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Entry 2022/07/26
Update

【菊池真琴×藤田晃輔インタビュー】映画『もうひとつのことば』それぞれにとっての“演じる”ד空気感”の良い変化がもたらした魅力

  • Writer :
  • Cinemarche編集部

映画『もうひとつのことば』は2022年7月22日(金)より池袋 HUMAXシネマズにて劇場公開!

オリンピックが延期となった2020年夏の東京を舞台に、ワンコイン英会話カフェで出逢った男女の《嘘》と《真実》が織りなす軽妙で魅惑的な会話劇『もうひとつのことば』。

パラレルワールド・シアター』(2018)に続く堤真矢監督の長編第2作となる本作。また本作が初の劇場公開主演作となった菊池真琴さん・藤田晃輔さんがW主演を務めています。


photo by 池田旬也

このたび2022年7月22日(金)からの池袋HUMAXシネマズでの劇場公開を記念し、映画公式パンフレットに収録されている菊池真琴さん・藤田晃輔さんのインタビューを、一部抜粋にて特別に解禁

インタビューでは、ミキと健二の関係性を実際に演じられてのご感想、お二人にとっての「演じる」という行為などについて語られています。

映画『もうひとつのことば』劇場情報はコチラ→

「空気感」の変化と、ミキと健二の関係性


photo by 池田旬也

──ミキと健二、二人をそれぞれ演じられてのご感想を改めてお聞かせください。

藤田晃輔(以下、藤田):当初は(菊池さんに対して)「この人はどんな人なんだろう」「どんな俳優さんで、どんな芝居をされる人なんだろう」と探りながら演じていて、それは映画本編の序盤における、ミキと健二の関係性にも反映されていると感じています。

ただ撮影を進めていく中で、お互いの芝居における空気感が次第に分かっていって、その空気感をふまえた上で芝居も変化していきました。その変化もまた、物語や二人の関係性の展開に沿う形で映画にも反映させることができたのではと思っています。


photo by 池田旬也

藤田:そもそも僕と菊池さんとの芝居がうまく合わなかったら、ミキと健二の関係性はもっとギクシャクとしたもので、映画自体も冷たい印象を持った作品になっていたかもしれないです。よりシリアスさが強い作品になっていたかもしれない。

菊池真琴(以下、菊池):撮影現場もとても楽しかったんですが、映画作りで怖いのは、そういった現場の雰囲気も画面上に全部表れてしまうところだと思います。浅草での場面も良い意味でそれが表れていて、実際に演じていても居心地がよかったです。

それぞれにとっての「演じる」


(C)2021 Tick Tack Movie

──本作では、人間が社会の中で生きてゆく上で要求される「演じる」という行為が重要なテーマの一つとして描かれています。俳優として活動されるお二人は、「演じる」という行為をどのように捉えられているのでしょうか。

藤田:僕は「演じる」という行為をする際には常に「もの作り」の感覚を抱いていて、「表現」と捉えて考えることはあまりないんです。ただひたすらに何かを作っていった結果として、「表現」と呼ばれるようなものがそこに残るんだと考えています。

もの作りは趣味としても好きで、皮で小物を作ったり、服を作ったりなど、それらは自分の現在の俳優という仕事に深くつながっていると感じています。また仏像を彫る仏師という方たちに関する書籍を読んだり、実際に仏像を観にいったりもするのですが、その仏像作りもまた、自分たちのやっていることどこか通ずる物があると感じています。

ただの木をひたすらに彫り続け、そこに魂を込める。そして作り上げられた物に対し、祈りを捧げる人々が生まれる。僕たちも演じることで一本の映画という形の虚構を作り上げますが、同じようにそれを観て救われる人たちがいたり、自分の考えなどが変わったりする人たちがいる。

そして虚構は自由な物ですが、バタフライ・エフェクトのように何かを大きく変えてしまうことが多々あるからこそ、それを作り上げる責任を常に背負いながら仕事をしています。物語にはそれだけの力があると信じられるからこそ、虚構という物を面倒くさく考える必要があるんだと思います。


photo by 池田旬也

菊池:自分でも驚いてしまうんですが、「演じたい」という想いが先に来てしまって、「なぜ演じたいのか」という問いをこれまで考えたことがないんです。

オーディションで役を取れなかった時も、純粋に悔しさが湧き出て落ち込んでしまうし、「演じたい!」という想いがより強まっていく。ではなぜ「演じたい」という想いが自分の内にあるのかと改めて考えた時、やっぱり「いろんな人生を経験したい」という想いが少なからずあるからだと気づきました。

自分が生きている範囲の外でも、全然知らない人たちの全然違う人生があって、それに触れたいからこそ「演じたい」と感じてしまう。私にとって「演じる」ということは、ある意味ではストーリーテリングに近いのかもしれません。「誰かに物語を伝える」ということ自体が、私はとても好きなんです。

インタビューの完全版は、劇場窓口で販売中の映画公式パンフレットに収録!

インタビュー/河合のび
撮影/池田旬也

映画『もうひとつのことば』劇場情報はコチラ→

菊池真琴×藤田晃輔プロフィール

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photo by 池田旬也

菊池真琴プロフィール

1991年生まれ、東京都出身。2012年公開の映画『元気屋の虚言』でデビュー。趣味は海外旅行と映像制作で、特技は英語(ネイティブ)、アラビア語など。

主な出演作は映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』(2016)、『来る』(2018)、『あの日々の話』『映画 賭ケグルイ』(2019)など。舞台作品では玉田企画『あの日々の話』、五反田団『うん、さようなら』、劇団チャリT企画『パパは死刑囚』、KUNIO14『水の駅』『Nightmare Hospital』など。

藤田晃輔プロフィール

1994年生まれ。福島県出身。フリーランスとして映画・演劇などを中心に活動。

主な出演作は映画『サクリファイス』(2020)、『アポトーシス』(2020)、 『リインシデンス』(2021)、『ウィーアーデッド』(2022)、『愛の茶番』(製作中)など。舞台作品は艶∞ポリス『PARTY PEOPLE』、江本純子の行動作『渇望』など。

映画『もうひとつのことば』の作品情報

【公開】
2022年(日本映画)

【監督・脚本・編集】
堤真矢

【キャスト】
菊池真琴、藤田晃輔、中山利一、連下浩隆、新井敬太、山田良介、澤麻衣子、小高えいぎ、前田薫平、藤岡有沙、風さり、伊藤梢、高草木淳一、水野大絆、 佐々木しほ、Antonio Angelov、Ellen Reiter

【作品概要】
東京オリンピックが延期となった2020年夏の東京を舞台に、ワンコイン英会話カフェで出会った一組の男女を描く軽妙な会話劇。門真国際映画祭2021で映画部門・審査員特別賞を受賞するなど、国内の映画祭で高い評価を受けた。

監督を務めたのは『パラレルワールド・シアター』で知られる堤真矢。W主演を務めたのは『あの日々の話』『四人姉妹』の菊池真琴、『サクリファイス』『アポトーシス』の藤田晃輔。ともに本作が初の劇場公開主演作であり、二ヶ国語を自在に操る魅力的な演技を披露している。

映画『もうひとつのことば』公式サイトはコチラ→

映画『もうひとつのことば』のあらすじ


(C)2021 Tick Tack Movie

2020年夏、少し人通りの戻り始めた東京。カフェの一角でワンコインで気軽に英会話が楽しめる「ワンコイン英会話カフェ」に、数名の男女が参加していた。

仕事や経歴など噓をついて会話に参加し、ささやかな承認欲求を満たす女性・ミキと、アメリカでの活動を志すも渡航を制限されている俳優の青年・健二は、会話の流れから意気投合し、共に「別人になりきって英会話カフェに参加するゲーム」に興じるようになる。

そのゲームのルールはふたつ。
「お互いの人生に立ち入らないこと」そして「日本語では嘘をつかないこと」。

心地よい距離感を保ちながら、カフェでの英会話やそこで出会った人々との時間を楽しみ、停滞していた自分の現実から束の間の逃避を楽しむ二人だったが……。

映画『もうひとつのことば』公式サイトはコチラ→




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