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Entry 2022/07/14
Update

レジェンド・オブ・ゾロ|ネタバレあらすじ感想と結末の解説評価。キャサリン・ゼタ=ジョーンズとアントニオ・バンデラスのゴージャスカップルが華麗なアクションを披露する

  • Writer :
  • 谷川裕美子

ゴージャスカップルが繰り広げるノンストップアクション

1998年公開のヒット作『マスク・オブ・ゾロ』の続編。前作に続きマーティン・キャンベルが監督を、アントニオ・バンデラスとキャサリン・ゼタ=ジョーンズが主演を務めます。

製作総指揮は名匠スティーヴン・スピルバーグ。

共演はルーファス・シーウェル、ニック・チンランド、アドリアン・アロンソ。

妻のエレナと愛息と穏やかな日々を送っていたアレハンドロがふたたび怪傑ゾロに扮し、アメリカ転覆を企む秘密結社との戦いに挑むさまがスリルたっぷりに描かれます。

映画『レジェンド・オブ・ゾロ』の作品情報


(C)2005 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

【公開】
2006年(アメリカ映画)

【脚本】
アレックス・カーツマン、ロベルト・オーチー

【監督】
マーティン・キャンベル

【出演】
アントニオ・バンデラス、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、ルーファス・シーウェル、ニック・チンランド、アドリアン・アロンソ

【作品概要】
ヒット作『マスク・オブ・ゾロ』に続き、『007 カジノ・ロワイヤル』(2006)のマーティン・キャンベル監督、『デスペラード』(1995)のアントニオ・バンデラス、『シカゴ』(2003)のキャサリン・ゼタ=ジョーンズがふたたびタッグを組んだアクション大作第2作目。

E.T.』(1982)『ジュラシック・パーク』の巨匠スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を務め、『M:I-3』(2006)のアレックス・カーツマンとロベルト・オーチーが脚本を担当しています。

最強夫婦を演じるバンデラスとゼタ=ジョーンズに加え、彼らの息子・ホアキンを演じるかわいいアドリアン・アロンソの見事なアクションも必見です。

映画『レジェンド・オブ・ゾロ』のあらすじとネタバレ


(C)2005 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

1850年。貧困にあえぐカリフォルニアは、アメリカ31番目の都市になるための歴史的な投票を迎えていました。

無事投票が終わったところに突然銃声が鳴り響き、悪党のマクギブンスが仲間を引き連れて現れて投票箱を奪い取って逃げ去りました。パニックを起こす民衆の前にゾロが現れ、悪党らを追いかけます。

ゾロはマクギブンスらを蹴散らして見事投票箱を取り返しますが、一瞬マスクをとられたゾロはとある男たちに顔を見られてしまいます。その後ゾロは投票箱を民衆に届け、歓喜のうちに迎え入れられました。

帰宅したゾロことアレハンドロを妻のエレナが出迎えます。自由を手に入れたと喜ぶエレナでしたが、あと3カ月カリフォルニアが併合されるまでゾロを続けるという夫の言葉に怒り、そのままケンカ別れしてしまいます。

町で買い物していたエレナは、ゾロの素顔を見た男たちに接触されます。

その後、エレナのもとに帰ろうとしていたアレハンドロのもとにエレナの代理人が現れ、離婚の申し立て書を渡しました。

離婚から3カ月後。司祭のもとに置いてもらっていたアレハンドロは、市場で友人のギエルモと出会います。

しかし、その後マクギブンスが現れ、ギエルモに土地の権利書を要求。マクギブンスに反抗して両頬を殴られたアレハンドロを、息子のホアキンは悔しそうに見ていました。

パーティーに出席したアレハンドロは、主催者のアルマン伯爵とエレナがつき合っていることを知ります。アルマンへの敵意をむき出しにしたアレハンドロがエレナの前に進み出るのを、ゾロの素顔を知る男たちがみつめていました。

嫉妬でエレナをののしるアレハンドロを、彼女は思わずひっぱたきます。去って行く元夫を、エレナは悲し気にみつめていました。

酔って馬に振り落とされたアレハンドロの目の前の森で、大きな爆発が起こりました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには映画『レジェンド・オブ・ゾロ』ネタバレ・結末の記載がございます。映画『レジェンド・オブ・ゾロ』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)2005 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

翌日、森の近くのシャトーにいたエレナと伯爵の身を案じて会いに行ったアレハンドロ。彼は、アルマンとポロで勝負しますが、エレナの細工した鞍ごと落馬して敗北します。

ギエルモの家にマクギブンスが現れ、妻を人質にして土地の権利書を要求しました。そこにゾロが現れて戦います。

しかし、悪者どもはゾロではなくギエルモ夫婦の方を狙い撃ちしようとしました。幼子を抱えて奮闘する母親を、燃え盛る小屋から救い出したゾロ。しかし、ギエルモはマクギブンスに殺されてしまいます。

エレナはゾロの正体を知る男たちと連絡をとりあっていました。アルマンとの食事の後、エレナはトイレに行くと偽って別の部屋の鍵を開けて中に忍び込みます。その間にゾロもまた屋敷に入り込んでいました。

一方、マクギブンスがアルマンを訪れ、土地の権利書を渡します。彼らは手を組み鉄道を建設しようとしていました。

エレナは受信機を見つけ出し、アルマンらが爆破実験していたこと、明日最後の集会を予定していること、そしてオービス・ウナムという文字をハンカチに写し取りました。

窓の外に潜みベランダに飛び移ったところで鉢合わせしたゾロとエレナ。そこに突然アルマンが現れ、エレナにプロポーズします。エレナは彼にキスをして気をそらし、アレハンドロを逃がしました。

屋外授業中だったホアキンたちの前に、マクギブンスたちが井戸の水を飲みに現れました。ホアキンは彼らの馬車の下に張りついてついて行きます。

彼らがせっけんの荷揚げをしているのを見ていたホアキンは捕まってしまいますが、ゾロに助けられます。荷箱にあった「オービス・ウナム」という文字をみつめるゾロ。

その後、ゾロは「オービス・ウナム」がアメリカを倒すためのアラゴン王国の秘密結社の名だと知ります。

結社の集会の夜。エレナは強引にアルマンと遅い夕食をとる約束をし、屋敷を訪れます。応接室に通されたエレナは、すぐに窓から抜け出しました。

一方のゾロは、ゾロの素顔を知る男に町なかで針を刺されて意識を失います。実は彼らは政府公認の探偵捜査員で、エレナにスパイの役目をしてもらっていました。

彼らがゾロの正体をばらさないという条件で離婚させたことも知ったゾロは逆上します。

ホアキンの助けで牢屋を抜けだすアレハンドロ。牢番たちをなぎ倒す強い父を見てホアキンは驚きます。息子を司祭に預けてゾロはアルマンのもとへと向かいました。

エレナが敵と戦っているところにゾロが加わり、力を合わせて倒します。2人は結社の会合にしのびこみ、せっけんが強力な爆薬ニトログリセリンを抽出するためのものだったことを知ります。

せっけんを南部連合軍に渡し、北軍と争わせてアメリカを弱らせることが彼らの狙いでした。

そのころ、マクギブンスたちが教会にやってきてゾロを出せと司祭に迫ります。司祭は応戦しますが撃たれてしまいました。目撃していたホアキンを抱えてマクギブンスは立ち去ります。

ニトロの抽出工場を訪れたアルマンを追ってゾロとエレナは忍び込みますが、急にアルマンが屋敷に戻るのを知って、エレナも慌てて戻っていきます。

なんとか応接室にすべりこんだエレナでしたが、実は捜査員たちとつながっていることがばれていました。連れて来られたホアキンとともにエレナが捕らえられる姿を、ゾロがみていました。

ゾロは列車にニトロを仕掛けていましたが、連れて来られた妻子を前に爆弾を外すしかありません。捕らえられたゾロはマスクをはぎ取られました。

ゾロが父だったと知ってホアキンは驚きます。子どもの前で殺さないでくれというエレナの懇願をアルマンは聞き入れます。

反撃に出たゾロにマクギブンスが銃を向けたその時、死んだはずの神父が飛び出して加勢します。誤って滑車に巻き込まれたマクギブンスの額にニトロがひとしずく落ちて爆発。胸の十字架が銃の弾を食い止め命拾いした神父とゾロは抱き合います。

その頃、アルマンはエレナとホアキンとともにニトロを運ぶ列車に乗っていました。ゾロは黒馬のトルネードに乗って列車を追いかけ、馬小屋の屋根を打ち破り中に入りこみます。

エレナたちのいる車両に飛び込むゾロ。エレナは息子にひとりで逃げるようにいって、彼の乗る車両を切り離しました。ホアキンはトルネードに飛び乗って駆け出します。

剣の使い手のアルマンに苦戦するゾロ。エレナもアルマンの部下と死闘を繰り広げます。

途中駅でカリフォルニア併合の祝賀集会に集まっていた人々は、暴走列車に気づいてパニックに陥ります。ホアキンは線路を切り替えて列車の進路を変え、人々の命を救いました。

一方、列車ではゾロにエレナが加勢し、アルマンを列車に固定してふたりで列車から退避します。

暴走列車はそのまま障害物に衝突し、ニトロの威力でアルマンもろとも木っ端みじんに吹き飛ばされました。ゾロとエレナはしっかりかたく抱き合いました。

アレハンドロとエレナは再び結婚式を挙げました。そこにゾロを呼ぶ鐘の音が響き、エレナは式を早く切り上げるように司祭に言います。夫婦は熱いキスを交わしました。

ゾロに姿を変えたアレハンドロの雄姿を、エレナとホアキンが笑顔で見送ります。

映画『レジェンド・オブ・ゾロ』の感想と評価


(C)2005 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

美男美女が魅せる数々のアクション

大人気映画『マスク・オブ・ゾロ』の待望の第2弾『レジェンド・オブ・ゾロ』。目を隠すマスクに大きなハットというシンプルないで立ちのゾロが、ひらりとマントを翻し華麗な身のこなしで悪党どもを倒していく痛快なストーリーで、期待を裏切らない最高の面白さです。

スペインの荒馬アントニオ・バンデラスと、キリリとした瞳が印象的な絶世の美女キャサリン・ゼタ=ジョーンズのゴージャスカップルが見事なアクションを繰り広げます

バンデラスは名匠ペドロ・アルモドバル監督作の常連で「アルモドバルの美神(ミューズ)」と呼ばれる繊細な演技をみせる一方で、「デスペラード」シリーズや本作のヒットによりラテン系のセクシー俳優として大ブレイクしたスター俳優です。

対するキャサリン・ゼタ=ジョーンズにとっては本作が出世作となります。公開同年には「ピープル」誌では最も美しい人物に選ばれた美貌の持ち主です。以降『シカゴ』でオスカーを獲るなど更なる飛躍を遂げています。

平穏な生活を送っていたアレハンドロは、カリフォルニアのアメリカ併合をめぐり再びゾロとなって人々のために力を尽くしていました。

一方、息子のホアキンを授かり家族を第一に考えるようになった妻のエレナは、アレハンドロがゾロを引退することを願っていましたが、彼には人々を裏切ることができませんでした。

仲がこじれていたところにゾロの正体を目撃した探偵社員が現れたことから、2人は離婚することになってしまいます。

体と体でぶつかり合う接近戦での息もつかせぬ連続したアクションを繰り広げ、黒馬トルネードに乗って駆け抜けるバンデラスのカッコよさは格別です。

アメリカ解体を企む秘密結社との激しい戦いに加え、エレナにべた惚れの黒幕・アルマンも交えたアレハンドロとエレナの恋の行方も大きなみどころ

本作でもうひとつ注目したいのは、かわいいひとり息子・ホアキンの存在です。

悪党相手でも教師相手でもひるむことなくパチンコ玉で立ち向かっていくホアキンは、剣の達人でもあります。

机に飛び乗ったり、高いところから滑り降りたりと軽やかに身をこなし、大きな黒馬を乗りこなすホアキンの見事なチビゾロぶりは必見です。

父の正体が実は最高に強いゾロだと知ったときの、少年の喜びの表情にも注目です。

まとめ


(C)2005 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

大人気アクション映画『マスク・オブ・ゾロ』の待望の続編『レジェンド・オブ・ゾロ』。第1作目に主演を務めた大人気俳優のアントニオ・バンデラスとキャサリン・ゼタ=ジョーンズがふたたびタッグを組み、華麗なアクションで楽しませます。

今回はアメリカ転覆を企む冷酷な秘密結社をゾロの正義の剣が切り裂き、妻エレナも見事な身体能力で共に戦います。頼りになるチビ剣士の息子・ホアキンの活躍ぶりからも目が離せません。

結社の幹部の伯爵を絶世の美貌で虜にするエレナと、嫉妬に狂わんばかりのゾロとの熱い恋模様も必見です。彼らの美しいツーショットと熱いラブシーンには思わず目を奪われることでしょう。

アップテンポで飽きさせない極上のアクションエンタテイメントにたっぷり酔いしれて下さい。




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