪魔的な清水富美加の表情には注目ですね。
また、清水と飯豊は撮影中には、お互い部員は2人のみの「ラーメン部」をつくて食事もしたとそうです。内容が女子の暗黒な要素を描いたものだけに、ほっと息をつくひと時だったのかもしれませんね。
さて、今回の鑑賞ポイントは、ズバリ!「すずらん」でしょう。
鑑賞ポイント「すずらん」の深掘り
すずらんの花言葉とは?
白石いつみが偽装の死を演じた際に手にしていた「すずらん」、またはお腹の子の名前「すずらん」にはどのような意味があるのでしょうか。
北条先生といつみはLINEのやりとりで、父親の北条はお腹の子に「すずらん」と名付けました。
日本の花言葉では「すずらん」は、「幸せが帰る、再びやって来る幸せ、無意識の美しさ、ピュア、リラックス、平穏」などがあるので、無意識の美しさやピュアからのイメージで名付けたのかもしれませんね。
ここまではいたって普通なのですね、もう少し掘り下げると、「すずらん」には他にも花言葉があり、映画の中にはフランスの香水も登場するので、フランスの「すずらん」の花言葉も記しておきます。
このようなフランスの花言葉から見ると「すずらん」の深掘り要素が見えてくるのではないでしょうか。
⑴「遥か前からあなたに好意を抱いていました」を裏読みするなら、白石いつみが文学サークルのメンバーの4人の秘密を先手で握ったことと読み取れます。
⑵「再びやって来る幸せ」の裏読みは、澄川小百合が白石いつみに取って代わって学園の注目的主役の座に戻れたこと、または逆読みですが、4人のメンバーの学園生活の苦悩日々が続くこととも読み取れます。
⑶「何気ない身だしなみ」の裏読みは、全ての少女は嘘を何気なく身に着けていると読み取れます。
⑷「あなたの美貌以上にあなたを彩るものはない」の裏読みは、澄川小百合が抱いていた白石いつみへの好意そのものと読み取れます。
⑸「和解しましょう」の裏読みは、サークル会長の澄川小百合が自分の犯した罪を告白し、4人メンバー全てで嘘を共有することで、主役と脇役の関係としてこれからも和解してやっていくという意図が読み取れます。
このように「すずらん」のフランスの花言葉を深掘りすると、先にあげた日本の花言葉でさえ、そこに隠された裏があなたにも読み取れるのではないでしょうか。
「すずらん」と似た白い花「スノードロップ」??
「すずらん」によく似た白い花の「スノードロップ」は「すずらん」に間違えられることも多く、また、聖燭節と深い関係があり、修道院の庭や花壇では育てられる事が多い花です。
今なお修道院の跡地には自生していることが多いそうです。今作の舞台となった学園がミッション系のスクールであったので当然のことながら、「スノードロップ」とも因縁はありますね。
「スノードロップ」の花言葉は、「慰み、希望、逆境の中の望み、もしものときの友、初恋のまなざし、幸運を呼ぶもの、楽しいお告げ」です。
もう、ここまで読まれた方なら、説明せずとも花言葉に隠された裏読みもできるはず。物語の関連にゾッとするのではないでしょうか。
しかし、もっと、「スノードロップ」には的確な花言葉、「あなたの死を望む」があります。
失望した白石いつみへの澄川小百合の誰にも語ってはいない本性でしょう。
小百合は、いつみのための復讐を企てたと語っていましたが、初めからいつみを1番憎んでいたのでしょう。
なぜなら、彼女だけはいつみに握られていた秘密を誰も知らないのですから。
それこそが本当の秘密(嘘)です。(映画チラシの清水富美加の口元に注目!)
お分かりでしょうか?闇鍋も彼女だけが口にしていませんよ。
まとめ
紆余曲折を経て、無事に公開へと辿り着いた映画『暗黒女子』。
元々が待望の映画化とあって話題が高まっていましたが、今回の騒動(清水さんの)によってさらにその注目度が増しています!
大注目の劇場公開は2017年4月1日(土)より全国ロードショー!ラスト24分に一体何が巻き起こるのか…要チェックですね!