映画『チャーチル ノルマンディーの決断』は8月18日(土)より、有楽町スバル座、新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開。
アカデミー賞を受賞した『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』で描かれたダンケルク救出作戦から4年後、第二次世界大戦下のイギリス。
史上最大の作戦とも言われた、ノルマンディー上陸作戦決行まで96時間という緊張感が漂う極限の状態の中で、イギリス首相としてどうするべきなのか…。
歴史に残る決断の知られざるバックサイドがついに明かされます!
CONTENTS
映画『チャーチル ノルマンディーの決断』の作品情報
【公開】
2018年(イギリス映画)
【原題】
Churchill
【監督】
ジョナサン・テプリツキー
【キャスト】
ブライアン・コックス、ミランダ・リチャードソン、ジョン・スラッテリー、エラ・パーネル、ジェームズ・ピュアフォイ
【作品概要】
イギリス首相チャーチルのノルマンディー上陸作戦の決行までの96時間を描くヒューマンドラマ。
チャーチル役を『ボーン・アイデンティティー』のブライアン・コックスが演じ、チャーチルを支える妻を『スリーピー・ホロウ』のミランダ・リチャードソンが務めます。
演出は『レイルウェイ 運命の旅路』のジョナサン・テプリツキー。
ジョナサン・テプリツキー監督のプロフィール
監督作品:『レイルウェイ 運命の旅路』(2000)
ジョナサン・テプリツキーは、オーストラリア・シドニー出身の映画監督。
オーストラリアはもちろん、アメリカやイギリス、ヨーロッパでも数多くのCMを手掛け、CMディレクターとして2006年まで100本以上の企業コマーシャルを製作しました。
2000年に映画『Better Than Sex』(日本未公開)で長編映画監督デビューを果たします。
その後も作品を発表し、数々の映画賞にノミネート、受賞されますが、2018年現在で日本で公開された作品は2013年『レイルウェイ 運命の旅路』のみです。
映画と並行してテレビドラマ『レモニー・スニケットの世にも不幸なできごと』などの監督としても活躍しています。
映画『チャーチル ノルマンディーの決断』の主なキャスト
ブライアン・コックス(ウィンストン・チャーチル役)のプロフィール
ブライアン・コックスは、1946年6月1日生まれ、スコットランド・ダンディー出身の俳優。
14歳のころから舞台に立ち、ロンドンの演劇学校で演技を学びます。
舞台をメインとする俳優でしたが、1960年代後半からテレビドラマ・テレビ映画の俳優としても活躍し、数多くの作品に出演します。
1986年テレビドラマ『刑事グラハム』でハンニバル・レクター役を演じたことで注目され、映画の出演も増えました。
その後も名脇役、名悪役として数々の話題作に出演します。
マット・デイモン主演の「ボーン」シリーズでは、ウォード・アボット役、『X-MEN2』ではウィリアム・ストライカー役を演じました。
ミランダ・リチャードソン(クレメンティーン・チャーチル役)のプロフィール
ミランダ・リチャードソン は、1958年3月3日生まれ、イギリス・サウスポート出身の女優。
子供のころから演技に興味があり、ブリストル・オールド・ヴィック演劇学校で演技を学びます。
1980年に舞台デビューを果たし、1985年には『ダンス・ウィズ・ア・ストレンジャー』で映画デビューを果たします。
『ダンス・ウィズ・ア・ストレンジャー』での演技が評価され、その後も定期的に映画に出演、名脇役としての地位を固めていきました。
1991年『魅せられて四月』ではゴールデングローブ助演女優賞を受賞、1992年『ダメージ』では英国アカデミー賞助演女優賞を受賞しました。
2000年代には「ハリー・ポッター」シリーズではリータ・スキーター役を演じ話題となりました。
近年では2018年に公開された『ボストストロング~ダメな僕だから英雄になれた~』にも出演しています。
ジョン・スラッテリー(ドワイト・アイゼンハワー役)のプロフィール
ジョン・スラッテリーは、1962年8月13日生まれ、アメリカ・ボストン出身の俳優。
1980年代からテレビドラマを中心に活躍します。
90年代になると映画にも活躍の場を広め、アル・パチーノ主演『訣別の街』やアーノルド・シュワツェネッガー主演『イレイザー』などのメジャー作品にも出演しました。
その後もテレビドラマを中心としつつも、映画出演もこなしていきました。
2007年にはテレビドラマ『デスパレートな妻たち』や『マッドメン』で再び注目を集め、近年では『アイアンマン2』でロバート・ダウニー・ジュニア演じるアイアンマンことトニー・スタークの父親ハワード・スターク役として、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)作品3作に出演しました。
映画『チャーチル ノルマンディーの決断』のあらすじ
1944年6月、第2次世界大戦下のイギリス。「ダンケルク救出作戦」から4年後が舞台となります。
英国首相ウィンストン・チャーチルは、ナチスドイツ占領下の北西ヨーロッパに侵攻する「ノルマンディー上陸作戦」に反対します。
その背景には1915年第1次世界大戦中に、チャーチル自ら計画・遂行したことで50万人もの死傷者を出した「ガリポリ上陸作戦」の悲劇を繰り返したくないという思いがあったからでした。
チャーチルは作戦を着々と遂行しようとする連合国軍最高司令官ドワイト・アイゼンハワーと真向から対立。
しかし、チャーチルの反対意見は却下されてしまいます。
すでに連合国軍はイギリス南岸に100万人もの兵士を配備していたことと、長年の戦争と不況でチャーチルの守りの体制は国民からもあまり評価されていないという現状から、作戦の中止を望む者は少なく、作戦実行まで96時間と迫る極限の緊張状態の中、国のリーダーとしての役割を果たさなければいけないという葛藤と重圧感がチャーチルを苦しめます…。
映画『チャーチル ノルマンディーの決断』の感想と評価
歴史的事実として、ノルマンディー上陸作戦は遂行されているため、映画の中でチャーチルが中止しよう行動した結果は、失敗だったということがわかります。
しかし、この映画の観方としては「短い時間の中で、どう作戦を中止させるか」ということではないのです。
史実上、遂行されてしまっている「ノルマンディー上陸作戦」の背景で、ウィンストン・チャーチルがどんな葛藤があったかということがこの映画の着目点なのです。
1915年第1次世界大戦中に、チャーチル自ら計画・遂行したことで50万人もの死傷者を出した「ガリポリ上陸作戦」のトラウマで死者を出してはいけないという思いから作戦中止を呼びかけるももの、作戦を遂行して戦争を終結させることが結果的に死傷者を減らすことができるという連合国軍側の意見に賛成する者が多い現状で、チャーチルは孤立してしまいます。
いくら自分は反対だからと言って、中止できないと悟り、無理にでも自分の心情をシフトさせていかなければならないという英国首相の責任と綺麗ごとでは戦争は終わないという現実。
あらゆるプレッシャーがチャーチルにのしかかり、精神は不安定…、そんな中で支えてくれる妻の存在。
チャーチルの人間性を描きながら、国のリーダーとして本当に何をすべきなのかという究極の決断を描いた映画で終始、チャーチルから目が離せません。この極限の緊張感は是非、劇場で体感してください!!
まとめ
一方の映画『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』では、ゲイリー・オールドマンが特殊メイクで演じたのに対して、本作品のブライアン・コックスは特殊メイクなしでチャーチル役を熱演しました。
今年はチャーチルを描いた映画が2作も公開されるという、チャーチルイヤーとなりました。
同時期を描いた作品ではないというところと、どちらも負けず劣らずの名優がチャーチルを演じたということもあって、きっぱりと2つのチャーチル映画としてどちらも温度差なく楽しめることができると言えるのではないでしょうか。
チャーチルの極限状態での緊張感や心情の動きは、ブライアン・コックスの俳優人生の集大成とも言えるハイクオリティの演技は必見の価値あり!!
映画『チャーチル ノルマンディーの決断』は8月18日(土)より、有楽町スバル座、新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開。
本作を上映する劇場情報
【北海道・東北地区】
青森県 シネマディクト 近日
宮城県 フォーラム仙台 10/5〜
【関東・甲信越地区】
東京都 有楽町スバル座 8/18〜
東京都 新宿武蔵野館 8/18〜
千葉県 千葉劇場 8/18〜
【中部・北陸地区】
愛知県 名演小劇場 8/18〜
岐阜県 CINEX 近日
三重県 伊勢進富座 10/6〜
【近畿地区】
大阪府 テアトル梅田 8/25〜
兵庫県 シネ・リーブル神戸 9/15〜
【中国・四国地区】
岡山県 シネマ・クレール 近日
【九州・沖縄地区】
長崎県 長崎セントラル劇場 9/7〜
熊本県 Denkikan 近日
宮崎県 宮崎キネマ館 近日
鹿児島県 天文館シネマパラダイス 9/29〜
*上記の記載の劇場情報は7月11日現在のものです。作品の特性からセカンド上映や順次公開される可能性もありますので、お出かけの際は必ず公式ホームページで確認の上お出かけください。