デロレスが高校生たちとヒップホップ聖歌隊を結成!
大ヒットミュージカル・コメディ映画『天使にラブソングを』の続編。
ウーピー・ゴールドバーグ演じる歌って踊るエネルギッシュな主人公・デロリスがさらにパワーアップして帰ってきました。
監督は『ディープ・カバー』(1992)のビル・デューク。
マギー・スミス、キャシー・ナジミーらが前作から続投するほか、『荒野の七人』(1961)のジェームズ・コバーンが出演します。
友情で結ばれたシスターたちに懇願され、デロリスが問題校の悪ガキたちの音楽教師となって奮闘します。
若者たちのパワフルな歌声に魅了される大ヒット作品をご紹介します。
CONTENTS
映画『天使にラブソングを2』の作品情報
【公開】
1994年(アメリカ映画)
【脚本】
ジェームズ・オア、ジム・クラックシャンク、ジュディ・アン・メイソン
【監督】
ビル・デューク
【出演】
ウーピー・ゴールドバーグ、キャシー・ナジミー、バーナード・ヒューズ、メアリー・ウィックス、ジェームズ・コバーン、マイケル・ジェッター、ウェンディ・マッケナ、マギー・スミス、ブラッド・サリバン
【作品概要】
大ヒットコメディ『天使にラブソングを』のシリーズ2作目。監督は『ディープ・カバー』(1992)のビル・デューク。
ウーピー・ゴールドバーグ演じる主人公のデロリスが、高校生の音楽教師となって聖歌隊を結成し、子どもたちに夢を追いかける素晴らしさを教えるために奮闘します。
マギー・スミス、キャシー・ナジミーらが前作から続けて愛らしいシスターを演じるほか、『荒野の七人』(1961)のジェームズ・コバーンが悪役的な理事長役で出演。中心的な生徒・リタ役をローリン・ヒルが演じます。
映画『天使にラブソングを2』のあらすじとネタバレ
デロリスはラスベガスのエンターテイナーとなり人気を博していました。
彼女のショーを訪れたセント・キャスリン修道院のシスターたち。彼女たちはクリスプ氏が理事長を務めるセント・フランシス高校で社会奉仕をしていましたが、校内暴力や非行が横行する問題校の悪ガキたちに手を焼き、デロリスに助けを求めに来ていました。困り果てていた修道院長もデロリスを歓迎します。
懐かしの母校でもあるフランシス高校の教師になることを了承したデロリスは、再び尼僧の姿となって学校へ向かいます。
教室にいたのは授業など気にせず歌い騒ぐ生徒たちでした。教師たちも頭が固く抑圧的で、デロリスは途方にくれます。
そんななか、財政難で学校が今学期末で閉校になることを知ったデロリスは、生徒を守るために真剣に彼らに向き合います。
全員デロリスに従うようになりましたが、ただひとりリタだけは反発して教室を出ていってしまいました。
ある日の授業で生徒たちの素晴らしい歌の才能に気づいたデロリスは、聖歌隊の結成を思い立ちます。
映画『天使にラブソングを2』の感想と評価
若い圧巻の歌声に酔いしれる
世界中から愛されるミュージカルコメディの名作『天使にラブソングを』の続編です。
ベガスの歌手として活躍するようになったウーピー・ゴールドバーグ演じる主人公・デロリスが、古い仲間である修道女たちに懇願され荒れた高校の音楽教師となって大活躍します。
彼女は自身の母校に赴任しますが、生徒たちは授業中に教師の話をまったく聞かずにしゃべったり歌ったり、化粧したり絵を描いたりとやりたい放題。
小うるさいデロリスを追い出そうと、彼らは彼女のイスに接着剤をつけるなどひどいいたずらを仕掛けます。このときのデロリスの必死な姿は思わず吹き出すおかしさです。
見捨てて辞めてしまおうとしたデロリスでしたが、学校が財政難で閉校の危機にあると知った彼女は生徒たちのためにひと肌脱ぐことを決意します。そして、生徒たちの素晴らしい歌の才能に気づくのです。
この作品の一番のみどころは、なんといっても生徒たちのパワフルで透明感ある歌声です。とにかく上手すぎる!聴いているうちに誰もが思わず涙してしまうような、まさに「天使の声」なのです。
しかもこの天使たちは天真爛漫で自由で、歌う喜びがダイレクトに伝わってくる素晴らしいパフォーマンスを見せます。
一番の見せ場は、学校の生徒・先生の前でのお披露目シーンです。まだ自信が持てずにいた彼らが、歌い進めるうちに歌う喜びに包まれ、大きな殻を打ち破ります。
最初は小さなささやくような声しか出せなかったソリストの黒人の少年が、突然背中に羽が生えたかのように朗々と高らかに歌い出す「オー・ハッピー・デイ」は必聴です。
母に歌うことを反対されながらも、必死の思いで聖歌隊の一員としてコンテストに出場するリタもとてもチャーミングです。
素直になりたくてもなれないティーンの少女のリアルな気持ちが伝わってきて胸が締め付けられます。コンテストステージで堂々と歌う、彼女のハスキーな声も魅力的です。
歌や音楽の素晴らしさと、子どもたちの持つ無限の可能性が胸にストレートに伝わって来る爽快な一作です。
チャーミングで魅力あふれるシスターたち
シリーズ1作目で大人気を博したチャーミングなセント・キャスリン修道院のシスターたちも健在です!
愛ある毒舌でうまく事を運ぶ修道院長、ふっくら体型でいつも陽気で楽し気なシスター・メアリー・パトリック、細見で年若い美声のシスター・メアリー・ロバート、年長で大柄なシスター・メアリー・ラザラスなどおなじみの愛すべきキャラクターが再集結しています。
高校で社会奉仕することになった彼女たちが、悪ガキたちに手を焼いてデロリスに助けを求めるところから物語が始まります。
シスターたちが自由と喜びを教えてくれたデロリスを心から信頼し、今でも変わらぬ深い友情でつながっていることがよくわかるオープニングです。
デロリスだけにすべて任せるのではなくシスターたちも一緒に生徒たちに正面から向き合い、閉校させないために大奮闘します。
若いピチピチで弾ける生徒たちと対照的な年配の彼女たちが、わちゃわちゃと楽しそうに盛り上がる姿に心癒されます。彼女たちのハートは、若者と同じくらいピュアに違いありません。
生徒たちに聖歌隊の素晴らしさを教えるために、シスター聖歌隊も再結集。その後、街頭募金のためにステージにも立ち、パワフルな歌声で観る者を魅了します。
補聴器が必要なピアノ担当のキュートな年配シスターのメアリー・アルマも元気に登場するので注目してくださいね。
まとめ
大人気ミュージカルコメディーシリーズ第2弾となる本作でも、シスター姿のデロリスと仲間のおばあちゃまシスターたちが大活躍します。
若さあふれるピチピチ高校生の悪ガキたちを前にしても、まったくひけを取らない彼女たちのパワーに脱帽するばかりです。
厳しい教育ママに反抗できない少女、バイトをしながら通学する苦学生、人種差別にいつも苦い思いを抱く黒人の少年などいろいろな子どもたちすべてを、シスターたちは温かく見守り導きます。
高校生だって負けていません。デロリスと一丸となって夢に向かって羽ばたこうと奮闘します。若者の持つ無限のエネルギーが感動を呼び起こす一作です。
パワーに満ちた自由で明るい歌声が、限りなく広がる「未来」の可能性を信じさせてくれます。