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【松重豊インタビュー】映画『ヒキタさん!ご懐妊ですよ』北川景子の魅力が作品の多くを成立させてくれた

  • Writer :
  • 桂伸也

映画『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』は2019年10月4日(金)より全国ロードショー!

作家・ヒキタクニオさんの実体験を綴ったエッセイが原作の映画『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』は、これまであまり取り上げられることのなかった妊活をテーマにした作品。

アラフィフ男性と年の差婚を果たした若き妻が、さまざまな困難にぶち当たりながら妊活に向けて明るく前向きに乗り越えていく姿を、ユーモアを交えて描き出した物語です。


(C)Cinemarche

この物語で妻の強い願いにこたえ、妊活に向けて必死に向き合う主人公・ヒキタクニオ役を演じたのが、俳優・松重豊さん。

そして年の差を乗り越えクニオと結婚、子供の出産を強く願う美しき妻・サチ役を女優の北川景子さんが担当します。

近年バイ・プレーヤーとして高い評価を得ており、さまざまな作品に引っ張りだこながら、本作で映画初主演を果たした松重さんに、今回はインタビューを行いストーリーの印象や、ご自身としての妊活についての印象などをたずねてみました。

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テーマへの向き合い方


(C) 2019 「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」製作委員会

──男性の妊活というテーマに、どのような印象を受けましたか?

松重豊(以下、松重):演じるということ自体については、何らかに自分を置き換えればなんとかなるだろうと、それほど難しくは考えていませんでした。今回の作品も、その上で「どんな映画にしたいか」と決まったことに沿って、演じるという格好でした。

ただ、このテーマはデリケートな問題ではあるし、見ていて不快な思いをする人が出ないようにしなければいけないということは考えていました。大枠はプロデューサーや監督が考えることではありますが、僕自身も考えたところです。

また一方で原作者のヒキタクニオさんは作風もご自身もなかなかマッチョな方なんですが、そんな方がこんなエッセイを書かれた、ということに可愛らしさは感じました。

だからその可愛らしいと思う部分を、多少増幅させるほうがいいのでは?などということを多少考えたりしていました。

男性の妊活という問題


(C) 2019 「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」製作委員会

──男性の妊活に関して、普段周囲や身近なところで話を見聞きされたことはありますか?

松重:あまりありませんでした。でもこの作品への出演によっていろんな取材を受けた際にこの悩みを明かされる人が非常に多く、とても驚きました。

だからもしこの作品をきっかけに、この問題に関してそんな人たちがいろんな人と話しができるようになったら、この作品はいいチャンスをもたらすものになるのではないかと思いました。

──男性の不妊治療については、ご自身でも詳しく調べられましたか?

松重:予備知識としては、今回の映画の台本とそれに伴う資料に目を通したくらいです。

ただ実際に病院に行って妊活に向き合っている方たちと話した際に、現場の話や空気とか、その体験談を聞いて「こんな世界でやられているんだ」と追体験しながら役を演じることができました。

ヒキタさんご自身も、産婦人科の待合室で「なんだこの部屋?」みたいなことを感じたと思うんですが、僕もリアルに「ここでやるのか!?」と思いました(笑)。その意味では全部、リアルに作品と一緒に勉強していった感じではあります。

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ヒキタさんとサチさんの関係


(C) 2019 「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」製作委員会

──ヒキタさんとその妻、サチさんとの関係は、どのようなものだと考えられましたか?

松重:ヒキタさんとサチさんは一回り以上の年の差夫婦ですが、主導権は奥さんが握っているので、彼女の希望に沿うのが、この夫婦にとっての正解だと思っているんです。

この物語のように不妊治療に格闘しながら、夫婦の絆を深め合ったその過程というのは、お互いにかけがえのないものになったはずなんです。

子供はいつか家を出るので、最終的に家には夫婦しか残らない。子供ができた夫婦もできなかった夫婦も、将来は同じなんですよね。

男が変に意固地にならずに、奥さんが望むことに真摯に向き合うことが、最善の結果をもたらすことにつながります。

女優・北川景子の魅力


(C) 2019 「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」製作委員会

──サチさん役を演じられた北川景子さんの魅力は、どのように感じられましたか?

松重:彼女は僕との年齢差をそれほど感じていなかったようで「あれ?そんなに年の差がありましたっけ?」と言っていました。

また彼女が演じるサチさんにはリアリティがある。だから「この妻のために」とヒキタさんが困難な状況に立ち向かえる画ができたと思うんです。

彼女の魅力は、強さ、そして女性のはかなさといったものを全身からみなぎらせている姿で、そこにだれもが共感すると思うんです。だからこの作品を試写で見終わったときに、改めて彼女でないと成立しなかった作品だったと、心底思いました。

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ヒキタクニオという人間の人物像


(C) 2019 「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」製作委員会

──実際にヒキタクニオさんとはお会いされましたか?

松重:撮影中に一度慰問に来られた際にお会いしました。田舎も同じで年齢もそんなに変わりませんが、見た目のキャラクターは全然違う方です。

とても魅力的な方で、ユーモアがあり、柔らかい部分もある。そんなヒキタさんの姿から、間違った演技はしていないと確信しました。

──ストーリー上でのヒキタさんという人物は、どのような方だと考えましたかね?

松重:フリーランスでいわゆる売れっ子作家であり、普通のサラリーマンの方とは違う価値観を持たれている。その意味では、僕らの職業と置き換えても、それほど違いはないかと考えていました。

主役、脇役という住み分けはない


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──先日北京映画祭で「演じる上で主演と主演じゃないというところに、それほど演じ方を変えるようなことはない」という話をされていましたが、今回映画初主演ということの達成感はありませんでしたか?

松重:主演という意味では、特には。達成感ということでは、監督からOKが出た段階でそのシーンでの役割は終わりなんです。だからクランクアップで最後のシーンを撮り終えたら、僕の仕事はほぼ終わっているんです。

また特に演技的に主演だからこう見せたい、俺はこうしたい、といった思いは皆無です。

──バイプレーヤーという評価を高く受けられている松重さんですが、そもそも主役というポジションを演じるということで、住み分けを考えられたりすることはあるのでしょうか?

松重:ありません。特に僕らは自分がどうしたいということより、それそれの役柄で作品としての幅が広がるということを考えるのが楽しいので。

今回はたまたま主役でしたが、これがもし(濱田)岳くんの役で自分にオファーが来たとしても、それに対して面白くやることは考えていたでしょうし。

バイプレーヤーという言葉が浸透してきたものも最近になってからだと思いますが、そう呼ばれると、自分もその一部かと改めて思う程度なんです。

松重豊(まつしげゆたか)のプロフィール


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1963年生まれ。蜷川スタジオを経て、1992年、黒沢清監督『地獄の警備員』で映画デビューを果たします。

以降、舞台、ドラマ、映画と幅広く活躍。『しゃべれども しゃべれども』で第62回毎日映画コンクール男優助演賞、『ディア・ドクター』で第31回ヨコハマ映画祭助演男優賞を受賞と、高い評価を受け注目を浴びます。

以後テレビドラマでは『孤独のグルメ』シリーズ、『アンナチュラル』、『悪党~加害者追跡調査~』、大河ドラマ『いだてん~東京オリンピック噺~』など多くの作品に出演。また、エフエム横浜「深夜の音楽食堂」にてラジオパーソナリティも務めるなど、幅広く活動しています。

インタビュー・撮影/桂伸也

映画『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』の作品情報


(C) 2019 「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」製作委員会

【日本公開】
2019年(日本映画)

【脚本・監督】
細川徹

【キャスト】
松重豊、北川景子、山中崇、濱田岳、伊東四朗

【作品概要】

舞台演出、脚本執筆などでも知られる細川徹監督が演出を務め、バイプレーヤーとして高い評価を誇る松重豊が映画初主演、その松重が演じる作家の、年の離れた妻役を北川景子が担当する笑いと涙のドラマ。

50歳を目前にした一人の作家が妻の一言で子作りに奮起、妊活にいそしむ毎日の生活を通して結婚生活の実態やそこにうごめくさまざまな思いを描き出します。

原作は作家・ヒキタクニオが著したエッセイ。また作品は「第9回北京国際映画祭」でワールドプレミア上映されました。

映画『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』のあらすじ

49歳の作家ヒキタクニオ(松重豊)は、OLで年下の妻サチ(北川景子)と生活のサイクルは違えど、仲睦まじい生活を送っていました。

ずっと夫婦二人で生きていこうと決めていたクニオでしたが、ある日の夜、二人での帰宅の途にサチから「ヒキタさんの子供に会いたい」と告げられます。

こうして二人の妊活はスタート。生活のサイクルを合わせ、果敢にチャレンジする二人でしたが、サチは一向に妊娠する気配がありません。

心配になり、二人そろってクリニックで検査を受けると、クニオの精子に不妊の原因があることが判明。

ビールが大好きな一方でジムにも通っており、健康を自負してたクニオはショックを受けるも奮起し、生活改善にいそしむことに。

それでもなかなか実を結ばず、病院の専門医(山中崇)からは「次の段階への移行を考えられてみては」と人工授精などの先進手段を勧められることになります。

そんな中、ヒキタさんの仕事相手である出版社の編集者(濱田岳)はクニオに、その気もないはずなのに「また子供が生まれた」と報告、プレッシャーを浴びせます。

一方ではサチの父(伊東四朗)より子づくり、ひいては二人の結婚自体を否定され、二人は生活の中で次第に不安と苛立ちを見せ始めるます。

果たして、二人は子供を授かることができるのでしょうか?

映画『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』は2019年10月4日(金)より全国ロードショー

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