メル・ギブソン監督作品『ハクソー・リッジ』が日本公開に!
『ハクソー・リッジ』は、俳優としても有名なメル・ギブソンが10年ぶりに監督した作品です。
日本での公開は6月24日予定ですが、沖縄戦を舞台にしたこの戦争映画はアカデミー賞など様々な賞にノミネートされた話題の映画です。
『ハクソー・リッジ』は沖縄に前田高地という地名で、そこには148メートルの崖があります。
のこぎりで垂直に切ったような急な断崖なので、ハクソー(鋸)のリッジ(崖)とアメリカ人たちに呼ばれていました。
1.映画『ハクソー・リッジ』の作品情報
【公開】
2016年(アメリカ映画)
【監督】
メル・ギブソン
【キャスト】
アンドリュー・ガーフィールド、ヴィンス・ヴァーン、サム・ワシントン、ルーク・ブレイシー、テリーサ・パーマーなど
【作品概要】
第二次世界大戦の凄惨な沖縄戦で、武器を携帯することを拒みながら多くの負傷兵を助けた米陸軍衛生兵デズモンド・T・ドスの実話を基に描いた作品です。
2.映画『ハクソー・リッジ』のあらすじとネタバレ
デズモンド・ドスはヴァージニア州の田舎街リンチバーグで、退役軍人の父と母、弟のハルと暮らしていました。
ある日、兄弟喧嘩をしたデズモンドはレンガで弟の頭を殴ってしまいます。
弟は無事でしたが、その事件以来、敬虔なクリスチャンの母の影響もあり、デスモンドはモーセの十戒の一つである「汝殺すなかれ」という言葉を頭の中に深く刻むようになりました。
15年後、たくましい青年に成長したデスモンドは偶然車の下敷きになった人を病院に運びました。人の命を助けることに目覚めたデスモンドは、軍に入隊して衛生兵となることを決意します。
戦争の恐ろしさを知っている元軍人の父親は反対しますが、ハルの決意は変わりませんでした。
そしてその病院で見かけた看護婦のドロシーに一目ぼれしたデスモンドは、彼女に熱烈にアタックし、二人はデートを重ねて恋に落ちます。
やがて、デスモンドは軍に入隊し、基地に赴任、訓練が始まりました。ですが、ある日射撃訓練があり、デスモンドは上官の命令が絶対な軍の中で、ライフルを握ることを拒否します。
これは前代未聞の出来事で大問題となりました。デスモンドは衛生兵にはライフルや武器は必要がない、自分の役目は人を殺すことではなく救うことだと主張します。
ですが、怒った上官たちは精神科医にデスモンドを診断させ、彼をを軍隊から除名しようとします。やがて彼の属する小隊の中で彼をよく思わないものに、激しい暴行を加えられました。
そんな苦境の中でもデスモンドはくじけずに自分の信念を貫き、周りの者も彼の情熱に一目置くようにな理ました。
その後訓練は完了、戦地に向かう前に一時的にだが家に帰れる日がやって来ました。
デスモンドはドロシーとの結婚式をあげる予定でしたが、突然上官が現れデスモンドはライフル訓練を完了していないので訓練を終えるか、もしできなければ軍の命令に逆らったとして軍の留置所に収監すると言い渡します。
それでもライフルを持つことを拒否するデスモンドは、留置所に入れられ結婚式には間に合いませんでした。
後日ドロシーは留置所にやってきて、デスモンドに罪を認めるように説得しますが、それでもデスモンドは自分の信念を曲げなかったため軍法裁判が行われることになります。
裁判では上官たちは命令違反での追放を希望し、裁判はデスモンドに不利にすすんでいましたが、そこにデスモンドの父親がワシントンDCの裁判所からのレターを持参しやってきました。
そこにはデスモンドの行為を認められると書かれてあり、彼の主張は認められます。
3.映画『ハクソー・リッジ』の感想と評価
本作『ハクソー・リッジ』は、映画公開後、以下の賞を受賞します。
ハリウッド映画賞で、メル・ギブソンがハリウッド監督賞を受賞
ハリウッド編集賞
ハリウッドメイクアップ・ヘアースタイル賞
そして、オーストラリア版のアカデミー賞と呼ばれる、The Australian Academy of Cinema and Television Arts Award(AACTA)で、最多13部門にノミネートました。
実際に2016年12月7日のAACTAでは賞を総なめに!
ベスト編集賞
ベストプロダクションデザイン賞
ベスト映画撮影賞
ベストフィルム賞
ベストスクリーンプレイ賞
べストデレクター賞:メル・ギブソン
ベストフィルム賞:ハクソー・リッジ
ベスト男優賞:アンドリュー・ガーフィールド
べスト助演男優賞:ヒューゴ・ウェービング
アメリカでも評価は高く、アカデミー賞にも6部門(作品賞・主演男優賞・監督賞・編集賞・録音賞・音響編集賞)でノミネートされ、2部門(録音賞と音響編集賞)で受賞。
沖縄戦が描かれた戦争映画ではありますが、反日映画ではありません。
沖縄地上戦は日本人の被害が多く、アメリカ軍の圧勝だったというイメージを持っている日本人が多いかと思いますが、この映画は逆に日本人の強さに驚いて恐れているアメリカ人の姿が描かれています。
かなり、グロテスクな映像もあり、ただひたすら戦争の恐ろしさを丁寧に描いています。
また、エドモンドは敵である日本軍の兵士たちに追いかけられながらも、迷い込んだ洞窟にいた日本人を助けもします。
敵味方関係なく、自分の身を危険にさらしながらも人命を助ける姿にこそ、この作品のテーマはあるとを実感させられます。
4.まとめ
日本では戦争への意識は風化しつつありますが、世界中には、まだまだたくさんの戦争が起こっています。
実在したデズモンド・ドスの勇気に学べることは、私たちにはたくさんあるのではないかと、この作品を観る者に作品は訴えてきます。
ぜひ、この映画で擬似的であれ、戦争の恐ろしさを体感できるこの映画から、改めて人命の尊さを実感してみてはいかがでしょう。
映画『ハクソー・リッジ』は、2017年6月24日(土)より、TOHOシネマズ スカラ座ほか全国ロードショー。
お見逃しなく!