大人気スパイアクション映画「007」シリーズ第17作!
マーティン・キャンベルが監督を務めた、1995年製作のイギリス・アメリカ合作の大人気スパイアクション映画『007/ゴールデンアイ』。
「007」ことMI6の敏腕諜報員ジェームズ・ボンドが、NATOの最新鋭のヘリを強奪した国際犯罪組織「ヤヌス」とソ連軍の将校の陰謀を阻止しようとする姿とは、具体的にどんな姿だったのでしょうか。
ピアース・ブロスナンが5代目ジェームズ・ボンド役を務めた最初の作品である、「007」シリーズ第17作目『007/ゴールデンアイ』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
CONTENTS
映画『007/ゴールデンアイ』の作品情報
【公開】
1995年(イギリス・アメリカ合作映画)
【原作】
ジョン・ガードナーの小説『ゴールデンアイ』
【監督】
マーティン・キャンベル
【キャスト】
ピアース・ブロスナン、ショーン・ビーン、イザベラ・スコルプコ、ファムケ・ヤンセン、ジョー・ドン・ベイカー、チェッキー・カリョ、ゴットフリード・ジョン、アラン・カミング、セレナ・ゴードン、デスモンド・リュウェリン、サマンサ・ボンド、ジュディ・デンチ、ミニー・ドライヴァー、ロビー・コルトレーン 、マイケル・キッチン、サイモン・クンツ、パヴェル・ダグラス、オリビエ・ラジュー、コンスタンティン・グレゴリー、ビリー・J・ミッチェル、ウラジミール・ミラノヴィッチ
【作品概要】
『クリミナル・ロウ』(1989)や『マスク・オブ・ゾロ』(1998)、『バーティカル・リミット』(2000)のマーティン・キャンベルが監督を務めた、イギリス・アメリカ合作のスパイアクション作品。
「007」シリーズ作品の原作者イアン・フレミングの後継者ジョン・ガードナーが前作『007/消されたライセンス』に引き続き執筆した小説『ゴールデンアイ』をもとに描かれた、「007」シリーズ第17作目です。
当時、イアン・フレミング原作の「007」シリーズの小説は短編『ナッソーの夜』(2008年に映画『007/慰めの報酬』として映画化された)だけが残っていましたが、本作では原作として使用されませんでした。
アメリカのテレビドラマシリーズ「探偵レミルトン・スティール」(1982~1987)で人気を博したピアース・ブロスナンが、5代目ジェームズ・ボンド役を務めています。
映画『007/ゴールデンアイ』のあらすじとネタバレ
崩壊前のソビエト連邦(USSR)。「007」こと英国情報局秘密情報部「MI6」の敏腕諜報員ジェームズ・ボンドは、同じMI6の「00部署」の諜報員である「006」ことアレック・トレヴェルヤンと共に、アーカンゲルにある化学兵器工場に侵入。化学兵器もろとも工場を爆破しようとします。
しかしボンドが爆弾をセットしている間に、アレックは工場の警備責任者であるソ連軍の大佐アーカディ・グリゴリビッチ・ウルモフに拘束され、彼の目前で射殺されてしまいました。
やむを得ず、ボンドは兄弟同然であるアレックを見捨てて工場から脱出。離陸しようとしていたソ連軍の小型飛行機を奪って逃走します。
その直後、ボンドがセットした爆弾が起爆し、工場は爆発。ボンドは無事任務を達成しました。
それから9年後、ロシア・モナコ。ボンドは「ボンドカー」こと愛車のアストンマーティン・DB5を運転しながら、新任部長Mの命令によって自身の精神分析をしにきた女性アナリストを誘惑していました。
するとそこへ、爆走する赤のフェラーリF355GTSが登場。ボンドは美女ドライバーと顔を見合わせながら、カーチェイスを繰り広げていきます。
ですが、どんどんスピードが増していくことに恐怖した女性アナリストが止めるよう言うと、ボンドは素直に従いカーチェイスをやめました。
その日の夜。カジノに現れたフェラーリのドライバーに接触したボンドは、彼女と彼女が乗り込んだヨットを撮影し、Mの秘書であるマネーペニーに調査を依頼します。
その結果、彼女の名前はゼニア・ザラゲブナ・オナトップ、旧ソ連空軍の戦闘機パイロットであり、国際犯罪組織「ヤヌス」の一員であることが判明。
さらに、ヨットの所有者がヤヌスの幹部であることが分かったため、ボンドはMに許可を貰い、ゼニアを監視することにしました。
その翌日、事件が起きます。ボンドがマークしていたゼニアが、パイロット2人を殺害し、フランス海軍のフリゲート艦上からデモ飛行しようとしていたヘリコプターを強奪したのです。
盗まれたヘリコプター「タイガー」は、レーダー探知・無線・電磁気による妨害に対して防備できる、北大西洋条約機構(NATO)の最新鋭戦闘ヘリコプターでした。
その場面を目撃したボンドは、MI6の幕僚主任ビル・タナーに頼んで、ヤヌスによるタイガー強奪事件を追います。
タイガーを捜索した結果、ロシア・セヴェルナヤにあることが判明。そこには廃れた宇宙兵器管理センターがありました。
しかし実はロシアは、廃センターとなったその場所で秘密裏に「ゴールデンアイ」と呼ばれる兵器を開発していたのです。
「ゴールデンアイ」は、冷戦下のソ連で開発された小型核爆弾を内蔵した衛星兵器です。
そして小型核爆弾が起爆した時に生じる高出力の電磁パルス(EMP)は、照射した目標とその半径50キロ圏内にある電子回路を破壊することができます。
ボンドたちが衛星中継で宇宙兵器管理センターを監視していると、そこから突如緊急通報が発せられたのです。
これを受け、米英のMIG29戦闘機3機が宇宙兵器管理センターに接近。しかし、宇宙兵器管理センターに照射されたEMPによって操縦不能に陥り、墜落してしまいました。
直撃した宇宙兵器管理センターは壊滅。そこにいた兵士も、宇宙兵器管理センターの職員も全員死んでしまったと誰もが思っていました。
ですが彼らは、「ゴールデンアイ」が起動するよりも前に、ゼニアの銃撃を受け殺されていました。
外部への緊急通報をしたのは、ゼニアの銃撃を受け倒れていた宇宙兵器管理センターの職員イリーナでした。
それに気づいたゼニアはイリーナにトドメを刺した上で、再びタイガーに乗って逃走。しかしゼニアは気づきませんでした。
殺したと思っていた宇宙兵器管理センターのプログラマー、ナターリア・フョードロヴナ・シミョノヴァが奇跡的に生き残り、脱出していたことを………。
これを受け、ボンドたちMI6は、ゼニアがタイガーを盗んだのは逃亡用に使うためであり、彼女に協力した内通者がいるに違いないと推理しました。
何故なら、宇宙空間に存在する「ゴールデンアイ」にアクセスできるのは、アクセス・コードを知る内部の人間しかいないからです。
「ゴールデンアイ」にアクセスできる者が誰か調べた結果、この9年間でロシア軍の将軍兼宇宙兵器管理センターの局長にまでのぼりつめたウルモフであることが判明。
ですが、現時点でヤヌスに関して分かっていることは、ヤヌスに関する情報はロシアの都市サンクト・ペテルブルグを拠点として武器売買を行っているということのみ。ヤヌスのボスが誰か、知っている者はいませんでした。
Mはウルモフがなぜヤヌスと繋がっているのか、誰が何を企んでいるのかを突き止めるべく、ボンドに「ゴールデンアイ」を追うよう命じます。
映画『007/ゴールデンアイ』の感想と評価
ボンドvsアレックによるスパイ対決
本作の主人公ジェームズ・ボンドと、本作の悪役であるアレックは、共にMI6の「00部署」に所属する英国諜報員です。
しかも孤児である2人はMI6で兄弟同然に育ったため、互いの手の内は読めています。ボンドにとって、アレックはこれ以上ないくらいやりづらい敵だったに違いありません。
それはアレックも同じでしょう。アレックもまた、あの手この手を使ってボンドを殺そうとしますが、そのどれもがボンドの奇策によって失敗に終わってしまいます。
これまで数多くの凶悪犯罪者と戦ってきたMI6の敏腕諜報員ボンドと、英国への復讐を目的として作った国際犯罪組織「ヤヌス」のボスと英国諜報員の2つの顔を持っていたアレック。
この2人によるスパイ同士の対決は、頭脳戦・銃撃戦・肉弾戦のすべてが観ているだけでとてもハラハラドキドキしますし、どうやってピンチを切り抜けるのかとワクワクします。
ナターリアvsボリスによるプログラマー対決
ウルモフとゼニアが宇宙兵器管理センターに乗り込む前は、2級プログラマーであるナターリアは、1級プログラマーであるボリスに、プログラマーとしてのスキルが劣っていました。
しかし物語の後半、キューバにあるヤヌスの隠れアジトにて、ナターリアはボリスを出し抜きます。プログラマーとしては格上であるはずのボリスが、ナターリアが書き換えたアクセス・コードを解除できなかったのです。
ナターリアに負けた、アクセス権を取り戻さなければアレックに殺されるという焦燥感から、激昂するボリス。
ですが、ナターリアの怒りはそれ以上です。何故なら、ボリスとナターリアもボンドたちのように、同僚兼友人だったから。
ボリスはヤヌスの一員であることを隠していただけでなく、これまで一緒に働いてきたナターリアたちがウルモフたちに殺されることを承知の上で、彼らを招き入れました。
ナターリアはボリスに裏切られ、さらに同僚たちも無残に殺されたことへの怒りを、プログラマーとして友人として、彼にぶつけました。
ナターリアとボリスによる対決も、ボンドたちの戦いとはまた違った面白さがあり胸躍ります。
まとめ
「007」ことMI6の敏腕諜報員ジェームズ・ボンドが、英国への復讐を企む国際犯罪組織に立ち向かう、イギリス・アメリカ合作のスパイアクション作品でした。
本作の見どころは、ボンドとボンドガールであるナターリアのラブロマンス、ボンドvsアレックの激闘の数々、それからロシア各地で繰り広げられる壮絶なカーチェイスです。
特にロシアのサンクト・ペテルブルグ市内で繰り広げられたカーチェイスは、ボンドがボンドカーではなく、敵軍から奪った戦車を使っています。
戦車を乗り回し、サンクト・ペテルブルグ市内で大暴れするボンドの姿は思わず笑みがこぼれるくらい面白いです。
作中では前作『007/消されたライセンス』(1989)を最後に、Q以外のMI6のメンバーを演じた俳優は全員交代しているため、ボンドやMたちの新しい一面を見ることができました。
また本作でのボンド役の第1候補は、「96時間」シリーズのリーアム・ニーソンだったのに、リーアム・ニーソンは「アクション映画に惹かれない」という理由で断ったという裏話もあります。
ピアース・ブロスナン演じる5代目ジェームズ・ボンドが、2つの顔を持つ英国諜報員と激闘を繰り広げていく、ワクワクドキドキがとまらないスパイアクション映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。