ついに明らかになるすべての「黒幕」
1971年に放映されたアニメの再放送を機に、今もなお続く高い認知度と人気を誇る日本を代表する作品となった「ルパン三世」シリーズ。
近年のアニメ作品では「ルパン三世」は泥棒でありながらも強い正義感を持つ義賊というイメージや、コメディ色の強い作風というイメージがどことなくあり、子供でも安心して観ることの出来るシリーズとなっています。
しかし、2012年に放映されたアニメシリーズ「LUPIN the Third -峰不二子という女-」から派生した「LUPIN THE IIIRD」シリーズは、流血や強めの暴力表現が多いハードボイルドな作風が貫かれており、いつもと異なる作風がファンの心を掴んでいました。
そして2025年、そんな「LUPIN THE IIIRD」シリーズの集大成となる映画が劇場版アニメとして公開。
今回は映画『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』(2025)を、ネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。
CONTENTS
映画『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』の作品情報

原作:モンキー・パンチ (C)TMS
【日本公開】
2025年(日本映画)
【原作】
モンキー・パンチ
【監督】
小池健
【脚本】
高橋悠也
【主題歌】
B’z「The IIIRD Eye」
【キャスト】
栗田貫一、大塚明夫、浪川大輔、沢城みゆき、山寺宏一、片岡愛之助、森川葵、鈴木もぐら、水川かたまり
【作品概要】
劇場アニメ『REDLINE』(2010)を手掛けた小池健が制作する、モンキー・パンチによる漫画「ルパン三世」を原作とした「LUPIN THE IIIRD」シリーズの第4作となる作品。
ルパン一味の2代目3代目声優陣が本作にも続投し、劇場版として俳優の片岡愛之助や森川葵、お笑い芸人「空気階段」の鈴木もぐらと水川かたまりが出演しました。
映画『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』のあらすじとネタバレ

原作:モンキー・パンチ (C)TMS
始まりは東ドロア。ある陰謀の真実に触れたルパン三世と次元大介は隻眼の狙撃手「ヤエル奥崎」に襲撃されますが、次元がヤエル奥崎の早撃ちのため小口径の銃を利用するロマンの無さを突いた銃撃で腕を欠損させ撃退します(『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』(2014))。
しかしその後、「ホーク」と呼ばれる死んだはずの兵士がルパンたちを狙い、覚醒した石川五ェ門によって撃退される(『LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門』(2017))一方、巨大企業の大金を狙った峰不二子は作られた殺人鬼「ビンカム」と対峙し殺害(『LUPIN THE IIIRD 峰不二子の嘘』(2019))。
ルパンを追う公安警察の銭形警部はロビエト連邦を訪れますが、ルパンと瓜二つの容姿を持つ男による爆破テロを目撃し、ロビエト連邦内に渦巻く陰謀の打倒のためルパンと一時的に共闘し、「偽ルパン」を死に追いやります(『LIPIN THE IIIRD 銭形と2人のルパン』(2025))。
「ヤエル奥崎」「ホーク」「ビンカム」「偽ルパン」、ルパン一味を狙い送り込まれた殺し屋がすべて「地図に存在しない島」に出自を持つことに気づいたルパンは一味を招集し、自身たちを襲わせた「黒幕」からお宝を盗むべく島へと向かうことにしました。
積乱雲に隠された島へと小型飛行機で向かうルパン一味を戦闘機で追いかける銭形でしたが、2つの飛行機は島からの射撃によって墜落。
パラシュートで脱出する次元たちに対し、飛行機と共に落ちたルパンは島にいち早く上陸し、下流から上流に向かって流れる赤い川や、まるで動いているかのような陸地を目撃します。
死体だらけの島の中で、改造された男に襲撃されたルパンは赤い水の中に逃げることで、島の内部に隠された部屋と辿り着き島の支配者「ムオム」と少女「サリファ」と出会いました。
常軌を逸した戦闘力を持つムオムはルパンを無力化するとサリファと共にこの島の真実を語り始めます。
ムオムはかつて謎の人物「マモー」より血を分け与えられた猿人であり、不老不死の力を得たムオムは人類を導くべく様々な兵器や武器、そして「殺し屋」を創り出すことで世界の政治に関与してきました。
この島はムオムの実験に耐えることの出来なかった殺し屋のなりそこないや、任務に失敗した殺し屋、そしてムオムが「ゴミ」とみなした人間の「処分場」であり、泥棒であるルパンも粛清対象としてムオムに導かれていたのでした。
ルパンはムオムの頭部をワルサーで撃ち抜きますが、頭部を撃たれたムオムはすぐに撃たれた傷を修復すると、この島内には空気中に毒素が含まれており、24時間で身体がバラバラになって死ぬとルパンに宣言。
一方、砂浜に不時着した次元と五ェ門は、世界大戦時代の傑作とされる兵器や武器の山を見かける内に自身を狙う人間たちからの襲撃を受け、二手に分かれ逃走することにしました。
次元は自身を狙っている相手がヤエル奥崎であることに気づき、ヤエル奥崎は任務の失敗によってこの島に送り込まれたことを話し、次元との決着をつけようと求めますが、島内に溢れかえる殺し屋たちに妨害されます。
捕えられていた不二子を救出後、大量の殺し屋に立ち向かう五ェ門の前にホークが現れますが、五ェ門は以前のホークとは異なり、この島から生き延びることを願っていることに気づきます。
そこにムオムが現れると、10秒間生き延びることで助命するという条件でホークと立ち会い、僅か3秒でホークを殺害。
五ェ門の攻撃すらいなすムオムの身体能力に駆け付けた次元たちは圧倒され、ルパンと合流し島に流れる毒素のことを知ったルパン一味は、ムオムの打倒をルパンに任せ、脱出のための方法を探ることを第一優先とすることに決めました。
映画『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』の感想と評価

原作:モンキー・パンチ (C)TMS
ハードボイルドさを極めたシリーズの集大成
2014年に「LUPIN THE IIIRD」シリーズ第1弾として公開された『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』は、ヤエル奥崎との最終決戦時における次元大介の渋すぎるセリフが話題となり、「ルパン三世」イチの名言とすら呼ばれるほどとなりました。
とにかく「渋く」「格好いい」を追求したルパンを見せてくれるこの「LUPIN THE IIIRD」は、我々の良く知るキャラクターの別の側面を見せてくれるような、一味違った「ルパン三世」シリーズとしての地盤を定着させたと言えます。
そんな「LUPIN THE IIIRD」シリーズのすべての物語が繋がる本作は、魅力的な登場人物とバトル、そして頭脳で相手の上を行くルパンと言う旧作ファンの観たい要素をすべて入れながらも、ボロボロになりながらもお茶らけることなく格好をつけると言う「LUPIN THE IIIRD」らしいハードボイルドなルパンの姿が目に焼き付く作品となっていました。
最強の敵へと繋がる前日譚

原作:モンキー・パンチ (C)TMS
劇中、圧倒的な力によってルパン一味をとことん追い詰める「不老不死」の能力を持ったムオム。
「LUPIN THE IIIRD」シリーズにおける凶悪な殺し屋を創造し派遣するなど、力も知略も黒幕に相応しい器を兼ねそろえているムオムでしたが、そんな彼も本当の黒幕の研究対象にすぎません。
ムオムを操り世界を意のままに操っていた人物こそが「マモー」であり、物語はこの後、本当の黒幕であるマモーとルパン一味との戦いに続いていくこととなります。
つまり、「LUPIN THE IIIRD」シリーズはマモーとルパンの戦いが描かれる『ルパン三世 ルパンVS複製人間』(1978)の前日譚となるものであり、本シリーズによってマモーという人物の恐ろしさがより際立つものとなりました。
第1作となる『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』からマモーの存在は登場しており、誰もが予想する結末だったとはいえ、物語が繋がっていく本作は鳥肌の立つような衝撃を与えてくれました。
まとめ

原作:モンキー・パンチ (C)TMS
「LUPIN THE IIIRD」の集大成作品であると同時に、名作『ルパン三世 ルパンVS複製人間』の面白さを引き立たせる前日譚作品でもある『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』。
シリーズの定番でもある常人離れした圧倒的な悪役との戦い、敵や味方すら手玉にとるルパンの鮮やかな逆転劇など旧シリーズファンでも楽しむことが出来る「ルパン三世」の面白みが詰まった本作。
序盤に分かりやすい「LUPIN THE IIIRD」シリーズの説明もあるため、初見でも物語に置いていかれることのない本作は、「ルパン三世」がまだまだ続いてほしいと心の底から思える作品でした。


































