連載コラム「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第104回
深夜テレビの放送や、レンタルビデオ店で目にする機会があったB級映画たち。現在では、新作・旧作含めたB級映画の数々を、動画配信U-NEXTで鑑賞することも可能です。
そんな気になるB級映画のお宝掘り出し物を、Cinemarcheのシネマダイバーがご紹介する「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第104回は、ジョン・スタルバーグ・Jr.監督が演出を務めた、映画『ビットコイン・ウォーズ 暗号資産の行方』です。
コンプライアンス上問題のある顧客を特定したことで、エリート街道から転落してしまった銀行員は左遷されて故郷にある町の支社へ。
そこである画廊の資産の流れにおかしな点があることに気づき調査を開始。自社も絡んでいそうな巨大な陰謀に巻き込まれていく銀行員の姿とは、具体的にどんな姿だったのでしょうか。
カート・ラッセルなど実力派キャストが共演する、金融業界を舞台にした2019年製作のアメリカの金融サスペンス・アクション映画『ビットコイン・ウォーズ 暗号資産の行方』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
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映画『ビットコイン・ウォーズ 暗号資産の行方』の作品情報
(C) 2019 EXAMINER THE MOVIE,LLC
【公開】
2019年(アメリカ映画)
【原案】
ジェフリー・イングバー
【監督】
ジョン・スタルバーグ・Jr.
【キャスト】
ボー・ナップ、アレクシス・ブレデル、ルーク・ヘムズワース、カート・ラッセル、ジル・ヘネシー、ヴィンセント・カーシーザー、マラヤ・リヴェラ・ドリュー、ジェレミー・ハリス
【作品概要】
『ハイスクール マリファナ大作戦』(2010)のジョン・スタルバーグ・Jr.が製作総指揮・監督を務めた、アメリカの金融サスペンス・アクション作品です。
『デス・ウィッシュ』(2018)のボー・ナップが主演を務め、『スターゲイト』(1995)や「ワイルド・スピード」シリーズのカート・ラッセルや、『天使の処刑人 バイオレット&デイジー』(2013)のアレクシス・ブレデルら豪華キャスト陣と共演しています。
映画『ビットコイン・ウォーズ 暗号資産の行方』のあらすじとネタバレ
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アメリカ・マサチューセッツ州西部ウィリアムズタウンにある私立大学「ウィリアムズ大学」を首席で卒業したマーティン・デュラン・ジュニア(愛称はマーティ)は、ニューヨーク市マンハッタンにある大手銀行「オムニ銀行」に入社しました。
マネー・ロンダリング対策(AML)担当に配属されたマーティは、コンプライアンス上問題のある顧客が多国籍企業「エクイヴィコープ社」だと特定しました。
しかしエクイヴィコープ社は7億ドル以上の収益がある大口顧客であったため、自社に損害を与えてしまいます。
オムニ銀行のCEOはマーティのクビを望むも、AML担当の責任者ロビン・ホワイティングが説得してくれたおかげで、マーティはニューヨーク郊外にある故郷の地方の支社への左遷にとどまりました。
ニューヨーク州エルバにある小さな町。マーティは母親を病気で亡くして以来、10年ぶりに故郷に戻りました。
エルバ支社でマーティは、病気で早期退職したAMLの担当者ジャニスの仕事を引き継ぐべく、膨大な量の取引報告書と調査報告書を調べていきました。
その結果、マーティはこの町の人々の経営状況を知り、気が滅入りました。
マーティは幼馴染のアール・シモンズと再会。彼は死んだ父親から受け継いだ酒店を営んでいましたが経営状況が悪く、店内に仮想通貨「ビットコイン」を導入したり、自分で取引したりしてなんとかやりくりしていました。
マーティは農家の父マーティン・デュラン・シニア(以後、マーティン・シニアと表記)と、元軍人の兄ケイレブと再会。
しかし2人がやってるジャガイモ農場は経営破綻寸前で、オムニ銀行から担保にしている不動産を競売にかければ数百万ドル出すと話を持ちかけられるも、頑なに拒否していました。
マーティは家族を救おうと金の相談にのろうとするも、2人は母親の葬儀に出なかったマーティは家族を見捨てたのだと思い込み、まともに取り合ってくれません。
ですがジャガイモ農場を売却することに反対している理由として、マーティン・シニアは「軍人だったこれとは違い、お前の兄は些細なことでキレるようになった」、「俺が生きてる間はあいつに居場所を用意してやらないとならないから農場を売らなかった」と答えてくれました。
エルバ支社に戻ったマーティは、取引先の町の画廊「エルドルマン画廊」の法人税申告書に記載された会計報告が適切でないことに気づき、調査を開始。
まずエルドルマン画廊のオーナーであるペネロペ・ラッシングと、エルドルマン画廊で美術商として働いているケイティに話を聞きに行きましたが、2人は会計に携わってないから分からないといいます。
次にマーティは、ジャニスに会いに行き、エルドルマン画廊について何か知っていることはないか尋ねました。
するとジャニスは、エルドルマン画廊を取り仕切っている公認会計士テッド・パターソンがコンプライアンスに関わる書類の作成時、「カーカス」という気になる言葉を口にしていたと言います。
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マーティはITに詳しいアールに、自分では情報を閲覧できないオムニ銀行の仮想通貨の投資履歴を調べてほしいと頼みました。
アールが突き止めたロビンのパスワードを使って閲覧できた仮想通貨の投資履歴を調べた結果、トータル1000万ドルもの投資が行われていたことが判明。
そんな大金をやり取りするには、間に仲介業者を挟んでいるはずだとアールは言うも、その仲介業者の連絡先はなく問い合わせフォームしかありません。
会社概要ページを見たマーティは、注文を出した価格と実際に成立した価格との差「スリッページ」を回避するための窓口にしているのではないかと推測します。
さらに調査を進めると、オムニ銀行と仮想通貨の販売元はかなりの取引が行われており、大勢の人から仮想通貨を買っていること、不自然なことにIPアドレスがどれも同じであることが判明。
そのIPアドレスを調べた結果、巧妙なプログラミングによって隠されていた仮想通貨の販売元はカナダにある釣具店「カーカス釣具店」であることが分かりました。
マーティはアールに、このカーカス釣具店について調べてほしいと頼みます。
以下、『ビットコイン・ウォーズ 暗号資産の行方』ネタバレ・結末の記載がございます。『ビットコイン・ウォーズ 暗号資産の行方』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
翌朝。マーティはテッドの事務所へ行き、そのことを尋ねてみるも、上手く煙に巻かれてしまいました。
それだけでなく、テッドはジャガイモ農場の話を持ち出し、「千載一遇の話を蹴るとは、お前の親父さんは気の短い頑固者。泥に塗れているのがお似合いだ」とマーティの父を侮辱します。
マーティははらわたが煮えくりかえるもグッと堪え、エルバ支社に戻りました。するとなぜかエルバ支社の人間が皆、マーティに白い目を向けてきたのです。
不審に思ったマーティは、同じ高校に通っていた同僚のドルー・スミスに何かあったのかと尋ねると、この前会ったばかりのジャニスが誰かの手を借りて自殺したことを知らされます。
肩身が狭いマーティの元にアールが現れ、「手を貸すのはこれで最後だ。もうこの件に関わりたくない」と言われました。
何かに怯えた様子のアールは、カーカス釣具店を調べて分かったことを、記録した動画を通してマーティに教えました。
アールはあの後、カーカス釣具店のネットワークに侵入し、バックグラウンドで動作検知してカーカス釣具店の顧客の動きを監視しました。
その結果、カーカス釣具店の顧客は「ビットコインタンブラー」という、ユーザーのプライバシーを維持するために他のユーザーと自分のビットコインを混ぜ合わせることができるサービスを使って取引を行っていることが判明。
ビットコインの買い手であるロシア人たち全員の居場所は、カーカス釣具店でした。このビットコインでの取引はマネーロンダリングの可能性が高いと、アールは推測しました。
さらに自身の店に来た男が言った「KRYSHKA」というウォッカは実在せず、ロシアのマフィアの名前だと、アールは言います。
そこへドルーが現れ、「エルドルマン画廊の女性が君を呼んでる」とマーティに言いました。
マーティはケイティだと思ってエルドルマン画廊を訪れるも、ケイティの姿はありません。
マーティを呼び出したのはペネロペでした。マーティがエルドルマン画廊について方々で聞いて回っていると聞いて、ペネロペは彼を呼び出しました。
ペネロペの話は要領を得なかったものの、彼女はマーティに画廊の資料を渡しました。マーティは早速その資料の中に記されていた「Lt88 Petersburg」を、アメリカ外務省外国資産管理室のデータベースで検索してみました。
すると、「絵画の密売」「ナイアガラ川に複数の死体」「タグボートの名義はカーカス釣具店」という不穏なワードが出てきたのです。
つまりロシアのマフィアはオムニ銀行とそのエルバ支社を通じて、絵画の密輸とマネーロンダリングをしている、ということになります。
マーティはこのことをロビンに報告。荷物をまとめて戻って来なさいと命じられます。
急いで荷物をまとめて故郷から離れようとしたマーティでしたが、その途中で「再び低気圧が停滞し寒波をもたらしそうです。農作物の被害が予想されます」というニュースを聞いて、作物の収穫の手伝いをしにジャガイモ農場へ行きました。
翌朝。マーティン・シニアは家に寝に帰り、マーティたち兄弟は朝食を食べに食堂へ向かいました。
マーティがケイレブに「言いたいことがあるならはっきり言え」と言うと、ケイレブは「ドイツの病院で3ヶ月間、俺は孤独だった」と静かに語り始めました。
「手紙を書いてくれなかったのは、俺のことなど気にも留めていなかったからか?」というケイレブの問いに対し、「兄貴のこと心配してたけど、あの頃俺は何もかもに怒っていたんだ」とマーティは答えました。
さらにマーティは、「ここを出ていく必要があると思い、町へ行って自力で生きようと思った」、「だけど結局何も変わっちゃいない。ウォール街に大勢いる高級スーツを着た腐った連中にこき使われる毎日だ」と言いました。
それを聞いたケイレブは弟を心配し、ギスギスしていた兄弟仲を取り戻していきます。しかしその直後、2人は昨夜アールの店が火災で焼失し、アールがその火災に巻き込まれて死亡したというニュースを耳にしました。
そのニュースを見ていた他の客が、昨夜画廊のオーナーが舌をかんで自殺したことを話しているのがマーティの耳に聞こえてきました。
マーティが宿泊先のホテルに戻ると、閉めたはずの部屋のドアが開いていました。恐る恐る中へ入ると、いきなり男性配達員に声を掛けられます。
男性配達員は匿名の荷物をマーティに渡し、立ち去っていきました。マーティは恐る恐る箱を開け、中に入っていたウィスキーを取り出します。
そのウィスキーのキャップには、メモリースティックが隠されていました。マーティはすぐさま自身のノートパソコンにメモリースティックを挿入すると、ログイン画面に「お気に入りのウィスキーは?」というパスワードのヒントが書かれていました。
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それを見てマーティは、差出人はアールだと確信。箱に入っていたウィスキーの名前「Flamethrower」と入力すると、アールが遺した動画が流れます。
「これを君が見てるってことは、もう俺は死んでる。この件から手を引くには遅すぎたようだ」と言うと、アールは12個のキーワードを記した紙を掲げ、これを写真に保存して命懸けで守るよう言いました。
「1.TREE、2.NOSE、3.EXERCISE、4.BANANA」、「5.SOUND、6.ORANGE、7.WATER、8.ELEPHANT」、「9.MALICIOUS、10.COMBUSTION、11.MOIST、12.TIGER」と記された12個のキーワードは、アールの仮想通貨ウォレットのパスワードでした。
そしてアールは、「俺が仮想通貨に使う道具を全部お前に送った。情報を整理して、遅くとも1週間以内に告発しろ」と言い、マーティに全てを託しました。
マーティはアールが遺したデータファイルの中に、「ロビンとテッドのメール」と記されたファイルを発見。沢山あるメールの中に、ロビンがテッドにマーティが泊まっているホテルと部屋番号を教えているメールがありました。
マーティはベッドの下に薬莢が残されていること、枕に不自然な穴が2つ開いていることに気づきます。
そこへ突如、ケイレブから「急いで農場に来てくれ」と電話がかかってきました。マーティはドルーに電話をかけ、車を出してほしいと頼みます。
マーティはドルーが運転する車でジャガイモ農場へと急行。しかし家にいるはずの父の姿はなく、代わりに人間の舌が入った箱が残されていました。
アールとペネロペとジャニスは、テッドの指示で動いたロシアのマフィアの構成員ピーターともう1人によって殺されてしまったのです。
ケイレブは静かに、その箱と一緒に置かれていたメモをマーティに渡します。そこには、「データを持って3時にここに来い」と記されていました。
現在の時刻は午後2時37分。マーティはケイレブから車を借りて、急いでテッドの事務所に向かいます。
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マーティが現場に到着した直後、テッドとロシアのマフィアの構成員2人が乗った車が到着。テッドは「親父さんを返してほしければデータをよこせ」と脅迫します。
マーティがメモリースティックをテッドたち側に投げ、マーティン・シニアを救出。早く車に乗ってここから離れるよう指示しました。
そしてマーティンは、テッドにデータのコピーを取ったと言い、「俺たちが無事だという連絡を兄貴が受けないと、FBIや麻薬取締局(DEA)に全ての情報を流す」と告げました。
テッドはマーティンの話を信じず、ケイレブに殺されそうだと電話をかけるよう促すと、車の荷台に隠れていたケイレブに銃口を向けられます。
それに怯んだテッドは、金で解決しようとするも失敗。駆けつけたFBIの捜査官たちによって、あっけなく逮捕されてしまいました。
駆けつけたFBIの捜査官たちの中に、ケイティの姿がありました。ケイティたちFBIは逃げた2人を追って事務所に突入。
テッドの秘書をしていた女性の身柄を拘束した上で、奥に逃げ込んだロシアのマフィアの構成員1人と銃撃戦の末に射殺します。
ケイティは単身、逃走を続けるピーターを追跡。銃撃戦の末に撃たれてしまいました。
倒れたケイティに近づくピーターでしたが、別方向から来たケイレブによって射殺されました。
FBIによって無事保護されたデュラン一家。父が折れた腕の手当てを受けているそばで、ケイティはマーティンに、なぜ自分がFBIの捜査官だと分かったのか尋ねます。
マーティンは、「君は2年前にここへ来たと言っていたが、口座を開いたのは半年前だった。それが妙に引っかかった」、「もし君が極悪人でなければ、エルドルマン画廊に潜入捜査中のFBIの捜査官だと思った」と答えました。
マーティンはケイティに、母親を亡くした話は本当かと尋ねると、「定年退職して今はフレズノ(カリフォルニア州の都市)にいるわ」とケイティは答えました。
ケイティは潜入捜査を終えたため、FBI本部に戻りました。マーティンもマンハッタンへ戻り、オムニ銀行のCEOや重役たちに「エルバ支社の調査を行い、当行の仮想通貨の不正利用を発見し、ロシアのマフィアによる不法行為に当行の従業員が間接的に加担していた」と報告します。
さらにマーティンは、「AML責任者のロビン・ホワイティングは連中の違法行為に目をつむり、見返りを受け取って私腹を肥やしていた」ということも報告。その証拠として、メモリースティックを提出しました。
会議室を後にしたマーティンのもとに、ロビンがやってきます。マーティンはロビンに友人として、「彼らと話すときは控えめに」と助言しました。
その直後、立ち去ったマーティンと入れ違いでFBIの捜査官が現れ、ロビンはCEOや重役たちが見ている前で逮捕されました。
実家に戻ったマーティンは仮想通貨のマイニング(取引などのデータをブロックチェーンに保存する作業を行い、その報酬として仮想通貨を得る行為)をはじめ、農場の仕事を受け継いだケイレブを支えました。
そしてマーティンは、ケイティとのデートに出かけます。それをからかうケイレブとマーティンのじゃれ合う姿を、マーティン・シニアは温かい目で見守っていました。
映画『ビットコイン・ウォーズ 暗号資産の行方』の感想と評価
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デュラン一家の確執
物語の後半まで、デュラン一家はとてもギスギスした関係にありました。
その原因は、病死した母の葬儀にマーティンが出なかったこと、母の闘病中にマーティン・シニアたちが彼のそばにいてくれなかったことでした。
ですがマーティンたちは誰も、家族を見捨てたことはありません。お互いに家族を見捨てたと思い違いをしていただけでした。
マーティンが故郷に戻ったことで、デュラン一家はこれまで抱えていた互いへの本音をぶつけ合い、和解しました。
そのことを考えると、マーティンがエルバ支社に左遷されたのは家族の絆を取り戻すチャンスだったのではないでしょうか。
物語のラストでは、デュラン一家の仲睦まじい姿が描かれており、見ているだけで何だか心が温まります。
それにマーティン・シニアを救うため、兄弟2人がテッドたち悪党に立ち向かっていく姿はとても格好良いです。
暗躍するロシアのマフィアと、裏切り者の正体
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カーカス釣具店という会社を拠点とし、絵画の密売や仮想通貨の違法行為などを行っていたロシアのマフィア。
テッドと彼と肉体関係を持っていたペネロペ、そしてロビンが彼らの違法行為に間接的に加担していたことが、物語の後半で明らかとなります。
マーティンが暴いたその巨大な陰謀はもちろん、彼が真実に近づくにつれて、彼に協力したアールたちが自殺や事故を装って殺されていくのは、身の毛がよだつほど恐ろしいです。
マーティンの味方だと思っていたロビンがテッドたちと繋がっているだけでなく、テッドに居場所を教えて殺させようとしていたことは特に衝撃を受けます。
まとめ
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決して表に出ることのない仮想通貨「ビットコイン」を巡り、ロシアのマフィアが暗躍するアメリカの金融サスペンス・アクション作品でした。
作中ではまさかの人物が裏切り者だったこと、そして故郷の複雑な人間関係に悩む主人公のマーティンの相談に乗っていたケイティが、FBIの潜入捜査官だったという、誰もが予想だにしていなかった展開が描かれています。
しかもそのケイティという名も潜入捜査中の彼女の偽名であり、マーティンに母親が亡くなったと話したことも嘘でした。
事件が解決した後、マーティンはFBI本部を訪れたか、それともケイティと連絡を取っていたメールのどちらかでコンタクトをとり、デートにこぎつけたのでしょう。
自社も絡んでいた巨大な陰謀に巻き込まれ、大切な幼馴染を失ったマーティンに、家族と好きな人との幸福な時間が長く続くことを切に願います。
そうしたミステリーやハートフルな家族ドラマがあるため、本作の題材となっているビットコインを理解していない人でも楽しめる作品です。
カート・ラッセルら豪華キャスト陣による、家族ドラマとビットコインを巡るミステリーサスペンスを描いたハートフルでスリリングな金融サスペンス・アクション作品が観たい人に、とてもオススメな作品となっています。
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