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Entry 2026/04/27
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映画『マイ・ブラザーズ・ウェディング』あらすじ感想と評価解説。チャールズ・バーネット長編2作目が描く労働者階級の青年の葛藤とは?|映画という星空を知るひとよ293

  • Writer :
  • 星野しげみ

連載コラム『映画という星空を知るひとよ』第293回

“最も知られていない偉⼤な映画監督”と言われるチャールズ・バーネットの伝説的傑作『キラー・オブ・シープ』と、再評価を経て甦った『マイ・ブラザーズ・ウェディング』が、最新の4K修復版として⽇本劇場初公開。

特集上映「チャールズ・バーネット エブリデイ・ブルース」と題し、2026年2⽉シアター・イメージフォーラムを⽪切りに、4月は大阪と名古屋で上映し、5月以降には神戸・京都・東京など、全国順次公開中です。

チャールズ・バーネット監督の⻑編映画2作目となる『マイ・ブラザーズ・ウェディング』は、コメディ⾊を交えつつ、黒⼈コミュニティにおける階級間の緊張や世代間のギャップを鋭く描き出しました。

今回は、映画『マイ・ブラザーズ・ウェディング』をご紹介します。

【連載コラム】『映画という星空を知るひとよ』一覧はこちら

映画監督チャールズ・バーネットとは?


写真提供:Milestone Film & Video

1944年、チャールズ・バーネットは、ミシシッピ州に⽣まれ、ロサンゼルスのワッツ地区で育つ。

1960年代末にUCLA芸術学部(現・UCLA演劇・映画・テレビ学部)で映画制作を学んだバーネットは、アフリカ系アメリカ⼈を中⼼とする学⽣仲間たちと協⼒し合いながら、ハリウッドがステレオタイプに描いてきた黒⼈像に対して新しい視点を提⽰する映画を制作。

このUCLA発の潮流はのちに「L. A. Rebellion」と呼ばれ、その精神を体現した代表作『キラー・オブ・シープ』は、黒⼈コミュニティの⽇常を⽣活者の視点から描いた先駆的作品として国際的に⾼く評価されている。

2017年にはアカデミー名誉賞を受賞。彼の作品はバリー・ジェンキンスやエイヴァ・デュヴァーネイといった現代の映画作家に⼤きな影響を与え、ショーン・ベイカーをはじめとする多くの監督からも深い敬意を集めている。

映画『マイ・ブラザーズ・ウェディング』の作品情報


(C)1983 Charles Burnett Productions (C)2026 Milestone Films for MY BROTHER’S WEDDING

【日本公開】
2026年(アメリカ映画)

【原題または英題】
My Brother’s Wedding

【監督・脚本・製作・撮影】
チャールズ・バーネット

【編集】
トーマス・M・ペニック、チャールズ・バーネット、エド・サンティアゴ

【キャスト】
エバレット・サイラス、ジェシー・ホルムス、ゲイ・シャノン・バーネット、ロナルド・E・ベル

【作品概要】
アメリカのインディペンデント映画界に多大な影響を与えた映画作家チャールズ・バーネットが、1983年に手がけた長編第2作『マイ・ブラザーズ・ウェディング』。

制作時の編集権をめぐるトラブルから未完成版(115分)がプレミア上映されたのち、⻑らく商業公開の機会を失っていましたが、2007年に監督⾃⾝が再編集を⾏い、ディレクターズ・カット版(82分)として完成しました。

映画『マイ・ブラザーズ・ウェディング』のあらすじ


(C)1983 Charles Burnett Productions (C)2026 Milestone Films for MY BROTHER’S WEDDING

両親が営むクリーニング店を手伝う30歳のピアース(エヴェレット・サイラス)。彼の少年時代の仲間たちは刑務所にいるか、または既に死んでいました。

ピアースは、自分の将来の見通しが立たないまま漫然と日々を過ごしています。

その頃、弁護士として成功した兄のウェンデル(モンテ・イースター)が裕福な家庭の女性ソニア(ゲイ・シャノン=バーネット)と結婚することが決まり、ピアースは居心地の悪さと劣等感を募らせていきます。

ソニアの家族に対しても反抗的な態度をとるピアースに、両親はソニアの味方をしました。

そんな折、ピアースは刑務所から出所した親友ソルジャー(ロニー・ベル)と再会。ソルジャーのために仕事を探してあげようとしますが、ことごとく断られます。

そして、ある日、ソルジャーは車ででかけ、同席した女性と共に交通事故に遭い死亡しました。

傷心のピアースは、ソルジャー一家を慰めるために駆け付け、そこで彼の葬儀は土曜日に行われると告げられます。

その日は、兄の結婚式でした。家族への義務感と親友への忠誠心の板挟みとなり、ピアースはある選択を迫られます。

映画『マイ・ブラザーズ・ウェディング』の感想と評価

(C)1983 Charles Burnett Productions (C)2026 Milestone Films for MY BROTHER’S WEDDING

本作の主人公は、実家のクリーニング店を手伝う30歳のピアースです。

実兄は弁護士として生計をたて、美人で家柄もいい女性との結婚も間近に控えていますが、ピアースは女性にモテはしますが、いまいちそんな気はなく、将来的に何をすべきか方向性も見えていません。

そんな時、ピアースの刑務所に入っていた幼馴染・ソルジャーが戻って来ました。彼のために仕事を探すピアースですが、ソルジャーの仕事は見つかりません。

黒人コミュニティの間でも、社会的格差ははっきりとしていました。それは、実兄の結婚式と親友の葬儀とが同日に行われることになり、思い悩むピアースの様子にも顕著に表れています。

家族のめでたい門出と親友との永遠の別れ。究極の選択を迫られるピアースのとった行動とは……。

何気ない毎日の中にも存在する劣等感に押しつぶされそうになりながらも、自分というものを保とうとするピアースに、現代の若者の姿が映し出されているような気がしてなりません。


(C)1983 Charles Burnett Productions (C)2026 Milestone Films for MY BROTHER’S WEDDING

まとめ


(C)1983 Charles Burnett Productions (C)2026 Milestone Films for MY BROTHER’S WEDDING

最新の4K修復版として⽇本劇場初公開となるチャールズ・バーネットの特集上映「チャールズ・バーネット エブリデイ・ブルース」。

ここで上映されるのは、多くの批評家から「アメリカで最も知られていない偉⼤な映画監督にして、最も才能ある黒⼈監督」と称される彼の伝説的傑作『キラー・オブ・シープ』と、再評価を経て甦った『マイ・ブラザーズ・ウェディング』です。

今回は、チャールズ・バーネットの⻑編2作目の『マイ・ブラザーズ・ウェディング』をご紹介しました。

家族と友情、アイデンティティの間で揺れ動く労働者階級の青年の葛藤を描いた本作では、黒人間での階級差や世代を通しての心理的な隔たり、‟社会的成功”から取り残された若者たちのいら立ちを炙り出します。

特集上映「チャールズ・バーネット エブリデイ・ブルース」は、2026年2⽉シアター・イメージフォーラムを⽪切りに、4月は大阪と名古屋で上映し、5月以降には神戸・京都・東京など、全国順次公開中です。

最新の4K修復版で、アフリカ系アメリカの真の姿が観れるこのチャンスをお見逃しなく。

【連載コラム】『映画という星空を知るひとよ』一覧はこちら

星野しげみプロフィール

滋賀県出身の元陸上自衛官。現役時代にはイベントPRなど広報の仕事に携わる。退職後、専業主婦を経て以前から好きだった「書くこと」を追求。2020年よりCinemarcheでの記事執筆・編集業を開始し現在に至る。

時間を見つけて勤しむ読書は年間100冊前後。好きな小説が映画化されるとすぐに観に行き、映像となった活字の世界を楽しむ。



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